【感想・ネタバレ】幻世の祈り―家族狩り 第一部―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。馬見原光毅刑事は、ある母子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。児童心理に携わる氷崎游子は、虐待される女児に胸を痛めていた。女子高生による傷害事件が運命の出会いを生み、悲劇の奥底につづく長き階段が姿を現す。山本賞受賞作の構想をもとに、歳月をかけて書き下ろされた入魂の巨編が、いま幕を開ける。

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Posted by ブクログ

読み終わってから結構時間が経ってしまったけど、「永遠の仔」が素晴らしかったから、天童作品は他のも読んどかなアカンやろ、ってことで。山周賞取ってるのもポイント高し。で、本作は件の作品より前のものってことだけど、こちらも既に素晴らしい出来です。まだ序盤だから結論を下すには不十分だけど、導入部分としてはバッチリ心掴まれる内容でした。これから家族というものを育てていく身としては、そういう点でも参考にしなきゃ、って感じです。続きが楽しみ。

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2016年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

児童相談センターに勤める氷崎遊子は、日々色々な事情を抱えた子供と接するが、虐待される女の子に胸を痛めていた。救いきれない自分の無力さを日々実感していた。
また、高校で美術を教えている教師・巣藤浚介は、家庭を作ることに抵抗を感じていた。そんな中、教えている高校のある女子生徒・亜衣と出会う。絵のことで、声をかけたことから始まり、警察で保護された時に何故か巣藤の名前をあげ、しかも嘘をでっちあげられ、巻き込まれていく。そこで、氷崎と出会う。
刑事の馬見原は、夫の暴力から逃げ今は平和に暮らしている綾女とその息子研司との旅の終わりに、心の疼きを感じていた。
そして、その平和な暮らしは長続きせず、夫は出所し、また綾女たちを追うようになる。
また、馬見原の妻も退院し、いろいろな問題が交差する。

以前放送されていたドラマも見ていて、なんとなく話はわかりながらも、やはり読み進めていくと止まらなくなりました。ドラマの方が明るいイメージがありました。
家族とは何か。
この先のストーリーが楽しみです。

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2015年12月26日

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人の抱える様々な問題、それに鋭く切り込んでいく。
フィクションとはいえ、ノンフィクションのようなリアルさが漂っている。
5部作ということなので、読み進めていきたい。

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2014年08月21日

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抵抗を感じるようなシーンはあって、何度か思わず顔をしかめてしまったのですが・・・

どれも同じような事件が、最近ニュースになったりしています。
今の世の中には目を背けてはいけない問題があるのではないかと感じました。

安らぐはずの家庭で、何故傷つく人が後を絶たない世の中になってしまったのか、天童ワールドの中で自分なりに考えてみたいと思いました。

第2部の『遭難者の夢』に続きます・・・・

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2014年08月17日

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幼児虐待、家庭内暴力、警察、児童相談所、学校などがテーマになっている小説。
たんなる小説なんですが、現実にありそうで非常に怖い。
全5巻のため、あと4冊もあるんですが、自分の気持ちを支えきれるか不安になるぐらいに重たいです。

天童荒太の小説は、以前に「永遠の仔」を読んでいたが、これも同じような感じ

どちらも面白い、ってか、子を持つ親なら読んでみて…と思います。

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2023年05月01日

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ネタバレ

評価は4.

内容(BOOKデーターベース)
高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。馬見原光毅刑事は、ある母子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。児童心理に携わる氷崎游子は、虐待される女児に胸を痛めていた。女子高生による傷害事件が運命の出会いを生み、悲劇の奥底につづく長き階段が姿を現す。山本賞受賞作の構想をもとに、歳月をかけて書き下ろされた入魂の巨編が、いま幕を開ける。

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2017年12月08日

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児童相談センター職員は、虐待される子供たちを救うために躊躇うことはない。
刑事が相手でも、教師が相手でも、ひるむことなくむかっていく。
虐待に対する強い憎しみがあるように、強い態度で臨んでいく。
美術教師は、家庭を持つことに消極的だ。
家族というものに嫌悪感を持っている。
すべてに対して醒めた見方しかできず、苛立つことも多い。
厳格な父に育てられた刑事の家庭は崩壊していた。
自ら死んでいったような長男。その死を受け止められずに家庭を顧みなくなった刑事。
そして荒れる長女と、そのために自らを責め精神を病んだ妻。
だが、いまだに現実を受け止めていない、受け止めようとはしない。
「家族がつねによいものではないとしても、ときに傷つけ合うものだとしても。また、この世界が虚しく、報われることの少ない、つらいものであるとしてもありえない。子どもが家族にあんなことをするはずがない」
馬見原にとって理想の家族とはどんなものなのだろう?
結局、自分にとって都合のいい家族・・・それが馬見原の理想の家族像のような気がする。
家族であっても許せないことがある。
家族だから許せることもある。
でも、それには「家族」としての意識がなければ成り立たない。
同じ家に住み、同じ時間を過ごしながらも、「家族」とはどうしても思えなかったとしたら。
この物語には救いがあるのだろうか?
先を読むのが怖くなる。

