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現在にとって未来とは何か? 文明の行きつく先にあらわれる未来は天国か地獄か? 万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発して事態は急転直下、つぎつぎと意外な方向へ展開してゆき、やがて機械は人類の苛酷な未来を語りだすのであった……。薔薇色の未来を盲信して現在に安住しているものを痛烈に告発し、衝撃へと投げやる異色のSF長編。(解説・磯田光一)
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Posted by ブクログ
最初から飛ばしています。ミステリっぽく始まりますがだんだん「これ何の話…?」的展開。とにかくスピード感があって止められません。 諸々の突飛な話が繋がった時は何とも言えない「腑に落ちた〜」感が。 万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことが発端となり、とんでもない事が次々に明るみになっ...続きを読むていきます。 いやいやまさか…な事が行われているのですが、安部公房の筆致に、思わず私も乏しい想像力をフル稼働させられてしまいました。 あとがきの日付は1959年、ウィキペディアによると「日本で最初の本格長編SF」とのこと。 予言機械にしたって、コレ60年以上前の作品! 第四間氷期が終わろうとする時。そこに、それこそ天地がひっくり返るような未来を描いた安部公房。これはホントに衝撃。
学生時代に読んだ本を再読。 父に薦められて読み、SF好きになり、読書習慣が付くことになった思い出深い本である。 予言機械、水棲生物の存在は常識から大きく外れている。 その異常さ、不気味さに起因しているのだろうか、読み進めるにつれて主人公の世界自体が現実から剥離していく様な感覚に陥る。 未来の残酷さを...続きを読む受け入れるか否かが、この本の主題となっているが、楽観主義の私は本編の未来はまだ良いように感じた。 現実では、今まさに起きている戦争ですぐ近くの国が核を撃つかもしれない。 それを起点とし、人類が滅ぶ事もあり得る。 そんな未来が無いと言い切れるだろうか。
未来とは天国か地獄か。科学技術によって人間を取り巻く環境は大きく変化し、その新しい自然によって人間自体も大きく変容してゆく。未来の価値を図る尺度は現在の側にはなく、善悪の彼岸すら大きく捩れてゆく。これはある種のSFが未来を通して現在の人間社会を描くという試みを、未来予知機械をSFと見立ててそれによる...続きを読む変化をメタ的に捉えて描いている。SFミステリーのような導入から最期は幻想小説にまで変化してゆくジャンルレスな作品。
まさか未来予言機の開発話がこんな展開をするとは…目が離せず、一気に読んでしまった。 古典文学を読んでいると、当時の感覚では当たり前でも今の感覚では「倫理的にどうなんだ」と思う現象が多々ある。きっと未来人から見た我々にもそういう点がいろいろあるだろう。 人間の価値観は絶えず変動しているが、絶対的に現在...続きを読むが最善というのは間違っているのではないか? それでも良かれ悪かれ、私たち「現代人」は現代の価値観の中で現代を生きるしか道はないのだが。 最後に安部公房は、現代人に未来の価値観を評価する資格はないと言った。 現代人の偏見で未来を観測して、頓珍漢だと絶望するくらいなら、未来予測なんてない方が良いのかもしれない。 未来人がぴちぴちの全身タイツだって、ヤバい見た目の生物に進化していたって、黙って受け入れるしかない。彼らが未来に生きる「現代人」である限り。
希望でも絶望でもない未来。 安部公房は一貫してしっかりとした論拠をもって現代社会への警鐘や逃避をテーマにしてきましたが、SF作品への挑戦は自然な流れのように思えます。 他の作品同様に、鋭い視点と論理的な指摘、そしてたっぷりのユーモア。紛れもない安部文学であり、大いに楽しませて頂きました。
つまりは未来を受け入れられる人間とそうじゃない人間がいるという話だった。私たちは理解できない強大なものに恐怖心を感じるようにできている。
大学時代に途中までしか読めていなかったので再読。面白い。未来について色々考えさせられる。現在の価値基準で未来を評価することなんて、できっこないんですねきっと。意外な展開にきっと引き込まれるはずなのでおすすめです。
聞かされた最初も、予言機から色々聞かされていく過程でも、自分はずっと主人公と同じような気持ちだった。「ありえない!→いやそんなバカな、、」みたいな徐々に不安になっていく感じ。 この本を読んだことで、この本というより「未来を認めたくない自分」に対して恐怖を感じる体験をさせられました。 自分の理解力...続きを読む不足もあるとは思うが、正直ストーリー構成的に強引だったり説明つかないところがいくつもある気がしてる。ただ、50年以上前の作品だし、話の複雑さを考えれば許容範囲か
最近のアニメ、映画でよくあるAIと人間の同期っぽい設定があって、この作品を昭和45年に書いている安部公房の想像力に脱帽。 今はAI技術の進化を見ているので、面白い想像だな位に感じるけど、この本が出た頃読者はどんなふうに感じていたんだろう。 集中して読めてない部分も多いので、再読したい。 昭和4...続きを読む0年代の人の想像で表現している挿絵が何だか面白い。
電子頭脳を持つ予言機械、今で言う人工知能のような機械にある男の未来を予言させたことに端を発し、事態はあれよあれよと急展開を迎える。 SF的な要素があるかと思えば、唐突にミステリーな要素が垣間見えたり、SF小説と言われているが、不思議な作風だった。この作品が日本で初の本格SF小説だそう。 そして、19...続きを読む59年に出版されたとは思えないほどに近未来的で、今の時代に出版されても古さを感じさせないのではないかと思う。 「砂の女」や「箱男」のような哲学的な作品を書くかと思えば、この作品のようにSF要素のある未来を予想したかのような作品を書いたり、阿部公房の作風の幅の広さに驚いた。この作品のほうが先の2作品よりも前に刊行されているので、もともとはSF的な作家なのだろうか。
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第四間氷期(新潮文庫)
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安部公房
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