江川卓の一覧
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ユーザーレビュー
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就活をしながらダラダラと読み終わった。
あまり、タイミングが良くなかったかもしれない。
罪を犯したが未だ罰せられずにいる主人公は、罪が露見する恐怖や、後ろめたさから生じる孤独感に苛まれる。
彼が許されざる犯罪を行った理由は、自分や家族が置かれた環境を変えること、そして彼の理論を実証することにあ
...続きを読むった。
極貧の中で精神を病み、流行思想にかぶれた彼はついに強盗殺人を実行し、偶然にも成功させてしまう。
彼は罪を贖うことで恐怖や孤独から解放されたいと感じ、自分が犯人であることを仄めかすような行動を取り始める。
しかし、彼は自分の理論の正しさを示すため、そして「人間」であろうとするために何度もその欲求に抗う。
かつて優秀な学生だった彼は、ナポレオンのように非凡な「人間」は、全人類の利益のために「しらみ」たちを殺しても、良心の呵責を感じない権利を持つと考えていたのだった。
だが、彼の目論見は外れた。
罪を犯してから少し経った頃、彼は自首をする。
牢獄の中で彼は、良心の壁を踏み越えることができなかったことや、自殺よりも自首を選んだことに苦しめられる。
生きながらえたところで、未だ理論を諦め切れない彼にとって、殺人は罪ではなく一種の試みであり、優秀で傲慢な彼は今後の「しらみ」の人生に意味を見出すことはまだできなかった。
しかし、、、
ロシア文学は長くて退屈なイメージがあったが、なかなか面白かった。
今後もドストエフスキーは読み進めていきたいと思う。
贖罪は思考の産物ではなく愛から生まれてくる。
人生に意味をもたらすものは無上の愛である。
人生に意味を見出すことで人は罪を悔いることができるのだ。
Posted by ブクログ
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オーディオブックで聴きました。以前、罪と罰を読んだ時は、登場人物の呼び方が複数あり分かりにくかった。そのため、登場人物やあらすじを見ながら聞きました。
1章2 ラスコーニコフがソーニャの父マルメラードフに居酒屋で絡まれるシーン 酔っ払いの話がダラダラと続くのだか、思わず笑ってしまう。
「私が酒を飲
...続きを読むむのは、苦しみを共感を見出すためなんです。苦しみたいから飲むんです。」
・・・よくわからないが、私もいつかこのセリフを使ってみようと思う。
酔っ払いのマルメラードフが家に帰り、妻に髪をつかみ部屋に引っ張り込まれたとき、マルメラードフは額を床にぶつけながら、「これが快感なんです」と言っている。なんのコントかと思ってしまった。
2章1 ドイツ訛りの達者なロシア語の人の会話も笑える。
ラズミーヒンの翻訳の仕事の会話が印象に残る。ドイツ語は分からないから、自分で作文してる。その方がかえって良くなってると慰めてるが、やっぱり悪くなってるかも笑
Posted by ブクログ
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何とも心にずっしりと重い。その重さの原因は、まるで自分自身の事を誇張して語られているような主人公の語り。自分が何故苦しみながら生きないといけないのか?知能が低い故にその苦しさに気付かない人たちは羨ましい。自分は優れているが故にその苦しみに気が付いてしまう、というのが主旨かと思うが何か共感できる。
...続きを読むこのような面倒くさい主人公に共感できてしまう事は何とも心地悪いが、そういえば『賭博者』でも賭け事好きな人の心理を極限まで突き詰めたような感じだった。人の心にあるドロドロした部分に焦点をあてた内容は通じるものがある。
今はまだうまく咀嚼できてないけど、心にズーンと来るものがある小説には中々出会えないが、これは言葉にできないインパクトがある。キューブリックの映画を映像でしか伝えられないものがあると感じるが、ドストエフスキーは小説でしか伝えられない何かがあると思う。
Posted by ブクログ
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2部構成になってて1部目では、とにかくネクラーソフが社会への不満、自分の抱えている問題を延々と喋り続ける。結構おもしろい。
2部はネクラーソフの醜態エピソード3本立て。
とにかくインキャ!
もう勘弁してくれと読みながら思うほどインキャムーブをかましてくる。
でもその心情、行動がたまに自分に通ずると
...続きを読むころがあるから笑い飛ばすことも出来ずじんわり心が痛む。
単細胞的に考えると彼は自分が抱えている問題をリーザに暴露できたんだから彼女に頼ればいいのになぁとか思ってしまうけど、
「安っぽい幸福と高められた苦悩と、どちらがいいか?」
という彼の言葉の重さはなかなか。
たまに読み返したい。
Posted by ブクログ
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ものすごい量だったけど、読み終わったぜー。今年の冬から読み始めて、ゴールデンウイークでなんとかケリつけた。苦行だったけど、読み終わった後にはものすごい爽快感が。是非とも読むべき。色んな日本の小説やアニメを思い出しながら読んだ。宮崎駿は特にヤバい。魔女の宅急便も猫の恩返しも、もう純粋な目では見られない
...続きを読む。
Posted by ブクログ
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