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鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。
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Posted by ブクログ
自分の愛読、あるいは尊敬している文学者も、教養人も、なにかとドストエフスキーという作家を通ってきている人ばかりなような気がしていたので、自分も大学を出る前に読んでみようと思った。 簡単に概要から。 主人公ラスコーリニコフは経済的に苦しく大学を去った元学生で、彼は「一つの犯罪、過ちを犯したとしても、...続きを読むそれ以上の善行を積めば許される」(これは上巻では、酒場の大学生の会話や新潮文庫のあらすじにしか出てこないので、ラスコーリニコフ自身がそう考えているかはわからない)とか、「人間は凡人とは凡人に二分され、歴史に名を残した偉大な偉人たちも犯罪者であるように、犯罪を犯しても正当化される人間が存在する、そして自分はそっち側だ」という思想によって、質を生業にするババアを殺害する。上巻では特に、警察や周囲の人間とラスコーリニコフのスレスレのやりとりが刺激的に、またラスコーリニコフ自身の頭も自分の罪を隠すことでいっぱいなように描かれており、『罪と罰』の「罰」要素はあまり見当たらなかった。これからの展開(下巻)に期待。 読んでる上で困ったのは、名前が覚えづらいし、全部長い。こいつ誰だっけ?となるのはよくあるので、もう下巻だけなので自分はしないと思うが、最初は相関図とかを書いて、それを栞とかにすると良いかもしれない。同一人物にもあだ名的なものがたくさんあって、それも日本人的には少々わかりづらい。 あと、ページ数がやたらと長い。手紙も長いしやりとりも長い。一つ一つの場面場面も長い。でも読みやすい。分量自体が多いので、時間はかかるが読みやすい。
ラスコーリニコフ、何なんだお前は、という気持ちを抱えたまま読み進める。 まさかの凶行。 かと思えば、あらゆる登場人物との絡みで意識があっちへこっちへと揺さぶられる。 「いつバレるのか、いやバラすのか」という緊張感が常に付きまとう。 後半になって体調が落ち着いてきたところでは、まるで私自身が風邪から直...続きを読むったかのような爽やかさを感じつつも、しかし罪が消えるわけでも、逃げ切れるわけでもない。 巻末付近で語られた、ラスコーリニコフの論文の話が非常に重要だ。 私は、彼が持論を信じているというよりかは、それを信じたいが故に実践するか、自分自身が非凡人であるかどうかを試したいという若さゆえの過ちが彼を凶行に向かわせてしまったのではないかと考えている。 少なくとも、私は「罪と徳は同じ天秤に乗らない」と考えているので、仮に功利性によって徳の割合を増やし、喜ぶ人が増えようとも、犯した罪が償われることはなく、感謝と非難を両方生涯抱えていくものだろうと信じている。 果たして下巻でどうなることやら。非常に気になる。
英雄的な人間は罪の一線を越えても良いという いわゆるナポレオン思想を持った青年が金貸しの老婆を殺す しかし罪の意識に苛まれ自分は英雄的人間ではないことを知る その他妹の結婚問題や純粋な心を持ったソーニャと出会う中で段々と性格が変わっていく
文字びっしり&文字が小さめ&名前を覚えるのに苦労しますが、すんごい面白い。最後のページでラスコーリニコフの前にとある人物が現れて不穏さ増し増しで下巻へ続きます。
感受性が強すぎたみたいで第2章まで読んで、心が苦しくて自分を殺してしまいたいと思ってしまい涙が止まらなく、結果、ギブアップです! でも、素晴らしい文章でした。心が健康な時にまた読み直したいです。罪と罰に生きているうちに出会えて良かったです。周りに自慢できるような良い刺激になりました。 このような人間...続きを読むの心理や哲学の本は大好きです。しかし、求めているよりも、私には描写がひとつひとつ詳し過ぎました。気分が悪くなった!(素晴らしい) 読む前は、夜神月みたいに殺人後も淡々とこなす感じかと思っていました。だが、心配なくらい動揺しすぎており、サイコキャラもここまで取り乱してるのは見た事がない。 文書自体は凄く引き込まれる文章です。少しこちらの本に触れてみて確実に損は無いと思います。 ありがとうございました。
この小説の舞台は、帝政ロシアの首都、サンクトペテルブルク。 先に読んだ『貧しき人々』は、困窮の中でも希望の光が見られました。しかし、本書では殺人者となった青年(ラスコーリニコフ)の深層心理を描いているため、どんどん深い闇に飲み込まれていく感じです。犯罪者の行動、心理をえぐり取るような描写に驚くばか...続きを読むり。「罪を犯す権利」があると信じるラスコーリニコフの人物像が、周囲の人々(家族、友人、その他)とのからみの中で、少しずつ少しずつ鮮明になってくるところが、興味深いです。 ミステリー度満載で満足度は高いです。ロシアの当時の社会情勢など含めて考えると、一読で深いところまでの理解は難しいと感じました。とりあえず、ストーリーの展開を楽しめているので、下巻を読み進めていきたいと思います。
高校生のとき全く理解できず。大学生でも意味不明。電子版で途中下車したまま投げ出して。定年前に再挑戦。物凄い名作。体力があるうちに再読したいです。
ドストエフスキーの初読にカラマーゾフの兄弟を選び、挫けながらも読み終えた。 こちらを読んで、初めはこちらにすべきだったと後悔した。 ロシア文学らしい、圧倒的情報量。心理描写。哲学。だったが、すんなり読めた。 最近の保守思想にも投影できる部分あり、非常に考えさせられる。
お金に困ったフリーター、ニートが、高利貸しの女を殺す 殺しても許されると思って出来心でやったけど、罪の意識に苛まれる 殺しても変わらない世界もある 情けに振らないところが、真実らしくていい
積んでる期間が長すぎると何故か読んだ気になってしまっている。罪と罰もその一つ。今回やっと読めた。 大学生ラスコーリニコフは強欲な金貸しの老婆を、独善的な思想から殺害することを企てる。ところが計画していなかった老婆の妹まで殺害してしまう。この殺人がラスコーリニコフに罪の意識を背負わせ、人生を狂わせて...続きを読むいく。 犯行後に感じる恐怖や猜疑心、情緒不安定になっている様子がリアル。冗長で回りくどい台詞がその辺りをよく表していると感じた。 ラスコーリニコフほどの罪を犯したことはないけど、何故だか心理はよく理解できるんだよな。よくこんなに伝わってくる描写ができるなという尊敬の笑いと、疲弊しきった読後。 ⚠️コロナ療養期間に読むものではない
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