上田岳弘のレビュー一覧

  • 異郷の友人

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    ネタバレ

    面白かった。
    けど、よく分からなかった。
    と言うより、自分がちゃんと理解できているのか分からない。

    Eは山上甲哉を神と言ったが大分都合が良いようにしか見ていないようで。
    大層な野望をもっているかと思えば最後は呆気なくて。

    Sの方が雰囲気神様。

    山上甲哉は何も知らないようで全てを知っていそうな。

    山上甲哉のもとに集まって語り合う場面は良かった。
    山上甲哉の意識は大分ごっちゃになってそうと思ったけど。
    遠くに居るS経由で目の前に居る人の意識が流れてきて、実際の声も聞こえて、Sの意識も流れてきて、素面だとまともに会話出来なさそう。

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    2025年12月25日
  • ニムロッド

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    難解だが引き込まれる。
    果たして不完全さを許容するということは完全を目指す世界を拒絶することになるのか。

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    2025年10月17日
  • K+ICO

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    作者の作品は、芥川賞を受賞した「ニムロッド」から、何作か読んでいる。「ニムロッド」でもそう感じたのだが、癖のある(私は嫌いでは無い)、旧来の日本の純文学の流れとは少し異なるような印象の作品が多いように思う。また、その結末がいずれもどこか釈然としなかった(ような印象である)。

    今作の存在をどこで知ったのか?、自分の記憶でははっきりとはしないが、たぶんいつも目を通している日経新聞土曜版・読書欄からのつながりだろう(作者の氏は、ここ数週間、連載「私の読書術」をしていた)。

    読み始めて、う〜んやはり語り口調は変わっていないな…とも思ったのだが、私が読んだ何作かと比較して、「フィクションだけれど現実

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    2024年09月08日
  • 最愛の

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    とても良かった。久島が出逢う人々は一癖あるけど魅力的だった。自分と同じ時間に確かに彼らは存在していたのに時と共に記憶は薄れる。記憶を取り出そうとするとフィクションに近づく。だから完全に忘れて、ふとを見上げたときにだけ思い出す星のように遠くへ。読み終わりたくないほどに素敵でした。

    0
    2024年07月10日
  • K+ICO

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    世間の価値観や常識に囚われず、自分自身を確立してる人には本当の強さがあると思う。
    世界は相変わらず不安定だけど、自分自身だけは確固たるものでありたい。
    そんな人の何気ない一言や行動が誰かを救ったりする。私はめっちゃ好きな小説でした。

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    2024年05月30日
  • 最愛の

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     親友、恋人、人との繋がりとは何なのだろう?と考えさせられた。深くても見えなくて、切れても消えるわけではなくて、当たり前のことなのに不思議だと感じた。
     時間の経過とともに、久島にとって大切な人たちは遠い存在となってゆくが、目には見えない何かがふわりと漂っているような気がした。

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    2024年05月21日
  • 塔と重力

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    読書開始日:2022年1月6日
    読書終了日:2022年1月13日
    所感
    ニムロッドでも思ったが、著者のシステマチック、ロボットのような精密かつ無機質な文章は、スルスルと脳に入ってくる。
    【塔と重力】
    人間削いでいくと座標になる。
    神も座標か。
    水上の小説には頷けるところがある。
    生まれ落ちた瞬間の核は同じで、その後から誰かの影響という肉がつく。
    だからこそ途中で美希子が世界に散らばっていると考え出した。
    文章中にもあったが、おそらく美希子は精神病で、主人公もまた精神病。
    美希子と重ねることができた葵、その葵とのこどもへの祈りがいい。瓦礫に埋もれた経験から実生活を実感出来ない主人公が新たな思考に

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    2022年01月13日
  • ニムロッド

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    淡々と紡がれていく文章がとても心地よく、一息で読み終えた。
    情緒的でもなく、悲劇的でも無いと言えるような文章で描かれる独特な作品。
    なんとなくテーマは分かるが、作者の意図やそれに対する答えなどが書かれているわけでなく、正直そのテーマを取り巻くものはよく分からなかった。
    しかし、何となく感じるボーッと浸れるこの読後感、主張しすぎない文章、冷静に独立したただここに在る作品、とても僕の好みであった。
    何度か読み返す作品となるだろう。

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    2021年02月24日
  • 塔と重力

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    卑近なイメージから、この世の果てみたいなすごいところまで運んでくれる、想像力の跳躍。
    テクノロジーを書かなさ過ぎる純文学界において、作者はさんは稀有な存在じゃないでしょうか。

    「上田岳弘さんは芥川賞を取る」という予言は当たったので、次は「ノーベル文学賞を取る」と予言します。

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    2019年07月07日
  • 異郷の友人

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    ネタバレ

    回りくどさと軽快さのバランスが絶妙な文章。
    記憶だけを知っている人物たちが、偶然の重なりで山上の前に集結するのに、少年漫画みたいな熱さがあった。最後まで読むとタイトルの意味が分かってグッとくる。
    スツナキミの正体は「無」だというけれど、全てを無に帰してしまうような津波が起きても、世界は無にならないし、大再現は起こらない。ずっと続く世界に、人間はただ存在する。それは虚しいけれど、裏を返せば、どんな事が起きても人間の存在は無くならないという事を強く示す、大きな希望でもあると思った。最高の作品。

