砂の女(新潮文庫)

砂の女(新潮文庫)

781円 (税込)

3pt

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編。20数ヶ国語に翻訳されている。読売文学賞受賞作。(解説・ドナルド・キーン)

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砂の女(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月03日

    男の立場で読むことで
    男の心境に沿って物語が進んでいく
    読後は改めて女の立場で
    読み進めてみたいとも思った。

    不自由だったはずの幼少期を
    振り返ってみると
    自由であったと感じる。
    大人になった今は
    自由では無いのか?自由とは何か?
    そんな事を思いながら読んでいた。

    孤独とは、
    幻を求めて満たされ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月31日

    『砂の女』が発表されたのは1962年、キューバ危機の年だ。もはや歴史にマッピングされる時代である。なのにこの小説は、文学作品特有のカビ臭さがない。むしろ新鮮なくらいである。
    安部公房は日本で最初にワープロを使って執筆した作家と言われる。理知的な文章は、小説家というよりも実験家のようである。実際、彼は...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月10日

    毎日が煩雑で全く同じことの反復でしかない生活なら、この穴の中での、毎日砂を掘っては捨てる単調な反復の生活に置き換えた方がよっぽどマシかもしれない。面白かった。

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    Posted by ブクログ 2024年02月24日

    すごい作品でした。夢や希望、生気も砂に吸い取られてしまったような読後感。生きている意味とは…とネガティブ全開になってしまうけど好き。求心力がすごかった。

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    Posted by ブクログ 2024年01月10日

    ハードル高いと思っていたのですがサラサラッと読めました(砂だけに)ただし、作品の意味する所までは読み取れてなかった気もします。日常生活のふとした時に砂の女の描写を思い出してしまいそう。それだけ影響力は大。面白かったです!

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    Posted by ブクログ 2024年01月04日

    人間の"慣れ"という本能の極致へ誘う強烈物語。

    小説でここまで鮮明な描写が浮かぶのか、
    この物語は何を伝えているのか、と文学デビュー戦ながらに素敵な経験を与えてくれた思い出の一冊。

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    Posted by ブクログ 2024年01月01日

    騙されて砂の底に閉じ込められた主人公は、食べ物を得るために毎日砂を掻き出さなければならなくなった。
    この「砂」というものの解釈が重要なわけだ。
    毎日降り積もり、放置すれば家も自分も滅してしまう。つまりこの「砂」というものは、人間が日々やらなければならない「役目」のことだとわかるわけ。
    しかし安部公房...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月11日

    想像力がたっぷり効いた小説は、読み終わって元気をもらうとか、悲しく切ない気持ちになるとか、そういう感情の軸を選べない、複数の感情が混沌とした心持ちになるものである。安部公房の小説を読んだのはこれが初めてであったが、村上春樹や江戸川乱歩の幻想ものに対して、全体的に角張ったような印象を受けた。それでも安...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月26日

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    本当の自由とは。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    欠けて困るものなど、何一つありはしない。

    砂穴の底に埋もれていく一軒家に故なく閉じ込められ、あらゆる方法で脱出を試みる男を描き、世界二十数カ国語に翻訳紹介された名作。

    砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれてい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月25日

    砂の生活への充足感も徐々に高まり、溜水装置という武器をも手に入れた男には、もはや罰などない。罰がなければ、逃げる楽しみもないのである。

    創造力に長け、それでいて正確な比喩によって、じめじめとした砂が皮膚にまとわりつく感覚は忘がたい。

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