上田岳弘のレビュー一覧

  • ニムロッド
    身近なモノやコト、そして最近、気になる要素がたくさん入っていて、話しの流れしっくり来た。「ドルは紙切れとコイン、それから武器でできている。仮想通貨はソースコードと哲学でできている」のセリフも印象的だった。
  • 塔と重力
    卑近なイメージから、この世の果てみたいなすごいところまで運んでくれる、想像力の跳躍。
    テクノロジーを書かなさ過ぎる純文学界において、作者はさんは稀有な存在じゃないでしょうか。

    「上田岳弘さんは芥川賞を取る」という予言は当たったので、次は「ノーベル文学賞を取る」と予言します。
  • 異郷の友人
    回りくどさと軽快さのバランスが絶妙な文章。
    記憶だけを知っている人物たちが、偶然の重なりで山上の前に集結するのに、少年漫画みたいな熱さがあった。最後まで読むとタイトルの意味が分かってグッとくる。
    スツナキミの正体は「無」だというけれど、全てを無に帰してしまうような津波が起きても、世界は無にならないし...続きを読む
  • 私の恋人(新潮文庫)
    又吉さんの『火花』を破って三島賞の栄冠に輝いただけのことはあって、とても面白かったです。しかしどこまでを書いていいのかが難しい作品でもあります。以下の拙文をお読みいただくよりも、まずはまっさらな状態で本書を読んでいただくのがいいかと。

    一言でいうと直木賞を獲った『月の満ち欠け』と同じく生まれ変わり...続きを読む
  • 塔と重力
    併録の3編が互いに関連している、というだけでなく、
    三島賞以降の過去作を彷彿させる箇所もいくつかあった。
    その意味するところは、「私とは何者なのか」「私は何処にいるのか」という命題に対する、新しいアプローチなのではないか、と思う。

    「私とは何者なのか」という問いは純文学の往年のテーマであり、寧ろ存...続きを読む
  • 太陽・惑星
    論説のような硬い文章なのかと思いきや、時折出てくる砕けた表現、作品の外にいるはずの読み手に話しかけるようなハッとさせる一行。まず文章がとても面白い。好きな人はとことんハマるはず。
    ストーリーはやっぱり、「壮大」という言葉が一番似合う。どこでもいるような人間のどこでもあるような日常と、平凡とかけ離れた...続きを読む
  • 文藝春秋 2015年 6月号

    イイネ

    10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが...
  • 太陽・惑星
    これは大傑作。凄くスケールが大きくて、かつ、緻密。
    長編2編で、どちらも人類(あるいは、この世)の終末を描いているのだが、空間的な広がり(登場場面や登場人物の属性が世界に広がっている)だけでなく、時間的な広がり(特に現在と未来を自由自在に行き来する)があって、それを神の目のような俯瞰的視点から描いて...続きを読む
  • 太陽・惑星
    言葉がほとばしっている。読み始めて即興奮しました。タガが外れている。
    物語のスケールの大小、インテリジェンスと俗っぽさ、これらの混淆は一種のキッチュかもしれないけれど、今までに見たことのない、鉄臭いような無機物的な印象がある。
  • 文藝春秋2月号

    文芸春秋3月号

    年間購読にしているのですがどうしたら読めますか
  • ニムロッド
    ずっと読みたかったんだけど、先延ばし〜にしてまして、ようやく読めました。

    まず、仮想通貨の概略を学べてよい。全く興味なかったが、枠組みが理解できると面白いシステムだなと。皆が信じてるから価値がある、、信じたいものだけを信じる現代の人間を皮肉ってるよう。

    そしてメインは、仮想通貨と対比して人間の存...続きを読む
  • ニムロッド
    仮想通貨を扱う会社員と、離婚歴のある恋人、鬱で第一線を離れた同僚が繰り広げる、静かな物語。

    旧約聖書やバベルの塔、駄目な飛行機などの古いエピソードと、仮想通貨という最先端のものとを組み合わせて、実態のなく誰かが欲しなければ価値のないものと人間の存在意義を考えさせる手法が、とても興味深かった。
    具体...続きを読む
  • ニムロッド
    好きなの。
    好きなのだけれどなんだかちょっと許せないというか。

    いや、こういう楽しみ方もあっていいはず。

    あーもー、小説が好きで本当に良かった。
  • ニムロッド
    仮想通貨の仕組みを発明した人物、ナカモトサトシと同姓同名であったことで、上司より仮想通貨を使って会社の利益貢献を命じられた中本。

    彼は仮想通貨のことを知るほど、「無」からカネを生み出すシステムが流行する世の中に疑問と虚しさと諦めを感じはじめる。が、ITエンジニアとしてネット社会にどっぷり浸かって生...続きを読む
  • ニムロッド
    仮想通貨の話だと思って手にとると物足りないかもしれない。
    不確定な世界で生きているという現実に不安さがわいてきてぞっとするし、ひょうひょうとしたニムロッドのメールがおもしろかった。

    読みながら「これにハマる層はあまりに狭いのではないか」と考えこんだ。
    ネットを10年くらいしてるひとにとって馴染みの...続きを読む
  • ニムロッド
    読書記録です。まだの人は読まないでね。

    ニムロドってそういう意味だったのね。知識のある人は、タイトルから察することができたんだ。おばちゃんは察せられなかったので、読みながらいっぱいうぃきちゃんのお世話になりましたよ…
    仮想通貨って、ニュースになって表沙汰になっても「???」だったけど、これを読んで...続きを読む
  • ニムロッド
    芥川賞作品は時々読んでいます。
    文学賞受賞作品ってちょっととっつきが悪くて
    気に入るものがない場合があるのですが。
    今回のニムロッドは面白く読めました。
    仮想通貨の話と、ダメな飛行機のコレクション。バベルの塔
    の話。AI。進化。ニムロッドと。なかなか面白い
    発想でした。1点だけ涙についてだけ、ちょっ...続きを読む
  • ニムロッド
    書けない小説家と産めなかった女、そしてわけのわからぬ部署に左遷された僕…ダメはダメなんだけど例えてくれるものが人々の理想と叡智を結集した飛行機ならばなんとなく愉快じゃないか。
    ボスの命令でビットコインを掘り出す僕はバベルの塔の最上階で人間の王となる僕を思う。
    無から何かを生み出すことで欲するものを手...続きを読む
  • ニムロッド
    ①仮想通貨のように価値が塔みたいに積み上がっていく→お金がいくらあっても買いたいもの(ダメな飛行機)がなくなる→自爆(特攻用の戻って来れない飛行機)+ダメな飛行機がなければ今の飛行機は生まれていない
    ②仕事が上手くいってボーナスがでる→自分とは違う自分の成果みたいに感じる→ここから居なくなってしまい...続きを読む
  • ニムロッド
    「ニムロッド」
    第160回芥川賞受賞作。


    久々に芥川賞受賞作品を読んだ。直木賞もそうだが、芥川賞も一介の読者の私には、何を以ってその作品が賞を受賞したのか明確に分からない。どの点が素晴らしいのか分からない。そんな分からない人の為に役立つのが選考委員の批評であるが、これも良く分からないことがあ...続きを読む