【感想・ネタバレ】罪と罰(上)のレビュー

あらすじ

鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。

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Posted by ブクログ

自分の愛読、あるいは尊敬している文学者も、教養人も、なにかとドストエフスキーという作家を通ってきている人ばかりなような気がしていたので、自分も大学を出る前に読んでみようと思った。

簡単に概要から。
主人公ラスコーリニコフは経済的に苦しく大学を去った元学生で、彼は「一つの犯罪、過ちを犯したとしても、それ以上の善行を積めば許される」(これは上巻では、酒場の大学生の会話や新潮文庫のあらすじにしか出てこないので、ラスコーリニコフ自身がそう考えているかはわからない)とか、「人間は凡人とは凡人に二分され、歴史に名を残した偉大な偉人たちも犯罪者であるように、犯罪を犯しても正当化される人間が存在する、そして自分はそっち側だ」という思想によって、質を生業にするババアを殺害する。上巻では特に、警察や周囲の人間とラスコーリニコフのスレスレのやりとりが刺激的に、またラスコーリニコフ自身の頭も自分の罪を隠すことでいっぱいなように描かれており、『罪と罰』の「罰」要素はあまり見当たらなかった。これからの展開(下巻)に期待。

読んでる上で困ったのは、名前が覚えづらいし、全部長い。こいつ誰だっけ?となるのはよくあるので、もう下巻だけなので自分はしないと思うが、最初は相関図とかを書いて、それを栞とかにすると良いかもしれない。同一人物にもあだ名的なものがたくさんあって、それも日本人的には少々わかりづらい。
あと、ページ数がやたらと長い。手紙も長いしやりとりも長い。一つ一つの場面場面も長い。でも読みやすい。分量自体が多いので、時間はかかるが読みやすい。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

ラスコーリニコフ、何なんだお前は、という気持ちを抱えたまま読み進める。
まさかの凶行。
かと思えば、あらゆる登場人物との絡みで意識があっちへこっちへと揺さぶられる。
「いつバレるのか、いやバラすのか」という緊張感が常に付きまとう。
後半になって体調が落ち着いてきたところでは、まるで私自身が風邪から直ったかのような爽やかさを感じつつも、しかし罪が消えるわけでも、逃げ切れるわけでもない。

巻末付近で語られた、ラスコーリニコフの論文の話が非常に重要だ。
私は、彼が持論を信じているというよりかは、それを信じたいが故に実践するか、自分自身が非凡人であるかどうかを試したいという若さゆえの過ちが彼を凶行に向かわせてしまったのではないかと考えている。
少なくとも、私は「罪と徳は同じ天秤に乗らない」と考えているので、仮に功利性によって徳の割合を増やし、喜ぶ人が増えようとも、犯した罪が償われることはなく、感謝と非難を両方生涯抱えていくものだろうと信じている。
果たして下巻でどうなることやら。非常に気になる。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

英雄的な人間は罪の一線を越えても良いという
いわゆるナポレオン思想を持った青年が金貸しの老婆を殺す
しかし罪の意識に苛まれ自分は英雄的人間ではないことを知る
その他妹の結婚問題や純粋な心を持ったソーニャと出会う中で段々と性格が変わっていく

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

文字びっしり&文字が小さめ&名前を覚えるのに苦労しますが、すんごい面白い。最後のページでラスコーリニコフの前にとある人物が現れて不穏さ増し増しで下巻へ続きます。

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

感受性が強すぎたみたいで第2章まで読んで、心が苦しくて自分を殺してしまいたいと思ってしまい涙が止まらなく、結果、ギブアップです!
でも、素晴らしい文章でした。心が健康な時にまた読み直したいです。罪と罰に生きているうちに出会えて良かったです。周りに自慢できるような良い刺激になりました。
このような人間の心理や哲学の本は大好きです。しかし、求めているよりも、私には描写がひとつひとつ詳し過ぎました。気分が悪くなった!(素晴らしい)
読む前は、夜神月みたいに殺人後も淡々とこなす感じかと思っていました。だが、心配なくらい動揺しすぎており、サイコキャラもここまで取り乱してるのは見た事がない。
文書自体は凄く引き込まれる文章です。少しこちらの本に触れてみて確実に損は無いと思います。
ありがとうございました。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

