飢餓同盟(新潮文庫)

飢餓同盟(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

眠った魚のように山あいに沈む町花園。この雪にとざされた小地方都市で、疎外されたよそ者たちは、革命のための秘密結社“飢餓同盟”のもとに団結し、権力への夢を地熱発電の開発に託すが、彼らの計画は町長やボスたちにすっかり横取りされてしまう。それ自体一つの巨大な病棟のような町で、渦巻き、もろくも崩壊していった彼らの野望を追いながら滑稽なまでの生の狂気を描く。(解説・佐々木基一)

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飢餓同盟(新潮文庫) のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年03月30日

    全部おもしろい。
    “まったく、現実ほど、非現実的なものはない。この町自体が、まさに一つの巨大な病棟だ。”

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    Posted by ブクログ 2018年03月18日

    閉鎖された町、革命がテーマですが、読み進めるうちに小さな組織、例えばご近所付き合いとか学校とかに例えると理解しやすいかと思います。
    正気の革命なんてものは夢。
    だが、そこに魅せられてしまう者がいて、思いが強いと狂気になり、やがてそれは成功か不成功か、人為的なものもあるけど、この本では狂気、狂気、更に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月23日

    自分達を不幸にする社会構造をひっくり返すという目的のために存在していた筈の手段が、目的へとすり替わっていく。
    最近も頻繁に見かける類の狂気かと思う、元は高い使命意識を持っていたであろう人々が、目的と手段を履き違えて頓珍漢な声を荒げ、白い目で見られる様は。
    そしてその活動すら、金持ちの金稼ぎに利用され...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年12月05日

    閉塞感漂う「花園町」で共産主義的な革命を画策する者たちの哀愁劇を描く。”ひもじい同盟”という極めて貧相な名前から”飢餓同盟”へ名称を変え、地熱発電所を基軸に革命を試みるが・・・。

    作品全体に纏わりつくどんよりした暗い雰囲気と、あくの強い個性的な登場人物は安部公房ならではといえよう。ドストエフスキー...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年05月05日

    現実の中にいきなりでてくる非現実。だけれども、非現実なのに、なぜか違和感を感じさせずに、リアリティをもつのは、安部公房ならでは。だから好きで読んでしまうんですよね。飢餓同盟も同じで、不思議な世界に誘われたいなら、ぜひとも読むべき1冊です。

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    Posted by ブクログ 2011年04月10日

    ユートピア思想の具現化を追い求めて結成された「飢餓同盟」。
    排他主義・権威主義がはびこる廃れた温泉町に革命の機運を起こすべく奔走するが、徐々に手段が目的と化し、自らも政治・経済システムに取り付かれた狂人となり果て、同盟が瓦解していく模様を綴った作品。


    支配の重壁に押しつぶされようとしている人々が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年04月26日

    ほかの作品にもよく見られるような、土俗性と人間の過剰なまでの人間らしさが散りばめられている作品。
    雪に閉ざされた地方都市や戦後間もないであろう時代といった舞台には、確かに今この場にいる自分との距離を感じてしまう。しかし、われわれが日本人である限りはどこにいようとどんな時代を過ごしていようと同様の構造...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月22日

    夢を見ること。政治をすること。行動すること。安部公房は閉塞感に満ちた地獄を書くのがうますぎると思います。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    安部公房ワールドだなぁ。

    と、まず思う。
    やはり、この人はくせがある。

    目的と手段が逆転したおろかさを感じる

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    Posted by ブクログ 2021年05月17日

    花園町のように、一部権力者の圧倒的な支配によって成り立ち、なんともいえぬ閉塞感が漂う町、というのは、こと、田舎においては今だにたくさんあるだろう。生きることに疲れながらも、生きることを求め続けた飢餓同盟の面々のアイロニー。八方塞がりの中でもがき苦しむ現代人もまた、彼らのようにユートピアを求めて彷徨っ...続きを読む

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