無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「約束して。私のことは跡形もなく忘れる、と」
三〇代の久島は、情報も欲望もそつなく処理する「血も涙もない的確な現代人」として日常を生きている。
だが、学生時代に手紙を交わしつづけた望未だけが、人生唯一の愛として、いまだ心を離れない。
望未は手紙の始まりで必ず「最愛の」と呼びかけながらも、常に「私のことは忘れて」と願い、何度も久島の前から姿を消そうとした。
今その願いを叶えるべく、久島は自分のためだけの文章を書き始める。
愛する人が誰よりも遠い存在になったとき、あらたに言葉が生まれ、もうひとつの物語が始まる。
「永遠の恋人」を描いてきた著者が最高純度で贈る、超越的恋愛小説!
Posted by ブクログ 2024年02月28日
世の中に迎合し切ることができない僕(久島)が学生時代に転校していった望未と手紙で通じあっていく、そんなお話でした。
主人公だけではなく、登場人物それぞれの抱える生きにくさがよくわかり、また、時間軸の構成が見事で、大変読ませる内容だと感じました。
ストーリー全体になんとなく既視感があったことだけが私...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月08日
先が気になって一気に読んだ。面白かった。
コロナ禍のビジネスマンの描写もリアルで良かった。恋人たちの会話は、村上春樹っぽかった。
種明かしは割と最初にされているというのに、そのことをすっかり忘れて読んでいたのはどうしたことか(アホなのか)。
自分の学生時代を思い出した。望未の言動はリアルな感情を思い...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月23日
ラジオで著者と高橋源一郎が、この本について語っていた直後に、この本を見つけた。
うーん、複雑な…時間が行ったり来たりするのになかなかついて行けない。
全体的に、村上春樹の作品の空気と似ているな、と感じつつ「ノルウェイの森」と似ているのではないか、と思った。「ノルウェイの森」を読んだのはいつだったか思...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月27日
P163そうだね、愛していないね、と僕は呟いて、彼女のワイングラスをもぎとって、寝椅子に押し倒してそのまや再び抱いた。妙に興奮していて、言葉は必要なかったから、今度は彼女に何も囁かなかった。抱きながら、もしかしたらそろそろ渚とも終わりなのかなと考えていた。
愛していないがこんなに色っぽいことあるんだ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月14日
最愛というタイトルに興味を持って、著者の作品を読むのは初めてのこと。
久島の学生時代の彼女、不本意ながら途絶えた記憶。そんな恋愛に上書きするように登場する女性達。
ディズニーのラプンツェルを彷彿させる下書きの上に、ちょっとありえない二次元的な話が進む。
最後は尻切れトンボのようでもあり、そこは読者...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月23日
上田さんの本は、ゆえあってほぼ読んでいると思う。
主人公の「最愛の、」人に向ける感情がわかりそうでわからない、すとんと落ちるものはなかった。でもそういうものなのかなあ。
先輩や向井の持つもののほうが心に痛いし、いつまでも残る。彼らの背負わされる吃音やチックや薬がまた心に痛い。
(読んでいる最中、...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。