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2017年03月14日

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大好きな天童荒太!長編に胸踊る!物々しい始まりにドキドキする。家族に対するどんなメッセージを受け取れるのだろう。巣藤、馬見原、氷崎の三人が、どう絡まるのか。

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2017年01月31日

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フィクションを読み慣れた私でも、登場人物達の崩壊した家庭に、1巻目で挫折しそうになった。どんな幸せな家庭でも起きうると不安にさせるぐらいの迫力であった。

思春期の葛藤、親の心情、貧困、アルコール依存症、虐待など、作者が徹底的に家庭の不安定さを訴える。家族を持つ読者に、激しく動揺を与えるであろう推理小説。

ラストの女子高生の改心は、納得できなかったが、間違いなく他人にオススメできる作品。

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2016年11月04日

Posted by ブクログ

少し前にドラマになっていましたね。

テレビをつけたらやっていて、その時チラッと眺める程度でしたが、松雪泰子さんが出ていて、なんか痛々しい役だな、と思ったのを覚えています。

主に氷崎、巣藤、馬見原の3人が順番に出てくる感じですが、3人とも危うくてハラハラします。
特に馬見原。
本人も家族も、薄い氷の上に立ってるようで落ち着かないよ、読んでるこっちは!!

もうすぐ読み終わるな、と思ったら唐突にあとがきが出てきて驚きました。
前に出た「家族狩り」とはずいぶん違うんだとか。
その前を読んでなかったので、そんなこと全然知りませんでした。
単行本と文庫で内容が変わる、なんてことあるんだなあ。
加筆とか訂正、ならわかるけど。

そしてこの本は母が読み終わった中からもらってきたものですが、手元にあるのは3冊。
でもこれ、5冊あるみたいじゃないですか!
あー、買ってこなきゃ……。

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2016年02月20日

Posted by ブクログ

家族…当たり前に平凡に見えても、端からはわからない事情が個々にあり、それが崩れた時に何かが起こる。
いくつかの家族とそれを繋ごうとする人間がいる。
第一部の幕開けだが、壮絶なスタートとなった。

2015.2.22

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2015年02月22日

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幻世の祈りより家族狩りってタイトルが凄いインパクト。
児童相談所勤務の女性、美術教師、登校拒否生徒、擬似家族を持つ刑事の4人を軸に家族皆殺し事件と絡めて「家族」を問うた作品。

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2014年08月10日

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ドラマと設定が違うところがいくつかある。多分ドラマ版はこの原作5部作が10年ほど前に刊行されたから時代も変化したのでそれを考慮して設定を変えたのかも。大きく違うのは美術教師の行動。事件発覚の仕方が原作とドラマでは異なる。現在は他人にあまり深入りしたくないということかな。

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2014年07月20日

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ドラマを見ているので読みはじめた。
ドラマの方が少しコミカルな場面がある。
先生役の伊藤淳史の効果が大きいかな。
小説は10年前に出版されてるので、今風にアレンジされてる小説と印象が異なる。
どちらも面白い!
続きが楽しみ。あと4冊(❛ ◡ ❛)♡

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2014年07月14日

Posted by ブクログ

「永遠のゼロ」に続き、とある大先輩の読書仲間から最近のおすすめということで紹介してもらった1冊。

世間にとってはセンセーショナルなトピックスであろうが、私にとってはこれまでの経験上既知のトピックス。でも、読み進めると止まらない。

まさかの5編立てなので、これからもじっくりと読み進めていきたいと思う。

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2014年07月06日

Posted by ブクログ

何年か前に読んだのを再読
前より 心に入ってくるというか 重苦しい。
色んな家族がいて 色んな家族の形がある。
家族を作るのは、難しい。

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2014年05月13日

Posted by ブクログ

私の生きてる世界はとても不安定で壊れやすいもの。この幸せな生活も幻世なのかもしれない…。「家族とは何なのか?」を、考えさせられる作品です。

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2014年05月10日

Posted by ブクログ

高校教師・巣籐浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。馬見原光毅刑事は、ある親子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。児童心理に携わる氷崎游子は、虐待される女児に胸を痛めていた。女子高生による傷害事件が運命の出会いを生み、悲劇の奥底につづく長き階段が姿を現す。

