【感想・ネタバレ】砂の女(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のうちに、人間存在の極限の姿を追求した長編。20数ヶ国語に翻訳されている。読売文学賞受賞作。(解説・ドナルド・キーン)

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安部公房の海外に翻訳されまくった名作。
脱出不可の砂地獄で奔放する男とそこに住む女の物語。

絶望的な世界でもがく男、そんな世界でどこか達観した女。

閉鎖空間での心理描写、砂に対する情景描写がすさまじく、読んでるこっちがザラザラして息苦しくなるほど。

気になりすぎて速読した結末は、渇いた現代人の価値観に確かな潤いをもたらしてくれるのではないでしょうか。

どこか海外SFっぽさもありながら心に残してくるのはしっかり日本文学っぽさ。

翻訳されてしかるべき名作を皆さんも是非...

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2025年11月29日

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ネタバレ

初・安部公房。面白かった~(笑)虫を捕りに来た男が砂の街に囚われ・・・不条理な世界に閉じ込められ必死に脱出しようとする気持ちと徐々に変わっていく気持ちが面白かった(笑)そして女が妙にエロチックな感じだった(笑)安部公房読みやすいし面白い他の作品も読んでみよう(笑)

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2025年11月23日

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令和に読んでも全く色褪せていない安部公房の名作

著者自身が2つ(2人)の自由をテーマにしたと語っているが、やはり非凡な才能がなければこの作品にこのタイトルは出てこないよ

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2025年11月23日

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ネタバレ

浅い言葉になってしまうが狂気的な文章!とそういいたい。
ずるずると蟻地獄のように砂の中に引きずり込まれていくような感覚、男の気力が削がれていく様が恐ろしくて下手なホラー小説より怖く、面白かったです。
他人なんてどうでもいい、今を生きる自分らの利益さえあれば……というような、出てくる人物たちの描写も恐ろしく、安部公房の見る人間とはこのようなものなのだろうか?と評論などを読んでみたくなる良い読後感のある名作でした。

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2025年11月08日

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「米の炊けるにおいにも、夜明けの色がまじりかけている。」だったり、表現や文章がとても好みだった。
ストーリーも面白かった。
続きが気になって、中盤〜終盤は一気に読んだ。

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2025年11月01日

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砂に埋まって息絶えるホラーかと思ったら…

自分の日々の暮らしにも似たところがあるなんて最後に思うとは…。

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2025年10月08日

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友人から薦められて読みました。
比喩表現の多い文体で、砂特有のざらざらとした質感の物語です。
それでありながら女と男の間で繰り広げられるやりとりであるとか、情であるとかに湿度を感じる面白い本でした。
色々なものに対して意義を見出しながら生活することはきっととても充実している。
でもそれができない環境に閉じ込められたら?というなかなかに面白い本でした。

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2025年10月01日

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ネタバレ

内容もざらざらしてるしなんか、ずっとざらざら感。水とか大気とかに惑わされる物語には出会ったことあるけど砂って今までになかったかも。読み心地も読後感も別に気持ちよくなかったけど面白かったな。主人公の感情の起伏がとてもよく伝わってくる。後半は気持ちが落ち着いているのが伝わってきたけど水を自力で獲れたときは気持ちの昂りが伝わってきた。砂の世界から出ることではなく、置かれた環境でよりよく生きる(乾きから逃れること)ことを目標にするようになり、水が自力で獲れるようになっても砂かきは続けていくんだろうなぁ。

友達が面白いというので読んだんだけど、友達はこれを何歳の時に読んで面白いと感じたんだ??と疑問に思った。

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2025年10月02日

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自由とは。

私はこの昔の本を読む前に、事前に少しあらすじを確認し、自由がテーマで、かつ何ヶ国もの国で翻訳されているとのことを知り、興味を持ち読みました。

先入観を持つことになりうる確認事では。と感じましたが、この大作を読み解くにはそれはあまり関係がありませんでした。

描写は細かく、かつ繊細。主人公が終始不自由な印象を受けました。

そして、読むにつれ自由意思とは何かを考えざるを得ない状況に読者をも引き連れて行くのです。

そもそも自由のない状況下にある主人公においてですら問われる“自由意思”の意味。また、生きるとはどう言うことなのか。

私はこの大作を読むことで、不自由さと自由について大切なことを学びました。追体験してしまう引き込みの強さがこの作品にはありました。

興味がある方にはお勧めしますが、私は注意が一つ必要なのをここで書かせていただきます。
それは性描写等があり、R15の様な人を選ぶ可能性がある点を書かさせていただきます。

