あらすじ
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
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キレイな感じ
展開が遅く感じたけど終わりに近づくにつれてすごくハマった。こういうテーマのものって終わりが気持ち悪いけど、スゴくきれいに終わってスッキリした。
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やっぱこいつの作品おもしろすぎる。
全部がひとつに繋がる感覚、気持ちいい。
葛城が絶対悪であり、救いようがないなのがいい。
1度は憧れる、書き出しと書き終わりが同じ文章という超絶ロマン。
「伝えづらいことこそ、陽気に伝えるべき」
⬆伊坂イズムが詰まっている。
この本もそうだが、伊坂幸太郎は終盤で爆伸びする。めくる音が止まらなかった。
伊坂幸太郎で何がいいか聞かれたら、「ゴールデンスランバー」かこれで2時間は悩める。
Posted by ブクログ
オーデュボンの祈り、ラッシュライフ、重力ピエロと読み終わった。
この後はグラスホッパー(再読)、アヒルと鴨のコインロッカーを読む。
物語は繋がっている。
重力ピエロは家族について、血の繋がりとは?
グラフィックアートや放火を交えながら
洗練された家族の会話のユーモアも交えつつ面白かった。
読後感も良い作品だった。
それ以上にオーデュボンの祈りやラッシュライフの成長したあの人達が登場するのだ。
ここで出てくるかーとニヤリとする。
読みたい本は山盛りだけどもう少し伊坂作品と向き合う事にする。
Posted by ブクログ
面白かった。凄く面白かった。控えめに言って、非常に面白かった。
前半の布石を全て、後半に回収に回収を重ね回収するところとか。
語彙が足りない感想しか出て来ないくらい凄かった。
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最初の一文から衝撃を走らせ、想像もつかない展開の連続に驚きました。
「え、どうなってしまうの?」と続きが気になってページをめくる手が止まらなくて“今日はここまで”と決めていても“やっぱりもう少しだけ”という感じで読んじゃいました。
読んでいても言い回しがお洒落だし、韻を踏んでるところもクスッとなります。個人的には過去の挿話の入れ方が自然で頭に入りやすくとても読みやすかったです。
また読みたいな。また読みます。
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連続放火事件を軸に、家族の過去と現在が交差していく物語。話の中心がが血縁や暴力の連鎖という点に及び、重いテーマでありながらも伊坂幸太郎さんらしいコミカルでテンポ良く進んでいくため読みやすかった。遺伝や血縁など自分でコントロールできない事柄で人を決定できるのかというような重い問いも残り、様々なことを考えさせられる余韻の残る読後感だった。
Posted by ブクログ
私は「死神の精度」を読んでから、(後書きでこの作品の登場人物が存在すると知って)読みました。
かなり初期の伊坂さんの作品は、ちょっと怖いイメージがあって敬遠してしまってたのです。
でもやっぱり読んで良かったです!
春は私(泉水)の母親が強姦された時に身籠った子だったんですね。それを知った春の気持ち…計り知れないです。
何で周りがその事を知ってそんな目で見るの?とか、春が知らなければこんなにも苦しむ事はなかったのに、どうにか知らないままで守れなかったの?とか色々考えてしまいました。(いやそしたらそもそも物語が成り立たなくなっちゃうし、と自分にツッコミ。)
物語が終わった後も、春の心は救われるの?と…夏子さん並みに私も色々思い巡らせています。
という訳でここまで夢中にさせてくれる伊坂さんは本当にすごい。
そらからお父さんの息子たちを静かに見守る愛、真の優しさ、本質を見抜く力、色んな場面に感動し涙しました。
伊坂さんの作品にはいつも粋な言葉がたくさんあって。私自身救われたり、心が温かくなったり、エネルギーを貰っています。
p53「勤勉な者が得るのは、報酬と、チャンスと、信頼だよ。」と言った春の幸せを願わずにはいられないです。
Posted by ブクログ
良かった!!面白かった!!!
ふだんやらないけど、名言が多くて、好きなフレーズに付箋を貼ってみたりした。
放火犯を追いかけていく謎解きの要素も面白いし、根底にある「人」のストーリーがよくて、全ての要素がラストに向かってつながっていくのは、読んでいて気持ちが良かった!
