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あの日の光景をふり払おうと酒に溺れていた浚介は、さらなる痛みを味わう。游子は少女をめぐり、その父親と衝突する。亜衣は心の拠り所を失い、摂食障害から抜け出せずにいる。平穏な日々は既に終わりを告げていた。そして、麻生家の事件を捜査していた馬見原は、男がふたたび野に放たれたことを知る。自らの手で家庭を破壊した油井善博が――。過去と現在が火花を散らす第二部。
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Posted by ブクログ
自分の居場所が見つからないという意味で遭難者 登場人物一人一人が心に傷を持ち、それを隠すように感情を持たなかったり、いい子であろうとしたり、仕事に打ち込んだり・・・ その心の傷は、それぞれの家庭で出来たものというところが悲しい。 『憎む』という感情が家庭で生まれたのなら、それを打破できる...続きを読むのはまた家庭なのかもしれないと思いました。 不器用な生き方しか出来ない登場人物たちが、少しずつでも変わっていくことに期待して・・・ 第3部の『贈られた手』につづく。。
「家族狩り」5部作中の第2部。 ここではさまざまな家族が登場し、それぞれが問題を抱えていることが表出してくる。 この作品はあくまでもフィクションなのだが、家族の問題一つ一つが、現実に起こった問題とシンクロしているため、まるで実際の事件を追っているかのような錯覚に陥ってしまう。 我々が目にするそれらの...続きを読む多くの事件は、報道を通じてのものにしか過ぎない。 しかし報道されない真実も必ずあるはずだ。 そして問題をはらんだ家族は、何も特別な家族ではなく、どんな家族にだって潜在的にあるのだと、改めて思わされる。
登場人物の一人一人がそれぞれ問題を抱えている。 それらが、微妙に絡み合ってる。 おもしろいぞ。 重いけどね。
かなりの長編だけど、一気に読むことが出来た。 サイコな描写はあまり気にならず。人間の深い部分がよく描かれている。
徐々に壊れていく家族や個人。 電話相談に寄せられる叫びは、ときに切羽詰った状況で相談員にはどうすることもできない。 子どもが両親と祖父を殺害し自殺した・・・と思われている事件では、事前に電話がかけられていたにもかかわらず、誰もその重要性には気づかない。 異様な現場を見たために精神の安定を欠いてしまっ...続きを読むた美術教師。 彼はその後、あらたな事件に巻き込まれ内なる恐怖を抱えながら生活することになる。 児童相談員は、保護してきた少女の父親とのトラブルに悩んでいる。 どうしたら少女のためには一番いいのか、いまできることを考えながらも、ずっと保護し続けることなど出来ない現実も理解している。 一家4人が死亡した事件の捜査を諦めきれない刑事は、かつて自分が逮捕した男が出所したことを知る。 実の子どもを虐待し収監された男は、刑事の家や子どもの学校にも姿を現すようになった。 復讐、そして元妻を取り戻すこと。 それが男の狙いだった。 生まれたときから人は一個の個人として尊重されるべきものかもしれない。 でも、実際には親の加護がなければ一日だって生きていくことはできない。 その過程で、まるで所有物のように錯覚してしまうこともあるだろう。 子どもは子どもなりに考えている。 何も考えていないわけではない。十分に考え、そして感じているのだ。 親子の関係は身近すぎて他者からは本当の関係性などみえないと思う。 どんなに幸せそうに見えても、どんなに不幸そうに見えても、当事者が何を感じているのかなんてわからないはずだ。 児童相談員の虐待児童への過剰な対応。 刑事の子どもが絡む事件への異常な執着。 美術教師の家族への本能的な嫌悪感。 第3部ではどんな展開が待っているのか。 出来るならば救いのある結末であってほしい。
このサイコパスは誰だ…それぞれが悩みや壁にぶつかりながらもがく二巻目。事件は刻々と進んでいく。天童荒太、人を引き込む魅力はどこにあるんだ…?
どこか問題を抱えた家族を、複数のパターンで描きながら、それぞれが微妙に絡まりあって、影響し合って、進んでいく物語。今のところ、殺人現場の残虐さにはゾッとさせられるものの、それ以外の展開がそれほど斬新なものではないせいもあり、そこそこの印象。犯人像が浮かび上がってくるにつれ、興味深い展開になってくるこ...続きを読むとを期待。
生きるということ、何をもって幸せと呼ぶのか。 紛争地とこの国を比べ、それに対してどうしたらいいのか誰も教えてくれないと苛立つ少女。 不登校や家庭内暴力に走る、心に闇を持つ子供たち。 親と子供の関係の危うさや脆さを感じずにはいられない。 2015.2.23
恐ろしい終わり方で第三部に続くことになる。ドラマ版との設定違いが引き続いてる。言いたいことは同じなのかどうか気になるのでドラマも最後まで観たい。
現代日本の問題と世界の問題とをリンクさせながらというのが私にとっては無理があるように感じられるが、それでも、どんどん読み深めていくことができる作品に仕上がっている。
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