しかし、読み終えた時、おそらく“私の自由とは”に触れること間違いないです。

自由について。
日々の仕事について。
生きがいについて。

などなど、とても幅広い考察を私はする事ができました。

読み手になって“自由”という大切なことに触れていただけると幸いです。

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2025年09月21日

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【慣れとは恐ろしいものである】なんて言葉が存在する。
それから【住めば都】だ。
これはハッピーエンドかバッドエンドか。
個人的には、主人公の人生は極めて主観的なハッピーエンドで幕を閉じるのではないかと思う。
多種多様な議論が交わされるだろう作品に駄作は存在しないんじゃないかというのも、個人的見解だ。

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2025年09月14日

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フィクションの摩訶不思議な設定の徹底的な細かさと異常な状況に置かれた主人公の心情の精密な描写。
主人公の順応までのプロセスが克明だからこそ異常な状態への順応でも共感してしまう。
その思考プロセスには、「人間が当たり前に求める自由というものを手にした先には果たして必ず幸せがあるのか」、「労働は労働のためにあるのではないか」という砂の外の元々いた世界と共通の絶望感がある。

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2025年09月08日

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ネタバレ

読んでいると、体をはたきたくなるような
口の中までジャリジャリしてくるような感覚。
蟻地獄に落っこちたアリの気分
掻いても掻いてもさらさら埋まって戻っていく
砂の怖さ。
ずっと夢の中で走っているみたいな感覚。

理不尽としか言いようがない話だけど、
抵抗しても無駄なんだと悟ったら…
この生活も悪くないと思ってしまったら…
怖すぎでした。

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2025年07月28日

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砂の生活への充足感も徐々に高まり、溜水装置という武器をも手に入れた男には、もはや罰などない。罰がなければ、逃げる楽しみもないのである。

創造力に長け、それでいて正確な比喩によって、じめじめとした砂が皮膚にまとわりつく感覚が醸成されている。

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2025年09月09日

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ヘミングウェイの『老人と海』あるやん?
アレを全部砂で埋め立てました。みたいな小説です。

もう少し丁寧に書きます。

話の筋としては大衆文学のレールに乗るぐらい面白いです。解説でも言われているとおり、ミステリと呼べるぐらい明確なゴール、謎があります。

一方で比喩表現や情景描写が複雑で想像しずらかったりします。音に関する表現はよく分からない。
けど砂の流動や味、感触は一級で、これでもかってぐらい含まれてます。子供の時に公園で転んで砂まみれになった日を思い出せます
男が錯乱した時の文字の羅列ももはや笑てまう。思考がめっちゃ巡る感じがとても分かる。
あとどんだけ穴に戻されても折れないのがね。メンタルが強いのか、弱いのかよく分からんね。

特殊だ。難しいと聞いて身構えましたが、寓意やら哲学やらを語る部分以外はスラスラ読めました。
ストーリーが辛すぎるけどね。次はゆるふわ系なの読みたいな......

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2025年11月28日

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流動する砂、逃げ出したいのに抜け出せない、砂に絡め取られていく世界。砂を情報に置き換えると今の時代を切り取っている様でもあり、いつの時代も大差ない日々の連続

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2025年11月22日

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慣れてしまったら、開け放たれた檻からも逃げようとすらしないというある意味人間の順応力の可能性に溢れたサスペンス。

逃亡シーンはどきどきした。

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2025年11月13日

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感想になっておらず恐縮であるが、「凄いものを読んでしまった」という読後の衝撃が忘れられない。

砂穴に囚われた絶望、日常と自由についての思索、水を求める根源的欲求、脱出のサスペンス、女との交わり......