この小説の舞台は、帝政ロシアの首都、サンクトペテルブルク。

先に読んだ『貧しき人々』は、困窮の中でも希望の光が見られました。しかし、本書では殺人者となった青年(ラスコーリニコフ)の深層心理を描いているため、どんどん深い闇に飲み込まれていく感じです。犯罪者の行動、心理をえぐり取るような描写に驚くばかり。「罪を犯す権利」があると信じるラスコーリニコフの人物像が、周囲の人々(家族、友人、その他)とのからみの中で、少しずつ少しずつ鮮明になってくるところが、興味深いです。

ミステリー度満載で満足度は高いです。ロシアの当時の社会情勢など含めて考えると、一読で深いところまでの理解は難しいと感じました。とりあえず、ストーリーの展開を楽しめているので、下巻を読み進めていきたいと思います。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

高校生のとき全く理解できず。大学生でも意味不明。電子版で途中下車したまま投げ出して。定年前に再挑戦。物凄い名作。体力があるうちに再読したいです。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

ドストエフスキーの初読にカラマーゾフの兄弟を選び、挫けながらも読み終えた。
こちらを読んで、初めはこちらにすべきだったと後悔した。
ロシア文学らしい、圧倒的情報量。心理描写。哲学。だったが、すんなり読めた。
最近の保守思想にも投影できる部分あり、非常に考えさせられる。

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

お金に困ったフリーター、ニートが、高利貸しの女を殺す
殺しても許されると思って出来心でやったけど、罪の意識に苛まれる
殺しても変わらない世界もある
情けに振らないところが、真実らしくていい

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2025年04月28日

Posted by ブクログ

積んでる期間が長すぎると何故か読んだ気になってしまっている。罪と罰もその一つ。今回やっと読めた。

大学生ラスコーリニコフは強欲な金貸しの老婆を、独善的な思想から殺害することを企てる。ところが計画していなかった老婆の妹まで殺害してしまう。この殺人がラスコーリニコフに罪の意識を背負わせ、人生を狂わせていく。

犯行後に感じる恐怖や猜疑心、情緒不安定になっている様子がリアル。冗長で回りくどい台詞がその辺りをよく表していると感じた。

ラスコーリニコフほどの罪を犯したことはないけど、何故だか心理はよく理解できるんだよな。よくこんなに伝わってくる描写ができるなという尊敬の笑いと、疲弊しきった読後。

⚠️コロナ療養期間に読むものではない

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

主人公ラスコーリニコフの老婆と若女殺し周辺の出来事を集めた小説第一巻。人間の〈非常〉事態の描写をありありと描いたドストエフスキーの名作。

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2025年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文章に力がある。続きも気になるけど、むしろ引っ張られる感じ。こういう人の内面書く本はすごい人しか生み出せないからな。
神学とか哲学を当たり前のように押さえてるの、昔の学生って感じ。
汚い路地とか汚い感じがかなりする。
確かに人の名前はややこしい。

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2024年05月29日

Posted by ブクログ

人名がややこしい。
主人公の妹アヴドーチャ・ロマーノヴナ・ラスコーリニコフは、愛称の「ドゥーニャ」以外に「ドゥーネチカ」「アヴドーチャ・ロマーノヴナ」と呼ばれる。
登場人物全員がこんな調子なので「この名前は誰?」と混乱し、名前に気を取られている間にストーリーを忘れてしまいがち……
おすすめは、ネット検索などで人名対照表を準備して、確認しながら読むことですね。

