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Posted by ブクログ 2015年08月14日
再読である。まるで初めて読むように味わうことができた。日本の近現代文学にも影響を与え続ける名作をたっぷりと味わえ、普段の読書より濃密な時間を過ごすことができた。スタヴローギンがやはり気になる。彼の最後が暗示する「未来」とは予想してみたくなる。ステパンもカルマジーノフも滑稽でもあるが、生きることに真摯...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年09月06日
帝政ロシア末期、地下組織が脱退者を殺害したという「ネチャーエフ事件」をモチーフに書かれた。革命勢力を揶揄しているとして、ソ連時代は弾圧された問題の小説。子離れしない親を持つ各々の息子スタヴローギンとピョートル。二組の親子を中心とした人間関係を成す多彩な登場人物たち。やはりキリーロフが好きである。語り...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年01月22日
ドストエフスキーの長編小説の中でも最も難解といわれるこの『悪霊』だけどその分より深淵に踏み込んだ、どうにも救われない個人の内面というテーマの描かれ方は随一。見栄や思想、強欲、宗教、そして時代…誰もが目に見えない「何か」に心を奪われ、病人の様に生きている。キリスト教には病人の代わりに悪霊を引き受けてく...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年10月23日
「ニコライ・スタヴローギンは事実、部屋の中にはいっていた。彼はごく静かに部屋にはいってくると、一瞬戸口で立ちどまり、もの静かな眼差しで一座をみわたした。」
やっと出てきたか、と言いたいけど、スタヴローギンの登場で物語は動き出す。
ヒントは二つある。
(ヒントその1)
ミハイル・バフチンはドスト...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年08月22日
結構難しい。いや、かなり。
カラマーゾフの兄弟と並ぶドストエフスキーの思想書と書かれてるけど、こっちの方がより観念的というか。最初のほうとか、ステパン氏の説明にどれだけ割くんだという感じ。
それでもさすがなのは、読ませられる。各キャラクターが非常に際立ちます。ピョートルはいけすかないし、悪魔超人ス...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年05月18日
農奴解放令によっていっさいの旧価値が崩壊し、
動揺と混乱を深める過渡期ロシア。
悪霊に憑かれた豚の群れが、
湖に飛び込んで溺死するという聖書の記述から
無神論的革命思想を悪霊と見立て、
それに憑かれた人々とその破滅を描く。
そんな裏表紙の触れ込みのドストエフスキーの大作、悪霊。
罪と罰で遅かれ、初...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年10月21日
「無神論を悪霊に見立て、それにとりつかれた人々の破滅を描く―」
裏表紙の文です。
シャートフやニコライ、またそれに迫るピョートルなど、確かに破滅の足音が聞こえてくる感があります。
しかし正直「白痴」同様読みにくさを感じました…。
ステパン氏とは何の描写なのでしょうか?
アンチ無神論者であるが滑稽...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年05月23日
ロシア旅行の前に読みました。
罪の意識がなく、平気で人を殺しては精神障害者の振りをして無罪となり、
女性と関係をもっては公然と彼女を侮辱し、親友の妻を孕ませ、
好き勝手やっていた男性に悪霊が取り憑いて、彼は自殺に追いやられた。
福音書の中にイエズスが人々から悪霊を取ってやると、
悪霊は豚...続きを読む
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