人間の根源に迫る物語と、巧みな比喩が重ねられた筆致の組み合わせが、この作品を名作たらしめている。

主人公は男であるが、タイトルは砂の女。女は家を守り、男に奉仕し、最後は妊娠により物語から姿を消す。砂穴に囚われた女の様子は、始終何かに縛られ続けながら生きる、女性の苦しみを暗示しているように思われた。

しかしあれほど砂穴、そして部落から脱出しようとしていた男が帰属意識を感じ、逃亡を先延ばしにして7年も経過するとは驚きの一言である。結局人間は環境の変化に対して、最終的に順応を選ぶということだろうか?

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2025年10月02日

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読みやすい文体に、引き込まれるストーリーで、一気読みしました。ホラー要素もありどん詰まり感も強く、悪夢をみること必至。とは言えそれくらい揺さぶられる小説でした。初めての安部公房さんでしたが、他作品も読んでみたくなりました。

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2025年09月15日

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ネタバレ

主人公は男であるが、表題は砂の女である。読むと明らかになるが、女と女の属する部落との接触によってもたらされる男の精神・思考の変遷が本当に面白い。

理不尽かつ抑圧的、それでいて密閉的な環境下では嫌でも内省にエネルギーが割かれる。仮に外に出たとして果たしてその自由は本当に価値のあるものなのだろうか。

脱出に失敗した後に、「これでよかったんだ」と自分を納得させるような思考の展開は、まさに「酸っぱい葡萄」的であり、鴉の罠や蒸留装置に傾倒する行動の展開も頷けた。

鴉の罠『希望』が全く機能しないこと、女が子宮外妊娠の可能性があること、7年間も失踪し続けていること(生きている保証はない)から、男の未来は暗いと言わざるを得ず、重い読後感であった。

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2025年09月07日

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男は周囲に染まり切っていない自分をアピールするために謎めかして休暇を取り、その最中で砂の罠に嵌り、女との共同生活が始まる。脱出を試みる中で男が思う「自由」というのも決して壮麗ではなく、思い出すのは灰色の日常のみ。砂の家にいるときであっても男は何も変わっておらず、「逃げるたのしみ」に生を求めて生きているのは同じだったといえる。
だが、物語終盤になると「なぐさみ物」という男にある本質的な生きがいを見つけることになり、物語は終わる。

最終的に男は自分の人生に満足しているようだったが、とても虚しい終わり方だと思った。人は充実した人生を生きることができれば、それがどんな形であれ良いということなのだろうか。

「セックスしないと出られない部屋」にいたけど、途中から目的が脱出じゃなくてセックス(その他もろもろ)が目的になって、それが生きがいになる話、というのが結構いい感じのまとめかも。(2025/11/8)

p60 罪 p62 擬死体発作 p71  p87 p90 p126 p177

どう、壮麗ではなかったのか。

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2025年11月08日

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読んでて反抗する男に怒りを感じてしまった、、、
やはり自分は社会に順服された人間になってしまったとちょっと気分が落ちた。

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2025年11月04日

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とにかく砂に対する描写が、口やカラダの中に砂が入る不快な気持ちが湧き上がるくらい巧緻。絶望とそれに抵抗し、さらに絶望し、最後行き着く先にあるものがとても意外だが、なぜか納得感がある、そんな作品だった

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2025年10月31日

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大屋根リングからの眺めに備える課題図書として読んだ。大屋根リングを先にイメージして読んだためか、実景を見て、かつ友達からの説明をふまえて、砂の穴の構造を読み違えていたと思われる(読解力)。映画も観てみたい。本の内容を思い出しながら感想を書こうとすると、指宿での砂蒸し風呂、インドのトゥクトゥクで目鼻口が砂砂しくなったこと、運動場で強風に曝されたときに皮膚中で感じた砂の感触、アサリの味噌汁で砂をジャリっと噛んだときの不快感、などの自分の砂体験が続々と彷彿とされてくる。砂の穴で過ごした経験なんてもちろんないのに、ありありとイメージできる表現の妙。脱出劇のところはハサミの形状や頑丈さに疑義を抱きつつも疾走感をもって読み進められた。非日常が日常と化していく過程が印象的で、戦争という非日常の日常化についての小田実の文章と脳内リンクした。あとは近代批判のニュアンスを終始感じながら読んでた。自然の一部である虫[=前近代の象徴]を採集する男[=近代の象徴]が、不本意ながら自然の一部になったかのような生活をし、やがてそこに安住していく可能性を秘めて終わる最後、これは皮肉かしら…とか思ってた。他にも、同僚たちの休暇に対する姿勢とか、役所?を批判する村人とか、砂を研究しようとする男の考えとかとか、、、随所に近代批判のニュアンスを感じた。

