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Posted by ブクログ
主人公の行動一つ一つが世界の不幸と照らし合わせて合理化しているのが怖い。けれどその言葉が一瞬一理あると見せてるのがさらに恐怖心を煽る。
原爆の件も自分は原爆経験者の彼女のように顔や心を傷つけられ白鳥のように飛び立った気になってる、他人の顔して演じたゆえに裏切られただけなのに飛躍してひたすらみんなの同情と喝采が欲しいゆえに複雑に空回りながらそうだと言わせようとしている。
しかし、どんな顔してもしたらダメなこともあるって気付かされた。
この本を読むに辺り、少し前の友人の言葉を思い出した。
「人間は物事を簡潔に導く」
けれどその中は深淵で顔もなくてでも複雑。簡単に導き出した逃げのようなもの、或いは意志みたいものを無下にした結果は深淵のなかでは複雑に永遠に絡まっていて殻になって空っぽになりながらのたうち回ってる。必死に言い訳した言葉を自分では投げかけ簡潔にしている。行動すらも簡潔にして無下にする。
それがこの本の顔と言えよう
Posted by ブクログ
人はみな他人の顔を求めるものだと思う。 SNSで友人を作るのが当たり前になっている現代は、出版された時代と比べてもかなり「自分とは別の顔」が普及した世の中になっている。
のみならず、コスプレやメタバース、ゲームのアバターなど「自分以外の自分」で自己表現ができる機会は多い。
化粧や整形の普及もあって、顔がもたらすアイコン的特性自体も強くなったかなとも思う。
本書の主人公は、他人の感情などまるで見ていない。妻・同僚の感情や思いやりに無頓着で、被害者意識で利己的な屁理屈と哲学をこねながら延々と同じ場所をぐるぐる回っている。結果として仮面と自己の同一性は歪み、現実との通気口となるはずの仮面は現実逃避の道具となってしまう。
現実の抑圧を発散するためにSNSで認証欲求を満たすのも大概にしておけと、60年前には既に警告されていたのかもしれない。
他者の存在なくして自己はあり得ない。他者の存在を無視した仮面もまた空疎なものに成り果ててしまう。
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小説・文芸
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