地下室の手記

地下室の手記

世間から軽蔑され虫けらのように扱われた男は、自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に潜る。世の中を怒り、憎み、攻撃し、そして後悔の念からもがき苦しむ、中年の元小官吏のモノローグ。終わりのない絶望と戦う人間の姿が、ここにある。後の5大長編へとつながる重要作品であり、著者の思想が反映された主人公の苦悩をリアルに描いた決定訳!

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地下室の手記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    暗く、ジメジメした穴ぐらから溢れ出る呪詛。
    ポジティブを全て向こうに回し、己の駄目さ加減を棚に上げて捏ねくり回される自己肯定。
    でもなんか途中から、なんか自分のこと言われてる‥と感じたり。
    妙にハマった。

    1
    2020年02月04日

    Posted by ブクログ

    ドストエフスキーで笑える作品があるとは・・・そこにまずは驚きました。
    主人公はモノローグという中年の元役人で、コイツが一癖も二癖もある大問題児です。妬み、嫉み、僻みといった人間の鬱屈とした闇の部分を全て兼ね揃えていて、それを惜しみもなく全開放した本当にどうしようもない奴が主人公として物語が展開されて

    0
    2025年06月24日

    Posted by ブクログ

    こじらせかまってちゃんな主人公のドタバタな日常は、読んでいて苦笑いさせられてしまいます。
    周りを一切幸せにしない生き方ってあるのですね。
    自分の中にも引きこもりたい願望はありますが、引きこもったとしても、他者への優しさは失いたくないです。
    現実的に将来自分が引きこもった時に、バイブルになるかもしれま

    0
    2024年11月27日

    Posted by ブクログ

    主人公は、なんとまあ面倒くさい人でしょう。リアルでは関わり合いたくない人ですが、意外と共感できる人も多いのではと思ったり。

    第一部『地下室』は、とち狂った男の黒歴史を語る妄言の数々がひたすら書かれていますが、人間の内面に潜む自意識をひたすら省みる内容には、意外にも知見に満ちた珠玉の言葉(一部笑いを

    0
    2024年07月14日

    Posted by ブクログ

    主人公に、まるで未来の自分が書いたような強い共感を感じた。肥大化したプライドで他者を見下し、同時に自己が矮小で卑劣な存在だと認識していながらも、それを変える為に前向きな、つまり現実と対峙することから逃げ続ける。高すぎる理想で、他人を嘲笑するが、それは自分自身にも適用される。

    自己嫌悪、自意識過剰、

    0
    2024年04月17日

    Posted by ブクログ

    「俺は病んでいる・・・ねじけた根性の男だ」で始まる非常に暗い小説。小説は2部に分かれ、Ⅰ部の「地下室」はモノローグで主人公のねじれた人生観がくどく語られ、Ⅱ部の「ぼた雪に寄せて」では主人公を「ひどく苦し」めている思い出が語られます。
    Ⅰ部は難解で矛盾だらけ(ただ、注意深く読むと論理的一貫性があるのか

    0
    2024年01月25日

    購入済み

    娼婦を感動させたのに...

    娼婦に気持ちが伝わったのは感動だ。
    でも、主人公は分裂した感情を持つ。
    単純でないのはつらいことだ。
    だが、読者が
    アンビバレンツを直視するなら
    何かが見えるかもしれない。
    娼婦ではないが汚れた状況下の女性である
    『ブギーポップは笑わない』の織機綺、
    『青春の門・筑豊篇』の牧織江、

    #切ない #深い #タメになる

    0
    2021年08月26日

    Posted by ブクログ

    肥大する自己意識。ちっぽけであると分かっていると同時に、どこか偉大であると信じている自己の存在意義。結局、極悪にも、善良にもなりきれずに世界を恨む。人間の普遍的な自己意識と世界との関わりの間で揺れ動く悩みは時代や場所が変わっても色褪せずに多くの人々の心に問いかけ、また、慰めてくれている。

    0
    2019年09月24日

    購入済み

    自意識過剰と書いているけど、実際は人の悪意を正面から受け止め過ぎた悲しい主人公だと思いました。人間は脳髄で考えているのではなく手足からつま先に至るまで、それぞれ別々に考えている。頭も尻もない下等動物の連中が暑い寒いを正確に判断したり、喰い物の選り好みをするのはまだしも、人間の脳髄なんぞが寄っても附け

    0
    2019年03月03日

    Posted by ブクログ

    新訳ではありますが、久々に手にしてみました。
    凄いですな、これは。
    主人公の倒錯の果ての自意識過剰・自己中心意識には憐れみを覚えると同時に読者(あるいは当方)自身の欺瞞を抉り出されているようで慄きを感じる。
    また、リーザの設定などヨーロッパを知っていればより深くこの本を味わえるんだろうと思いますな。

    0
    2014年02月10日

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