【感想・ネタバレ】アヒルと鴨のコインロッカーのレビュー

あらすじ

大学入学のため引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。標的は――たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ! 四散した断片が描き出す物語の全体像とは? 注目の気鋭による清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

現在、大学進学のため、一人暮らしを始めた椎名は、アパートの隣の住人の河崎に「一緒に本屋を襲わないか」と誘われる。
疑問を持ちつつも、流されるままに襲撃に手を貸した。

一方、二年前、ペットショップ店員の琴美とブータンからの留学生のドルジは、頻発する「ペット殺し」に巻き込まれてしまう。そこに、琴美の元恋人の河崎もドルジの日本語の先生になると関わってくる。

現在の椎名が抱く疑問を二年前の出来事を通して、少しづつ、終盤には一気に解明していく。

なんて切ない物語なんだろう。

現在と二年前がシンクロしていく。
現在の椎名にとっては、意味の分からない様なことも、二年前にはすでに存在している。二年前に三人で話したり笑い合っている。

ブータンでは、死んでも生まれ変わると信じられている。でも、その未来より二年前に心が囚われたドルジが哀れで切なすぎる。

コインロッカーに閉じ込められた神様よ。
どうかそのまま、ボブ・ディランを口ずさみながら、見ないふりをしてほしい。

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2026年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ブータンの国民性(因果応報だから悪いことはしない、生まれ変わりはあるから死と恐怖は別物、自分のことよりも他人のことを祈る)、倫理観が曲がった若者、出会いと運命、といったテーマ設定が面白かった。
他人に興味がない麗子さんが、琴美と河崎、ドルジに出会って、助けれる人は助けるといった信念を持つようになったのに感動した。
意外と外国語習得の極意も散りばめられていたので英会話実践してみたくなった。

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2026年01月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

河崎、ドルジ、琴美の物語の終盤に巻き込まれる椎名の話。

高校卒業後、上京したてでまだあるべき自分がないなかで、何か刺激的な香りがする河崎にどことなく惹かれてしまう気持ちはすごくわかる。

読者としては、そんな素直でどことなく頼りない椎名の考察や言動が頓珍漢であることにいじらしさを感じつつも、彼らの物語を受け入れ、人間的に成長したと思う。
実家に帰り、家業を継ぐのかもしれないが、頼りがいのある椎名になるのではないか、と個人的には考えている。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伊坂幸太郎さんの『アヒルの鴨のコインロッカー』、です。

大学進学のため仙台に引っ越してきた椎名は、アパートの隣人である青年・河崎と出会います。河崎は椎名に親しげに接し、ボブ・ディランの歌をきっかけに会話を重ねた後、「広辞苑を盗むために本屋を襲わないか」と呼びかけます。椎名は半ば流される形でこの計画に加わり、モデルガンを持って書店に向かい、本屋を襲います。

一方、物語と並行して二年前の出来事が描かれます。仙台でペットショップに勤めていた琴美は、ブータン人留学生のドルジと恋人関係にあり、穏やかな日常を送っていました。その頃、仙台では動物を標的にした連続虐殺事件が発生しており、琴美は犯人グループと夜の公園で偶然出会い、彼らに狙われることになります。

当時、琴美とドルジの周囲には河崎という青年が存在しており、攫われそうになる琴美を助けてくれていました。また、河崎はドルジに日本語を教えてくれる存在でもありました。しかしその後、河崎は病を苦に飛び降りてしまいます。広辞苑は、日本語教師である河崎とドルジの繋がりを表現しています。

さらに、ペット虐待犯を追う過程で、琴美は彼らが逃走しようとする車に跳ねられ、命を落としてしまいます。琴美は死の直前、少し先の未来でドルジが犬を助けるために車に飛び込む場面を夢に見ていました。

現在に戻り、椎名はペットショップの店長・麗子から真実を聞かされます。椎名が隣人として接してきた「河崎」は、実際には河崎本人ではなく、ドルジが河崎の名を名乗っていた存在であることが明らかになります。

ドルジが広辞苑を手に入れようとし、本屋襲撃を計画したのは、琴美を死に追いやった本屋ではたらいていた犯人・江尻に辿り着くためでした。その目的のため、彼は河崎を演じ続けていたのです。

琴美を理不尽な暴力によって失い、さらに友人であった河崎も病で亡くしたドルジは、異国の地で深い孤独と悲しみを抱えていました。彼は、琴美から教わった「神様の声」であるボブ・ディランの歌を心の支えに、復讐を決意していました。ただし、その復讐の方法は直接的な暴力ではなく、犯人の江尻を捕らえて木に縛り付け、その行方を自然に委ねるというものでした。

