上田岳弘のレビュー一覧

  • ニムロッド

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    感想が難しい。現実の中でSFを構想するフィクションだった。どこか虚しくて、虚しさに気付いていたとしても、そこに一瞬でも別の何かがあれば積み上げてしまう人間の話だったような気がする。
    もしこれが完全なSFだったのなら、苦しみの密度や、痛みの切実さが広がっていくのかもしれないけれど、本書が残したのは、如何ともしがたい青空だった。

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    2021年09月14日
  • ニムロッド

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    読書開始日:2021年7月30日
    読書終了日:2021年7月31日
    所感
    閉塞感、暗い雰囲気をまとった作品。
    読みやすくはあったが、各々の心情が難しい。
    ニムロッド、田久保は現代の完璧を追求し、尖りを叩く閉塞感にどうしても嫌気がさしていたのか。多分そうだ。
    ニムロッドは誰かの心に文字を通してなにかを記載したかったが、叶わなかった。記載ができなかった。
    だからこそ自分と似通った駄目な飛行機を愛す。だが周りがどんどん効率化、合一化することによって愛すべき駄目なものが無くなる。ついに駄目な飛行機も世から尽きる日が怖くなり太陽に向かった。
    田久保も、あの日の判断で自分にレッテルを貼ってしまったことで、

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    2021年07月31日
  • ニムロッド

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    整って綺麗な小説だと思う。この世代の寄る辺ない感覚が、理性的に描かれているという印象を受けた。"ビットコイン"という小道具にはあまり興味は惹かれない。

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    2021年04月24日
  • ニムロッド

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    ひが彼我の差を感じて悦にいる? 荘厳な塔 ビットコイン採掘に充てるサーバー補充の要請をしたが 634関東平野を意味する「武蔵野」という言葉が担ぎ出されたのだ ブルジュ・ハリファの828 ダイバーシティ(多様性)は大事だからと優しく認めてもらえる 寡作のまま死んだ伝説の作家らしい 彼女の中2病的な心情吐露を僕は好ましく思っていた 最適な形状に収斂しつつある最新型スマートフォン発表のネットニュース 創設者としてのアイコンを担いきれていない 鳥の形を模したものだった 操縦桿を握る手を濡らした 蕩尽的に もた凭れる さと聡い よもやま四方山話 荷室仁 バベルの塔 駄目な飛行機コレクション 彼からのメー

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    2021年04月15日
  • ニムロッド

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    スマホを傍らに<ビットコイン+採掘>のキーワードをYahoo!で検索しながら読み進めた結果、仮想通貨の広告が頻繁に表示されるようになった。情報化社会による利便性の恩恵に預かりながらも、時折薄ら寒さを感じてしまう。結果以外は価値を失うシステマチックな合理化の先に行き着く『すべては取り替え可能であった』社会は今や決して絵空事ではない。0か100かの世界において、何者かであろうと躍起になればなるほど【個としての寿命】は擦り減っていくのだろうか。黙々と【在り続ける】彼だけが健在の世界はそれを物語っている気もする。

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    2021年02月28日
  • ニムロッド

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    ネタバレ

    なんとなくすっきりしない感じ。
    なんだろうなぁ。

    とりあえず、主人公は触媒役なのかな。
    ニムロッドと紀子さんが曖昧すぎて気にはなるが(そもそもニムロッドは同僚なら多少はどうなったかはわかりそうなもんだが)

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    2021年02月07日
  • 異郷の友人

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    実在のワードや地名が織り込まれ、オーバーラップする視点や経験は輪廻転生とはまた違った世界観を追体験できた気がした。

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    2020年02月26日
  • キュー

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    はじめ10ページでなんだよまたニムロッドかよと思ったが、それも全部繋がってるからだということなんですね
    まだニムロッド以外を読んでないので評価不定、よって星3

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    2019年09月16日
  • キュー

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    なかなか難解だった。第二次世界大戦が身体に入っている少女、長い間寝たきりだった祖父、謎の組織。言葉を棄て、人間というハコを棄てた人間の行き着く先はどこなのか?
    次々と主観と時系列が入れ替わる書き方は面白いけど、骨が折れました。答えは、こちらで想像しろということなのか、なんとなく着地展が見つけられない感じだった。
    著者の作品は初めてでしたが、ニムロッドから読むべきだったかなぁ。

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    2019年07月02日
  • 異郷の友人

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    ネタバレ

    前世の記憶をいくつも持っている我輩、そして今は山上甲哉。

    今世は普通の平凡な一般人として人生をまっとうするはずだったけれど、
    我輩の意識の中にはある人物の記憶があった。

    ひとりはJといって、ハッカーとして大変頭の切れる男でありながらも、自分の能力を活かし切れずにいる自意識の塊のような人物。
    もうひとりはSといい、淡路島で新興宗教の教祖をしている人物。

    我輩である山上甲哉が、Jに自分の存在を知らせるために送ったメールは
    Jの所属する組織のEに気づかれ

    EとJ、同じ組織のMは
    教祖のS、教団だった早乙女や北海道にいる山上甲哉に会いにくる。

    JとSの記憶を覗くことができ、Sを通してEと早乙

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    2018年05月25日
  • 私の恋人(新潮文庫)

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    ネタバレ

     人類の歴史を、①地球全体に広がるまで②能力主義による競争から原爆投下まで③AIが人類にとって代わるまで(?)の三つに時代区分し、俯瞰的に語る。一方、その過程をすべて知悉している主人公は、そんなこと分かってるよそれよりあなたと付き合いたいんだよと騒々しい。
     ミクロによるマクロな視点と、マクロによるミクロな視点が交差していて面白い。一周目、二周目、三周目。ルールがどんどん代わり、正しさが代わり物事はいつか反転する。それを知っている語り手の終盤の語りが良い、素敵な読後感が得られる小説。

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    2018年02月04日
  • 塔と重力

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    この三編を表すのはなかなか難しい。
    極めて観念的な作品。
    想像がどこまでも突き抜けていく。
    なんとなく、その世界に慣れて来た頃に終わる。

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    2017年09月24日
  • 異郷の友人

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    神というものの存在を,一つのあり方として料理した物語,阪神大震災の震源地,淡路島を舞台に始まり,最後は東北地震に終わる.コンピュータを介しての啓示というのが,現代風.

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    2016年05月03日
  • 異郷の友人

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    語り手は「私」と「吾輩」という2つの一人称を同時に使い、
    しかも今は「ヤマガミ」という青年であるがかつては石原寛治でありフロイトでありテレンティウスであったといい、
    その上ほかの登場人物の意識を覗いて記述することも出来るという。

    なんだかわけのわからないメタメタな構成である。

    けれど「語り手」のその立ち位置というのは要するに、
    登場人物に憑依してその視点で物語世界を見るという「書き手」、すなわち小説家自身のことを、
    SF的に、もしくは寓話的にとらえ直した私小説なのではないか、とも思う。

    「中二の時に他人の意識が流れ込んでくるのを感じるようになった」というようなくだりはつまり、
    「このころ

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    2016年03月11日