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

選ばれた人間には後の行いのために現行の秩序を乗り越える権利があるという理論の下、金貸しの老婆を殺害した主人公ラスコーリニコフ。しかし、思わぬ計算違いから老婆の妹にまで手をかけ、罪の意識に苦しめられることになります。貧しい人々の報われない不条理、痛ましさ、それ故の優しい心。作者が見続けたペテルブルグの本当の姿を描いた、ドストエフスキーの代表作です。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

ロシア文学不朽の名作。
金貸し老婆を殺害した大学生ラスコーリニコフ。偶然成立したかのような完全犯罪の犯行後の苦悩。家族や友人たちとの複雑な関係性。嫌疑を抱く予審判事との心理的攻防。追い詰められ緊迫した対決。
果たしてラスコーリニコフは逃げおおせるのか、犯罪者として裁かれるのか。
底辺に流れるのはペテルブルグの下層民の貧困生活。特に飲んだくれ元官吏の死や娼婦に身を落としたその娘。悲惨な家族の生活などもラスコーリニコフの心理的苦悩を増幅させ、最後まで目を離さず一気に読み通せる大作。

最初に挑んだのはロシアに興味を持っていた高校時代。今回はインフルエンザに罹り自室隔離状態になったのでゆっくり完読。
難解かつ複雑なロシア人の名前が致命的で、何度も挫折したことがあるが、登場人物相関図をメモし手元に置けば、すぐに慣れて、あとは一気に読み進める。

最高に面白いです。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

罪を犯した人の心理描写の変化がとてもリアル。自分が悪いことしたような気がしてくる。しばらく読み直したくない

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2025年11月05日

Posted by ブクログ

人間の欲、思想、価値観の違い、生き方の難しさを描いたドストエフスキーの名作。
主人公、ラスコーリニコフは貧乏な大学生、彼がなぜ金貸しの婆さんを殺害したのか、途中までは金が欲しいだけかと思っていたが、読み進めるうちに彼の複雑な思想によるものだとわかった。世の中、きれいごとだけではなく、また人の中には複数の人格がいるという、人生を表した物語のように感じた。下巻は、ラスコーリニコフに罰が下るのかどうか、気になりながら進めることとする。

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2025年03月17日

Posted by ブクログ

筆者の、人間の心理描写がめちゃくちゃ丁寧で読んでるボク自身もラスコーリニコフの苦悩には共感したし辛くなった それでもめちゃくちゃ面白かった だからまたいつか読んだら理解が深まってもっと面白くなると思う

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

言ってることはよく分からないけど面白いことだけは分かる、みたいな感覚で読み続けた。
罪を犯した人間の心情を極限まで細分化し、まるで自分自身が主人公になってしまったような感覚に陥る。
焦燥、高揚、背徳の不安定な渦に怒涛の如く押し流された。
この感情の狭間から脱却させてほしい。すぐに下巻を読まなくては、、、

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2024年11月10日

Posted by ブクログ

何度か挫折したが、今度こそと思い読み切った。(下まで)
とにかく、キャラの濃い登場人物たちの皮肉交じりの会話の戦いが面白くて笑わせてもらった。当時の世評とか、背景とかは全く詳しくないが、現代に生きる人が読んでもあらゆる角度からいろんなことを学べる一作だと思う。
善とは何か、悪とは何か、罪とは何か、罰とは何か、いろんなことを考えさせられる。けれど個人的にいは、どんなに思考をめぐらせても、答えはないのだから、あるがままに生きればいいじゃないかと思う。もちろん、罪の意識というのは犯した人にしかふりかからない苦悩だとは思うので、自分には何も言えないが、「考えるって何だろう、悩むって何だろう」とやはり考えてしまう。結局人間にできることは考え続けることだけなのかもしれない。
作中の場面描写や、緊張感、臨場感を浮き彫りにさせる描写は、さすがとしかいいようがなかった。文章だからこそ表現できる「クスッ」となる面白さや、「うわっ」となる臨場感などからは多くのことを学んだ。
無駄な描写がほとんどなく、簡潔でいて、理路整然で、すらすらと面白く読み進めることができた。
きっとまた読むだろう。

