江川卓の作品一覧
「江川卓」の「悪霊」「悪霊(上下)合本版(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「江川卓」の「悪霊」「悪霊(上下)合本版(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
15年ぶりの再会。あの過剰な語りをまた経験したくなり、本を開いた。過剰な語りは過剰な感情と行動を伴い、有無を言わさぬ力で、読者を物語の世界へと深く引きずり込む。
色々と過剰で、化け物のような人々。このような人間がいるのかと思えるほど、感情と行動の起伏が激しい。今巻は特に、カラマーゾフ3兄弟の父親フォードルと長兄ドミートリィが目立つ。序盤の山場は、ゾシマ長老との会食での大立ち回り。強欲で好色なフョードルは、自ら道化のような役回りを演じる。自分でこしらえた感情を自分で真に受けて感動するもんだから、どこまで本気で、どこからが演技か境目が無くなってしまう。その結果、彼の人物像は、凡庸な理解が及ばない、
Posted by ブクログ
11/10
“生なる者たちの、愛の所有は偽りなり。しかし死して真実にかす。”
神が宙吊りにされた社会に、解き放たれた悪霊たちが合唱する物語である….
革命的思想という名の「正義」に偽装された悪霊に取り憑かれた、知識と強欲の白痴たち。ドストエフスキーが映し出すのは、人類とロシアの終曲であり、悲劇の極みである。第一部、第二部で積み重ねられたもの。いや、むしろ最初から計画されていたのかもしれない。それがすべて第三部で解き放たれる。用済みになれば即座に死ぬ。人々が次々と消えていくその様は、究極のカタストロフィだ。そして、それぞれの人物には自分なりの愛があり、崩壊がある。
だがその愛は饒舌的で偽り