あらすじ
大学入学のため引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。標的は――たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ! 四散した断片が描き出す物語の全体像とは? 注目の気鋭による清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
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一段、自分のレベルが上がった気がした。完読できるか不安だったけど、2日で読み切れた。あまり小説を読まないから群像劇や短編集を中心に読みあさってて、伊坂幸太郎作品繋がりで名前を知っていたが、長編のハードルもあって、しばらく購入を控えてた。積み本を消化したので意を決して会社帰りにこの本を含めて4冊購入。読み始めると次が気になりはじめて、普段は一章一夜くらいのペースだけど、休憩を挟みつつ日中読んで夜も読んだ。評判がいいことだけあって、たしかに面白かったし、これを基準にすると、過去読んだ逆ソクラテスやパズルと天気の評価が相対的に落ちるのも頷けた。自分は逆ソクラテスも好きだったけど。なんとなく予測できる展開があって、あーやっぱりこういう感じに進むよなって思ってたら、突然その上を超えてきた感じがあって、今までで1番どんでん返された体験ができた気がする。この本を読んで、読みやすい小説は確実にあるなと思ったし、ストーリーもだけど、キャラの言い回しとか好きだった。ファンがいることも納得。日曜月曜と夢中になって読んだからか、人生で初めて眼精疲労みたいな感じになった。
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In the end, everything comes together, and the book turns into a really exciting read, with a clever twist that reminded me of Initiation Love.
An optimistic way of thinking—like the one often associated with Bhutan—might not work for everyone, but personally, I found it very relatable and felt a strong connection to it.
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こりゃ脱帽です。すごすぎる。
そりゃ騙されるわ!気づかんわ!って思った。
でもやっぱり伊坂幸太郎の重めのテーマ設定なので、考えさせられるなあと思いました。
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現在、大学進学のため、一人暮らしを始めた椎名は、アパートの隣の住人の河崎に「一緒に本屋を襲わないか」と誘われる。
疑問を持ちつつも、流されるままに襲撃に手を貸した。
一方、二年前、ペットショップ店員の琴美とブータンからの留学生のドルジは、頻発する「ペット殺し」に巻き込まれてしまう。そこに、琴美の元恋人の河崎もドルジの日本語の先生になると関わってくる。
現在の椎名が抱く疑問を二年前の出来事を通して、少しづつ、終盤には一気に解明していく。
なんて切ない物語なんだろう。
現在と二年前がシンクロしていく。
現在の椎名にとっては、意味の分からない様なことも、二年前にはすでに存在している。二年前に三人で話したり笑い合っている。
ブータンでは、死んでも生まれ変わると信じられている。でも、その未来より二年前に心が囚われたドルジが哀れで切なすぎる。
コインロッカーに閉じ込められた神様よ。
どうかそのまま、ボブ・ディランを口ずさみながら、見ないふりをしてほしい。
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ブータンの国民性(因果応報だから悪いことはしない、生まれ変わりはあるから死と恐怖は別物、自分のことよりも他人のことを祈る)、倫理観が曲がった若者、出会いと運命、といったテーマ設定が面白かった。
他人に興味がない麗子さんが、琴美と河崎、ドルジに出会って、助けれる人は助けるといった信念を持つようになったのに感動した。
意外と外国語習得の極意も散りばめられていたので英会話実践してみたくなった。
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河崎、ドルジ、琴美の物語の終盤に巻き込まれる椎名の話。
高校卒業後、上京したてでまだあるべき自分がないなかで、何か刺激的な香りがする河崎にどことなく惹かれてしまう気持ちはすごくわかる。