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2024年04月23日

Posted by ブクログ

ラスコーリニコフ大丈夫??彼の精神状態の不安定さに狂気を感じる。
心の葛藤がすごすぎて、彼の心の葛藤だけでページ数が進む。
凶行に至るまでの精神状態などもリアルで怖かった。
もうちょっと妹を大切にしてあげて欲しいと思うが、時代なのかなー?
最後に謎の人物が出てきて、気になるので、下も引き続き読みたい
訳が上手なのか、割と読みやすかった。

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2023年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

独白も手紙も長い…!
かと思えば殺害後一気にお話は加速…。
そして心情が生々しい…!

終始鬱々とした気持ちで読んでました。
同時に、観点がおかしいかもですが、意外とバレないものなのか…とも思っちゃいました(笑)
ラスコーリニコフがことある事に危うい言動・行動するわで、こっちはヒヤヒヤでした。
でも、相手にバレたくない気持ちと、いっそバラしてやろうか…という2つの気持ちが相反するのも、ちょっと分かります。
そういう意味では、正当化してるようで、彼も心の奥底では悪い事をしたって、きっとわかってるのかも…。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

「罪と罰を読まない」を読んで興味が湧いたので読んでみた。
とりあえず名前はメモりながら読んだ方がいい。誰が誰だか、本当にわからなくなる。
あとロシア人の名前の特徴(男と女で語尾が変わるとか)を調べておくと読みやすいかも。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

細かすぎて話がなかなか前に進まん(-_-;)それだけ主人公の心の葛藤がハゲしいという事か?いくらイケメンでも、時代や環境の事を考えても主人公になんだかイライラしてしまうヽ(`Д´#)ノ

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

非凡人であれば通常の道徳や法律を超えた行動も許されると考えていたがラスコリーニコフと自身を非凡人であると信じ、通常の道徳や法律を超えた行動をした後のラスコリーニコフの間に乖離が生じる。自分の持っていた理屈と行動の結果押し寄せる精神的な崩壊が人間のもつ理性と感情の複雑さを浮き彫りにする。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

19世紀ロシア文学の連載長編小説

未読者達が内容を勝手に推測する「『罪と罰』を読まない」という企画の本を読んで、長年いつか読もうとしていた超有名作品を遂に実際に読むことに

馴染み無い名前でしかも呼びかけの度に変わるという複雑にパープレキシーエーアイが役立つ

長いモノローグが続いていくが、予想よりも読み易く、当時はもの凄い娯楽であったように推測される

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

ドストエフスキーやっと読めました。
罪を犯してしまった主人公の胸中だけでなく、とりまく様々な人々の胸中まで細かく描かれており、すごく読み応えがありました。
下巻、主人公の罪が暴かれ、主人公の胸中がどのように変化していくのかとても楽しみです。

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

 実際に流れてる時間よりも、長くゆっくり時が進んでいる体感があった。
 それが主人公の重苦しい心情と重なった。

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2025年04月27日

Posted by ブクログ

青年が老婆を殺害した事によって性格や思考が変わっていく様に最初はついていけなかったが、後半にいくにつれラスコーリニコフの聡明さを思わせる描写が増えていく。
彼の論文の主張では思想が強くて非常に面白い。
愚かな母や妹に対していたたまれなさを感じた。

母と娘のその後の顛末やペトローヴィチとラスコーリニコフの探り合い、最後に現れた男等を下巻に期待。

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2024年12月17日

Posted by ブクログ

読書が嫌いになりそうな本でした。
僕にとっては。
とりあえず、それぞれの立場によって名前の呼び方変えるのやめて笑

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2024年05月01日

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