物語の最後、椎名はドルジとの別れの場面で、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を流したラジカセをコインロッカーに入れ、「僕たちは神様を閉じ込めてみたんだ」と呟きます。
ボブ・ディランはまだ歌っているだろうか、と。
 

…アヒルと鴨は、見た目がよく似ているのに、実は違う存在です。しかし、知らない人や遠目で見ている人には、区別がつきません。アヒルだと思って見ていたものが、実は鴨だったことはあります。
そして、椎名は最後に善悪の判断をつける存在である神様をロッカーに閉じ込めました。いろいろ考えさせられますよね。

伊坂幸太郎さんの代表作って本屋大賞をとった『ゴールデンスランバー』何でしょうけれど。
私はこの作品すごいと思います。

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2025年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やられた!
過去と現在を行き来するストーリー構成
最後はどこか希望があるような明るいラストで良かった。といっても完全なハッピーエンドというわけではないけれど

動物が傷つけられる描写が苦手な人には苦しいところがあるかも、、わたしは虐待の描写の部分は流し読みしました。想像すると読めなくなっちゃうと思ったので、、

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2025年12月21日

ネタバレ 購入済み

河崎の正体は伏線も多くて分かったけど、琴美は死んだと思わせて生きてる? とか、麗子を信じるなとか黒幕? とか色々予想できて面白かった。
裏口が悲劇に繋がってるとか、アヒルと鴨の話とタイトルの繋がりとか、あーこれも繋がってくるのかーと伏線の回収がすごいなと思った。
シッポサキマルマリの持ってきた数字選択くじの番号がコインロッカーの番号かと推理したけど別の思惑だった。

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2019年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいる途中で、河崎が犯行を行なっていたこともわかったし、琴美が死んでいることもわかってた。でも、河崎が実はドルジであったことには気づけなかったのは悔しい。色々なところに伏線があったのに。

これはただの推理小説ではない。この小説に書いてある全てのことに意味があって、全部が全部繋がっていて、3人の物語と椎名の物語を垣間見た気がする。

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2026年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現在と過去が交互に描写されているが、どこかそれらが噛み合わない不思議な感じが残されたまま、終盤にその謎が明かされる展開

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2025年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

そうかこれもミステリーなのか。
評価は高いらしいこの作品。伊坂流行りで読んだのだけれど、そうだな、確かに物語は、二人の主人公の話が収束し結びつき、その中で「あーそうだったのか」があって、上手いんだろうとは思うのだけど。
でも多分その二人の主人公が好きになれなくて。

本主人公の椎名は、なんとなく優柔不断で、ちょっとイライラ。行動がわからない。
2年前の主人公琴美は、なぜが自分に迫っている危険を言葉にせず、また河崎への態度もしつこい。怖いことを認めなくないから強がっている、という表記があるものの、なんだか取ってつけたような、そんな印象。こちらも行動に共感できない。
これはキャラ設定の問題というよりも、作りたい物語にするための作者の意図が透けて見えるが故の不満。登場人物の行動への説得力が足りない、と感じてしまった。

でも最初に書いた通り、アイデアはさすがで、「ああそういうこと」のすっぽりはまる感はとても気持ち良い。
そして本主人公が本当の物語の主人公ではなかったというのも面白い。

ただ、ブータン人のドルジが切ない。大義のためなら悪い人を痛めつけても構わないと思うくらい、変わってしまったのが悲しい(それは多分自転車を蹴っ飛ばすのも同じ発想なのだと思う)。
河崎もドルジも、琴美のことが大切だったんだな。

最後、クロシバは元気そうで良かった。
もうすっかり野良なんだろうけど。

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2026年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現在の椎名視点と2年前の琴美視点の2つの時間軸の物語が交互に流れ、物語の行く末を少しずつ示唆しながら進み、嫌な方向に進むんだろうなと思いながらも、違うといいなと胸をざわざわさせながら読み進めました。大筋はかなり序盤で予見できるし、思ったほどのどんでん返しはなかったですが、次々ピースがはまっていくような物語の展開がよかったです。
琴美視点のラストは救いを感じさせる部分もありましたが、悲しい展開と現在のドルジに二人から受けた影響を感じるのが切ないです。
ブータンの死生観ならどう感じるのだろうかと思いました。

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2026年01月04日

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