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2013年12月26日

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家族狩りを文庫本かする際の5部作にされた第一部

1部はどうやら登場人物の説明が主な内容
1部ラストでやっと事件が起きる
だが、まだまだ先は見えてこない
続きが気になる

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2013年11月29日

Posted by ブクログ

全5巻。単行本と文庫版で描写がかなり違うらしい。

高校の図書室でお薦めされていたので。
当時はかなりはまった。
初めて読んだ長編小説。

■2014年7月12日
ドラマ2話目視聴。刑事の奥さんの訴えがよかった。
原作と大分雰囲気が違うから1話目はどうしようと思ってたけど、最後まで観てみることにした。

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2017年05月21日

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 1996年第9回山本周五郎賞を受賞した「家族狩り」をベースに、新たに書き下ろした全5部の巨編小説。
 ジャンルとしてはミステリーということになるのだろうが、本書ではその部分はほんの触りでしかない。どちらかというと、些細なことが引き金となり様々な形で崩壊していく家族、そこに位置する人間模様が中心に描かれている。
 恋人はいるが家族を作ることに強い抵抗を感じている高校教師の巣藤、家庭が崩壊した過去を持つ刑事の馬見原、児童虐待に携わる児童相談センターの氷崎、主にこの3人の視点から物語が語られ、ある事件を契機に3人の運命が交錯したところで本書は終わる。
 この後の展開がどうなるのか、気になるところである。

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2022年01月02日

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ネタバレ

ドラマの方は観ていませんがとりあえず読んでみました。

なかなかにして暗い話ですが、続きが気になるのでぼちぼち読んでいこうと思います。

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2021年03月27日

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あらすじと、題名「家族狩り」というくらいだからきっととっても暗い小説なんだろうなと思った。読んでみたら確かにそうだったが、登場人物がどんどん繋がっていく感じや、ストーリーがサクサクと進むので、後半から目が離せなかった。

世の中で起きている問題やその矛盾、家族のテーマなどは、一人では絶対に解決できないけど目をそらせてはいけない。作者が小説として問題提起したことはとても意味のあることだろう。
家族のあり方の良し悪しははっきりしなくて何が正解だか分からない。世界で起こっている飢餓や戦争なども考慮した場合、個人の無力さや出来ることの限界、掘り下げるとそこには絶望しかないように見える世の中。作者はそんな語られることのないダークな部分にメスを入れた。そこには希望の光があるのだろうか。

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2016年12月04日

Posted by ブクログ

私の読んだのは2003年版。ドラマよりも作者の怒りが感じられ、一層重かった。これを5冊読むのはドラマを連続してみるよりも辛いかも。

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2015年05月27日

Posted by ブクログ

ずっと昔に読んで、全く話を忘れているので読み返し中。。
「ああ、いたなあ。」って馬さんのことはかろうじて覚えていたような。。

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2014年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第一部と書いてあるのにラストの方になって「あれ、話が全く終わりそうにない」と思ってしまって・・・
全部で五部もあるんですね。
私が購入したのはタイトルが「家族狩り」となっている黒と青の色使いに羽のある「テレビドラマ化」と書いてあるものでした。
なので、タイトルのイメージからは家族が殺される、みたいなミステリーを想像してしまったため、若干物足りないというか、根本のテーマがずれたまま読み始めてしまいました。
内容は興味深く続きが気になるので、ぜひ五部とも読んでみたいです。

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2014年07月16日

Posted by ブクログ

ドラマを見て気になり、遅ればせながら読み始めました。

誰もが人生の中で度々躓くであろう【家族】を題材にした長編第一部。

相違点も多々ありますが謎解きも含めてドラマと並行して楽しめそう。

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2014年07月15日

Posted by ブクログ

一冊目だから、まだどうなるのかの期待が高い。
文章は読みやすく、程よいスピードで話も展開していく。

もっと暗い話をイメージしていたので今のところまだ大丈夫(*^^*)

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2014年06月29日

Posted by ブクログ

全五部の大作の第一部。人物紹介的な内容だったが、続きが気になる。
ただ、登場人物に魅力が無い。今後印象が変わってくることに期待したい。

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2014年06月11日

Posted by ブクログ

家族とは何か。
幸福な家族、成功した家族、失敗した家族、普通の家族。
普通の家族ってどんなものだろう。
理想の家族ってあるんだろうか。

虐待を受ける子ども、非行傾向の子ども、被害を受ける子ども、その家族、支援する児童相談センター心理職、自らの家庭も壊れてしまった警察官、家族は持ちたくない高校教師。

できるだけ見たくない世界だ。
けど、見ないわけにはいかない世界。
私もその世界にいる。

家族、って、近いだけ難しいと思う。
周りからみえるほど単純じゃないし、入り組んで複雑だと思う。
そこに、乗り込んでいかないといけない。
すごい決意がいるし、中途半端な気持ちでは関われない。
私には、まだ決意ができていないのだと思う。

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2014年06月22日

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