上田岳弘のレビュー一覧

  • 最愛の

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    クライマックス!!!
    前半は周縁的なエピソードが多くて冗長とも思える展開。読むのに時間がかかってしまった。必ずしもワクワクするような展開ではない脇役エピソードを一個一個拾い集めてじりじりと面白くなっていき、最後に全てが集約されている感じ。どんでんがえしという表現は陳腐だが、こんなにも情趣に満ちたラストを迎えるとは思わなかった。最後の数十ページのために読んでよかったと思えた。

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    2024年09月17日
  • 最愛の

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    過去と現在、同じ時を生きているけど交わらない世界。愛しているが故に、の哀しくも美しい世界。

    レビューを見てると、段々とこういう作品が理解されなくなってきているのを感じる。共感性や想像力が低下してしてきているのか。

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    2024年04月14日
  • 最愛の

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    最高純度の超越的恋愛小説と評されているようです。 自分的にはとても良かったのですが、 こういう男性作家が書いた、男性が主人公の恋愛小説って、 女性が読んでも良いと思えるのかなあ? ちょっと女性の感想を聞いてみたい。

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    2024年04月02日
  • K+ICO

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    ネタバレ

    ウーバーイーツ配達員K、
    TikTokerのICO、
    子どものk。

    今の社会に対する鬱憤のようなものはあっても、
    それぞれが、たくましく生きようとしている姿。

    特にK+kの章が好き!
    kもKのように強く生きられますようにと願った。

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    2024年04月01日
  • 最愛の

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    世の中に迎合し切ることができない僕(久島)が学生時代に転校していった望未と手紙で通じあっていく、そんなお話でした。主人公だけではなく、登場人物それぞれの抱える生きにくさがよくわかり、また、時間軸の構成が見事で、大変読ませる内容だと感じました。
    ストーリー全体になんとなく既視感があった(私だけがそう感じるのか、それともよくある内容だということなのか、判然としないのですが)ことだけが私個人として残念で星4つの評価にしました。

    #美文

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    2024年10月14日
  • K+ICO

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    数ページ読んでみて、ああ読みたかったことが言いたかったことがここにはあると思い、購入。さっそくカフェで読み始めるとすぐに読破。150ページくらい?ウーバーイーツを頼む方、ウーバードライバーをされてる方なら深く共感できる一冊。なんか読んでスカッとした。感情があんまり読み取れないところがシックでよかった。

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    2024年02月22日
  • 最愛の

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    先が気になって一気に読んだ。面白かった。
    コロナ禍のビジネスマンの描写もリアルで良かった。恋人たちの会話は、村上春樹っぽかった。
    種明かしは割と最初にされているというのに、そのことをすっかり忘れて読んでいたのはどうしたことか(アホなのか)。
    自分の学生時代を思い出した。望未の言動はリアルな感情を思い出させてくれた。

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    2024年02月08日
  • ニムロッド

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    ネタバレ

    本作に通底しているテーマの一つには「存在証明」があると思う.

    無から生み出され,存在が記述され,多くの人に求められることでその価値を保つBTCをはじめ,
    「ダメな飛行機」(=飛べない飛行機)という本来の目的を果たせない造形物や
    子孫繁栄を命題とする動物の一種でありながら中絶を行う田久保紀子は本来の役割を果たせないものの象徴であり,その例示である.
    感情の伴わない涙も,ただ堆く高さだけを誇る塔も.

    果たして,本来の役割を果たせないものたちは無価値なものなのだろうか.

    本作においてこれら全てに共通して投げかけられるのは「存在」と「価値」の関係に関する問いである.

    「ダメな飛行機コレクション

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    2024年01月29日
  • 最愛の

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    ラジオで著者と高橋源一郎が、この本について語っていた直後に、この本を見つけた。
    うーん、複雑な…時間が行ったり来たりするのになかなかついて行けない。
    全体的に、村上春樹の作品の空気と似ているな、と感じつつ「ノルウェイの森」と似ているのではないか、と思った。「ノルウェイの森」を読んだのはいつだったか思い出せないくらい前なので、次はノルウェイの森を読もうかな、と。

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    2023年12月23日
  • 太陽・惑星(新潮文庫)

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    「太陽」と「惑星」の二篇。上田岳弘の作品は、人間が生まれた時には既に背負わされている原罪とか業とか、途方のないものに必ず触れている(引きずっていると言ってもいい)。作品全体がどこかそのことをボヤいているようで可笑しい。

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    2022年12月16日
  • 私の恋人(新潮文庫)

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    三島由紀夫賞受賞作。

    10万年に渡る時空を揺蕩うロードムービー。クロマニョン人も、ナチスも、AIも、高田馬場もすべて同一線上でなんの矛盾もなく並んでいる。

    好きだー!

