壁(新潮文庫)

壁(新潮文庫)

小説・文芸
737円 (税込)

3pt

ある朝、突然自分の名前を喪失してしまった男。以来彼は慣習に塗り固められた現実での存在権を失った。自らの帰属すべき場所を持たぬ彼の眼には、現実が奇怪な不条理の塊とうつる。他人との接触に支障を来たし、マネキン人形やラクダに奇妙な愛情を抱く。そして……。独特の寓意とユーモアで、孤独な人間の実存的体験を描き、その底に価値逆転の方向を探った野心作。(解説・佐々木基一)

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    壁(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    1527033
  • 電子版発売日
    :
    2024年03月07日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    4MB

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壁(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    まっじで面白かった。最高。
    第一部と第二部がとんでもなく好き。
    独特の比喩表現、奇妙な映像を鮮烈に思い浮かべられる描写。自分とほとんど同じ年齢でこれを書き上げたのか、、とんでもないな。

    0
    2026年04月08日

    Posted by ブクログ

    安部公房「壁」は1951年刊行。「S・カルマ氏の犯罪」「バベルの塔の狸」「赤い繭(4編の短編)」からなる作品集。
    足元の床が抜けたような不安が漂って、起こる事はことごとく不条理。主人公たちには突飛で理不尽な出来事が振りかかりますが、容赦なく淡々と悪化していく感じ、こりゃもう安部公房。

    「S・カルマ氏の犯罪」
    朝起きたらえらい事になっていた系。解説には「カフカっぽいけど明るい」とあり、なんか納得。
    名刺に自分を奪われた主人公。名前・肩書を失い、何者でもなくなってしまう怖さ。しかも彼を取り巻く雑多な物から敵とみなされてしまう。
    話がマトモに通じない感じや裁判シーンなどは不思議の国のアリスっぽさも。ラストの「そっちに行っちゃった感」が半端ない。

    「バベルの塔の狸」
    謎の動物「とらぬ狸」に影を奪われてしまった主人公。彼が収集していた「とらぬ狸の皮(妄想・空想メモ)」がもとで、虚構の世界「バベルの塔」に連れて行かれてしまいます。
    やりたい事を100個書き出そう、みたいなヤツ。書いて満足して本末転倒…みたいな事への皮肉?それとも、想像力を失って、空腹を満たすためだけに生きることへの皮肉?

    そして、どれも自分がなくなっていくような心許ない短編群4編。
    自分が足元からほどけ繭になり、あるいは溶けて液体人間になる。すべてを手に入れたと思えば世界を失い、何の役にも立たず、存在する意味がないと言われる人間の価値を問われる。

    安部公房すぎる〜。

    0
    2026年03月25日

    Posted by ブクログ

    シュールレアリスム的小説でカフカと似たる作風。
    読者によって作品イメージが異なるであろう。
    安部公房は繰り広げる世界観は狭いけれど、そこには想像を掻き立てる仕掛けがあり飽きさせない。
    安部公房満載の作品である。

    0
    2025年09月13日

    Posted by ブクログ

    この頃の作品が好き。
    抽象化と具体化に富んでいて、まるでモジュールが組み込まれてるのかというような試みが感じられる。
    プログラミングされてるのか?と思うくらい発明家っぽいこの頃の作品達はとてもよい。

    0
    2025年09月08日

    Posted by ブクログ

    20年振りの再読。安部作品の中では今作が最も理解しにくい。第3部しか感覚としての理解が追い付かなかったが、20年前にはその感覚すら味わえなかったのだから多少進歩したのだろう。第3部「洪水」は貧困層(低所得者)からの逆襲と呼んでも良かろう。搾取する富裕層への逆襲。きっかけは嫉妬心ではなく貧乏人から順に液体へと変わる点が問答無用の冷たさをはらんでいて現実的。嗚呼、貧困から抜け出したいな。誰もが願う事が容赦なくコミカルに描写されているので、やはり安部公房は現実的で冷たい観察眼を持つ独特な作家だ。

