Posted by ブクログ
2021年05月05日
貧乏な元大学生が金貸しの老婆姉妹(妹は義理でまだ若い)を殺した後で様々な人たちと邂逅し心的変化を遂げていく文豪の代表作の1つ。
主人公であるラスコーリニコフは頭脳明晰ながらも傲岸不遜というか選民思想的な悪党で恐らくは「デスノート」の夜神月や「心理試験」の蕗屋清一郎の原型。
後の創作人物に比すると斧で...続きを読むあっさりと連続殺人を犯すほどの非情さと知り合いになったアル中貧乏人の家族に有り金(自分で稼いだわけではない)を差し出す熱情さが入り混じった病的さが特徴的。
そんな彼の非凡人による権利主張の論文からプロファイリングしていく予審判事ポルフィーリーもかなり凄い。
ロシア人名に馴染みがないせいもあるが名前が分かりにくいのが難点。メインのラスコーリニコフにしてもロージャなのかロジオン・ロマヌーイチなのかごっちゃになる。(ロシアでは名+父称+姓で更に愛称もある)