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    2022年12月02日
  • ニムロッド

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    「私の恋人」「塔と重力」に比べるとだいぶ読みやすかったが、この人の小説は、人類とか世界とか地球とかをあたかもひとつの生命体のように捉えていて、読み終わってから深く考えさせられるし、一度読んだだけでは理解できない気がする。

    登場人物は、ビットコインの「採掘」をする僕と恋人で証券会社に務める紀子、会社の先輩で小説を書くニムロッドこと荷室。

    紀子も荷室も高い生産性が求められ、効率化をよしとする現代に適応しきれず苦しんでいるように見える。紀子は、障害があることがわかって胎児を産まない選択をした過去に苦しみ、荷室はうつ病で休職したあと名古屋に異動した。

    荷室が送ってくる「駄目な飛行機シリーズ」は、

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    2022年08月06日
  • 引力の欠落

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    芥川賞受賞した作者の前作?「ニムロッド」の次の作品かと思う。舞台はいずれも東京都内の、新進気鋭のIT企業又は投資顧問会社?で働く人物が主人公であるが、作者の経歴がそれに近い事からも納得することが出来る。

    また、いずれも不可解な指示や教示、を主人公がこれまた不可解な人物から与えられる、という点でも似通っている。前作は男性、今作では女性が主人公ではあるが…

    大まかな世界観は上記の通りで、登場人物が若干多いか少ないか?の違いかとも思う部分もあるが、今作はよりなんらかの問題提議、をしているのではないか?と言う点で前作、ニムロッド、とは異なるのではないかと私は思う。

    私が読後感じた問題提議、とは、

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    2022年06月26日
  • 引力の欠落

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    些事も些事、刃傷沙汰、希死念慮、しんがり

    P190できれば生まれたくなかったというのも違う、ここに存在することに、自分の意思が入っていないことが気に食わない。
    P257望まれて生まれて来た人はいても、本人が望んだわけでは絶対ない。

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    2022年06月23日
  • 引力の欠落

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    私は一体、何を見たのでしょうか…
    この本を一言でまとめるなら、異常者が集まってポーカーをする話です。
    その人たちは、私たち普通の人間からは遥かに遠い所にいるのに、どこかしらで分かり合える箇所が出てきます。そこにこの本の不思議さ、面白さが詰まってます。
    シュールという言葉では片づけられない物語です。

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    2022年06月03日
  • 太陽・惑星(新潮文庫)

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    ガルシア・マルケス風だな、というのが、第一印象。
    ちょっと伊藤計劃っぽさもありつつ(でもこれは表面的には、というくらいな印象)、語り手自体に仕掛けが凝らしてあるのは、カミュの『ペスト』っぽい。
    2本ともそんな感じだったから、時系列を混濁させて、尚且つ同時代性を織り込んで、どこかしらにどんでん返し的な仕掛けを組んでいくのがこの作家さんのスタイルなのかな?と思ったけど、デビュー作だそうなので、他のも読んでみないと何とも。
    登場人物の多国籍具合や後味のすっきりしないところは、好み。
    ここからどう他の作品が展開していっているのか気になった。

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    2022年05月29日
  • ニムロッド

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    仮想通貨のように実体のないものに価値があると信じるのが人間。ブランド、仕事、人生まで、意味や価値があると信じるからこそ意味や価値が生じる。そうした虚しさに思い悩む瞬間は誰しもあって、荷室・田久保と中本は対照的に書かれている。意味がないから生きないのか、深く考えずに生きていくのか。そういった永遠のテーマとも言える内容を、ニムロッドの小説内小説のSF要素と絡めて問いかける。読み終わって、なぜだか新しく勉強を始めようと思って本を購入した自分は、きっと現実逃避か悪あがきをしようとしているんだろう。

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    2022年05月24日
  • 太陽・惑星(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この著者の作品に初挑戦。
    めちゃくちゃ面白かった。

    正確に言うなら『太陽』がめちゃくちゃ面白かった!
    語られる登場人物もころころ変わるし、時間軸もポンポン飛ぶし、急に驚きのSF設定がでてくるしで、もうものすごいお話なんだけど、それなのにしっちゃかめっちゃかにならずに落ち着いた淡々としたトーンで進む物語がなにこれ!って。大好き。
    そして締めの一文、かっこよすぎる、しびれた。

    『惑星』は、つまらなかったというか、自分には難しすぎました(笑
    あ、オリンピックがらみの現実との乖離は作者の意図とは別の面白さなんだけど好き。
    作中の「最終結論」と呼ばれる人物が2020年の視点から東京オリンピックを語る

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    2022年04月26日
  • キュー

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    読書開始日:2022年2月10日
    読書終了日:2022年2月16日
    所感
    著者はどの作品も描きたいことは一貫している気がする。
    描きたい結末に対してアプローチは変えている。
    人間の進化の行き着く先は、偶然性、一回性を排除した世界。全てが明かされた世界。
    でもそこは無である。
    それを防ぐために、上記とは反対のこれまでの世界を維持する存在を対極に起き、どうにか全知に至る無に陥らないようにしていた。
    これは全て、天才ゆえに世界に交わらずオーバードーズを繰り返した立花茂樹の、COLD SLEEPに入った時の妄想だった。妄想でも立派に世界の延命措置を考え尽くしていた。
    どうにも妄想の延命措置すら終わりに

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    2022年02月17日
  • 私の恋人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    原子人の私は遠くの未来までをかなりの制度で予見し、それを壁画として残した。戦争中のドイツでユダヤ人だった私は、収容所の独房でひとりめの私の予見した未来を生きながら餓死させられた。そして三人目である日本人の井上由祐は前二人が超えられなかった34歳の壁を越えて、35歳になっていた。そして彼は、私たちの思い描いた理想の恋人にとても近い人物に出会う。
    純粋な少女、苛烈な女、そして堕ちた女となる、私たちの、理想の恋人。
    10万年の夢想は、彼女に出会って、はじめて片思いになる。

    やさしい文章で、三人の時間、そして三人共有の時間を行ったり来たりしながら進む物語は、その構成も面白い。
    自分たちの(正確には一

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    2022年02月02日