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直木賞受賞作『悼む人』の感動ふたたび!
新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために、全国を放浪する坂築静人。死者の周辺の人々から疎んじられ、罵声を浴びせられることもあるが、時には、あなたの行為で救われたと感謝されることもある――。
さまざまな死者や生者との、出会いと別れを繰り返す静人。やがて一人の女性との邂逅が、今度は静人の心にも波紋を生む……。
前書きに、「できるだけ一日に一度、就寝前の時間に〈静人〉となり、空と向き合う。〈静人〉として、星を、星を隠す雲を見上げ、心にわきたつものを書きとめる。」とある通り、直木賞受賞作『悼む人』の主人公の日記という体裁をとった異色の小説は、『悼む人』を読んだ方はもちろん、未読の方にもこの素晴らしい作品世界への格好のイントロダクションになるだろう。
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Posted by ブクログ
悼む人の静人がずっとつけていた日記を元にした小説。
日記形式の前日譚に近いのかもしれない。
悼む人では第三者目線で静人のことが描かれており、家族や出会った人々によって静人の印象が変わって行き、その人々によって読者の心も動かされていた。
今度は静人自身の主観で描かれているため、彼の心の動きに合わせて読者側も心動かされるのだけど、あっち行ったりこっち行ったりせず一本通ったものが背景にあるので、悼む人以上に気持ちが入って行き、その決心や迷いに共感させられる。
悼む人では考えさせられることが多かったが、今作は本能的に涙させられた。
自分にはその気がなくても、自分が静人と同化したような感覚に陥った。
これもとても良い作品だった。
Posted by ブクログ
天童荒太の直木賞受賞作品『悼む人』。
その続編が文庫化され、書店に平積みされていたので、読んでみることにしました。
『悼む人』の主人公、坂築静人。
新聞記事や人との会話を通じて得た情報をもとに、人が亡くなった場所に行き、悼む。
悼む前には、まわりの人に話を聞いて、対象者がどのような人に愛され、感謝されたかを聞く。
”宗教的苦行”のようにも解釈される旅を続ける主人公の、日々の行動と思考を、半年に渡って日記的に綴っているのが、この作品です。
話を聞こうとして、変人扱いされたり、遺族から厳しい反応を示されたりしてしまう主人公。
それでも、人の死を悼まないではいられない彼の、心の葛藤と、死というものや悼むという行為に対する思考の経緯が、一人称で描写されています。
主人公の行為については、作中にも描かれている通り、様々な意見・反応があるかと思います。
でも僕は、この作品を通じて「他者の死に対する」ということがどういうことなのかを考える、貴重な機会を与えてもらえたと、受け取りました。
作中で、静人が様々な辛い目にあいながらも、行動に共感してくれる人にめぐり合うというのも、この作品のポイントの一つかと思います。
人の死とはどういうものなのか、生きるということはどういうことなのか、改めて考えさせてもらった作品でした。
Posted by ブクログ
悼む人の続編、というよりは前日譚というべきだろうか。
時系列的にはおそらく、悼む人の中では明確に表現されていない、静人が一人で旅している間の、静人自身による日記なのですが、それだけに淡々と進んでいくので前半はかなり読みづらかった。
ただ、日記の中に遥香という女性が出てくるところから次の展開が気になって一気に読み切れた。
後日を知っているからこそ二人の関係を面映く思い、幸せになってほしかった。
この文庫にはもう一編、作者による東日本大震災の被災地にて書かれたものが載っているのだが、その文章を締めくくる一文が深く印象に残っている。
「一万五千、七千、という数の波底にもぐり、一つ一つのいのちの相貌を拾い上げられる本物の想像力がほしい。」
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