上田岳弘のレビュー一覧

  • 異郷の友人

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    読書開始日:2022年1月28日
    読書終了日:2022年1月29日
    所感
    良くも悪くも限界、頂上が見えてしまうと極論に走る。
    極論に走った行き止まりを見たが最後。
    だがその最後を見れば、急き立てる怯えから解放される。
    Eも早乙女も山上も、津波に立ち向かうことで解放された。
    早乙女は、まだ行き止まりを見るには早いと思えたことこそがある意味での解放であった。
    Sは本当の意味で悟りを開いていた。
    EMJ早乙女山上集結の飲み会は良かった。
    Eは会話がしたかった。
    この怯えを共有しあえる仲間と。
    意見なんか合わなくてよかった。
    本当の会話ができればそれでよかった。
    神は孤独、Eも有能故孤独、世界一すらも

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    2022年01月29日
  • ニムロッド

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    サーバー機能を提供する企業でビットコインの採掘を任された主人公。
    駄目な飛行機の説明と、自作の小説をメールで送り付けてくる友人、ニムロッド。
    主人公は恋人の田久保紀子とニムロッドへの興味を共有してゆく。

    サーバーの管理業務やビットコインの仕組み、駄目な飛行機についてほんのちょっぴり詳しくなれる。あっさり読める。内容は決して濃くはないけど、存在論や貨幣論のような考察も入ってきて面白かった。星3か4で迷う。

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    2022年01月17日
  • 異郷の友人

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    お友達の薦めでよんだ。
    感じ方は人それぞれなんだなと思った…全体を通して何を伝えたかったのか、よくわからなかった。
    でも、全員が集まっていくとこはワクワクしたし、異郷の設定も新鮮味があって良かった。

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    2022年01月14日
  • ニムロッド

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    虚しい。とにかく虚しい。

    生きる意味とは?仮想通貨と絡めるところが面白い。

    ディズニー映画のリメンバーミーを思い出した。自分の写真を死者の日に飾ってくれないと現世に遊びに行けない、自分を覚えていてくれる人が居なくなると、死者の世界からも消える「第2の死」を迎える。

    なんとなく思いついたなぁ

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    2021年12月01日
  • ニムロッド

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    好きか嫌いか?再読したいか否か?
    好きではないかな、再読も疲れそう。

    でも、現実がこのまま進んでいく先に、あるかもしれない形だと、アリだとは思う。
    自分はきっと、個をなくした人間として融合する前に、東方洋上に去る派かな、と、今は思うが、仮想通貨の概念もろくに理解していない古いヒトというだけかも。
    書いているうちに、もう一度読みたくなってきた。ダメな飛行機を集めてしまうニムロッドの心情が気になるのか?

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    2021年09月02日
  • 私の恋人(新潮文庫)

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    ネタバレ


    久しぶりにこんな面白い小説に出会った……!と途中から心臓をバクバクさせながら読み進めて最後は泣いてしまったんだけれど、ここを覗いたら意外と賛否が分かれてて驚き……。

    近年の物理の世界では時間というものは存在しないという説がそれなりに認められつつあるらしい。そう言われてみると、映画などの他のコンテンツでもいわゆるパラレルワールドなど時間の流れや空間を越境する話の流行を感じる。

    この小説も10万年という時と3人の「私」を行ったり来たりする途方もなく大きなスケールの物語。でもシンプルな文章で展開されていくので非常に設定を飲み込みやすい。そしてストーリーテリングはもちろん、登場人物たちの思想、そ

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    2021年04月27日
  • ニムロッド

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    友だちから薦められたBLACK COFFEEの「Subconsciously」が良すぎて、妻と娘が寝静まったあと、これを聴き、ウイスキーを舐めながら、読書をするのが最近のマイブーム。
    この小説もそんなふうに読んだ。

    第160回芥川賞受賞作。

    ストーリーは何だかよくわからないが、妙に物悲しい結末がいい。
    しかし、ビットコインと採掘(マイニング)の仕組みがよくわかる。
    ダメな飛行機の話もなかなかいい。

    というか、この小説、もしかしたらすごく面白いのかもしれない…とあとからじんわりとこみ上げてくる。
    不思議な読後感。

    上田さんはIT企業役員と作家を兼業されている、とのこと。
    そのためか、なか

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    2021年02月21日
  • 私の恋人(新潮文庫)

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    「私の恋人」というタイトルと前評判の良さでロマンティックな物語を期待しすぎていた。その結果、若干尻切れとんぼな印象を受けた。前評判がなかったら読後に受ける印象が変わっていたかもしれない。(評判云々で感受性が揺さぶれるのもどうかと思う。)

    それでも、生まれ変わってもある人格の意識が引き継がれていくこと、その人格が思い続ける恋人の幻想、引き継がれた人格とは別に現世の人格もまた存在し、人格同士で葛藤が起こること、など設定が面白かった。この設定でこれからどう進んでいくかが知りたかったから尻切れとんぼだと思ったのかもしれない。

    偶然にも、今日の新聞にスペインの洞窟にネアンデルタール人が残した壁画が見

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    2018年02月24日
  • 塔と重力

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    三島由紀夫賞、芥川賞、川端康成文学賞、ずっと
    作品を発表して、ずっと高い評価を得ているのだから、文学的評価に値する何かがあるのでしょうが、一般読者を夢中にさせるような内容ではなくて、単に、ご自分の男女間の体験と、小難しい論理を巧みに混ぜ合わせているようにしか思えない…
    読者が、受賞作ということに目を眩ませられているのか、本当に凄いけど面白いと感じられる人が少ないのか、はたまた芥川賞的な受賞作とは、そのようなものなのか…でも、人間の存在や過去の記憶を問うといういみでは、真に文学的な読みものなのかな。

