兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
展開が遅く感じたけど終わりに近づくにつれてすごくハマった。こういうテーマのものって終わりが気持ち悪いけど、スゴくきれいに終わってスッキリした。
Posted by ブクログ 2023年09月07日
本当に橋の下から拾われた子だったらよかったのにと思う。
血が繋がっているということがそんなに大切なのか、血が繋がってなくても私は愛されて育ったんじゃないか、むしろ血が繋がっていないほうがもっと自由に生きられたんじゃないか
とか血が繋がってるからこそ考えられるようなことをこそこそ考えてしまった。
事...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月05日
初の伊坂幸太郎作品。人の中に存在する苦しさと温かさが相互に表現されている物語だと思った。素敵な言葉が沢山出てきて、世の中は辛いことが沢山あるけれど、素敵な場所でもある。そう思った。もっと彼の作品を読んで、彼の作り出す世界観に出会いたい。と思う。
美しく前向きな母と器の大きな父、二人の兄弟。苦し...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月27日
素敵すぎる家族が出てきますが、ただの家族の物語と思ってはいけないんだな、と映画の予告を見て感じた。
重たい内容を取り上げているのに、すっと読み進めることができた。
考えさせられる、正解なんてない。
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人生というのは川みたいなものだから、何をやってようと探されていくんだ
安定と...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月09日
なんか悲しいようで、でも心も温まる作品だったと思います。個人的には好きです。
まず、春の言葉にできないような苦悩に共感できたこと。毎日それだけを考えて生きてきた彼にとって、それを果たせなければ人生を進展させることはできない。自分の存在すら恨む姿になんとも言えない感情をもちました。
そんな彼にとっ...続きを読む