    0
    2024年11月12日

    Posted by ブクログ

    3部構成
    3部は短編集の形。その中でも「洪水」は割と好きだった。労働者が液状化する話。
    登場人物が人間ではないものになるので、カフカの不条理小説を思い起こさせるけど、ところどころ美しい描写があるのと、なんだか湿った雰囲気はないので、軽く読める。悲観的ではない、気がする。
    無機物=社会からの離脱、なのかな?だとしたらある種の救いの話なのかも。リアリストは無機物にはなれない。
    難しかった。

    0
    2026年09月05日

    Posted by ブクログ

    シュールで不条理。名作だと言われて読むと、理解できなくて後悔するかも。
    2度目に読んだとき、壁とは何か。について考えられた。

    0
    2026年07月26日

    Posted by ブクログ

    面白いが箱男の方がわかりやすく面白かった。

    何かを表現したくて書いている小説なのだろうけど、何を意味しているのかイマイチわからなかった

    解説求ム…

    0
    2026年06月27日

    Posted by ブクログ

    『第一部 S・カルマ氏の犯罪』

    主人公はある日突然、自分の名前を失う。そこから物語は、「自分とは何か」「存在とは何か」という哲学的な問いを軸に展開していく。しかし本作の魅力は、その難解なテーマだけではない。

    物語の世界は終始、現実と虚構の境界が曖昧で、まるでデ・キリコやサルバドール・ダリの絵画の中を歩いているようだった。裁判所や会社といった現実的な舞台が登場するにもかかわらず、そこでは常識が通用しない。不条理でありながら妙に説得力があり、その独特な世界観に強く引き込まれた。

    特に印象的だったのは、「無機物の、有機物への革命」という発想である。無機物には意志があり、生きているにもかかわらず目的を失った有機物に対して革命を起こそうとしている。この設定は奇抜でありながら、人間そのものの在り方を問い直しているようにも感じられた。

    また、裁判のくだりはミステリー小説のような面白さがあり、次に何が起こるのか分からない展開に夢中になった。一方で、読んでいると不思議なほど眠くなる作品でもあった。決して退屈なのではなく、むしろ面白い。けれども常に現実と幻想の狭間を歩かされ、自分でも気づかないうちに脳を使っていたのだと思う。

    最後にはノアの方舟を思わせる場面も登場し、主人公は元の姿には戻らず、壁そのものになってしまったようにも読める。しかし、その結末が何を意味するのかは明確には語られない。だからこそ読後も考え続けてしまう。

    『壁』第一部は、物語を読むというより、一枚のシュルレアリスム絵画の中を彷徨うような読書体験だった。意味を理解したというより、その奇妙な世界を歩き切ったという感覚が強く残っている。そしてその体験そのものが、この作品最大の魅力だった。


    『第二部 バベルの塔の狸』

    安部公房『バベルの塔の狸』は、第一部とはまた違った面白さを持つ、不条理でユニークな作品だった。

    「影を狸に食べられ、目以外が透明人間になる」という突飛すぎる設定から始まり、ニーチェ狸、フロイト狸、ダンテ狸といった個性的で可愛い狸たちが次々に登場する。彼らとの会話のラリーはまるでギャグ漫画のようで、終始楽しく読み進めることができた。

    一方で、狸たちは人間の欲望や夢、無意識の象徴のようにも感じられた。生と死、現実と夢の境界を超越した存在として描かれており、第一部に続いて「壁=境界」というテーマも感じられた。

    ラストでは時間が再び冒頭へと繋がり、まるで一本の映画を観終えたような読後感が残った。不条理でシュールでありながら、可愛さとユーモアに満ちた、不思議で楽しい作品だった。

    0
    2026年06月14日

    Posted by ブクログ

    不条理不条理!読んでる間に、漫画家つげ義春氏の訃報があって、なにか共通なものを思い出した。

    それにしても「とらぬ狸」の言葉だけゴシック体なのは何故なのか

    0
    2026年04月18日

壁(新潮文庫) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    壁(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    1527033
  • 電子版発売日
    :
    2024年03月07日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    4MB

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  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
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