笑う月(新潮文庫)

笑う月(新潮文庫)

649円 (税込)

3pt

笑う月が追いかけてくる。直径1メートル半ほどの、オレンジ色の満月が、ただふわふわと追いかけてくる。夢のなかで周期的に訪れるこの笑う月は、ぼくにとって恐怖の極限のイメージなのだ――。交錯するユーモアとイロニー、鋭い洞察。夢という〈意識下でつづっている創作ノート〉は、安部文学生成の秘密を明かしてくれる。表題作ほか著者が生け捕りにした夢のスナップショット全17編。

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笑う月(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年08月20日

    自動書記という手法があります。これは執筆者の無意識を反映するために、意図を抱かずに書く方法のことです。

    人間が眠っているときに見る夢を文字に起こすと、自動書記のようになるのかとこの作品を読んで感心しました。

    おそらく私たち読者にとっては意味のわからない不思議な余韻の残る作品の羅列でしかないのです...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月18日

    随筆でもあり小説でもある感じの話と、スナップショットが詰まっていた。
    他の作品に比べると読みやすい。

    私も夢(悪夢)をみることが多いほうだとおもうけど、安部公房がみる夢はやっぱりひと味違う。
    他の作品にも通じるところがあって、不条理で少し怖い。
    スナップショットも安部公房らしい味わいがあって良かっ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年04月30日

    「選ぶ道がなければ、迷うこともない。私は嫌になるほど自由だった」

    安部公房にハマるきっかけになった「鞄」をまた数十年振り振りぐらいに読みたくなった。
    昔は選択できることが少なくて迷うこともなく進むことが出来たのに、大人になるにつれて選べることが増え、どんどん僕は不自由になってしまった。

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    Posted by ブクログ 2016年06月24日

    意外と読んでいなかった本作。

    無意識から生まれ来るものについて、
    安部公房が語るように、
    精神分析的な解釈を考えるよりも、
    その無意識に動かされ、遊び、昇華することを生業としている、
    芸術家達が言葉にするのが、
    とてもおもしろいと感じる。


    公然の秘密

    が、強く残った。

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    Posted by ブクログ 2016年05月09日

    安部公房がいかにして物語を編むのか、創作の舞台裏をみるような一冊。

    彼の紡ぐ世界は、書こうと思って書けるようなものでない。
    ピカソの絵をみて、自分でも描けるのではないかと言う人がままいる。しかし、実際描こうとすると、途端に筆が止まるのではないか。描いてはみたものの、「なにか」が違う。彼の絵はデタラ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年12月01日

    今読んでる文章が誰の視点で何として語られているのか、読んでるうちに分からなくなる。今いるここが夢なのか現実なのか分からなくなってくるように。その揺らぎに病みつきになる

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    Posted by ブクログ 2024年04月03日

    夢とは論理では辿り得ない迷路を潜り抜ける方法。
    サッカリン、祖父殺し、アリス、廃物・・・全く辻褄の合わない現象の連続ですが、説明不能の面白さでした!
    訳がわからないということは限りなく自由だ。

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    Posted by ブクログ 2020年03月28日

    ダイダイ色の月が笑いながら追いかけてくる。恐怖の極限のイメージ。

    安部文学の秘密に迫る17の「夢」絵巻。

    禁じ手「夢の記録」が示す異世界は、あり得ないほど遠く、心落ち着くほど親近感湧くクリエイティブ。

    船上でのサバイバルを描く『自己犠牲』が大好き。

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    Posted by ブクログ 2018年10月31日

    読んでると、夢の話なのか、色々よくわからなくなってくる。
    この不思議な感覚はやはり安部公房だなと思う。

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    Posted by ブクログ 2018年09月08日

    読む順番を間違えた……。
    出来れば最後に読みたかったです。
    夢日記を辿りながらのエッセイですが、公房の夢は何故か奇妙でちょっと怖い。

    夢はありのまま捉えるのが一番だ。

    この言葉からすると、常にストレスに悩まされていたのかなとも思います。
    がしかし、やはり夢の基礎は断片的で、ちらと見たり聞いたりし...続きを読む

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