【感想・ネタバレ】重力ピエロのレビュー

あらすじ

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

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春が二階から落ちてきた。冒頭でこの作品は面白いと思った。読書を趣味としてまだ1ヶ月程度の私にはこんなに斬新で読者の心を揺るがす1文を人間がかけるのかとひどく関心した。内容は遺伝子・放火・重力をキーワードとした小説。放火現場の予想を登場人物の「私」と読者である「私」二人で推理しているような錯覚を起こし大変楽しく読むことが出来た。また放火犯の全貌が露になるのと同時に読者である「私」もひどく絶望し、ページをめくるのが億劫になった。最後はほんのり涙しそうになる内容。読書初心者の私でも十分に楽しめた内容でした。

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2026年04月01日

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ネタバレ

再読。
結構忘れてたのでまた感動出来ました。
春くんはずっと死に方を探していたんじゃないだろうか。
と、最初は思ったけれど
生き方を探していたんだろう、と思い直した。

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2026年04月13日

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どの文も優しくて、お洒落で、行間に愛があった。直接的な表現が無くても家族の繋がりや愛情が感じられる文章がそこかしこにある。
伊坂幸太郎の得意とするそれらの文章表現と、また同じくよく出てくる飄々としつつ主人公を支えるイケメンが今回もとても良かった。
そして最高にかっこよかった父。
伊坂作品は次に何が起こるか予想が出来なくて、いつもワクワクさせてくれる。

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2026年04月12日

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ネタバレ

この話は、春が葛城を殺すという運命を主軸に、それを取り巻く様々な偶然から成り立っているように見えた。
葛城の殺害が運命だと考えられるのは、物語終盤に春が、自身の生い立ちを聞かされてからずっと、葛城を殺すのだと予感していたことによる。

しかし本書が、単に因果応報を書いた話とは思えない。ちりばめられた過去のエピソード一つ一つは、伏線と呼ぶには弱いからである。
ただし偶然起きた過去の一つ一つ、その総体が、家族の絆を深め、兄弟を行動に駆り立てた「きっかけ」になったであろう。

偶然といえば、放火現場の頭文字が「放火」のスペルを途中まで表していたことも同様である。
本書に関しては、ここに大いなる意思だとか運命だとか、そういうのは関わっていないはずである。

私たちは偶然の出来事や周囲からの扱い(自分で変容できるものではそうそうない)から学習し、解釈及び行動に反映させてきた。学習といえば聞こえはいいが、言い換えれば過去の奴隷(トラウマ)である。そして春もその家族も、葛城との過去にとらわれたままであった。
したがって、葛城の殺害は過去を清算し、過去から解放されるための儀式であった。
春からすれば、この行為は自分が生きている世界を、過去に囚われず、見て感じるままに生きるために必要な行為だったのだろう。

これは泉水についても同じはずである。父の火葬による煙を見て、父が天に上ると考えるのではなく、見たそのまま、煙が上るのだと強調していた。本書では春の非凡さがよく描かれていたが、泉水も春の兄貴なのである。

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2026年03月24日

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春が二階から落ちてきた、という有名な書き出しを聞いたことはあった。けれど重力ピエロだったのかとびっくりした。はじまりは幻想的だけど、テーマは強姦を扱ったもので少し重めだった。
血のつながりや遺伝子、DNA。
科学が進歩すればするほど、そういうものが私たち人間にデータをつきつけて人間を評価する。それが押し付けがましくて、なんとなく嫌なときがある。
遺伝子情報がすべて正しくて決して裏切らないのだろうか。そう考える時がある。
泉水と春の父親が春に向かって、「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」と言ったときなんだか嬉しかった。

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2026年03月13日

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壁への落書きと呼応して発生する放火事件。その規則性と遺伝子の関連が明らかになっていき、最後には全ての線が繋がったときには、気持ちいい感じを覚えた。放火やレイプ、癌など、重い題材が出てくる割には軽いタッチで進んでいくのは、伊坂幸太郎という感じがしたが、個人的にはその軽さが、少し読み応えという意味ではマイナスになったかなという感想が若干あった。ネアンデルタール人やガンジーなど、歴史や偉人と絡めるあたりも、いつも通りウィットに富んでいて楽しい作品だった。