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    2018年08月04日
  • 私の恋人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    又吉さんの『火花』を破って三島賞の栄冠に輝いただけのことはあって、とても面白かったです。しかしどこまでを書いていいのかが難しい作品でもあります。以下の拙文をお読みいただくよりも、まずはまっさらな状態で本書を読んでいただくのがいいかと。

    一言でいうと直木賞を獲った『月の満ち欠け』と同じく生まれ変わりの恋物語なのですが、スケールの大きさが全然違います。あちらはせいぜい10数年間のみが舞台であるのに対し、本作はのスパンは10万年。最初は石器時代のクロマニョン人、二人目は戦時中ナチスに迫害されたユダヤ人、この二人が手にすることができなかった「私の恋人」を、現代日本に生きる主人公の井上由祐が手に入れる

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    2018年05月22日
  • 塔と重力

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    併録の3編が互いに関連している、というだけでなく、
    三島賞以降の過去作を彷彿させる箇所もいくつかあった。
    その意味するところは、「私とは何者なのか」「私は何処にいるのか」という命題に対する、新しいアプローチなのではないか、と思う。

    「私とは何者なのか」という問いは純文学の往年のテーマであり、寧ろ存在意義であり、強弁すれば全ての小説のテーマはそこに行きついてしまうのかもしれない。
    私は私以外に存在せず、私が認識するから世界が存在するのであり、私自身が私の存在を否定することはできない、私を存在せしむるのは他ならぬ私自身である、つまり「我思う、故に我在り」こそが、永らくその命題への唯一の回答だった

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    2017年10月17日
  • 関係のないこと

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    ネタバレ

    ニムロッドの作者の短編作品集。
     
    片翅の蝶
     
    大人が付くべき、優しい嘘について。
    そして、なぜ人間に物語が必要かについて。
     
    一方、その物語は必要なかったのかもしれないとも思う。子供に、そういう事実を教えてあげたっていいじゃないか。そういう気遣いが、世の中の見方を綺麗なだけのものにしてしまうのかも。
     
    「少年の日の思い出」ヘルマン・ヘッセのエリオットの、大人版のようだ。
     
    下品な男
     
    下品な男は、最後に自分の物語を語った。
    そしていなくなった。
    幸せの形は一つだけど、不幸せな形は人の数だけある。上品の形は一つだけど、下品の形はさまざま。
    想像力ある人間の方が、下品をより深みのあるも

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    2025年07月18日
  • ニムロッド

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    IT企業で仮想通貨の採掘の担当になった主人公。登場人物が少ないですし、その関係も独特です。 現実に起こっていることにはあまり関心がないような、諦念を感じさせる描写が続きます。 主人公から自然に出てくる涙にはどんな意味があるのかなと思いました。

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    2025年05月11日
  • K+ICO

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    “そういうこっちゃないんだよな。俺は使われているわけじゃない。使っているわけでもない。ただ、今あるようにあるだけなんだ。そして、昨日よりもよくなっている。例えばね、昨日の自分に比べて、この辺の道に詳しいし、空を見ればどう天気が変わっていくのかわかる。筋肉も随分ついた。きっと配達員をやめても俺は生きていける。その確率が昨日よりも少し上がっている。俺もどこかでこの仕事をやめる時がくるかもしれないけど、それは大きな問題じゃないんだ。この方向で積み重ねていけば、その内に俺は国がなくてもやっていける自分を得る。国がなくなっても、配達的なものは続くからね。だから、末端とか、システムとか、そういうこっちゃね

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    2025年04月21日
  • 旅のない

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    コロナ禍を描いた短編小説が4つ収録されてる。
    主人公が2,30代男性で、IT系の話しとかもあって身近に感じた
    内省的な文章に魅力を感じる
    著者の文章読んだことなかったが、他のも読んでみたい

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    2025年03月16日
  • 旅のない

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    すごく好きな雰囲気の短編集。
    とくに「つくつく法師」と「ボーイズ」が好き。
    物語をつくるとは、生まれるとは、死ぬとは。
    ミニマムな物語の中に、
    そういう要素がぽっと入れられてて、
    でも、邪魔になってない。

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    2025年01月26日
  • 多頭獣の話

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    3部作の最終章と聞いた。前作「ico」よりは、少しわかったような気がするが、難解…
    主人公 家久来さんの名前が普通じゃなく何回も出てくる。桜井さんに呼ばれる。
    ローマ字表記した時の感じが桜井さんのこだわりらしいが、なんか意味があったのかなと思う。
    今のところ、それくらいしか残ってない。

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    2024年12月05日
  • ニムロッド

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    わからなさが残る。けれどなんだか響く言葉もあり、なんとなく『東京都同情塔』を思い出す。

    バベルの塔を思わせる「塔」
    「駄目な飛行機コレクション」
    「小説」、そこに「ビットコイン」
    欲しがる人が多ければ多いほど価値の上がる実体のないもの。

    「駄目な飛行機コレクション」は、人間の欲望が形になったもの。縛られていることと自由のはざまで、それぞれどこを突出させたかで、いろんな駄目な飛行機コレクションが出来上がる。

    「欲望」、「人間」、「根源的な衝動」
    そしてその可能性について。

    『東京都同情塔』がよかった人には読んでみてほしいです。


    再読記録で印象に残った内容・言葉

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    2024年10月10日
  • ニムロッド

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    面白いよ!面白い。芥川賞のレベルに上田さんが合わせに行った可能性はないですか?上田さんの小説はほんと面白いけど、ニムロッドは手は抜いていないものの手加減した感じあったな

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    2024年10月07日