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Posted by ブクログ 2023年11月02日
最高。
通常の世界からだんだん夢の中を歩いている気分になる。自分は誰なのか、むしろ自分が追い求めていた人物かもしれないし自分はその弟かもしれない。ファイトクラブのような気もしつつ、ただ人を探す行為に疲れた精神錯乱かもしれない。それを風刺として利用したのかそれとも夢の世界に引き摺り込みたいのか。安部公...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月10日
安部公房が書く「都会という無限の迷路」、それはタクシーであり公衆電話であり地図であり電話番号……、そのような「都会」は今はもうないのかもしれない。
初めは物語世界に入り込むのに苦労した。
半分を超えたあたりで、小説のテーマが何となくわかった。
入り込めなかったのは、現代が安部公房の時代とは前提が変...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月09日
手掛りを辿れども辿れども、真実に近付きも遠のきもしない感じが、失踪人の周囲を同心円上にぐるぐる回っているだけのようで徒労感と無力感が延々と繰り返される。それでも次は何かがわかるかも知れない!という期待を込めてページを捲る手が止まらない。
通常の推理小説ならラスト一気に真実の一点へ駆け込むが、そうは問...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年06月10日
ハードボイルド小説だ。或いはノワール小説的でもある。
ハードボイルドやノワールという物語の成立には都市という舞台は必要不可欠だ。
田園風景の中で、誰もが誰もの家族たりうる社会でハードボイルドもないだろう。
この物語も等しく、都市が舞台であって、さらに、拡大してゆく最中の都市とも言える。
この...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年12月01日
「失踪した主人を探して欲しい」
この時点で、安部公房を何冊か読んできた人なら、見つかることはないことは想像に難くないだろう。したがって、見つからないのである。
いなくなった人を探して見つからないというテーマは「密会」と似ており、安部公房作品らしくどの登場人物ものらりくらりと本質を語らない。主人公もフ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月21日
なぜ、安部公房の作品は文学作品だというのに、いつも、長い夢を見たような気分になるのか。文字よりもそこから喚起されるイメージのほうが頭に焼き付いて離れない。
孤独、アイデンティティの喪失という題材を儚くも美しく、お得意のメランコリックな文体で仕上げた名作。
社会での歯車の一部感で苦しくなっていると...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年12月31日
探偵の即物的視点からえがく傑作。
内容については他の方が書いていらっしゃるので割愛する。
勘違いしてはならないことはこの小説はスリップストリームであり探偵小説とは違うと言うことだ。
この混乱する社会を混乱していく小説で見事にえがいてある。
序盤から終盤にかけての即物的文体、終盤の幻想的文体、こ...続きを読む
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