あらすじ
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
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Posted by ブクログ
今まで読んだ小説の中で1番面白かった、また読みたいと思った本はこれが初めて
泉と春の関係性だとか、家族愛だとか、最初から最後までずーーっと話が美しくて、読み進める手が止まらなかった 興奮しながら感想メモにまとめた
Posted by ブクログ
すごい好きだった。春が2階から落ちてきたの始まりは有名だから知っていたけれど、内容は全く知らず、有名だし読んでみよう〜の気持ちで読んだ。
春のセリフがいちいち好きで、兄弟のやり取りはずっと読んでいたい心地良さだった。
レイプ、そこから生まれた子供、放火、殺人、キーワードだけでいうと重くていい気分になる話とは到底思えないけれど、読後のこの気持ち、というか読んでる間ずっと、本当に重力がない気分。イズミが望んだ通り、重力はなくなり、春が幸せに生きられますようにとただ願う気持ち。
「兄貴も気をつけたほうがいい。まっすぐに行こうと思えば思うほど、道を逸れるものだからね。生きていくのと一緒だよ。まっすぐに生きていこうと思えば、どこかで折れてしまう。かと言って、曲がれ曲がれ、と思ってると本当に曲がる」
「不幸だとか、病気だとか、仕事が忙しいだとか、とにかく、自分が他の誰よりも大変な人生を送っている。そういう顔をしている。それに比べれば、あの鳩のほうが偉い。自分が一番つらいとは思ってもいない」
Posted by ブクログ
散りばめられた伏線の回収、始まりと終わりのつながりがとても気持ちよく、本を読む手が止まりませんでした。
個人的には、元々臆病で心配性だったはずのイズミが、最終的には覚悟を決めるまでに至る成長が良いと思いました。
とはいえ、親父の前では本来のイズミが出ている気がして人間らしさも感じました。
Posted by ブクログ
放火と落書きと遺伝子と家族愛の話。
「お前は俺に似て、嘘が下手だ。」の台詞でめちゃくちゃ感動した。家族みんな素敵すぎる。
お母さんが絵で審査員の尻をぶったたくシーンと、ビルの管理人に萩の月を持って謝りに行くシーンすき。
ジャンルを問わずいろいろな小ネタが文章中で出てきて、とにかく読んでておもしろかった。
Posted by ブクログ
「春が二階から落ちてきた」という冒頭の一文は、最初はとても情緒的な比喩表現だと思って読んでいた。しかし物語が進むにつれて、それが文字通り、弟の春が物理的に落ちてきた出来事だったと分かり、強い印象を残す。
それでも春という存在は、泉にとって「冬のあとに突然やってくる春」のようでもあり、比喩としても非常に美しい。物理的な出来事と心情的な意味の両方が重なり合って描かれているのが印象的だった。
放火魔を追う展開や、街中のグラフィティを消して回る描写など、少しアンダーグラウンドな世界が垣間見える一方で、日本のどこかに実際にあってもおかしくない物語だとも感じた。
映画のキャッチコピーである「家族の愛は重力を超える。」という言葉も、原作を読めばその意味がよく分かる。
腹違いで、しかも複雑な事情を抱えた兄弟であっても、確かにそこには「家族」が存在している。
良かった。
Posted by ブクログ
エンタメ的な面白さでスラスラ読めると同時に深く考えさせられる、アンバランスな魅力のある小説でした。母親がレイプされた末に生まれた春の掴みどころのない言動は、彼が実の父親へずっと抱いていたとてつもない憎しみを隠すための道化であったのかと思うと辛くなります。育ての父親が春のしたことを察しながらも、「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」とあっさり家族としての繋がりを説いたシーンは、血の繋がりではない真の親子愛に心動かされました。家族の繋がりとはどのように証明されるのか、そんな問いを投げかけてくる物語でした。
Posted by ブクログ
普通に考えて家族(特に春)の背負った因果が辛すぎる。お父さんの人格が素晴らしすぎて、読んでいて救われる。こんな人、現実ではなかなかいないよなぁ…。方々に迷惑をかけまくる放火という手段はいただけないけど、レイプ犯への報復はいいぞやったれ!て感じ。