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Posted by ブクログ
「ニコライ・スタヴローギンは事実、部屋の中にはいっていた。彼はごく静かに部屋にはいってくると、一瞬戸口で立ちどまり、もの静かな眼差しで一座をみわたした。」
やっと出てきたか、と言いたいけど、スタヴローギンの登場で物語は動き出す。
ヒントは二つある。
(ヒントその1)
ミハイル・バフチンはドストエフスキー小説の特徴を、
「自らの意思と声を持つ、自立的な存在としての登場人物を設定し、
相違なる思想同士の、事件に満ちたポリフォニー(多声楽)のような対話が実現している。
そのジャンルは民衆的な笑いの文芸、カーニバルにたどりつく。」と述べている。
(ヒントその2)
ドストエフスキーは世界中文学中もっとも偉大な小説としてセルヴァンテスの「ドン・キホーテ」を挙げ、理想としている。
実際の事件をヒントに空想のつばさを広げる、まさに近松の浄瑠璃なのだ。おおいに笑えばいい、泣けばいい。
Posted by ブクログ
農奴解放令によっていっさいの旧価値が崩壊し、
動揺と混乱を深める過渡期ロシア。
悪霊に憑かれた豚の群れが、
湖に飛び込んで溺死するという聖書の記述から
無神論的革命思想を悪霊と見立て、
それに憑かれた人々とその破滅を描く。
そんな裏表紙の触れ込みのドストエフスキーの大作、悪霊。
罪と罰で遅かれ、初めてドストエフスキーに触れ感銘を受け、
そして次に選んだのがこの悪霊。
罪と罰で慣れたのか、今回は読みやすく感じる。
やはり人間の心理描写を描くのにすごく長けているというか、
時代性というものを感じずに読み進めることができる。
とても100年以上前の作品とは思えない、ある意味新しさがある。
重苦しい裏表紙の触れ込みからは想像することもできない、
前半のステパン先生の情けなさにどこか安心感すら覚える。
物語はニコライやステパン先生の息子ピョートルの帰還によって
途端に加速感を増し、重みと緊張感を持たせる。
賽は投げられたり。彼らの運命は確かに破滅へと回り始めていた。
Posted by ブクログ
「無神論を悪霊に見立て、それにとりつかれた人々の破滅を描く―」
裏表紙の文です。
シャートフやニコライ、またそれに迫るピョートルなど、確かに破滅の足音が聞こえてくる感があります。
しかし正直「白痴」同様読みにくさを感じました…。
ステパン氏とは何の描写なのでしょうか?
アンチ無神論者であるが滑稽に描かれている彼の様は何の意味を持っているのでしょう。
風車に向かうドン・キホーテのような無謀な挑戦をする存在としてでしょうか?つまり新時代の自由思想に無謀にも向かっていく、哀れな過去の遺物という役割を背負わされているのか。
悪霊という題は何を意味しているのか?
ただ単に著者の嫌悪感を表しているのか?
それともいつかは駆逐されるものとして、逆にキリストの福音を強調するものなのか?
また無神論に対する教会という存在がシニカルに描かれているのも気になります。
…正直理解は難しいと思いますが、それでも読んでいきたいです。
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