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役所勤めもやめ、怠惰な日々を日々を送る青年貴族オブローモフ。朝、目覚めても起き上がる気力も湧かない彼が微睡むうちに見る夢を綴った「オブローモフの夢」。長編『オブローモフ』完成の十年前に発表され、作品全体の土台となったこの一章を独立させて文庫化した。全編の抄訳付き。行動力ゼロ、気力なし、決断力ゼロ。それでも(だからこそ)ロシアン文学史上ナンバーワンの「愛されキャラ」であるオブローモフとは何者か?
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Posted by ブクログ
長編『オブローモフ』の中から、「オブローモフの夢」部分だけ独立させて文庫化。全編の抄訳付き。 先行して発表されていた「オブローモフの夢」だけ独立して楽しむのも、発表順を考えれば問題ないだろうと。なるほどね。 とにかくこの一篇は村の情景描写が素晴らしいです。彼のゆりかごだった村の様子がこれほど生き生...続きを読むきと描写されているとは。 全編の抄訳と解説も充実で『オブローモフ』がどんな話かはざっくり理解もできるので、これで興味をもって長編へ挑むとっかかりにもなりそう。
怠け者オブローモフは悪い人ではない。ただ、生まれてこの方甘やかされて育ち、世話を焼かれるのが当然だと思っただけのお坊ちゃんであった。世間知らずなので騙されることもあるけれど、とても誠実で無垢な人なので人々からは愛される。勿論、あくせく働く人からしたらとんだ情けない人間に思えるかもしれない。しかしオブ...続きを読むローモフは貴族でありながら高慢なところは何もない。結局何をしでかしても悪い人ではないからと擁護に回りたくなる魅力を持っている。
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