上田岳弘の一覧
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ユーザーレビュー
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コロナ禍の日々をどこか俯瞰した目線で、鬱蒼とした表情で生きていく登場人物を、リアルに表現した著者初の短編集。「ニムロッド」で、芥川賞を受賞した著者の新たな挑戦を確認しました。私のオススメは、「ボーイズ」です。甥っ子を預かることになった夫婦たちのお話なのですが、なんかグッときました。コロナでヒビ割れて
...続きを読むくる問題が大きく反映されていて、とてもリアルでした。
Posted by ブクログ
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上田岳弘ファンとしては、ここまで彼の内面に肉薄した小説を読ませてくれるなんて、新型コロナウィルス蔓延の数少ない良かった点の一つだと思った。この世の中でなければこの本は生まれなかった。今までの上田岳弘から一歩進んで、言葉がより現実味を帯びていた。現実の緊張感がそうさせたのか、現実の緊張感をそう表現した
...続きを読むのか。今までとは毛色が違う一冊になるか、これからもどんどん進化していくのか、ますます楽しみ。
Posted by ブクログ
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読書開始日:2022年1月6日
読書終了日:2022年1月13日
所感
ニムロッドでも思ったが、著者のシステマチック、ロボットのような精密かつ無機質な文章は、スルスルと脳に入ってくる。
【塔と重力】
人間削いでいくと座標になる。
神も座標か。
水上の小説には頷けるところがある。
生まれ落ちた瞬間の核
...続きを読むは同じで、その後から誰かの影響という肉がつく。
だからこそ途中で美希子が世界に散らばっていると考え出した。
文章中にもあったが、おそらく美希子は精神病で、主人公もまた精神病。
美希子と重ねることができた葵、その葵とのこどもへの祈りがいい。瓦礫に埋もれた経験から実生活を実感出来ない主人公が新たな思考に辿り着く。
「初期値としてまずはすべてを受け入れるしかない。それでも最後は本人が、一生のうちに起こることの幾らかに愛着を感じ、またこの世に生まれ直してもいいかなと思えるような一生を過ごせればいい。」
とても好きな作品だけど難解。また読んで深く理解したい。
【重力の無い世界】
このまま効率化を求めていったら世界はこうなるだろうなと読んで思ったし、心のどこかで感じてた気がする。
肉の海。演算された人生。実生活の。
来ると思う。いつか。
演算された世界でも実相の醜さはある。これが負荷なんだと思う。なんでもプレイリスト化できる演算世界でも、醜さを取り入れる。それが原動力になってた部分があった。
性別、個性等がなくなり、次のステップは重力を消すこと。この重力は実は負荷で、負荷がなくなることを実生活と演算世界どちらも経験している者は、とても怖がっていた。
多少の負荷は必要悪だ。
【双塔】
内容が非常に難しいがなんとなくわかる。空気感だろうか。
意味が重要視される社会。
新規性がないとリジェクトされる。
新規性があれば肉の海のアップデートとなる。
だが、進みすぎた世界はリジェクトしかならない。
ありふれた人間はリジェクトピープル。
人々はリジェクトされないように高みを目指すが、高みを目指したところで視点を変えればそこは高みでは無い。
祭祀王はもとより、めでたいこと=リジェクテッドとしていた。
個性、重力、性別がなくなっていく現在、そして未来においても、めでたいことはめでたい
読解に自信がない。
Posted by ブクログ
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もうね、読むと脳が喜ぶんですよ。
これこれ、この感じ。
この言い回し。
この言葉選び。
この話の流れ。
このモチーフ
(片目から出る涙、肉の海、等々)
この世界観。
本作では「大きさのない座標」という
数学界では誰も疑問に思わず
ごく当たり前に使われている概念が
いきなりぶっ込まれてきた。
「塔
...続きを読む」の話もよく出てくるけれど
肉の海ほどは輪郭がはっきりしない。
これからどのように展開されるのだろう。
書かれていることは抽象的なのに
表現が具体的。
そんな上田岳弘が大好きです。
Posted by ブクログ
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淡々と紡がれていく文章がとても心地よく、一息で読み終えた。
情緒的でもなく、悲劇的でも無いと言えるような文章で描かれる独特な作品。
なんとなくテーマは分かるが、作者の意図やそれに対する答えなどが書かれているわけでなく、正直そのテーマを取り巻くものはよく分からなかった。
しかし、何となく感じるボーッと
...続きを読む浸れるこの読後感、主張しすぎない文章、冷静に独立したただここに在る作品、とても僕の好みであった。
何度か読み返す作品となるだろう。
Posted by ブクログ
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