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中年のしがない下級役人マカールと、天涯孤独な娘ワルワーラ。二人は毎日手紙で励ましあい、貧しさに耐えている。互いの存在だけを頼りに社会の最底辺で必死に生きる二人に、ある日人生の大きな岐路が訪れる……。後のドストエフスキー文学のすべての萌芽がここにある! 著者24歳のデビュー作、鮮烈な新訳!
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Posted by ブクログ
ロシアの文豪、ドストエフスキーの処女作。 その日暮らしで貧乏から抜け出せない初老の小役人と、病弱で幸薄い生い立ちの少女による往復書簡… と、話しはこれだけなのですが、手紙という性質を意識しながら読み進めると、会話と違い、文章で語られる熱い言葉の勢いに、自然と引き込まれて行きます。典型的なのは、結...続きを読むびの言葉が内容によって変化するところ。小役人は「〜の友である マカール・ジェーヴシキン」が多く、少女は単にイニシャルで「V.D」が多いのですが、一ヶ所だけお互いに「愛する」と言う言葉とフルネームで書かれているところなど、凝った書き方をしていて驚きました。 小役人の書く文章も、途中プーシキン『ベールキン物語』とか読書をするようになってから教養がつき、次第に手紙の文章が洗練されてくる様子など、とても処女作とは思えない作品です。 内容も、お互い貧困で追い詰められた状況でも、他人を思いやる気持ちを持ち続けている会話のやり取りにおける心理描写が上手いなと思わされることが多々あり、著者の弱者に対する愛を感じました。ラストは、2人の置かれた状況からすれば、いいまとめ方だと思います。
この本は、文豪ドフトエフスキーの処女作ということで読んでみましたが、とても情熱的で、引き込まれる作品でした。 終り方も余韻があって、、とても良かったです。 ぜひぜひ読んでみて下さい!
九等官とは行き止まりの等級。清書係がそれ以上出世することはない。お相手は20歳前後の孤独な少女。書簡が往復する舞台は19世紀前半の帝政ロシア。ソ連となる半世紀以上も前。「うだつが上がらぬ中年下級官吏と薄幸の若い娘の恋物語」…そんな構図だけで語れぬ何かがある。迎える結末はそれしかないだろうという運命。...続きを読む”貧しさ”とはそういうものかと諦観する。1845年発表の処女作。グイグイ引き込まれるのは、後期長編に同じ。隠し秘めたる普遍の機微を突く。心の奥底にある闇深きもの。気づかされたその存在にふと魅了されている。
手紙は嘘をつく。意図的じゃなくても、相手に伝えたい想いを文章にのせるとき、真実以上の何かを加えたり、逆に落としたりしてしまう。それが書かれている内容よりずっと多くの真実を、読み手の心に浮かび上がらせて、胸が詰まるほどの感情でいっぱいにしてしまう。ドストエフスキーは読者の行間を読む力と共感力を信じてい...続きを読むるからこそ、この小説を書けたのだろう。
初めてドストエフスキー作品を読むにあたって、とりあえずページ数も少ないデビュー作を選びました。 正直、度肝を抜かれました。 デビュー作にして、人生のあらゆる智慧と苦悩が散りばめられています。 登場人物による往復書簡のやり取りは見ていて微笑ましいものから悲痛なものまで実に多彩でした。 この15...続きを読む0年で人類の生活は劇的に豊かになったのでしょうが、それは量的な意味であって質的にはどうなのかと問いかけられている気がします。 強い自意識が心の渇きを生み出す。 死刑宣告を受ける前の若きドストエフスキーのデビュー作。 本当の豊かさとは何か 忘れそうになった時に読みたい1冊です。
ロシアの文豪、ドフトエフスキーの処女作。 貧しい47歳の小役人と同じく貧しい10代後半の少女との文通形式の小説。 この小説が書かれたのは1846年ということは日本で言えば江戸時代の後期ということになる。 江戸時代に書かれた小説の登場人物の心情がこれほど豊かに描写されているということを今の時代に普通に...続きを読む読めるということがまず奇跡的。 主人公の小役人マカールが少女ワルワーラを自分の娘のようにあるいは孫のように、しかし実は本当に女性として真に愛している状況が読み取れ、それが涙をさそう。 最終的には悲恋となるが、この小説は「人を本当に思いやる」ということがどのようなことなのかを教えてくれる。 どんな時代であっても人の心は変わらないのだ。
