あらすじ
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
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キレイな感じ
展開が遅く感じたけど終わりに近づくにつれてすごくハマった。こういうテーマのものって終わりが気持ち悪いけど、スゴくきれいに終わってスッキリした。
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家族愛が素敵だった。
父が人格者すぎる、私もそんな風になりたい。
「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」
教養の深さもひしひしと感じられた。
遺伝子の仕組みや癌、ガンジーを筆頭にした偉人、クロマニヨン人とネアンデルタール人など。
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「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」「重いものを背負いながら、タップを踏むように」
このセリフの為に何度も読んでると言っても過言ではない。伊坂作品で1番好きな本。
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やっぱこいつの作品おもしろすぎる。
全部がひとつに繋がる感覚、気持ちいい。
葛城が絶対悪であり、救いようがないなのがいい。
1度は憧れる、書き出しと書き終わりが同じ文章という超絶ロマン。
「伝えづらいことこそ、陽気に伝えるべき」
⬆伊坂イズムが詰まっている。
この本もそうだが、伊坂幸太郎は終盤で爆伸びする。めくる音が止まらなかった。
伊坂幸太郎で何がいいか聞かれたら、「ゴールデンスランバー」かこれで2時間は悩める。
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オーデュボンの祈り、ラッシュライフ、重力ピエロと読み終わった。
この後はグラスホッパー(再読)、アヒルと鴨のコインロッカーを読む。
物語は繋がっている。
重力ピエロは家族について、血の繋がりとは?
グラフィックアートや放火を交えながら
洗練された家族の会話のユーモアも交えつつ面白かった。
読後感も良い作品だった。
それ以上にオーデュボンの祈りやラッシュライフの成長したあの人達が登場するのだ。
ここで出てくるかーとニヤリとする。
読みたい本は山盛りだけどもう少し伊坂作品と向き合う事にする。
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春が二階から落ちてきた。冒頭でこの作品は面白いと思った。読書を趣味としてまだ1ヶ月程度の私にはこんなに斬新で読者の心を揺るがす1文を人間がかけるのかとひどく関心した。内容は遺伝子・放火・重力をキーワードとした小説。放火現場の予想を登場人物の「私」と読者である「私」二人で推理しているような錯覚を起こし大変楽しく読むことが出来た。また放火犯の全貌が露になるのと同時に読者である「私」もひどく絶望し、ページをめくるのが億劫になった。最後はほんのり涙しそうになる内容。読書初心者の私でも十分に楽しめた内容でした。
スタイリッシュ
伊坂作品は当たりハズレが激しいので、読むのにすごく迷いましたが、面白かったので読んで損はなしです。
作者特有の言葉遊びというかセリフのひとつひとつがスタイリッシュな感じ。
結末は賛否両論あると思う。許されないことなんだけど、この兄弟ならアリなのかなと。違う終わりかただとあまりに普通すぎてつまらないかも。
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どの文も優しくて、お洒落で、行間に愛があった。直接的な表現が無くても家族の繋がりや愛情が感じられる文章がそこかしこにある。
伊坂幸太郎の得意とするそれらの文章表現と、また同じくよく出てくる飄々としつつ主人公を支えるイケメンが今回もとても良かった。
そして最高にかっこよかった父。
伊坂作品は次に何が起こるか予想が出来なくて、いつもワクワクさせてくれる。
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心理描写がある泉水と、感情が読みにくい春の対比がとてもよかった。春の明確な意図がわからない言動に、おいてかれそうになる泉水の驚きや焦燥感、これらがとてもマッチしていた。「ジョーダンバット」とか「春が2階から落ちてきた」などのキーワードを読者が忘れているタイミングで出してくるのも技巧的であった。重力ピエロという、具体的だが意味不明の言葉を本の題名にした意図が、徐々に顕になっていく展開も素晴らしい。
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『春が二階から落ちてきた。』
この冒頭がなんか好き。
家族愛と兄弟愛のお話かな。
結局遺伝子ではなく、生まれ育った環境なんだと思いたいし、そうなんだと思う。
まぁまぁ長いのでちょっと読むのに時間がかかってしまったけど、後半はスルスル読めて面白かった。
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この話は、春が葛城を殺すという運命を主軸に、それを取り巻く様々な偶然から成り立っているように見えた。
葛城の殺害が運命だと考えられるのは、物語終盤に春が、自身の生い立ちを聞かされてからずっと、葛城を殺すのだと予感していたことによる。
しかし本書が、単に因果応報を書いた話とは思えない。ちりばめられた過去のエピソード一つ一つは、伏線と呼ぶには弱いからである。
ただし偶然起きた過去の一つ一つ、その総体が、家族の絆を深め、兄弟を行動に駆り立てた「きっかけ」になったであろう。
偶然といえば、放火現場の頭文字が「放火」のスペルを途中まで表していたことも同様である。
本書に関しては、ここに大いなる意思だとか運命だとか、そういうのは関わっていないはずである。
