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ある日突然現われた父親と名のる男が、奇怪な魚に生れ変り、それまで何の変哲も無かった街が水中の世界に変ってゆく「水中都市」、コモン君が、見馴れぬ植物になる話「デンドロカカリヤ」。安部短編作品の頂点をなす表題二作に、戯曲「友達」の原型となった「闖入者」や「飢えた皮膚」など、寓意とユーモアあふれる文体の内に人間存在の不安感を浮び上がらせた初期短編11編を収録。(解説・ドナルド・キーン)
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Posted by ブクログ
おもしろい!と思ったり 訳がわからない!と思ったり おとぎばなしを聞いている気分になったり ひとつひとつが笑えたと思ったその次には 背筋がゾワ〜と恐怖を感じたり やっぱりおもしろいのでしょうね 不思議な世界の中にも 素敵な文章の数々 次にあげる表現は雪に囲まれた冬の今だから、 なおさら心に響いて残っ...続きを読むています。素敵な表現! 「そしてそれらの雪の上に、また新しい雪が重なり、町の表面はなだらかな雪の曲線に覆われてしまって、数日の後、もしくは数時間の後、不意に映写機の歯車に故障がおきたかのように、街全体がぴったりと動かなくなっていた」 「本当の春が近づいていたのだ‥ ある日、雲の割目から、太陽がいたずら少女の ような手をさしのべた。そして泡立つ古い酒を入れた水がめの底に、誤って落とした金の指輪をさがそうとでもするように、静かに町の睡をゆりさました」
現代の寓話とも言うべき短編集。主人公らは人間から変態したり、そもそも人間ではない存在を描いており、その中に著者のユーモアがふんだんに散りばめられている。不条理な展開に振り回されつつも、その中にある様で存在しない大きなメッセージを感ずるだろう。
安部公房の作品という感じでとても良かった。この世界に身を浸すことが楽しい。意味や風刺はもちろん私には読み取りきれない。でもそれでもいい、そのまま作品を楽しめばいいと解説に書いてあって楽な気持ちになった。純粋に安部公房の描く世界の美しさと不可思議さと、その文体の見事さに浸って良いのだと思った。
11の無慈悲な短編集 シニカル・ウィット・刹那・苦悩に溢れ あらゆる人間の負の感情を曝け出すも 対極にある無頼な世界に帰結する タイトル2作も情け容赦ない末路を辿るが “何か”を犠牲にする事で救われたような… 無責任な安堵が心を満たした
箱男を数年前に読んだ以来の安部公房。 この人の文章によって思い描く景色は、古いビデオテープに録画した古い映画のような、ざらざらした触感の音声と映像で再生される。 そうして再生された景色も、埃と砂でざらざらしている。 また、この与太話の説得力は何だろうか。 「ショウチュウを飲みすぎると魚になる」とか...続きを読む、酔っ払いの戯言のようなのに、なんとなく「そういうもんかな」と思わせる。 起承転結が夢のようにチグハグで、読み終わってすぐは「なんだこれは」と思うのに、なんとなく腑に落ち…いや落ちないわ。全然落ちない。その腑に落ちなさと不条理が良い。 あまり深く考えない方が楽しく読めるのかもしれない。 ざらざらした貧しい雰囲気と与太話を楽しむには。
安部公房は以前別のを読もうとして全く入り込めなかった過去があったので避けてたけど、今回これを読んでみたらすごく面白くてすらすら読めました。 シュールで不思議な雰囲気で、社会や政治への風刺が多い短編集だったかなという印象です。 とんでもなくシュールってわけでもなく入り込みやすい気がします。 後味は全...続きを読む体的に良くはないですね。ハッピーエンドではない…。 『デンドロカカリヤ』が一番好きで、『手』『闖入者』あたりも好きです。 これを機に安部公房作品もっと読んでいきたいなぁ。
安部公房の一部ドタバタも含むSF中心の短編集。青年が突然、珍しい木「デンドロカカリヤ」に変化する。夜中に突然現れた見知らぬ家族によって家が乗っ取られるなど、わかりやすい恐怖から、世の中が知らぬ間に水の底になって、人間が人喰い魚に鳴ってしまうなど、常識の根本が覆されてしまうものまで、多彩な作品群。 ...続きを読む様々な表現が文学的で、理解するのに時間がかかることを除けば、筒井康隆や小松左京を読んできた人にとっては、非常に面白い本と感じるであろう。特に気になるのは、作中人物の思考だと思って読んでいると、急に第三者の視点のような表現が織り込まれるところ。 こういう作品群から、現代文の問題を出されたら、絶対解けない自信がある。 それはそうと、いくら文学的な表現が多くとも、この本全部がエンターテインメントである。面白くて楽しくて恐い。おそらく作者も楽しんで書いていたはずで、そこを踏まえて、ついている解説が結構的はずれではないかと思うのだが、読まなきゃ良いんだな。
多分初めて読んだ安部公房だったと思う。 ここで無頼派にハマった。 若いうちに読んどいて良かった。
圧倒的想像力というか空想力! 安部公房の頭の中ってどんなことになってるんだろう。 実存への不安感とシュールさでぐらぐらする、面白い!!
表題2作。 ひどくシュールな漫画を読んでいる気持ちになる。 水中都市にしても、デンドロカカリヤにしても 「ある枠」をはめて物語を一層意味深くしている。この作者、物一つ眺めてからの創造力が桁外れだ。モノづくりにとってはネタの宝庫かもわかりませんね。
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水中都市・デンドロカカリヤ(新潮文庫)
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安部公房
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