壁(新潮文庫)

壁(新潮文庫)

737円 (税込)

3pt

ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った野心作。(解説・佐々木基一)

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壁(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    シュールレアリスム的小説でカフカと似たる作風。
    読者によって作品イメージが異なるであろう。
    安部公房は繰り広げる世界観は狭いけれど、そこには想像を掻き立てる仕掛けがあり飽きさせない。
    安部公房満載の作品である。

    0
    2025年09月13日

    Posted by ブクログ

    この頃の作品が好き。
    抽象化と具体化に富んでいて、まるでモジュールが組み込まれてるのかというような試みが感じられる。
    プログラミングされてるのか?と思うくらい発明家っぽいこの頃の作品達はとてもよい。

    0
    2025年09月08日

    Posted by ブクログ

    20年振りの再読。安部作品の中では今作が最も理解しにくい。第3部しか感覚としての理解が追い付かなかったが、20年前にはその感覚すら味わえなかったのだから多少進歩したのだろう。第3部「洪水」は貧困層(低所得者)からの逆襲と呼んでも良かろう。搾取する富裕層への逆襲。きっかけは嫉妬心ではなく貧乏人から順に

    0
    2024年11月12日

    Posted by ブクログ

    「目を覚ましました」から始まる。何かしら変だと思う。まるでカフカの変身の毒虫のお話のような失われた自分の名前。
    自分の中に砂漠を宿して、いや からっぽになった自分もどきをもてあまして悪あがきをする。
    不思議な世界を冒険している童話のようであり、かなりシュールな旅をしているような気分を味わう。
    「バベ

    0
    2024年08月24日

    Posted by ブクログ

    ただただぶっ飛んでいておもしろい。ディテールは当然に古いけど、映像的な心象の描き方が時代を超越する。もっと掘るぞ。

    0
    2024年07月19日

    Posted by ブクログ

    箱男よりも読みやすいし好みだった。名刺が動いたところから最後までワクワクが止まらない。あとチョークの話のラスト好き。

    0
    2024年07月16日

    Posted by ブクログ

    第一部「S・カマル氏の犯罪」と第二部「バベルの塔の狸」を読んだとき、まるでピカソの絵のようだと思った。どこまでもどこまでも突き進む想像力が紡ぐ奇々怪々な世界。その「なんじゃこりゃ」と叫びたくなるような世界は、ピカソの絵がそうであったように、演繹という論理的な思考の展開によって極めて理性的に導出されて

    0
    2023年12月11日

    Posted by ブクログ

    安部公房先生を読むのは2作目。正直最初から最後まで壁がわからなかった。独創性についていけず、文学を深く理解できていないように感じた。しかし、現実世界でもないけど空想世界としてほんの少し理解できる独創性は、安部公房先生ならではかなと思った。
    いつか再読しよう。

    0
    2025年11月25日

    Posted by ブクログ

    シュールで独特な設定が面白かった。作家は若い頃極貧生活だったらしく、壁ばかり見つめていたのだろう、多種多様な壁のイメージが全てリアルでユニークだった。時々女性が主人公の男性の前に現れ、抽象的なような名を失った語り手に「名前ある個人としての」人生があったことを思い出させてくれる。第一部では1ページかけ

    0
    2025年11月22日

    Posted by ブクログ

    中・短編集。
    3話すべてに「壁」が登場するが、最初の『S・カルマ氏の犯罪』がもっとも壁との関わりが深い。

    名前を奪われたカルマは人権も失い、裁かれ、監視される存在となる。
    心の空洞には砂漠が広がり、そこに成長していく「壁」がある。
    それは自由を守る壁ではなく、束縛の壁?

    やがてカルマ自身が壁にな

    0
    2025年09月14日

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