第四間氷期(新潮文庫)

第四間氷期(新潮文庫)

781円 (税込)

3pt

現在にとって未来とは何か? 文明の行きつく先にあらわれる未来は天国か地獄か? 万能の電子頭脳に平凡な中年男の未来を予言させようとしたことに端を発して事態は急転直下、つぎつぎと意外な方向へ展開してゆき、やがて機械は人類の苛酷な未来を語りだすのであった……。薔薇色の未来を盲信して現在に安住しているものを痛烈に告発し、衝撃へと投げやる異色のSF長編。(解説・磯田光一)

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第四間氷期(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月17日

    未来とは天国か地獄か。科学技術によって人間を取り巻く環境は大きく変化し、その新しい自然によって人間自体も大きく変容してゆく。未来の価値を図る尺度は現在の側にはなく、善悪の彼岸すら大きく捩れてゆく。これはある種のSFが未来を通して現在の人間社会を描くという試みを、未来予知機械をSFと見立ててそれによる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月07日

    まさか未来予言機の開発話がこんな展開をするとは…目が離せず、一気に読んでしまった。
    古典文学を読んでいると、当時の感覚では当たり前でも今の感覚では「倫理的にどうなんだ」と思う現象が多々ある。きっと未来人から見た我々にもそういう点がいろいろあるだろう。
    人間の価値観は絶えず変動しているが、絶対的に現在...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年11月05日

    希望でも絶望でもない未来。
    安部公房は一貫してしっかりとした論拠をもって現代社会への警鐘や逃避をテーマにしてきましたが、SF作品への挑戦は自然な流れのように思えます。
    他の作品同様に、鋭い視点と論理的な指摘、そしてたっぷりのユーモア。紛れもない安部文学であり、大いに楽しませて頂きました。

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    Posted by ブクログ 2022年08月04日

    つまりは未来を受け入れられる人間とそうじゃない人間がいるという話だった。私たちは理解できない強大なものに恐怖心を感じるようにできている。

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    Posted by ブクログ 2020年05月26日

    AIもののSFとはこの物語を端的に表すジャンルであって、しかし、この物語について何も語りきれていない気もする。

    この物語は、旧態依然とした世代と新しい世代や未来世界との断絶の物語だと思う。

    解説では、作品が世に出た当初の日本、すなわち田園・農村社会から急速に都市化へ移行する中間領域の社会が投影さ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年04月19日

    本書で言う"日常的連続感"を自覚しないことには、現在における価値判断を絶対的なものであると勘違いしてしまうのかもしれない。しかし、それを自覚したところで未来を批評することは適わない。我々が出来るのは、日常的連続感に囚われず、批評的に現在を考え続けることだけなのだろう。そして、そ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年02月21日

    生物学や科学やなんだかんだの専門的知識は持ち合わせてないけれど、それでも書かれている内容は理解できるしスリルと隣り合わせのストーリーには引き込まれる一方。

    唯一理解できないのは、これが約60年も前に書かれた小説だという一点のみ。代表作しか読んだことなかったけれど、安部公房って凄すぎじゃない?

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    Posted by ブクログ 2017年10月13日

    昔むかしに読んだのに、今なお印象が強い本。
    これをきっかけに安部公房を読みたいと思った。
    SF感、物語の構成、非常に面白く、引き込まれる。

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    Posted by ブクログ 2019年10月15日

    すごくおもしろかった。
    SFにミステリーを合わせたようなストーリーで、「他人の顔」や「砂の女」よりエンターテイメント色が強い。安部公房らしい既成概念をひっくり返すような発想の転換がありつつも、独特な文章表現は少ないので読みやすい。
    安部公房が難解だとか堅苦しい印象を持っている人に勧めたい。
    ラスト1...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月19日

    電子頭脳を持つ予言機械、今で言う人工知能のような機械にある男の未来を予言させたことに端を発し、事態はあれよあれよと急展開を迎える。
    SF的な要素があるかと思えば、唐突にミステリーな要素が垣間見えたり、SF小説と言われているが、不思議な作風だった。この作品が日本で初の本格SF小説だそう。
    そして、19...続きを読む

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