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2025年10月07日

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新潮文庫の2025年プレミアムカバー版に惹かれて手に取りました。
砂に塗れながら生活する描写がリアルで、読んでいるこっちも身体や口の中が砂まみれになっているような心地さえする。
人間の心のざらついたところや、閉ざされた世界で心の潤いを見出していく描写が、砂だらけの村という舞台によく映えていると思いました。
なんだか凄いの一言に尽きる。

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2025年10月03日

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 欲しいものって、手にした途端に価値が無くなってしまう。無くなるというのは正確な表現ではないかもしれない。手に入れたと同時に、何かを失っている気がする。だからプラマイゼロで、満たされない。その欲しいものに対する熱意とか情熱、憧憬とかを、欲しいものを手に入れてしまったことで、もう自分は味わうことができなくなってしまったからかな。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ


あんなに脱出したかったのに、いざ出られるとなると砂の暮らしを選ぶ男。人が生きる上で何に価値を見出すか、そして、観念してからの男の変わりようも面白い。結局、女は砂みたいにサラッとしてるけど粘ってて、したたかでしなやかで、男より上手なんだよね。女はもしかしたら男の元に帰ってこないかもねー。

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2025年09月30日

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ネタバレ

ざっくりのあらすじを聞いたときは、ホラー系なのかと思っていたが、そんなことはなかった。

「砂の村」でも「砂の家」ではなく、あくまでも「砂の女」。主人公が男性であり、男女であるがゆえに性の問題も絡むのだけど、結局のところ、「人は孤独では生きていけない」ということなのかなと思う。

語り合う言葉は何でもよくて、生活そのものに満足していなくてもいい。むしろ孤独ではないと感じられたときには理不尽な生活すらも彩りを持つのかもしれない。
それは逆説的に、孤独がいかに圧倒的な力を持っているものであるかということでもある。

尊厳を虐げられがちな「女」が、衆人環視を拒否したときもそう。あれは「男」が来て孤独から救われたがゆえに、自らの最低限の尊厳を守り通す糧にできたのではないかと思う。

あの砂の村では男にも女にも「顔」がない。つまり、誰でもないが、誰でもあり得るということなのかと思った。

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2025年09月26日

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すごい数の比喩で完全にイメージしきれない部分もあった
何処で何をしていようと結局は砂の穴の生活と本質は変わらないということかなと

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2025年09月19日

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ずっと口の中がじゃりじゃりしている気がして、何度も水を飲みながら読みました
男の心情の変化を追いながら、不条理ってこういうことを言うんだろうな…と感じました

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2025年09月16日

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教科書で読んだ気がする安部公房の小説。
何を読んだかはどうしても思い出せないけど、
面白かった印象だけが残ってた。

この『砂の女』は、予想以上に恐ろしい本。
ミステリーというか、なんというか。

昆虫採集に出掛けた男が、砂で囲まれた奇妙な村に「拉致」される物語。
一晩の宿を借りるつもりが、蟻地獄のような穴の底にある家から逃げ出せなくなる。それは、村で仕組まれた罠だったことがわかる時の、男の焦り様。
こちらまでゾッとする感じに襲われる。
その宿を提供した女は、穴の底から出る自由もなく、毎日「砂掻き」をして、水が「配給」されるような生活に満足さえしていて、男がそこから逃げ出したい狂気のような訴えに、シラっとしている態度を見ると、読んでる私まで本気で砂の穴から抜け出したい!と男に共感してしまう。

何度も男は脱出の計画を企て、手に汗握る展開が続く。が、最後は…。

人間、なんでもその生活に慣れてしまえばそれが仕合せだと思えるのだろうか。
「拉致」された男は、こんな穴の底で一生暮らす生活は理不尽だ!、教師をしていて、住民票も持っている私が急にこんなところに押し込められるのは不条理だ!
とわめきたてる。それはもっともだ。
だが、男はそこに来る前がそんなに幸せだったかと言えば、そうでもなさそうだ。

男が逃亡に失敗したあとに女に言うセリフがなんだか心に残る

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2025年09月14日

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