土手下に転がされていたのは、裸で縛られていた男の遺体。
その男は、集団レイプ事件の加害者の父親だった。残されていた「目には目を」のメッセージ。
とても重い内容である。
ジェンダー・クライム…性に纏わる犯罪は連鎖するのか…というなんとも苦しくて読んでいても心身が疲弊するようである。
ひとつの犯罪が
...続きを読む、多くの人を傷つけ、悲しませてしまう。家族までも巻き込んでしまい、終わりが見えないままである。
どうやったら苦しみから逃れることができるのだろうか…と。
すべては、親の責任なのだろうか…と。
いろいろな思いが交錯したが、なんとも言いようのない結末だった。
これは、子どもを育てる者の罪なのか…と。
メッセージの強い新たな警察小説のようでもあった。
捜査するのは八王子南署刑事課の鞍岡と本庁捜査一課の志波のコンビである。
若くてスマートな志波に言い負かされる節がある鞍岡だったが、志波目線も侮れなく反目しあうのかと思いきや上手く進んでいく。
最後になぜ志波が鞍岡と組みたいと思っていたかが明らかになり、この2人の最初の出会いに驚いた。
最後にこの件を入れることによって、鞍岡と志波の2人の良さを最大限に出してきたなぁと。
そうなるとこの2人の次なる話を期待してしまう。
人前で話すときは、夫のことを「うちの主人は」と言っていたが、これからは「夫」にしよう。
そう言えば、主人って言ってる人ってほとんどが50代より上の人なのかな。