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Posted by ブクログ 2022年04月23日
◯名著。表現力が際立って良いと感じる。情景と心情が一瞬で頭に入ってくる。荒野で彷徨い続けるあたりは迫真。彼らが何故生きているのか不思議なほど、自分のイメージもボロボロに追い込まれていた。
◯ストーリーも意外に面白い。かなりひっくり返り、展開していくので、描写との相乗効果で読後感はぐったりする。しかし...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年11月07日
順調に思えた故郷への逃避行は、はじめの一日を頂点に地獄へと急降下していく。
銃撃、衝突、凍傷、飢え、裏切り、ありとあらゆる死の淵に立たされながらも、日本に帰れるという希望が何度もちらつく。が、その希望の光は見えたと思った次の瞬間には消え、暗闇を彷徨い歩いていると再び光り、またすぐに消える。消えるたび...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年11月03日
第二次世界大戦敗戦の噂を聞いて、診断書を満州から偽造し、逃げて?きたという公房の、半分くらいの体験記だそうです。
敗戦と共に襲われる屈辱、苦悶、苦痛…そして無政府状態に対する怒りと疑問が、この作品には生きることを諦めないというテーマで描かれています。
元々、公房のなかにある
考えることを諦めなけれ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年11月04日
舞台は第二次世界大戦終了直後の満洲である。
主人公の久三は満洲の工場の寮で生まれた。終戦直前、工場の日本人らは皆引き上げていったが、久三は病気の母親とともにこの地に残されてしまう。侵攻してしたソ連兵は、久三が「日本人に騙された」と誤解し、彼を軍の一員として迎え入れるのだった。
しかし、数年後、久三は...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月11日
満州時代の経験が生きた佳作。哲学書じみた『終りし道の標べに』に比べると読みやすい。
本作は、生と死の境目を綱渡りする決死の逃避行劇である。安部公房が生涯追い続けた「疎外」「人格の証明」といったテーマが既に表出している点が興味深い。また、夢や幻覚を用いた前衛的な雰囲気や、ひりひりするような現実的レト...続きを読む
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