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岸本捨吉の教え子勝子に対する愛は実を結ぶことなく、彼の友人であり先輩である青木は理想と現実の矛盾のために自ら命を絶つ。――青春の季節に身を置く岸本たちは、人生のさまざまな問題に直面し、悩み、思索する。新しい時代によって解放された若い魂が、破壊に破壊をかさねながら自己を新たにし、生きるべき道を求めようとする姿を描く、藤村の最初の自伝小説。(解説・亀井勝一郎)
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Posted by ブクログ
良かった。島崎藤村の自伝的小説となっており、彼や彼の友達の生きる事への「苦しみ」「葛藤」が、著者のシンプルながら刺さる表現力によって描かれていて、悩める現代人にも共感出来る人は多いと思う、そんな作品です。 因みに、「春」の序章的作品である「桜の実の熟する時」を先に読むのもお薦めしておきます。
なかなか難しく読むのに苦労した。 みんなが何に悩んでいるのかよく分からなかったが、親の過干渉であったり、5月病があったりと、現代にも通じるような悩みの描写があることが、興味深かった。
「青木」として出てくるのが北村透谷をモデルにしていると言われています。この小説で北村透谷を知りました。 この作品の内容の感想はなんとも言いがたいのですが、学生時代に読んでも、社会人になってから読んでも、なかなか理解度が高まりません。でも、なぜか文章は読みやすく最後まで読みきることができます。それだ...続きを読むけ、島崎藤村の文章は美しいのだろうと思います。また、タイトル「春」とつけたのが難しく感じます。どうしてこのタイトルなのか。作品からは春は訪れていないように思います。春が訪れるように祈ってなのか、それとも「青春」の青を取ったのか・・・。機会を見つけてもう一度考え直したいと思います。しかしながら、この作品を読むと気持ちが落ち込むというか沈むというかそういう感じになるのが少し難点です。
いまでは 藤村の本を読むひとは少ないと思う 文学の研究者か文学専攻の学生か?わたしみたいなオールド文学少女かが読む むかし教科書に載っていた『千曲川のスケッチ』や詩に魅せられ たとえばこれ 初戀 まだあげ初そめし前髮まへがみの 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛はなぐしの 花ある君と思...続きを読むひけり やさしく白き手をのべて 林檎をわれにあたへしは 薄紅うすくれなゐの秋の實みに 人こひ初そめしはじめなり わがこゝろなきためいきの その髮の毛にかゝるとき たのしき戀の盃さかづきを 君が情なさけに酌みしかな 林檎畑の樹この下したに おのづからなる細道ほそみちは 誰たが踏みそめしかたみぞと 問ひたまふこそうれしけれ(青空文庫より) すてきとおもう そして『破壊』『桜の実の熟する時』と読み進み わたしは『新生』を読んででしまったのだった 『新生』…ご存知だろうか なんという内容だこと! 「おじ」が「めい」をあろうことか妊娠させてしまった それなのに逃げ出して 悩んだ末が「新生」とは 重苦しくって汚くて、乙女のわたしには受け入れられなかった しかも私小説でもあるのである それ以後藤村の小説を封印! しかし半世紀たってまあなんとなくこの本を手にいれ読んだ 『春』 ストーリーは自伝的、明治20年代の文学青年の悩みと教え子に恋し、許婚ある教え子故失恋する、その痛みを冷静描いたもので文章も現代に通じるうまさだし、時代背景(明治の東京の街など)も臨場感あり、今となっては希少価値があると思う おこがましいがやはり日本文学の源流なる才能だと思う が、ここでも教え子と恋愛! ま、身を引くというか、我慢するので苦しむのだけれども というか いつも(若いときから)無理な恋をするしょうがないお人なのだのだな 『春』は『破壊』の次に書かれた作品で、次に『家』があり『桜の実…』はその後で そして『新生』が書かれた 『新生』は中年やもめになったのが主人公 だから順番に読めばよかったのかもしれない わたしの読む順序がまちがっていたのか 早すぎたのか あるいはわたしの甲羅が厚くなったか(笑)毛嫌いしていて損をしたのかもしれない といまさらながら理解した次第 『家』も『夜明け前』も読みたいと思っているし、時間があれば『新生』も再読したい きっと感想が異なってくるのだろうと思う まったく読書って 読む時、年齢、体調、嗜好、経験で違ってくるから不思議おもしろい
ようやく読み終わりました。 さすがに大作でした。 始めての自然主義で、たっぷり味わいました。 ご馳走様! これは藤村さまの自伝に近いものですね。 二十歳時代な意気張り、惑って渋い日々を続いた歳月の嘆きを、四十代になって初めて落ち着いてゆっくりと語ることになりました。 その語りべは自身ともかく、その敬...続きを読む愛早世な先輩、美しく散っていく恋華、そして異なる旅で平行になった友、自然の流れて生き生きとして読者の目前に再現しました。 殊に青木と名付けた北村透谷氏のことに、どうしても憧れていられなくなりました。 その凛々たる意地、溢れてある才気、そしてとうとう現世に馴染む事をどこまでも拒んで萎れてゆく姿に、思わず涙を湛えました。 その孤独の姿、いかにも美しくてよくわかっております。 明治27年までの生涯でした。 いつか北村氏の作品に浸かりましょう。
島崎藤村をはじめ、同人誌「文学界」に集った若者たちを描く自伝的小説。 作中の青木のモデルは、わずか25歳で亡くなった北村透谷。 かれの痛ましい姿が印象的。
恋愛至上主義の最高潮は結婚である そう信じて夢のままに恋人と結ばれた詩人だったが 現実はそう甘くなかった いくら理想をうたっても詩や評論では食っていけなかった 妻とも不和になっていった 自分は間違っていたのだろうか、そんな煩悶に襲われたときは 星空を見て、「大なる現実」に抱かれた自分を感じた しかし...続きを読むしょせんは現実逃避 その行きつく果てには、死によって内部生命を解き放ち 「大なる現実」に一体化する結末しかなかった なぜちゃんとした仕事に就けなかったのだろう? やはり「大なる現実」に抱かれる夢を見て ヤングマン岸本捨吉は、ひとり漂泊を続けてきたのだが 詩人の死を知らされたのち 兄貴の事業が失敗するさまを目の当たりにして 文士もまた商人でなければならないということに気づいたのか その道を模索し始めて十数年 しかし売るものが尽きてしまい 自分の恥、家族の恥、仲間の恥を売ろうと思いついたのは 「破戒」の結末から発展させた思想かもしれないし また詩人の遺した恋文からのインスピレーションによるものかもしれない ともあれ、私小説がそのように始まったのだと考えることはできる 明治41年、田山花袋が「蒲団」を発表した翌年のこと
藤村の自伝的長編。”桜の実の熟する時”の後の時代。”家”との繋がりも深い。なんだかこれで”夜明け前”を読む準備が整った気がする。
島崎の自伝的小説です。青年期の総決算と言う様な気がしました。 個人的に「破戒」の衝撃があったので、自伝よりも考えたストーリーの方が琴線に触れるのかもしれませんが、こちらは葛藤や様々な鬱屈など、より内面的な部分が出ているので、藤村作品手につけるにはお勧めかと。
明治の若者たちの苦悩を描いた小説です。藤村が周りの人物をモデルに書き始めた最初の作品ですが、感想はあんまり記憶にないです(苦笑)
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