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大学入学のため引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。標的は――たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ! 四散した断片が描き出す物語の全体像とは? 注目の気鋭による清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
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Posted by ブクログ
風はさほど冷たくなかった。関東から引っ越してきたばかりの僕は、東北の四月はまだまだ寒いだろうと決めつけていたので、拍子抜けするくらいだった。
つまり僕は、寒くもないのに震えている。首を傾けて空を見ると、雲がすっかり月を覆っていた。
モデルガンを握りしめ、ドアを蹴飛ばしながら、引っ越してきた日のことを思い出す。
──たった二日前のことだ。
第25回吉川英治文学新人賞受賞作。2007年に映画化され、映画自体も数々の賞レースに名を刻んだ、伊坂幸太郎作品の中でも指折りの名作。
言葉にするのが難しいんだけど、派手なドンパチで物語を味付けするのではなく、叙述トリックやカットバックで物語を描いていき、後半に差し掛かるあたりから加速していく疾走感が素晴らしい。ラスト100ページくらいからは、ページを捲る手が止まりませんでした。
やっぱり、名作と言われる作品の持つ『物語力』みたいなものは素晴らしいね。没入感が半端ない。そしてリドルストーリーだってところも、作品の余韻を強く表現してますよね。読み手側に想像させる余白を残すところがまた良い。
伊坂幸太郎作品の積読まだまだあるので、『まだまだ名作に触れられる』ってワクワクしながら、少しずつ積読のヤマを崩していけたらいいなと思います。
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ボブ・ディランはまだ鳴っているんだろうか?
大学入学のため引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の青年。
初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。
標的は──たった一冊の広辞苑。
僕は黄門販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。
しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ!
四散した断片が描き出す物語の全体像とは?
注目の気鋭による清冽な傑作。
第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
複雑だけど良い
動物が痛めつけられている描写はすごく不快で、犯人が最終的にどうなったか分かるまでとても長く感じた。
途中、過去から現在へ場面が変わって全ての話がつながった瞬間は、伊坂作品の良さを感じられて良かった。
それぞれの場面での人の顔や風景までイメージの沸く読みやすい作品で、かつストーリーも満足度の高いものだった。タイトルの伏線回収までしっかりされており、気持ち的には晴れないけれど、スッキリ読み切れた感じ。
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