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    2025年09月05日
  • 関係のないこと

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    最近よく手にとる作家の短編集
    小説のタイトルにもなっている作品では、ある弁護士が、コロナ禍の中、無関心な世界を憂いている
    友達や職場の人に無関心な社会の中で、違和感を抱く主人公
    確かに昨今、人との関係性はどんどん希薄になっている気がする
    自分自身も含めて

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    2025年08月27日
  • 多頭獣の話

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    良い意味で、「キモチワルイ」作品。夢の中のような。よくわからない世界観だけど、現実世界もよくわからないからね。

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    2025年04月18日
  • 塔と重力

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    難しくてよくわからなかったのに何かがわかりそうで最後まで読んでしまった。
    結局よくわかってないんだけど。
    それでも、終盤のエリックのエピソードはちょっとなんて言ったらいいのかわからない感情が湧いた。

    「重力のない世界」はもうこんなに脳内でイメージしにくい話ある!?という感じで読みながら面白くなってしまった。
    でもやっぱりよくわかってないんだけど。

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    2025年01月25日
  • K+ICO

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    Uber Eatsの配達員の「K」とTikTokerの「ICO」。いかにも現代を象徴するような設定だ。

    資本主義の巨大なシステムの末端に組み込まれて、労働力として搾取されるUber Eats配達員。存在を見下されることもある。しかしKは、意に介さず、毎日の労働で身体を鍛え、配達エリアを熟知し、法律を学び、どんな世界でも生きていける自分を作り上げようとしている。

    一方、ICOも金銭的に恵まれない境遇にあっても、自分の才覚でフォロワーを増やし、TikTokerとしてそこそこ成功、さらに同級生と協力して「イデア」としてのICOを作りあげようとする。

    途中に出てくる小学生「k」の家庭で起きる事件

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    2024年12月29日
  • 最愛の

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    かつて、恋をして愛した想い人との手紙を読み返す回想のパートと現実パートを行き来しながら「愛」について考えていくストーリーだと感じた。結末・真実は読者に委ねられる印象。

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    2024年11月24日
  • 旅のない

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    表題作の「旅のない」はよかったと思う。
    娘のためにたまごっちを懸命にお世話していた、子煩悩な村上、という人物像が物語が進むにつれて陽炎のように揺らぎ、輪郭があやふやになって空気に溶けていくような、そんな気味の悪さがよい。

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    2024年11月07日
  • 多頭獣の話

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    ネタバレ

    不思議な世界観。
    半分くらいまではリアルなお話として読んでいたが、後半は面白さのベクトルが変わる。
    ラビット、双子、卍、長すぎる直線、奈落、血にまみれたランウェイーーー
    話の面白さというよりかは、イメージ・ビジュアルとしての印象が残る。
    映像作品として見れたら面白そうだなと思う。

    また、最後らへんのやや哲学的?な内容が興味深かった。

    行動の結果は相対的に罪となり悪となりうる。
    とすると、行動の不在が善となる。
    因数分解される人間。一つに統合されていく意識。

    そんな流れを打破するために、ロボットは影響力を持ち因数分解される人たちの外側にいつづけようとした。
    そんな中で大切な人を失い、生きる

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    2024年11月02日
  • 多頭獣の話

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    「多頭獣の話」(上田岳弘)を読んだ。

    読み終わって最初に思ったのが、

    《新しい人類はもうすでに蠢き始めているんだな。こういうところで。》

    ということ。

    硬質で乾いていて少しひんやりして無機質な感じの文章と(私には)理解できそうにない深遠な主題。

    カフカもカミュもサリンジャーも村上春樹もみんな上田岳弘の手のひらにいるかのように新しい神話が紡がれるのであった。

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    2024年10月27日
  • 最愛の

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    これは完全に『ノルウェイの森』のオマージュだなあ、と思った。登場人物も、どもりのある「先輩」は突撃隊だし、有能すぎる「向井」は永沢さんに当たるのかな、とか考えながら読むのも楽しかった。

    著者の独特の世界観。『私の恋人』『ニムロッド』『旅のない』と読んできて驚いた。そこからいきなりの、村上春樹的な設定。果たして「血も涙もない的確な現代人」としての恋愛がどのように進んでいくのか、すごく興味深かった。

    が、最後まで読んでみて、うーん、期待しすぎたかなあ、というのが正直な感想だった。「望未サイド」から明かされるトリックもいささか必然性に欠けるように思えて腑に落ちない。

    詳しい説明がないのでわから

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    2024年09月28日
  • 多頭獣の話

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    ネタバレ

    何だかとても「いま風」な小説だな、という感想。

    会社の後輩の桜井が、退職後に超人気YouTuberになる。彼は退職後も、主人公の家久来(かくらい)の前に突然姿を現したり、または突然連絡が途絶えたり…そして出会うたびに口にするのは、「人間」や「運命」、「多頭獣」について。
    やがて家久来の前に、桜井と共にYouTubeで人気になったYouTuberたちが接触してくる。
    彼らの目的は何なのか?

    実在のYouTuberの名前やチャンネル名が表記されていたり、退職代行業者や仮想通貨の話など、令和の初めに話題になったワードがたくさん出てくる。また、最近流行りのラップを小説の中に書くという構成も然り。

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    2024年08月24日
  • ニムロッド

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    ネタバレ

    初上田。芥川賞受賞作。僕、中本、田久保女史、そして"ニムロッド"こと荷室仁。道中繰り返し紹介される「ダメな飛行機コレクション」がすごく好きだ。きっと何かの暗喩なんだろう…。不完全な人間か、それとも紹介しているニムロッド自身を指すのか——。三者三様の結果だが、中本の未来(新たな仮想通貨の作成)のみ、希望に満ちている気がする…。

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    2024年05月13日