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ドストエフスキーは、組織の結束を図るため転向者を殺害した“ネチャーエフ事件”を素材に、組織を背後で動かす悪魔的超人スタヴローギンを創造した。悪徳と虚無の中にしか生きられずついには自ら命を絶つスタヴローギンは、世界文学が生んだ最も深刻な人間像であり“ロシア的”なものの悲劇性を結晶させた本書は、ドストエフスキーの思想的文学的探求の頂点に位置する大作である。
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Posted by ブクログ
大学卒業後は会社に勤めたが、在職1年で「勤務はじゃがいものように飽きあきしました」と語ったドストエフスキーの長編小説。何回も構想を書き直し、史実の事件をもとに構想を練ったこともあった。「成功したいという思いが全く無ければ、生きようとも欲さなくなるかもしれない」ことに気付かされた。「悪霊がいるなら神...続きを読むもいる」という意味で、信仰を語ることへの抵抗を取り除いてくれる一書。
11/10 “生なる者たちの、愛の所有は偽りなり。しかし死して真実にかす。” 神が宙吊りにされた社会に、解き放たれた悪霊たちが合唱する物語である…. 革命的思想という名の「正義」に偽装された悪霊に取り憑かれた、知識と強欲の白痴たち。ドストエフスキーが映し出すのは、人類とロシアの終曲であり、悲劇...続きを読むの極みである。第一部、第二部で積み重ねられたもの。いや、むしろ最初から計画されていたのかもしれない。それがすべて第三部で解き放たれる。用済みになれば即座に死ぬ。人々が次々と消えていくその様は、究極のカタストロフィだ。そして、それぞれの人物には自分なりの愛があり、崩壊がある。 だがその愛は饒舌的で偽りに見える。それでいて崩壊はカタストロフィ敵でで奇しくも真実なのだ。これが真理であると僕は思う。 「スタヴローギンの告白」には、『悪霊』の根源的な土台が潜んでいる。スタヴローギンの破壊的衝動と倫理の崩壊は、読者を強烈に魅了する。ニコライは神を殺した悪魔のように見え、やがてチホン神父すらも悪魔的な存在へと映ってくる。 「また罪を犯す。」 この一言に伏線的な予言が凝縮されており、作品全体を照らす輝きを放っている。 僕が最も好きな一節は、「人間が不幸なのは、自分が幸福であることを知らないからだ。」 スタヴローギン。彼はアリョーシャ・カラマーゾフに近いのかもしれない…
下巻では、シュピグーリン工場の連中が起こした火事を契機に、物語が一気に加速する。 ピョートルを中心とする《五人組》と呼ばれる組織がロシアの転覆を企てている。 それを背後で動かしているのはスタヴローギンなのか? その人間像は僕には最後までわからなかったが、彼が自殺したときの衝撃は忘れないだろうと...続きを読む思う。 『カラマーゾフの兄弟』よりもはるかに重く、難解な小説である。 「リャムシンさん、お願いだからやめてください、あなたががんがんやるものだから、何も聞きとれやしない」びっこの教師が言った … リャムシンが席を蹴った。「だいたいもう弾きたくなんかない!私はお客に来たので、ピアノをぼんぼんやりに来たんじゃありませんからね!」 (下巻115ページ) ここおもしろいです。
スタヴローギンなしには、物語の精彩を欠いていただろう。そこに精神のもがきがあるからだ。あとは俗悪で、または、単に俗っぽさがあるのみだ。ステパンの最後の独白も良かった。良心があった。別立てにされたスタヴローギンの告白はやはり本編に含めるべきだろう。でないと、最後の彼の自殺が物語の救いにならなくなる。色...続きを読む々なことが明晰になるし、チホンとの対話が抜き差しならず、スタヴローギン性がより深みを増すからだ。あとは火事場の描写が迫真だった。
上巻で詰みそうになったけれど踏ん張って読んでよかった。下巻に入ってからは面白くて面白くて一気読みだった。最も印象に残ったのはキリーロフだった。 いろいろと考えあぐねているし、これからも年単位で考え続けることになりそう…
