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高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。馬見原光毅刑事は、ある母子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。児童心理に携わる氷崎游子は、虐待される女児に胸を痛めていた。女子高生による傷害事件が運命の出会いを生み、悲劇の奥底につづく長き階段が姿を現す。山本賞受賞作の構想をもとに、歳月をかけて書き下ろされた入魂の巨編が、いま幕を開ける。
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Posted by ブクログ
読み終わってから結構時間が経ってしまったけど、「永遠の仔」が素晴らしかったから、天童作品は他のも読んどかなアカンやろ、ってことで。山周賞取ってるのもポイント高し。で、本作は件の作品より前のものってことだけど、こちらも既に素晴らしい出来です。まだ序盤だから結論を下すには不十分だけど、導入部分としてはバ...続きを読むッチリ心掴まれる内容でした。これから家族というものを育てていく身としては、そういう点でも参考にしなきゃ、って感じです。続きが楽しみ。
人の抱える様々な問題、それに鋭く切り込んでいく。 フィクションとはいえ、ノンフィクションのようなリアルさが漂っている。 5部作ということなので、読み進めていきたい。
抵抗を感じるようなシーンはあって、何度か思わず顔をしかめてしまったのですが・・・ どれも同じような事件が、最近ニュースになったりしています。 今の世の中には目を背けてはいけない問題があるのではないかと感じました。 安らぐはずの家庭で、何故傷つく人が後を絶たない世の中になってしまったのか、天...続きを読む童ワールドの中で自分なりに考えてみたいと思いました。 第2部の『遭難者の夢』に続きます・・・・
幼児虐待、家庭内暴力、警察、児童相談所、学校などがテーマになっている小説。 たんなる小説なんですが、現実にありそうで非常に怖い。 全5巻のため、あと4冊もあるんですが、自分の気持ちを支えきれるか不安になるぐらいに重たいです。 天童荒太の小説は、以前に「永遠の仔」を読んでいたが、これも同じような感じ...続きを読む。 どちらも面白い、ってか、子を持つ親なら読んでみて…と思います。
児童相談センター職員は、虐待される子供たちを救うために躊躇うことはない。 刑事が相手でも、教師が相手でも、ひるむことなくむかっていく。 虐待に対する強い憎しみがあるように、強い態度で臨んでいく。 美術教師は、家庭を持つことに消極的だ。 家族というものに嫌悪感を持っている。 すべてに対して醒めた見方し...続きを読むかできず、苛立つことも多い。 厳格な父に育てられた刑事の家庭は崩壊していた。 自ら死んでいったような長男。その死を受け止められずに家庭を顧みなくなった刑事。 そして荒れる長女と、そのために自らを責め精神を病んだ妻。 だが、いまだに現実を受け止めていない、受け止めようとはしない。 「家族がつねによいものではないとしても、ときに傷つけ合うものだとしても。また、この世界が虚しく、報われることの少ない、つらいものであるとしてもありえない。子どもが家族にあんなことをするはずがない」 馬見原にとって理想の家族とはどんなものなのだろう? 結局、自分にとって都合のいい家族・・・それが馬見原の理想の家族像のような気がする。 家族であっても許せないことがある。 家族だから許せることもある。 でも、それには「家族」としての意識がなければ成り立たない。 同じ家に住み、同じ時間を過ごしながらも、「家族」とはどうしても思えなかったとしたら。 この物語には救いがあるのだろうか? 先を読むのが怖くなる。
大好きな天童荒太!長編に胸踊る!物々しい始まりにドキドキする。家族に対するどんなメッセージを受け取れるのだろう。巣藤、馬見原、氷崎の三人が、どう絡まるのか。
フィクションを読み慣れた私でも、登場人物達の崩壊した家庭に、1巻目で挫折しそうになった。どんな幸せな家庭でも起きうると不安にさせるぐらいの迫力であった。 思春期の葛藤、親の心情、貧困、アルコール依存症、虐待など、作者が徹底的に家庭の不安定さを訴える。家族を持つ読者に、激しく動揺を与えるであろう推理...続きを読む小説。 ラストの女子高生の改心は、納得できなかったが、間違いなく他人にオススメできる作品。
少し前にドラマになっていましたね。 テレビをつけたらやっていて、その時チラッと眺める程度でしたが、松雪泰子さんが出ていて、なんか痛々しい役だな、と思ったのを覚えています。 主に氷崎、巣藤、馬見原の3人が順番に出てくる感じですが、3人とも危うくてハラハラします。 特に馬見原。 本人も家族も、薄い氷...続きを読むの上に立ってるようで落ち着かないよ、読んでるこっちは!! もうすぐ読み終わるな、と思ったら唐突にあとがきが出てきて驚きました。 前に出た「家族狩り」とはずいぶん違うんだとか。 その前を読んでなかったので、そんなこと全然知りませんでした。 単行本と文庫で内容が変わる、なんてことあるんだなあ。 加筆とか訂正、ならわかるけど。 そしてこの本は母が読み終わった中からもらってきたものですが、手元にあるのは3冊。 でもこれ、5冊あるみたいじゃないですか! あー、買ってこなきゃ……。
家族…当たり前に平凡に見えても、端からはわからない事情が個々にあり、それが崩れた時に何かが起こる。 いくつかの家族とそれを繋ごうとする人間がいる。 第一部の幕開けだが、壮絶なスタートとなった。 2015.2.22
幻世の祈りより家族狩りってタイトルが凄いインパクト。 児童相談所勤務の女性、美術教師、登校拒否生徒、擬似家族を持つ刑事の4人を軸に家族皆殺し事件と絡めて「家族」を問うた作品。
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