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2026年03月07日

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春が二階から落ちてきた。
本書はこの1文にサンドイッチされている。さすがは伊坂幸太郎、洒脱なセンスだ。
さて、この「重力ピエロ」という話は、語り手である「私」だけの物語ではない、と自分は思う。
この物語の主人公にはあと2人「春」と「父」がいる。あくまで本書は、三者の視点の中の一つの「私」の視点に限定されている。それはなぜなのかは、本書は一応ミステリー小説であるから、説明するまでもないだろう。

重力。それは誰もが知る概念である。
そんな当たり前に、唯一逆らう存在。
それはサーカスで、空中ブランコに平然と飛び乗るなどの凄技を披露し、観客を夢中にさせ、挙句の果てには重力の存在などといったものを忘れさせてしまう、ピエロ。
遺伝子に逆らうことは、巨大な船の上で進行方向と逆向きに歩くようなものだ。
主人公が務める遺伝子会社の社長はそう、人間の遺伝子への反抗を、至極滑稽で矮小なものだと鼻で笑い飛ばした。
本書における重力とは、そういう遺伝子であったり、法律であったり、常識であったりする。
双肩にのしかかるそんな重力に、彼らは懊悩の末、従わないことを選ぶ。

春は、俺たちの家族だ。
アイツを殺す。
死は恐ろしくない。
お前は自首しなくていい。

彼らは重力に逆らうピエロに、つまりは重力ピエロになったのだ。
そうして、仏頂面で猛反発しながら後ろ指を指してくる観客に対して、彼らは文字通りピエロのように笑ってこう言うのだろう。

常識?
法律?
遺伝子?

そんなもん知るか。

俺たち家族は最強なんだよ、と。

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2026年03月04日

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ネタバレ

私は「死神の精度」を読んでから、(後書きでこの作品の登場人物が存在すると知って)読みました。
かなり初期の伊坂さんの作品は、ちょっと怖いイメージがあって敬遠してしまってたのです。

でもやっぱり読んで良かったです!
春は私(泉水)の母親が強姦された時に身籠った子だったんですね。それを知った春の気持ち…計り知れないです。
何で周りがその事を知ってそんな目で見るの?とか、春が知らなければこんなにも苦しむ事はなかったのに、どうにか知らないままで守れなかったの?とか色々考えてしまいました。(いやそしたらそもそも物語が成り立たなくなっちゃうし、と自分にツッコミ。)
物語が終わった後も、春の心は救われるの?と…夏子さん並みに私も色々思い巡らせています。
という訳でここまで夢中にさせてくれる伊坂さんは本当にすごい。

そらからお父さんの息子たちを静かに見守る愛、真の優しさ、本質を見抜く力、色んな場面に感動し涙しました。
伊坂さんの作品にはいつも粋な言葉がたくさんあって。私自身救われたり、心が温かくなったり、エネルギーを貰っています。
p53「勤勉な者が得るのは、報酬と、チャンスと、信頼だよ。」と言った春の幸せを願わずにはいられないです。

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2026年02月14日

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ネタバレ

映画が好きで原作も読んでみました。映画とは違うところがたくさんあって、おもしろかったです。ずいぶん前に観たのでうろ覚えながら、夏子さんと黒澤の活躍や葛城の現状、両親のとんでもない馴れ初めとか、確か映画ではやってなかったはず。特に夏子さんはストーカーが高じて整形しての再登場。なんかおいしい。母のプロポーズも衝撃的でした。泉水と春は最強の兄弟!原作を読めて良かったです。

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2026年03月24日

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ネタバレ

家族愛や血のつながり、過去の罪など、扱っているテーマは決して軽くない。それでも、不思議と重苦しさはなく、比較的さらっと読み進めることができた。おそらく、どこかユーモラスで軽やかな語り口で描かれているからだろう。

作中にも登場する「重要なことは軽快に伝える」という言葉が、この物語の雰囲気をよく表しているように思う。大切で重い役割を担いながらも、それを感じさせないピエロのような存在。タイトルの「重力ピエロ」は、まさに物語全体の空気感そのものを象徴しているようだった。

お父さんが本当にいい人で、読んでいて温かい気持ちになった。
最後の「春が二階から落ちてきた」という一文には、ゾクッとさせられた。

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2026年03月08日

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ネタバレ

<目次>


<内容>
主人公の視点から、弟の犯罪が明らかになっていくが、細かい章立ての積み重ねの中、少しずつ弟や両親、ストーカーの女、犯人などの性格や謎解きも進んでいく。
ちょっと読みにくかったが、途中でそのからくりに気づいて、納得した。

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2026年03月05日

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