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎の文章は粋ですね〜
でもちゃんと深みもある。彼にしか書けないニュアンスや間合いが好きです。春の気持ち、すごく複雑だけど人間味があって、まっすぐでいい。
スタイリッシュ
伊坂作品は当たりハズレが激しいので、読むのにすごく迷いましたが、面白かったので読んで損はなしです。
作者特有の言葉遊びというかセリフのひとつひとつがスタイリッシュな感じ。
結末は賛否両論あると思う。許されないことなんだけど、この兄弟ならアリなのかなと。違う終わりかただとあまりに普通すぎてつまらないかも。
Posted by ブクログ
家族愛、とりわけ兄弟の関係性が色濃く描かれた作品。
ミステリーの形は取っているものの、謎解きの鮮やかさやどんでん返しを期待すると、やや肩透かしを食らうかもしれない。けれどそれは、この物語の本質が別のところにあるからだと思う。
伊坂幸太郎らしい、軽やかな会話やどこか寓話的な空気感。その柔らかさの裏に、人の善悪や過去との向き合い方といったテーマが静かに横たわっている。正しさを押しつけるでもなく、ただ登場人物たちの選択を見せることで、読む側に問いを残してくる。
ミステリーとしての“解決”よりも、人と人との関係の中にある救いや歪みに重心が置かれている印象だった。派手ではないが、読後にじわじわと効いてくる、伊坂作品らしい余韻の残り方をする一冊。
Posted by ブクログ
春が二階から落ちてきた、という有名な書き出しを聞いたことはあった。けれど重力ピエロだったのかとびっくりした。はじまりは幻想的だけど、テーマは強姦を扱ったもので少し重めだった。
血のつながりや遺伝子、DNA。
科学が進歩すればするほど、そういうものが私たち人間にデータをつきつけて人間を評価する。それが押し付けがましくて、なんとなく嫌なときがある。
遺伝子情報がすべて正しくて決して裏切らないのだろうか。そう考える時がある。
泉水と春の父親が春に向かって、「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」と言ったときなんだか嬉しかった。
Posted by ブクログ
スラスラ読み進めてしまうし
ユーモアたっぷりの登場人物たちがすき
「本当に深刻なことは、
陽気に伝えるべきなんだよ」
「人生はあまり長くないんだから、
あまり深いことまで考えないほうがいいよ」
Posted by ブクログ
壁への落書きと呼応して発生する放火事件。その規則性と遺伝子の関連が明らかになっていき、最後には全ての線が繋がったときには、気持ちいい感じを覚えた。放火やレイプ、癌など、重い題材が出てくる割には軽いタッチで進んでいくのは、伊坂幸太郎という感じがしたが、個人的にはその軽さが、少し読み応えという意味ではマイナスになったかなという感想が若干あった。ネアンデルタール人やガンジーなど、歴史や偉人と絡めるあたりも、いつも通りウィットに富んでいて楽しい作品だった。
Posted by ブクログ
血のつながらない兄弟をめぐる、重く切ない物語。悲しみや葛藤の中でも家族の絆が力強く描かれている。これほど重い題材でありながら、読後に爽やかな余韻が残るのは、さすが伊坂作品だと感じさせる一冊でした。
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春が2階から落ちてきた。
冒頭と締めを担うこの一文がしめす意味をはじめ、読前と読後で春の印象が二転三転もした。
どこかで春が放火魔なのだろうと読み進めていったが、主人公もまた形は違えど同じ結末を望んでいたことに驚いた。主人公の1番近い存在である春の君の悪さの描写がよかった。
重力に逆らう存在であるピエロ。
重力は作中にも出てくる少年法などの法、性を表し、それに逆らうピエロは春を表す。最終的には主人公もそこに加担し、奇妙であり愛情深い家族像ができた。
また、文中様々な作品の冒頭がでてくる。それらの引用によって登場人物の会話が進んでいくところに文章の綺麗さがあった。
Posted by ブクログ
春が二階から落ちてきた。
本書はこの1文にサンドイッチされている。さすがは伊坂幸太郎、洒脱なセンスだ。
さて、この「重力ピエロ」という話は、語り手である「私」だけの物語ではない、と自分は思う。
この物語の主人公にはあと2人「春」と「父」がいる。あくまで本書は、三者の視点の中の一つの「私」の視点に限定されている。それはなぜなのかは、本書は一応ミステリー小説であるから、説明するまでもないだろう。
重力。それは誰もが知る概念である。
そんな当たり前に、唯一逆らう存在。
それはサーカスで、空中ブランコに平然と飛び乗るなどの凄技を披露し、観客を夢中にさせ、挙句の果てには重力の存在などといったものを忘れさせてしまう、ピエロ。
遺伝子に逆らうことは、巨大な船の上で進行方向と逆向きに歩くようなものだ。
主人公が務める遺伝子会社の社長はそう、人間の遺伝子への反抗を、至極滑稽で矮小なものだと鼻で笑い飛ばした。
本書における重力とは、そういう遺伝子であったり、法律であったり、常識であったりする。
双肩にのしかかるそんな重力に、彼らは懊悩の末、従わないことを選ぶ。
春は、俺たちの家族だ。
アイツを殺す。
死は恐ろしくない。
お前は自首しなくていい。
彼らは重力に逆らうピエロに、つまりは重力ピエロになったのだ。
そうして、仏頂面で猛反発しながら後ろ指を指してくる観客に対して、彼らは文字通りピエロのように笑ってこう言うのだろう。
常識?