初めてのドストエフスキー。この年になるまで読んだことがなかったことに恥じる。ただただ圧倒。手紙だけのやり取りだけで、主人公である二人の感情の起伏状態、貧しくとも互いを労わり励まし続け、自分の周りの人達や状況を伝えあうのだか、その表現の豊かなこと‼︎ 娘が昔を回想して描く描写など、目の前にその風景が見...続きを読むえるよう。貧しくとも心まで貧しくならず、尊厳を保つことの美しさ。心を豊かにするのは決してお金ではなく、人の温情なのだという。 訳者のあとがきより「人と人との繋がりが希薄になる現代こそもう一度読み直されるべき小説ではないか。」まさにそう思う。
暗い気持ちになりたくない方にはおすすめできません。 社会の最下層で貧しくひもじい思いをしながらもお互いを手紙で励まし合う物語…とにかく救いがありません。 カラマーゾフや罪と罰等の長編も良いですが、こちらの処女作もドストエフスキー好きとしては外せません。
弱者おじさんと孤児少女のラブレター ドストエフスキーの入門書として手に取ってみたが大正解だった。デビュー作ということもあってか短めで読みやすく、それでいて彼の世界観や巧みな表現力を楽しめる1冊だと思う。 内容の9割が下級役人マカール(47歳)と孤児少女のワーレンカ(推定18歳)の手紙のやり取りを...続きを読む通して展開される。この2人は現代の言葉で平たくいうと若い女性に貢ぎ困窮していく独身弱者おじさんと、両親を失いメンタルが不安定な孤児少女というキャラクターである。貧困故に共依存的なラブレターでお互いを励まし合う姿は時代や国を越えて普遍的な生々しさがある。 特に印象的だったのは、マカールの自分の気持ちを父性愛と主張する図々しさや自分を大きく見せようとする虚栄心、また物資等の援助は不要と言いながらも上手くそれを利用するワーレンカの(ずる)賢さや浮き沈みの激しさである。 私の読解力や考察力では、いわゆる社会の隅っこにいるような男女にスポットライトを当てた物語に捉えられ、24歳でこんな物語を書いた当時のドストエフスキーは時代や国の背景はあれど「社会の闇」的なものが好きな人物だという印象を受けた。 しかし考察等を読んでいると、マカールの貧しくも善人であろうとしたり自己の尊厳を保とうとする姿勢や、女性が自立しづらい社会の中でも独り懸命に生きるワーレンカの力強さに気付かされ、見方が大きく変わる点もあった。 物語や登場人物を通して描かれたドストエフスキーの価値観や当時のロシアの貧困や閉塞感、また作品理解の為の時代・文化知識の重要性に気付かされるいい1冊だった。
初ドストエフスキー。 40代の老役人マカールと身寄りない娘ワーレンカの手紙のやり取りのみな作品。 ドストエフスキー、これを24歳で書いてるの凄すぎてそこに感動したし、180年前の物語も今に通じるところがあるよね、貧困か〜。 2人が困っているのはそうなんだけど、お互いがお互いにとってなによりの心の支...続きを読むえになっているのがよかった。支えがなければどうなっていたんだろうか(これからどうなるんだろう…) 最後はまさに驚き!! 訳者によるまえがき等とてもありがたい情報で読者に優しい作りなのもよい。 他の作品も読んでみたいと思った。
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貧しき人々
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ドストエフスキー
安岡治子
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カラマーゾフの兄弟〈1〉
ドストエフスキー全短篇 Ⅰ
白夜/おかしな人間の夢
悪霊(上)
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悪霊 1
悪霊(上下)合本版(新潮文庫)
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