読者としては、そんな素直でどことなく頼りない椎名の考察や言動が頓珍漢であることにいじらしさを感じつつも、彼らの物語を受け入れ、人間的に成長したと思う。
実家に帰り、家業を継ぐのかもしれないが、頼りがいのある椎名になるのではないか、と個人的には考えている。
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伊坂幸太郎さんの『アヒルの鴨のコインロッカー』、です。
大学進学のため仙台に引っ越してきた椎名は、アパートの隣人である青年・河崎と出会います。河崎は椎名に親しげに接し、ボブ・ディランの歌をきっかけに会話を重ねた後、「広辞苑を盗むために本屋を襲わないか」と呼びかけます。椎名は半ば流される形でこの計画に加わり、モデルガンを持って書店に向かい、本屋を襲います。
一方、物語と並行して二年前の出来事が描かれます。仙台でペットショップに勤めていた琴美は、ブータン人留学生のドルジと恋人関係にあり、穏やかな日常を送っていました。その頃、仙台では動物を標的にした連続虐殺事件が発生しており、琴美は犯人グループと夜の公園で偶然出会い、彼らに狙われることになります。
当時、琴美とドルジの周囲には河崎という青年が存在しており、攫われそうになる琴美を助けてくれていました。また、河崎はドルジに日本語を教えてくれる存在でもありました。しかしその後、河崎は病を苦に飛び降りてしまいます。広辞苑は、日本語教師である河崎とドルジの繋がりを表現しています。
さらに、ペット虐待犯を追う過程で、琴美は彼らが逃走しようとする車に跳ねられ、命を落としてしまいます。琴美は死の直前、少し先の未来でドルジが犬を助けるために車に飛び込む場面を夢に見ていました。
現在に戻り、椎名はペットショップの店長・麗子から真実を聞かされます。椎名が隣人として接してきた「河崎」は、実際には河崎本人ではなく、ドルジが河崎の名を名乗っていた存在であることが明らかになります。
ドルジが広辞苑を手に入れようとし、本屋襲撃を計画したのは、琴美を死に追いやった本屋ではたらいていた犯人・江尻に辿り着くためでした。その目的のため、彼は河崎を演じ続けていたのです。
琴美を理不尽な暴力によって失い、さらに友人であった河崎も病で亡くしたドルジは、異国の地で深い孤独と悲しみを抱えていました。彼は、琴美から教わった「神様の声」であるボブ・ディランの歌を心の支えに、復讐を決意していました。ただし、その復讐の方法は直接的な暴力ではなく、犯人の江尻を捕らえて木に縛り付け、その行方を自然に委ねるというものでした。
物語の最後、椎名はドルジとの別れの場面で、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を流したラジカセをコインロッカーに入れ、「僕たちは神様を閉じ込めてみたんだ」と呟きます。
ボブ・ディランはまだ歌っているだろうか、と。
…アヒルと鴨は、見た目がよく似ているのに、実は違う存在です。しかし、知らない人や遠目で見ている人には、区別がつきません。アヒルだと思って見ていたものが、実は鴨だったことはあります。
そして、椎名は最後に善悪の判断をつける存在である神様をロッカーに閉じ込めました。いろいろ考えさせられますよね。
伊坂幸太郎さんの代表作って本屋大賞をとった『ゴールデンスランバー』何でしょうけれど。
私はこの作品すごいと思います。
複雑だけど良い
動物が痛めつけられている描写はすごく不快で、犯人が最終的にどうなったか分かるまでとても長く感じた。
途中、過去から現在へ場面が変わって全ての話がつながった瞬間は、伊坂作品の良さを感じられて良かった。
それぞれの場面での人の顔や風景までイメージの沸く読みやすい作品で、かつストーリーも満足度の高いものだった。タイトルの伏線回収までしっかりされており、気持ち的には晴れないけれど、スッキリ読み切れた感じ。
河崎の正体は伏線も多くて分かったけど、琴美は死んだと思わせて生きてる? とか、麗子を信じるなとか黒幕? とか色々予想できて面白かった。
裏口が悲劇に繋がってるとか、アヒルと鴨の話とタイトルの繋がりとか、あーこれも繋がってくるのかーと伏線の回収がすごいなと思った。
シッポサキマルマリの持ってきた数字選択くじの番号がコインロッカーの番号かと推理したけど別の思惑だった。
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2年前と現在が交互に描かれている。
最初は本屋襲撃と過去の話がどう絡んでいくのか、どうなるんだろうとワクワクした。
中盤からは答え合わせのように展開が進んでいくので面白くてどんどん読み進めた。
ペット殺しの描写は動物好きとしては胸糞悪かった。
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最近読んだ本でかなり面白い本でした!!
本の世界観が癖になる感じで最初の方は一体何を読んでいるんだろう??とハテナがいっぱいでした。
後半から前半の不思議に感じていた所や何気ない描写が繋がっていくところは読んでいて感動でした!
