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Posted by ブクログ
ニムロッドの作者の短編作品集。
片翅の蝶
大人が付くべき、優しい嘘について。
そして、なぜ人間に物語が必要かについて。
一方、その物語は必要なかったのかもしれないとも思う。子供に、そういう事実を教えてあげたっていいじゃないか。そういう気遣いが、世の中の見方を綺麗なだけのものにしてしまうのかも。
「少年の日の思い出」ヘルマン・ヘッセのエリオットの、大人版のようだ。
下品な男
下品な男は、最後に自分の物語を語った。
そしていなくなった。
幸せの形は一つだけど、不幸せな形は人の数だけある。上品の形は一つだけど、下品の形はさまざま。
想像力ある人間の方が、下品をより深みのあるものにできる。できてしまう。
関係のないこと
人が世界を切断してしまう瞬間について書かれていると思った。
主人公は、司法試験に落ちたあと、訪れた切迫感と恐怖に立ち向かうために、小谷との関係を断ち切ることになった。
(自分も、受験というあの切迫感から、あのとき、他者との関わりを絶ったのかもしれない)
関係ないって思うことだって必要だし、
関係ないことなんてないんだって思うことも必要だと思う。
人は、なんでも関係があるんだって思うと、社会にとって良いことをするようになる。
なんでも関係ないって思うと、自分にとって良いことをするようになる。
上手に選べば良いと思う。
主人公は、それが分かっていたんだろうな。
おそらくは、たぶん
生きていくことは、よりよくしようと言う社会に付き合うこと。あるいは、自然の摂理に付き合うこと。
人は、社会と見えない細い線で繋がっている。
たまに、その線を自分の元にたぐり寄せ、切断したくなる。
自然の摂理に付き合うことに疲れた小鳥は、突如飛ぶのを辞めてみた。
そうすれば、地面に真っ逆さま。
よりよくしよう、という社会との接続の時間が、
僕の中に澱を溜めていく。
それがあるから、明日も生きれる。
でも、ずっと持ってると腐ってしまう。
いつも、手放していかないといけないんだと思う。
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