人間そっくり(新潮文庫)

人間そっくり(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男がやってくる。はたしてたんなる気違いなのか、それとも火星人そっくりの人間なのか、あるいは人間そっくりの火星人なのか? 火星の土地を斡旋したり、男をモデルにした小説を書けとすすめたり、変転する男の弁舌にふりまわされ、脚本家はしだいに自分が何かわからなくなってゆく……。異色のSF長編。(解説・福島正実)

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人間そっくり(新潮文庫) のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2022年10月30日

    「人間そっくり」は1966年に『S-Fマガジン』に連載された作品です。

    ある日、
    自分は火星人だという男が訪ねてくる。

    自分は火星人だという男。
    彼は、ある小説の原稿を手にしている。
    タイトルは「人間そっくり」
    今回の出来事を、事前に小説に仕上げてきたという。

    そこから、延々150ページにわた...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年01月01日

    火星人を自称する謎の男と、訪問を受けた脚本家との会話で進んでいく。
    自称火星人の扱う不思議な論理で、訪問を受けた脚本家と一緒に読者もどんどんと錯乱。
    ページ数こそ少ないが、粘っこい読後感がいつまでも残る傑作。

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    Posted by ブクログ 2021年09月29日

    初めはいたって正常だったが、徐々にねじれていって、最後は何が正しいのかわからない。頭が混乱します。まさしく天才的でした。

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    Posted by ブクログ 2020年03月28日

    来訪者:自称火星人の男
    標的:ラジオ脚本家

    クルクル裏返る男の物言いに翻弄される脚本家。人間がその人間たる足元を巧妙に削られ「人間そっくり」にされてゆく様には、滑稽と戦慄を覚える。

    文豪がガチで飛び込み営業したら、何でも売っちゃいそうで怖い。

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    Posted by ブクログ 2019年05月15日

    ナショナリズムやアイデンティティの危うさが描き出されている。
    後半への畳み掛けや、物語が核心に狭っていくスリルはたまらないものがある。
    直接的には非日常を描きつつも、それは必ず日常の延長線にあるということを常に意識してたのではないかと思う。
    だからこそ突飛な設定であっても、時代を経ようと、その本質が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月27日

    本での中で過ぎている時間よりも、読んでいる時間のほうが長くて不思議な感覚になった。そのせいなのかは分からないが徐々に洗脳のようにいわゆるトポロジー症候群にかかっていく様がリアルすぎた。自分もなってるような気持ちになった。本の中でリアルと寓話が混じっていく過程で、本の中と現実の中も混ざっていく気がした...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月16日

    火星人についてのラジオ番組の脚本家の家に、自称火星人の気違い男が訪ねてきて、自分は本物の火星人だと思うか、自称火星人と名乗る気違いだと思うか、気違いだと思ってるんだろ、証拠を見せろ、、うんちゃらかんちゃら、、やってるうちに、まんまと相手の話術に乗せられ、とうとう自分が火星人だと言わされてしまう。
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月17日

    SF作家に熱烈なファンが来訪してくる。来訪者の妻の電話によりグッと引き込まれ、来訪者が異常者なのかどうなのか主人公と同じ目線で判断する楽しさがあった。意味不明ながらも筋の通った論理を展開する所は安部公房らしくて読んでいて楽しかった。

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    Posted by ブクログ 2022年07月13日

    ただの狂人か、火星病の地球人か、地球病の火星人か、何ひとつ確かなことは分からない。読んでいて不安になってくるような、自分の存在がふわふわしてくる感じがする。

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    Posted by ブクログ 2022年05月10日

    脚本家の男のもとに火星人を名乗る男が訪問してくる。
    そこからはじまるやりとり。
    果たしてこの世界は現実なのか、寓話なのか?自分は何者なのか?
    読んでいるこちらまで自分の存在があやふやになってしまうような作品。

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