終わりは何だか寂しさがあったけど、生まれ変わりがあるなら、これはきっといい終わりなんだろうなぁと思えました。
また忘れた頃に読み直ししたいなぁ〜
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎好きはここから始まった。記録しておかないといけない一冊なのに今頃。
椎名は大学に通うためにアパートを借りる。
隣の部屋に河崎が住んでいた。
ディランの歌をきっかけに言葉を交わし、突然本屋を襲う片棒を担がされることになる。
それが現在の話。
並行して二年前の出来事と、交互に話が進んでいく。
二年前は、ブータンからの留学生ドルジとペットショップの店員琴美が付き合っていた。
河崎はドルジに日本語を教えていた。
その頃(二年前)ペット殺しが発生する。公園で犯人グループを見たドルジと琴美は彼らに狙われるようになる。
琴美は犯人をつかまえようとして、危険な道を走り出す。
椎名は河崎言うところの、本屋襲撃(広辞苑を盗むこと)の共犯になり、予定通り「広辞苑」を盗んだがそれは「広辞林」だった。
暖かくスリルがあり、テンポもいい。
先に見た映画(DVD)では
河崎に瑛太、椎名に濱田岳。ドルジと琴美は知らない俳優で、ペットショップの店長が大塚寧々。
キャストはこれでイメージが固まった。先に映画を見ておくとストーリーがわかりやすい。
現在と二年前が並行して進む設定は斬新で、謎の部分が最後にすらすらと解けていくのがまさに雲ひとつない晴天に出会ったように文章は爽快、気の利いた会話と悲劇的なストーリーもすばらしい。
伊坂さんは「重力ピエロ」の人、という強い印象があって。冒頭の「春が二階からおちて来た」というひとことで俯瞰できそうな展開、いつか兄弟の重力のなくなった家族関係に嵌り、これだけでもう伊坂さんを読んだことにして今に至っているが。
改めて伊坂さんを調べてみると有名なものも読んでない。
気が付くと先が見えないほど無駄に高い本の闇に取り囲まれているし。
その上性格もあって急ぐあまり読んだものも書いてなくて、改めてしっかり記録を残さないとと思うと、再読沼に落ちそうになる。
つい読む時間に追われ記録から目をそらしてしまう。昔から読み手で来て書き手ではないことを痛感。
「重力ピエロ」と「オーデュポンの祈り」のような世界に伊坂さんを縛り付けているようで、成長する作家のその跡を追っていない。
読んだ初期のもの
重力ピエロ
アヒルと鴨のコインロッカー
陽気なギャングが地球を回す
オーデュポンの祈り
ほっこりミステリー
死神の精度
陽気なギャングの日常と襲撃
好きな本がそばで積み重なって崩れそうになっていれば、支え程度でもヨマネバ、書かねばという嘆き節。
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「一緒に本屋を襲わないか」
冒頭数ページのこの言葉に込められた意図や感情を読み解きたい一心で必死にページを捲っていたと言っても過言ではないくらいスルスルと物語の世界観に没頭していった。
「宗教もレッサーパンダも存在しない国に住む必要があるのか」
日本は優しくない。
日本語を流暢に喋れない外国人は舐めれる。
人種差別はダメだと思っていても潜在的に外国人を面倒くさいと思ってしまうのは共感する部分だった。
ブータンには因果応報の考え(善い行いには幸せが訪れ、悪い行いには災いが降りかかる)はあるものの、日本と異なり、"生まれ変わり"を信じる宗教が生まれながらにしてそばにある。河崎には他人のために忖度なしで手を差し伸べることができる人が、その環境自体が羨ましいのではないかと思いました。
"世の中は滅茶苦茶だ。だから今世ではなく来世の生まれ変わりに期待したい"そんな願いも込められているかのような。
最後の伏線回収は見事でおもろしかった!!
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読んでいる途中で、河崎が犯行を行なっていたこともわかったし、琴美が死んでいることもわかってた。でも、河崎が実はドルジであったことには気づけなかったのは悔しい。色々なところに伏線があったのに。
これはただの推理小説ではない。この小説に書いてある全てのことに意味があって、全部が全部繋がっていて、3人の物語と椎名の物語を垣間見た気がする。
結局、アヒルと鴨って誰のとこだろう??ドルジと琴美かな??それとも、河崎と椎名??ドルジと河崎のことだったりもするかな
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人物叙述トリック。お前がドルジか!と騙された。
映像化は難しそう…、と思ったら映画化されていた。
観てみたいような、観たらガッカリするんだろうな、と複雑な気持ち。
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85点。
まあ良かったね。けれど、ぼくはあまりここからいつもの伊坂を感じなかった。たまに、あ、伊坂らしい書きぶりだなと思うことがあっても、伊坂の傑作で良くある一貫したユーモラスな部分がなかったように感じる。途中までは、伊坂の書く純文学というような印象を受けた。あまり純文は読まないから、的外れで怒られるかもしれないけど。
