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Posted by ブクログ
主要な登場人物たちはみな、「家族」という見えないものに囚われているように感じた。
親が子を虐待する。そして虐待された子は大人になって今度は虐待する側になる。
負の連鎖はいったいどこで止まるのだろう。
愛されて育った子どもは虐待には走らない…。
これも都市伝説のような気がする。
だって、虐待するもしないも個人の問題だと思うから。
虐待されて育った人間すべてが大人になって虐待をするわけじゃないだろう。
それとも、個人ではどうにもならない見えない何かがそこにはあるのだろうか?
馬見原や綾女にとって油井は絶対的な悪だろう。
立ち直るためには家族が必要だという言い分も、結局は自分の都合だけで相手への思いやりはない。
傷跡が残るほどの暴力を振るわれた研司が、その恐怖を簡単に忘れるとは思えない。
だが、馬見原自身も真弓にとっては悪でしかない。
厳格に接し自分の思い通りに育てようとした長男は事故死した。
息子の死から逃れるように家庭を顧みず、娘は非行に走り妻は心を病んだ。
そしていまも、そのことに向きあう勇気が馬見原にはない。
もっと単純に「愛しい」という感情を表に出せたら。
どうにもならなくなってからでは遅すぎる。
事件に遭遇したことで巣藤の中で変化が起きたことが、唯一よかったと思えた場面だった。
大人になってから自分を変えることは難しい。
けれどきっかけさえあれば、そして変わりたいと強く思う気持ちさえあれば、きっと人は変われるのだと思う。
登場人物は出揃った感がある。
第4部ではどう物語が展開していくのか。
楽しみではあるが怖い気もする。
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