私たちは偶然の出来事や周囲からの扱い(自分で変容できるものではそうそうない)から学習し、解釈及び行動に反映させてきた。学習といえば聞こえはいいが、言い換えれば過去の奴隷(トラウマ)である。そして春もその家族も、葛城との過去にとらわれたままであった。
したがって、葛城の殺害は過去を清算し、過去から解放されるための儀式であった。
春からすれば、この行為は自分が生きている世界を、過去に囚われず、見て感じるままに生きるために必要な行為だったのだろう。
これは泉水についても同じはずである。父の火葬による煙を見て、父が天に上ると考えるのではなく、見たそのまま、煙が上るのだと強調していた。本書では春の非凡さがよく描かれていたが、泉水も春の兄貴なのである。
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家族愛、とりわけ兄弟の関係性が色濃く描かれた作品。
ミステリーの形は取っているものの、謎解きの鮮やかさやどんでん返しを期待すると、やや肩透かしを食らうかもしれない。けれどそれは、この物語の本質が別のところにあるからだと思う。
伊坂幸太郎らしい、軽やかな会話やどこか寓話的な空気感。その柔らかさの裏に、人の善悪や過去との向き合い方といったテーマが静かに横たわっている。正しさを押しつけるでもなく、ただ登場人物たちの選択を見せることで、読む側に問いを残してくる。
ミステリーとしての“解決”よりも、人と人との関係の中にある救いや歪みに重心が置かれている印象だった。派手ではないが、読後にじわじわと効いてくる、伊坂作品らしい余韻の残り方をする一冊。
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春が二階から落ちてきた、という有名な書き出しを聞いたことはあった。けれど重力ピエロだったのかとびっくりした。はじまりは幻想的だけど、テーマは強姦を扱ったもので少し重めだった。
血のつながりや遺伝子、DNA。
科学が進歩すればするほど、そういうものが私たち人間にデータをつきつけて人間を評価する。それが押し付けがましくて、なんとなく嫌なときがある。
遺伝子情報がすべて正しくて決して裏切らないのだろうか。そう考える時がある。
泉水と春の父親が春に向かって、「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」と言ったときなんだか嬉しかった。
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スラスラ読み進めてしまうし
ユーモアたっぷりの登場人物たちがすき
「本当に深刻なことは、
陽気に伝えるべきなんだよ」
「人生はあまり長くないんだから、
あまり深いことまで考えないほうがいいよ」
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壁への落書きと呼応して発生する放火事件。その規則性と遺伝子の関連が明らかになっていき、最後には全ての線が繋がったときには、気持ちいい感じを覚えた。放火やレイプ、癌など、重い題材が出てくる割には軽いタッチで進んでいくのは、伊坂幸太郎という感じがしたが、個人的にはその軽さが、少し読み応えという意味ではマイナスになったかなという感想が若干あった。ネアンデルタール人やガンジーなど、歴史や偉人と絡めるあたりも、いつも通りウィットに富んでいて楽しい作品だった。
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血のつながらない兄弟をめぐる、重く切ない物語。悲しみや葛藤の中でも家族の絆が力強く描かれている。これほど重い題材でありながら、読後に爽やかな余韻が残るのは、さすが伊坂作品だと感じさせる一冊でした。
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春が2階から落ちてきた。
冒頭と締めを担うこの一文がしめす意味をはじめ、読前と読後で春の印象が二転三転もした。
どこかで春が放火魔なのだろうと読み進めていったが、主人公もまた形は違えど同じ結末を望んでいたことに驚いた。主人公の1番近い存在である春の君の悪さの描写がよかった。
重力に逆らう存在であるピエロ。
重力は作中にも出てくる少年法などの法、性を表し、それに逆らうピエロは春を表す。最終的には主人公もそこに加担し、奇妙であり愛情深い家族像ができた。
また、文中様々な作品の冒頭がでてくる。それらの引用によって登場人物の会話が進んでいくところに文章の綺麗さがあった。
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春が二階から落ちてきた。
本書はこの1文にサンドイッチされている。さすがは伊坂幸太郎、洒脱なセンスだ。
さて、この「重力ピエロ」という話は、語り手である「私」だけの物語ではない、と自分は思う。
この物語の主人公にはあと2人「春」と「父」がいる。あくまで本書は、三者の視点の中の一つの「私」の視点に限定されている。それはなぜなのかは、本書は一応ミステリー小説であるから、説明するまでもないだろう。
重力。それは誰もが知る概念である。
そんな当たり前に、唯一逆らう存在。
それはサーカスで、空中ブランコに平然と飛び乗るなどの凄技を披露し、観客を夢中にさせ、挙句の果てには重力の存在などといったものを忘れさせてしまう、ピエロ。
遺伝子に逆らうことは、巨大な船の上で進行方向と逆向きに歩くようなものだ。
主人公が務める遺伝子会社の社長はそう、人間の遺伝子への反抗を、至極滑稽で矮小なものだと鼻で笑い飛ばした。
本書における重力とは、そういう遺伝子であったり、法律であったり、常識であったりする。
双肩にのしかかるそんな重力に、彼らは懊悩の末、従わないことを選ぶ。
春は、俺たちの家族だ。
アイツを殺す。
死は恐ろしくない。
お前は自首しなくていい。
彼らは重力に逆らうピエロに、つまりは重力ピエロになったのだ。
そうして、仏頂面で猛反発しながら後ろ指を指してくる観客に対して、彼らは文字通りピエロのように笑ってこう言うのだろう。
常識?