法律?
遺伝子?
そんなもん知るか。
俺たち家族は最強なんだよ、と。
Posted by ブクログ
春のこと嫌いになれないし、泉水がいるからこそ春はさらに輝くのかなと思う。
ミステリー要素は薄いけどこういう作品があってもいいな。
伊坂ワールドって感じで面白かったです。
Posted by ブクログ
自分で落書きを書いて、消して、放火する。弟が狂気なのかと思ったら、兄もなかなか狂ってるのが後半わかってきて面白かった。ストーカーの夏子もやばい。ガンの父親(弟とは血がつながってない)は本当に素晴らしい人だと思った。遺伝子なんか関係ないじゃないかと気づいて、心のなかで笑い転げる兄の言葉に、すべてが詰まってる気がした。母親をレイプした男が反省もせずにのうのうと生きている。その人を殺す計画。それが悪いことなのか、私には分からなくなった。毎日毎日弟を苦しめていたから。 とにかく最強で最狂の兄弟の話だった。
Posted by ブクログ
泉水の主観で物事を綴っている。
あとがきでハッとしたのだが、この泉水という人物も相当な奇人であることに気付く。
いかにも普遍的な人物だと、冒頭から読み進めていくとそう感じてしまう。
確かに、途中参加も途中下車もできない性格や、あの行動未遂に関しても然り。
こういった言葉綴りができる伊坂幸太郎にあっぱれ。
終わり方が綺麗すぎる。
ぜひ、ローリエを贈りたい。(何様)
Posted by ブクログ
伊坂作品は、勧善懲悪とは、果たして?と考えさせられる作品が多いように思う。今回も、犯罪であるが良いことであったと正当化してしまう読者が多いと思う。
ミステリのようでいて究極の家族愛を描いていて、ホームコメディのように楽しめた。わかりやすく散りばめられた伏線が少しずつ回収され、だらだらと続いた会話のように思えたものも、エンディングに向けたスパイスに変化する。やや長編だが、読み飛ばさず一つひとつ丁寧に読むことをお勧めしたい。
Posted by ブクログ
強烈な冒頭の一行から始まって心を鷲掴み!
なめらかに物語が展開されていき、伏線回収やすべての謎が明かされてから、最後の締めくくり方にも、思わず笑みが溢れてしまう。心地よい読後感。。。
放火、レイプ、家族としての形。物語はとても深刻な内容であるにも関わらず、主人公の語り口から周りの人物、作品全体の作風にユーモア全開で楽しめてまったく飽きさせない。ストレスを笑い飛ばす様な、前向きな描写に一気に惹き込まれた。
ポジティブな思考を持って困難な時にこそ、重力に逆らうピエロの様に、笑って生きていくべきだと勇気づけられる。「重力ピエロ」という、タイトルのセンスに脱帽!!
初の伊坂幸太郎!
読む前は独特な世界観に加えて、小難しそうな印象を持っていたが、それは見当違い。もっと他の作品にも触れていきたいし、憂鬱な時にこそ、この世界観に入り浸りたいと思いました。定期的に読みたくなる様な、一種の精神安定剤みたいなものだろう。
これだから読書はやめられない!
Posted by ブクログ
独特でお洒落な言い回しが軽快に続いていました。冒頭から引き込まれ、読みやすく面白い。初めて読む伊坂幸太郎作品でした。家族愛が変に重く描かれておらず、自然に大切に表現されていて良かった。
Posted by ブクログ
エンタメ的な面白さでスラスラ読めると同時に深く考えさせられる、アンバランスな魅力のある小説でした。母親がレイプされた末に生まれた春の掴みどころのない言動は、彼が実の父親へずっと抱いていたとてつもない憎しみを隠すための道化であったのかと思うと辛くなります。育ての父親が春のしたことを察しながらも、「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」とあっさり家族としての繋がりを説いたシーンは、血の繋がりではない真の親子愛に心動かされました。家族の繋がりとはどのように証明されるのか、そんな問いを投げかけてくる物語でした。
Posted by ブクログ
初めての伊坂作品。
冷笑?論破?じみた台詞回しは少し苦手だな、と思いつつも、ストーリーの面白さと、とにかく最初の一文の衝撃のまますらすら読めた。
伏線も多く、読みながら「もしや、、?」と思う部分と、さっぱりわからず答え合わせを大人しく待とうと思う部分のバランスが良く、最後の数十ページはページを捲る手がとまらなかった!
