あらすじ
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
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Posted by ブクログ
たしか20年前に読みました。初めての伊坂作品で、ファンになりました。「俺たちは最強の家族だ」というセリフが気に入りました。また読みます。
Posted by ブクログ
「父はさらに、春に向かって、こうつづけた。
それは、私たち兄弟を救済する最高の台詞だった。
『おまえは俺に似て、嘘が下手だ』」
泣いた。めちゃめちゃにかっけえ。
春は生まれてからずっと苦しんできたんだなと考えると胸がキュってなる。
家族で一人だけ絵が上手いのをコンプレックスに思って描くのをやめたり、溜まったものが溢れそうになって夜中にゴミ置き場に行ったり…
春だけじゃなくて、泉水もお母さんもお父さんもずっと抱えてきたもんなあ。
お父さんが春に手を差し出すところも良かった。
仲の良い男の兄弟ってカラッとしながらも強い絆を感じる。
「『赤の他人が父親面するんじゃねえよ』」
これも良かったなあ。そうだよな葛城は赤の他人だよな。そうだよなそうだよな。
「おまえが仮に法を犯しても、そこには何か理由があるんだ、と俺は信じるよ」
泣。
Posted by ブクログ
テーマがかなり重めで最初は中々手が進まなかった。後半にかけて事実が明らかになり繋がっていく過程がとてもよかった。
人間としてとても出来た父と、血は半分しか繋がっていなくても兄弟を感じさせる2人の息子の家族愛が素晴らしく、破天荒な母のエピソードもよかった。
最初と最後が意味の違う同じ文章でまとまっているのが綺麗でお気に入り。
Posted by ブクログ
春の罪を家族は許しました。春はこの先、強姦魔への罪悪感は無くとも「悪いことをした」という罪の意識を抱えていかなければなりません。泉水もこの先重力に逆らうように、世の中で決められたルールとに逆らい殺人を許したという決断を抱えていきます。その覚悟も家族という強い絆で結ばれていればできることなのでしょう。春の出自や両親の死を乗り越えて、家族という結びつきがさらに強くなりました。
Posted by ブクログ
内容は暗く重くて爽やかじゃないんだけど、春の達観した心情と兄の弟を思う気持ち、そして父と母の家族を愛する気持ちが、物語を少しだけ明るく照らしてるような感じだった。
親子とは何で決まるのか。血のつながりや遺伝子か、それとも心のつながりや共に過ごした時間か。この難問に正面から向き合い、自分達の答えを出してきた家族の心境を考えてしまう。
「赤の他人が父親面するんじゃねぇよ」
「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」
この辺のセリフがもうなんとも言えない。
ジメジメとした事件の裏で、ささやかに、それでも力強い家族というつながりを感じた。
作中で死んだけど、葛城はあと5回ぐらい死ねまじで。