非難する術を持たぬ子どもの無意識の威嚇、愚かしくて痛ましいほどの無防備な絶望の姿。それは確かにこの世に数少ない、まるで心臓に釘を刺すように胸を打つものである。それがスタヴローギンの感じた(自分では感知できない)唯一の良心の在り処だったのかもしれない。
ピョートルとキリーロフが対決し、両者の関係は修復不可能になる。主人公とされるスタヴローギンは最後まで影が薄くて五人組を裏で動かす大悪党として映ってこない。本筋に関わらないのに何故こんなにステパンが登場するのか?いつ果てるともつかない夜の営みのような、モヤモヤ感がいつまでも続いた後の突然の火事や暗殺の...続きを読むシーンは生々しい。ピョートルが啓示を与え悪事を働いたモノどもは逮捕されるが、一人ピョートルだけが国外逃亡する。何故こんな奴に大の大人が掌中の駒として操られるのか、隷従するのか、現代でもそういうことは起こり得る。
「完全な無神論でさえ、世俗的な無関心よりましなのです」雑誌連載時にはその内容ゆえに掲載を見送られた「スタヴローギンの告白」内で用いられる、上記の言葉が個人的ハイライト。そう、無神論というのは「絶対的な神が存在する場所に、絶対に何も置こうとしない」という思想を信仰する、一つの宗教的態度である。宗教に無...続きを読む関心な人にでも、星に祈りたくなる夜は来る。あなたが好きなものを語る時、それは一つの信仰告白が行われているということなのだ。それでも僕らは何かを信じずにはいられない、人は真に堕ちきるには弱すぎる存在なのだから。
ドストエフスキーのなかでも、なぜだか今まで読むことをためらっていた一つ。(タイトルがタイトルだからでしょうか) しかしながら、そうしておいて良かったように思える。 高校生ぐらいの自分が、スタブローギンに出会ってしまっていたら、完全にハマってしまっていたでしょうよ、恐ろしいことに。 非常に魅力的...続きを読むな作品。 10年ぐらいしたら、もう一度読もうと思って、傍線をいくつも引いておいた。。。 そういえば、大江健三郎氏の作品で、この悪霊が根柢のトーンとなっているものがありますので、ご興味ある方はどうぞ。 キリーロフがシャートフに”永久調和の訪れ”を告白するシーンは、大江氏の『洪水は我が魂に及び』の「すべてよし!」のベースであるでしょうし、あるいは『燃え上がる緑の木』のギー兄さんがメープルの木を見て「一瞬より長く続く時間」と語る部分のベースとなっているように思えます。 後者は、キリーロフがスタブローギンに対して「一枚の朽ちかけた黄色い木の葉が舞うのを見てすばらしいと思う、そして目を閉じる」と語っているシーンそのものといってもいいような告白シーンが登場します。
やはり世紀の傑作と呼ぶに相応しい作品であることは間違いない。 とりわけ下巻に関しては、上巻では恐怖の対象でしかなく、 もはや完璧と思われていたスタヴローギンやピョートルといった 革命的思想をもった若者たちの化けの皮が剥がれるかのごとく、 ある意味、誰よりも人間味というものが垣間見えた気がした。 その...続きを読む中でも物語が佳境を迎える舞踏会の混乱から放火事件への流れは、 完璧に組み立てられた構成に変な話しだが美しくもさえ感じてしまった。 全てにおいてドストエフスキーの描く人間模様というものは 現代においても決して色褪せることなく、通ずるものがある。 それはスタヴローギンが選んだ結末においてもだ。 巻末に収録されている本編からは当時はじき飛ばされてしまった いわくつきの「スタヴローギンの告白」の章。 これを読んだ時、ドストエフスキーの生みだしたスタヴローギンという男に 心の底からの恐怖を抱いたのは言うまでもない。
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ドストエフスキー
江川卓
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