けれど終盤の伏線回収具合はやっぱり伊坂だなと。あの時のあれー!ってなる。それが「すっごい緻密な伏線で完成度が高くて!」という調子ではなくて、「あ、あの時のやつね笑 うわーいいねー」のノリで読んでいけるのが伊坂だと思っている。それが今作でも遺憾なく発揮されていた。
ミステリということでなんだと思ったけど、ジャバウォックで思った、「これが伊坂のミステリね」だった。たしかにそういう作戦あるよね、と。それにちゃんと騙されている自分も大概だけれども。
全体的に良い作品だったと思う。終盤まではあまり伊坂作品特有の、うおーーーっと高まる感情はなかったものの、合格点くらいはあったんじゃないかな。伊坂はもっとテンション爆上げがあるからこそ、この評価。
Posted by ブクログ
2年前と現在をシンクロさせながら進んでいくお話
ブータンでの鳥葬を初めて知りました。
ドルジの死生観はやはり文化の違いがあるのかなぁと思う反面,分かる所もあり切なくもある
微笑みの国の人だからこそ自己犠牲してしまうのでしょうね
優しさ溢れるドルジ,琴美ちゃん河崎が見守ってくれますきっと。
Posted by ブクログ
安定の面白さが秘められた伊坂さんの作品でした。久しぶりに読めてやっぱり伊坂さんの本が好きだなと今回も再確認しました。全くの別世界の話だと思ってた内容の伏線の回収の仕方に新鮮さがありました。人物の重なりあった二つの物語、癖があり面白かったです。
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似た者同士最期まで仲良くやっていこう。そんなフレーズが聞こえてくるようだ。
話の掴みや展開、仕掛けがことごとくハマっていたと思う。二つの視点からなる物語が重なっていく。著者の名著の一つ、拝読させてもらいました。
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時間かかったけど読み終わった。
過去と現在を交互に行き来しながら進む、途中重なる部分もありながら後半伏線回収が凄かった。
川崎が結構感覚が鋭くて好き。
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伊坂幸太郎先生特有の、時間軸を変えて話が進んでいく物語。
自分が主人公だと思っていたら、他でも話が進んでいて、思わず「なるほど!」となった。
どんでん返しという程か?とは思うが、騙されてしまったんだろうと思う。
Posted by ブクログ
10年ぶり?くらいか、覚えていないもんだね
久しぶりに再読
伊坂幸太郎作品ってこういう2つ(複数)の物語繋げていって回収、というパターンが抜群にうまいと思う。
ただ当時とても面白かった印象あるけど今読むとまたちょっと違う印象に(ただただ色々報われて欲しかった)
昔の本、再読期突入
Posted by ブクログ
そうかこれもミステリーなのか。
評価は高いらしいこの作品。伊坂流行りで読んだのだけれど、そうだな、確かに物語は、二人の主人公の話が収束し結びつき、その中で「あーそうだったのか」があって、上手いんだろうとは思うのだけど。
でも多分その二人の主人公が好きになれなくて。
本主人公の椎名は、なんとなく優柔不断で、ちょっとイライラ。行動がわからない。
2年前の主人公琴美は、なぜが自分に迫っている危険を言葉にせず、また河崎への態度もしつこい。怖いことを認めなくないから強がっている、という表記があるものの、なんだか取ってつけたような、そんな印象。こちらも行動に共感できない。
これはキャラ設定の問題というよりも、作りたい物語にするための作者の意図が透けて見えるが故の不満。登場人物の行動への説得力が足りない、と感じてしまった。
でも最初に書いた通り、アイデアはさすがで、「ああそういうこと」のすっぽりはまる感はとても気持ち良い。
そして本主人公が本当の物語の主人公ではなかったというのも面白い。
ただ、ブータン人のドルジが切ない。大義のためなら悪い人を痛めつけても構わないと思うくらい、変わってしまったのが悲しい(それは多分自転車を蹴っ飛ばすのも同じ発想なのだと思う)。
河崎もドルジも、琴美のことが大切だったんだな。
最後、クロシバは元気そうで良かった。
もうすっかり野良なんだろうけど。
Posted by ブクログ
初めは少し身近でゆっくり展開する物語なのかなと予想していたけれど、結末というか真相になるほどと思った。
過去と現在が交互に描かれている理由を何も考えずに読み進めていた、それで良かったのかも。
Posted by ブクログ
現在の椎名視点と2年前の琴美視点の2つの時間軸の物語が交互に流れ、物語の行く末を少しずつ示唆しながら進み、嫌な方向に進むんだろうなと思いながらも、違うといいなと胸をざわざわさせながら読み進めました。大筋はかなり序盤で予見できるし、思ったほどのどんでん返しはなかったですが、次々ピースがはまっていくような物語の展開がよかったです。
琴美視点のラストは救いを感じさせる部分もありましたが、悲しい展開と現在のドルジに二人から受けた影響を感じるのが切ないです。
ブータンの死生観ならどう感じるのだろうかと思いました。