法律?
遺伝子?
そんなもん知るか。
俺たち家族は最強なんだよ、と。
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春のこと嫌いになれないし、泉水がいるからこそ春はさらに輝くのかなと思う。
ミステリー要素は薄いけどこういう作品があってもいいな。
伊坂ワールドって感じで面白かったです。
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私は「死神の精度」を読んでから、(後書きでこの作品の登場人物が存在すると知って)読みました。
かなり初期の伊坂さんの作品は、ちょっと怖いイメージがあって敬遠してしまってたのです。
でもやっぱり読んで良かったです!
春は私(泉水)の母親が強姦された時に身籠った子だったんですね。それを知った春の気持ち…計り知れないです。
何で周りがその事を知ってそんな目で見るの?とか、春が知らなければこんなにも苦しむ事はなかったのに、どうにか知らないままで守れなかったの?とか色々考えてしまいました。(いやそしたらそもそも物語が成り立たなくなっちゃうし、と自分にツッコミ。)
物語が終わった後も、春の心は救われるの?と…夏子さん並みに私も色々思い巡らせています。
という訳でここまで夢中にさせてくれる伊坂さんは本当にすごい。
そらからお父さんの息子たちを静かに見守る愛、真の優しさ、本質を見抜く力、色んな場面に感動し涙しました。
伊坂さんの作品にはいつも粋な言葉がたくさんあって。私自身救われたり、心が温かくなったり、エネルギーを貰っています。
p53「勤勉な者が得るのは、報酬と、チャンスと、信頼だよ。」と言った春の幸せを願わずにはいられないです。
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「家族は遺伝子だけで決まるのか」という重い問いを、DNAの配列と絡めた緻密な構成で描き出す筆致に圧倒されました。異常者の血を引くという、逃れられない「重力」に翻弄されながらも、軽やかに、そして力強く歩もうとする兄弟の姿。そこに、冷徹なロジックを凌駕する「家族の意志」を感じました。重厚なテーマでありながら、読後には春の光のような救いが残る、唯一無二の傑作です。
面白くないわけじゃない
けれど、面白かったか⁇というとどうなんでしょう⁇
飽きずに最後まで読めましたけど、池井戸さんみたいな感じじゃ無いですね( ̄▽ ̄)
関係の無い描写がクドクド有るのは駄作‼︎と常々思って居るのですが伊坂さんにかんしてはそのような事はありませんので星4つです
Posted by ブクログ
性的暴行で生まれた弟がいる家族の話。兄弟で同じことをしようとしていた時は泣けた。法律がどうとか社会的にどうとかよりも、自分のことを1番分かってくれている人達がどう思ってくれるかの方が大事だと教えてくれた。そして社会的には誤りでもお前は間違ってないと言ってくれる人が1人でもいるだけで生きていけるんだと思った。
「人を救うのは気休めの美味しいご飯」
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎作品のなかでは、なんとなくスリリングさがマイルドな感じの印象。
映画化もされている。
これから映画の方を見る予定。
どんな風に料理されているのか楽しみではある。
Posted by ブクログ
映画が好きで原作も読んでみました。映画とは違うところがたくさんあって、おもしろかったです。ずいぶん前に観たのでうろ覚えながら、夏子さんと黒澤の活躍や葛城の現状、両親のとんでもない馴れ初めとか、確か映画ではやってなかったはず。特に夏子さんはストーカーが高じて整形しての再登場。なんかおいしい。母のプロポーズも衝撃的でした。泉水と春は最強の兄弟!原作を読めて良かったです。
Posted by ブクログ
楽しそうに生きていれば、地球の重力なんてなくなる。
楽しくお酒を飲んでいる時はフワフワと軽くなった気がするのは、そのせいか。
GとC、TとAが対になっているように、
冒頭と最後も対になっているなんて憎いじゃないか。
Posted by ブクログ
誰が犯人なのかはすぐにわかったが、この物語で大事なのはそこではないのだろうと思った
お前は俺に似て、嘘が下手だ
このセリフはしばらく忘れられそうにない
伊坂幸太郎の他の作品にも出てきていた、黒澤というキャラクターにまた会えたのが嬉しかった
Posted by ブクログ
家族愛や血のつながり、過去の罪など、扱っているテーマは決して軽くない。それでも、不思議と重苦しさはなく、比較的さらっと読み進めることができた。おそらく、どこかユーモラスで軽やかな語り口で描かれているからだろう。
作中にも登場する「重要なことは軽快に伝える」という言葉が、この物語の雰囲気をよく表しているように思う。大切で重い役割を担いながらも、それを感じさせないピエロのような存在。タイトルの「重力ピエロ」は、まさに物語全体の空気感そのものを象徴しているようだった。
お父さんが本当にいい人で、読んでいて温かい気持ちになった。
最後の「春が二階から落ちてきた」という一文には、ゾクッとさせられた。