笑う月(新潮文庫)

笑う月(新潮文庫)

737円 (税込)

3pt

笑う月が追いかけてくる。直径1メートル半ほどの、オレンジ色の満月が、ただふわふわと追いかけてくる。夢のなかで周期的に訪れるこの笑う月は、ぼくにとって恐怖の極限のイメージなのだ――。交錯するユーモアとイロニー、鋭い洞察。夢という〈意識下でつづっている創作ノート〉は、安部文学生成の秘密を明かしてくれる。表題作ほか著者が生け捕りにした夢のスナップショット全17編。

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

笑う月(新潮文庫) のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

    Posted by ブクログ

    自動書記という手法があります。これは執筆者の無意識を反映するために、意図を抱かずに書く方法のことです。

    人間が眠っているときに見る夢を文字に起こすと、自動書記のようになるのかとこの作品を読んで感心しました。

    おそらく私たち読者にとっては意味のわからない不思議な余韻の残る作品の羅列でしかないのです

    0
    2022年08月20日

    Posted by ブクログ

    随筆でもあり小説でもある感じの話と、スナップショットが詰まっていた。
    他の作品に比べると読みやすい。

    私も夢(悪夢)をみることが多いほうだとおもうけど、安部公房がみる夢はやっぱりひと味違う。
    他の作品にも通じるところがあって、不条理で少し怖い。
    スナップショットも安部公房らしい味わいがあって良かっ

    0
    2020年08月18日

    Posted by ブクログ

    「選ぶ道がなければ、迷うこともない。私は嫌になるほど自由だった」

    安部公房にハマるきっかけになった「鞄」をまた数十年振り振りぐらいに読みたくなった。
    昔は選択できることが少なくて迷うこともなく進むことが出来たのに、大人になるにつれて選べることが増え、どんどん僕は不自由になってしまった。

    0
    2020年04月30日

    Posted by ブクログ

    意外と読んでいなかった本作。

    無意識から生まれ来るものについて、
    安部公房が語るように、
    精神分析的な解釈を考えるよりも、
    その無意識に動かされ、遊び、昇華することを生業としている、
    芸術家達が言葉にするのが、
    とてもおもしろいと感じる。


    公然の秘密

    が、強く残った。

    0
    2016年06月24日

    Posted by ブクログ

    安部公房がいかにして物語を編むのか、創作の舞台裏をみるような一冊。

    彼の紡ぐ世界は、書こうと思って書けるようなものでない。
    ピカソの絵をみて、自分でも描けるのではないかと言う人がままいる。しかし、実際描こうとすると、途端に筆が止まるのではないか。描いてはみたものの、「なにか」が違う。彼の絵はデタラ

    0
    2016年05月09日

    Posted by ブクログ

    夢をテーマにしたちょっぴり怖くて不思議な短編集。
    怖いというより…人間の野蛮さが垣間見えて少々気持ち悪い。

    0
    2025年01月15日

    Posted by ブクログ

    安倍公房17編の短編集。
    どれも不思議な話で、理解するのも難しいけどとてもおもしろい。
    『鞄』、『公然の秘密』が好き。

    0
    2024年09月05日

    Posted by ブクログ

    夢を通してそこから創作の種について語る。エッセイのようなものから完全創作の様に思えるものまで幅広く収録されており、脈略のない展開が続く作品集自体が夢の様であった。現実と寓話の間をゆく著者の作風の一端が知れる微睡の様な作品集。

    0
    2024年05月07日

    Posted by ブクログ

    夢とは論理では辿り得ない迷路を潜り抜ける方法。
    サッカリン、祖父殺し、アリス、廃物・・・全く辻褄の合わない現象の連続ですが、説明不能の面白さでした!
    訳がわからないということは限りなく自由だ。

    0
    2024年04月03日

    Posted by ブクログ

    ダイダイ色の月が笑いながら追いかけてくる。恐怖の極限のイメージ。

    安部文学の秘密に迫る17の「夢」絵巻。

    禁じ手「夢の記録」が示す異世界は、あり得ないほど遠く、心落ち着くほど親近感湧くクリエイティブ。

    船上でのサバイバルを描く『自己犠牲』が大好き。

    0
    2020年03月28日

笑う月(新潮文庫) の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

新潮文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

安部公房 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す