他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
先に『死神の精度』を読み、作中で春らしき登場人物が出てきたので気になって本作を読みました。
“春が二階から落ちてきた。”
季節が巡ることの詩的な表現かと思いきや物理的に春が落ちてきて一気に魅了されました。(笑)
伊坂さんの作品は個性強めのキャラクターと軽快な会話が見どころの一つなので本作も春という少し?結構?変わった人物と春と比べたら比較的まとも枠の兄泉水との哲学的な会話がテンポよく描かれていて良かったです。
様々な分野での偉人の引用や普通に生活してたら一生知らなかったであろう雑学を知れるのも魅力の一つですね!
遺伝子と放火とグラフィティアート、この三つが繋がった時の真実は重く苦しいものですが、その真実を解明するまでの過程で垣間見得た家族の繋がりに心を打たれました。間違いなく最強の兄弟で、最強の家族です。
『死神の精度』にも春が登場するので是非読んで頂きたいです。
面白くないわけじゃない
けれど、面白かったか⁇というとどうなんでしょう⁇
飽きずに最後まで読めましたけど、池井戸さんみたいな感じじゃ無いですね( ̄▽ ̄)
関係の無い描写がクドクド有るのは駄作‼︎と常々思って居るのですが伊坂さんにかんしてはそのような事はありませんので星4つです
Posted by ブクログ
誰が犯人なのかはすぐにわかったが、この物語で大事なのはそこではないのだろうと思った
お前は俺に似て、嘘が下手だ
このセリフはしばらく忘れられそうにない
伊坂幸太郎の他の作品にも出てきていた、黒澤というキャラクターにまた会えたのが嬉しかった
Posted by ブクログ
家族愛や血のつながり、過去の罪など、扱っているテーマは決して軽くない。それでも、不思議と重苦しさはなく、比較的さらっと読み進めることができた。おそらく、どこかユーモラスで軽やかな語り口で描かれているからだろう。
作中にも登場する「重要なことは軽快に伝える」という言葉が、この物語の雰囲気をよく表しているように思う。大切で重い役割を担いながらも、それを感じさせないピエロのような存在。タイトルの「重力ピエロ」は、まさに物語全体の空気感そのものを象徴しているようだった。
お父さんが本当にいい人で、読んでいて温かい気持ちになった。
最後の「春が二階から落ちてきた」という一文には、ゾクッとさせられた。
Posted by ブクログ
<目次>
略
<内容>
主人公の視点から、弟の犯罪が明らかになっていくが、細かい章立ての積み重ねの中、少しずつ弟や両親、ストーカーの女、犯人などの性格や謎解きも進んでいく。
ちょっと読みにくかったが、途中でそのからくりに気づいて、納得した。
Posted by ブクログ
★★★ 読めてよかった
母の性被害の末に生まれた弟・春。複雑な葛藤や周囲からの偏見の目に耐えてきた家族の近くで、連続放火事件が発生する。ミステリ好きの家族は各々その法則・犯人を捜す。その過程で過去に関わる人物も出てきて…って感じ。
この物語の大きなテーマとして、「生まれか育ちか」がある。主人公は家族の関係もあったのか、DNA鑑定を行う会社に勤めている。そのためか、遺伝子はどこまで我々を定義しているのかという問いに、仕事で得る遺伝子の支配の科学的な根拠と弟への家族愛という二律背反で揺れ動いている。
タイトルに入っている『ピエロ』だが、物語中盤で「重力など、確実に存在している不安分子を無視する存在」として描かれている。そのため、その時点ではこのタイトルは決してなかったことにはできない『重力』とそれに縛られない『ピエロ』という相反するものをどうまとめていくかというテーマを提示しているのかと思っていた。しかし『ピエロ』は深刻な状況を、それでも軽く扱い乗り越えていく存在として考えられていた。
ミステリとしての要素は薄い。しかし安易に自首を薦めないところはよかった。