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太陽は毎日輝いている。そりゃそうだ。けど、輝き果てた後には何が残るのか? 金か、それともカネかーー。新宿の安ホテルで、アフリカの赤ちゃん工場で、パリの蚤の市で、インドの湖畔で、我ら人類は飽くなき欲望をスパークさせ、挙げ句の果てに太陽による錬金術が完成。ついには不老不死が実現する。バンザーイ!……なのかどうかはあなたが決める。異能の芥川賞作家の伝説的デビュー作。(解説・町田康)
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Posted by ブクログ
「太陽」と「惑星」の二篇。上田岳弘の作品は、人間が生まれた時には既に背負わされている原罪とか業とか、途方のないものに必ず触れている(引きずっていると言ってもいい)。作品全体がどこかそのことをボヤいているようで可笑しい。
ガルシア・マルケス風だな、というのが、第一印象。 ちょっと伊藤計劃っぽさもありつつ(でもこれは表面的には、というくらいな印象)、語り手自体に仕掛けが凝らしてあるのは、カミュの『ペスト』っぽい。 2本ともそんな感じだったから、時系列を混濁させて、尚且つ同時代性を織り込んで、どこかしらにどんでん返し的な...続きを読む仕掛けを組んでいくのがこの作家さんのスタイルなのかな?と思ったけど、デビュー作だそうなので、他のも読んでみないと何とも。 登場人物の多国籍具合や後味のすっきりしないところは、好み。 ここからどう他の作品が展開していっているのか気になった。
この著者の作品に初挑戦。 めちゃくちゃ面白かった。 正確に言うなら『太陽』がめちゃくちゃ面白かった! 語られる登場人物もころころ変わるし、時間軸もポンポン飛ぶし、急に驚きのSF設定がでてくるしで、もうものすごいお話なんだけど、それなのにしっちゃかめっちゃかにならずに落ち着いた淡々としたトーンで進む...続きを読む物語がなにこれ!って。大好き。 そして締めの一文、かっこよすぎる、しびれた。 『惑星』は、つまらなかったというか、自分には難しすぎました(笑 あ、オリンピックがらみの現実との乖離は作者の意図とは別の面白さなんだけど好き。 作中の「最終結論」と呼ばれる人物が2020年の視点から東京オリンピックを語るのだけど、これ、現実世界では2020年のオリンピックは延期になっているわけでさ。 この本の刊行当時2014年から言える確実な未来として描かれていたはずの2020TOKYOが架空の存在になっているのに、過去/現在/未来をすべて内包している「最終結論」は2020TOKYOを語っているというある種の滑稽さのようなものがあって、物語を超えた現実を感じてしまった。
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