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Posted by ブクログ 2020年10月31日
顔を失くした男の自己回復と、
他者との交流の窓を回復する目的であったはずの仮面が、
いつしかただ別の素顔を得るだけになる。
執拗に繰り返される自問自答と顔に纏わる考察が、
必死になればなるほど迫害的で妄想的な意味合いを強め、
ひどく歪んだ自己愛的な主観へと埋没していく様が怖いが、
それは蛭の巣窟に...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年10月23日
安部公房の思考実験小説の金字塔でもあり、ノート等記録型の長編小説の代表でもある作品。
安部公房の思考実験というと、日本では「箱男」の評価がやたら高いが(安部公房には海外にも小説のニーズが有る)、あれで挫折した人は、こちらを読んでみると良い。
もしも自分が他人の顔になれる仮面を手に入れたら、一体ど...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月08日
人はみな他人の顔を求めるものだと思う。 SNSで友人を作るのが当たり前になっている現代は、出版された時代と比べてもかなり「自分とは別の顔」が普及した世の中になっている。
のみならず、コスプレやメタバース、ゲームのアバターなど「自分以外の自分」で自己表現ができる機会は多い。
化粧や整形の普及もあって、...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年10月31日
ヤマザキマリさんが阿部公房を紹介してたのでよんだ。
本当は砂の女を読む予定だったけどなかったので。
文学的な文章は慣れてないので読みづらかったけど、とりあえず読み切ってよかった。
人の本質は顔だけじゃないという本人だけれど、顔に対してのコンプレックスや偏見を一番感じとっているのが自分でもがいているの...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月18日
安部公房の、昭和39年に刊行された長編小説。
フランスでも高い評価を得た作品で、
日本では映画化もされているそう。
顔に蛭が蠢くような醜いケロイドを負ってしまい
"顔"を失った男が、
妻の愛を取り戻すために仮面を仕立てるという
ストーリー。
科学者である主人公が研究を重ねて
...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年11月02日
研究所に勤務する僕は実験中の爆発事故で顔一面に大やけどを負い、ケロイド瘢痕を隠すため顔全体を包帯で覆う日々を過ごす。人間同士のつながりの窓である「顔」の復元を考え、特殊ゴムを使用した覆面を思いつく。見放されたと感じている妻にも別人として迫るがその結末は意外にそっけない。愛というものは互に仮面を剝がし...続きを読む
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