【感想・ネタバレ】重力ピエロのレビュー

あらすじ

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

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ネタバレ

真面目な兄と女嫌いの美形の弟の話。
弟の出自が悲惨だが、それを乗り越える家族愛が良かった。
母親が強い女性だと思った。
映画化もされているが面白かった。

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2025年10月09日

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ネタバレ

書き出しと最後がリンクしているのがとても綺麗。春に対して「お前は俺に似て嘘が下手だ」と言う父の優しさ良かった。ミステリーではないかな、犯人は春だろうと最初から予想できてしまった。挿話が面白い。特に母と競馬で万馬券を当てる話が好きだ。最後まで春がレイプされそうになっている同級生を助けた時に被害者もバットで殴った理由は分からずじまい、、自分と重ねて戒めとか????

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2025年12月07日

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ネタバレ

“春が二階から落ちてきた”
一度読むと忘れられない、とても印象的な書き出し。
読み進めると重いテーマのお話ですが、回想に出てくる家族とのエピソードや、お父さんの言葉は良かったです。
「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」
この言葉には胸が詰まって泣きそうになりました。

うーん⋯賛否あると思うのですが、レイプ犯は春に殺され、兄の泉水が警察に出頭する必要はない、何も悪いことはしていないのだから、といったようなことを言う場面は少しモヤッとしました。
罪は罪だと言う春の言葉が正しいと私は思います。

ラッシュライフの黒澤さんが好きなキャラだったので、わりとたくさん登場シーンがあり嬉しくなりました。

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2025年11月25日

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ネタバレ

2人の先輩から薦めていただいたにも関わらず、2年も積読してしまった本をようやく読み終えた。
購入したままこれまで読んでいなかった自分を、なんで読まないんだと問いただしたいくらいにおもしろかった。

小説に限らず様々な作品に触れていると、なんとなく展開を予想してしまう。
本書についても例外ではなかったが、うっすら予想しているものとそれほど外れてはいないのに、真実が明らかになるのと同時に少しの衝撃が心を揺さぶる。
この感覚は、放火犯を追い続ける中で弟と向き合うことになる「私」の心情を追体験していた証拠だと思う。それくらい、見事な描写だった。

だからこそ、
「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」
終盤でのこの一言で、言葉には到底できない感情が一気に心の中を駆け巡り、胸が締め付けられて涙が止まらなくなる。
ここに来るために、456ページを歩んできたようにすら感じた。

遠くに暮らす兄に会いに行きたくなった。

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2025年11月16日

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ネタバレ

これまで読んだ小説の中で一番感動したかもしれない。
遺伝子という実存して消えない重力のようなものを消した家族の話。
春は間違いなく気休めが好きな母親と嘘をつくのが下手な父親の子供だった。

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2025年11月06日

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ネタバレ

他の伊坂幸太郎作品より間接的で哲学的な話が多く、終盤以外は正直ページが進みにくかったが、終盤は安定の伏線回収と重いテーマなのに爽やかな読後感にしてくれる。
とは言え、伊坂幸太郎といえば!と期待していた分、うーん…と思ってしまった。
個人的に、殺人の話はフィクションとしてフラットに見れるが、女性だからかレイプなどを含む話は胸糞感マシマシになるからかも?

お父さんの性格というか存在自体が素敵だった!


ーーーピエロは重力を忘れさせるために、メイクをし、玉に乗り、空中ブランコで優雅に空を飛び、ときには不格好に転ぶ。何かを忘れさせるためにだ。

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2025年10月21日

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ネタバレ

・ミステリー仕立ての復讐小説/家族(兄弟)小説
・半分しか血の繋がらない「私」と「春」
・遺伝子の強さか、家族の強さか
・善か悪か
・犯人は弟の「春」。実の父を殺す話。

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2025年09月28日

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ネタバレ

目次から魅力的な興味を惹く言葉が羅列されていて「オングストローム」「ヘップバーニング」「エンジン、円陣、猿人」など、その期待値に読む前からそれら語感だけでご飯一杯は食べられる仕様になっている。タイトル自体も初見はどういう意味?と訝りながら読み進めるけどその造語の意味する巧みさにうーむと唸る。春のした事、泉水の下した判断を論じるよりも春が毎日毎日考え続けたというその苦悩の深さに着目したい。さもすると崩れそうなアイデンティティが家族の愛でセメントのようにガッチリ固められた春は最強に美しく強かった。

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2025年09月25日

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ネタバレ

黒澤さん目当てで読みました。
今回は探偵としてのお仕事、しっかりやってます。
もちろん本業も。
泉と春の兄弟、放火、過去のレイプ事件、父親の病気、遺伝子などたくさんの要素があるのにきちんと全部まとまります。
素晴らしい作品でした。

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2025年10月10日

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ネタバレ

物語の内容としては、非常に理解しやすかった。
登場人物もそれ程、多くなくて初心者向け?

何より章題が多い。ページを開いてビックリ。
自分はワクワクしながら読み進めることができた。

内容や展開にいいね!というわけではなく、登場人物たちの、特に、家族愛、兄弟間での信頼、絆などに感動した。

「俺たち兄弟は最強じゃないか、兄貴」
春が兄へ向かって言ったセリフ

「お前は俺に似て、嘘が下手だ」
父が春に向けて言ったセリフ

血が繋がっていなくとも、遺伝子が同じじゃなくとも、きっとこの3人は、いや、母も含めて4人は、本当の家族なんだろうなぁ、と最強の家族だなぁと感じた。

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2025年09月16日

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ネタバレ

伊坂幸太郎さんの『重力ピエロ』

「春が二階から落ちてきた−」
そんな文章から始まるこの小説。春は主人公泉水の弟。性的な暴力に対する嫌悪感が強く、校内で起きようとしていた自分には無関係なレイプ事件も殴り込んで止めたくらい。

仙台に住む泉水と春の一家は、母が過去に未成年から暴行被害を受け、その結果として弟の春が生まれていた。家族は春を深く愛し、父を中心に一家は壊れずに暮らしてきた。兄の泉水はその過去を知りつつ、大人になり、遺伝子を扱う研究職に就く。春は高い身体能力を持ち、類稀な美術の才能を持つなど、どこか常人とは違う感性を持ち、大人になる。

時が流れ、仙台の町で奇妙な落書き(グラフィティ)が連続して出現し始める。さらに同じ時期に、町では連続的に小規模な放火事件が発生する。泉水は落書きに一定の規則があることに気づき、春と共にその意味を追い始める…

この作品もまた伊坂幸太郎さんの傑作だと思います。書く作品書く作品、どれもみんな傑作になるのはすごいですよね。
過酷な過去と向き合う春。
その過去を理解し、ともに生きていこうとする泉水。

「それでも人は生きていける」
「悲しみの中にも、軽やかさはある」

そんな伊坂幸太郎らしい、優しくて強いメッセージが作品全体に流れています。

「見ろよ、仁リッチ。ここの中で叫んでいた。
染色体であるとか、遺伝子であるとか、血の繋がりであるとか、そういったものを父は軽々と飛び越えてしまった。」

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大量の伏線と思える箇所に出会っては、自分なりに考えながら読むのがとても面白かった。ただ、春の「どんな事柄にも意味があると思うのは、人間の悪い癖だよ」という文を読んだときには、まるで自分のことを言われたようでドキッとした笑。

印象に残ったフレーズは、夏子さんの「自身に根拠があるのって卑怯な気がしませんか?」というセリフだった。根拠がないけど願掛けを大切にする春、そして兄がいればなんでもできると信じる彼にぴったりだと思った。

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2025年10月30日

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