作品一覧

  • しをかくうま
    3.6
    1巻1,599円 (税込)
    第45回野間文芸新人賞受賞作 「東京都同情塔」が芥川賞を受賞して更なる注目を集める著者が、 ほとばしる想像力で描く、馬と人類の壮大な歴史をめぐる物語。 太古の時代。「乗れ!」という声に導かれて人が初めて馬に乗った日から、 驚異の物語は始まる。この出逢いによって人は限りなく遠くまで 移動できるようになった――人間を“今のような人間”にしたのは馬なのだ。 そこから人馬一体の歴史は現代まで脈々と続き、 しかしいつしか人は己だけが賢い動物であるとの妄想に囚われてしまった。 現代で競馬実況を生業とする、馬を愛する「わたし」は、人類と馬との関係を 取り戻すため、そして愛する牝馬<しをかくうま>号に近づくため、 両者に起こったあらゆる歴史を学ぼうと 「これまで存在したすべての牡馬」たる男を訪ねるのだった――。
  • 東京都同情塔
    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。
  • Schoolgirl
    4.0
    1巻1,500円 (税込)
    第166回芥川賞候補作!令和版「女生徒」 どうして娘っていうのは、こんなにいつでも、 お母さんのことを考えてばかりいるんだろう。 社会派YouTuberとしての活動に夢中な14歳の娘は、 私のことを「小説に思考を侵されたかわいそうな女」だと思っている。 そんな娘の最新投稿は、なぜか太宰治の「女生徒」について――? 第126回文學界新人賞受賞作「悪い音楽」を同時収録。
  • 東京都同情塔

    Posted by ブクログ

    「東京都同情塔」(九段理江)を読んだ。

    凄く面白いんだけれど慣れるまでは《ちょっと癖のある文章だな》と思ってしまう。

    『同情塔』のコンセプトとか建築物のあり方とかよりも『言葉の可能性』とか『日本語の未来』についての考察が興味深かったな。

    AI時代の到来を確信させる作品。

    あと主人公の名前『牧名沙羅』のマキナってラテン語で「機械」を意味する語句なんだけど、これは私の穿ち過ぎか。

    ここのところが一番気になったので、長いけど引用する。

    『言葉は私たちの世界をばらばらにする一方です。勝手な感性で言葉を濫用し、捏造し、拡大し、排除した、その当然の帰結として、互いの言っていることがわからなくな

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    2024年12月06日
  • Schoolgirl

    Posted by ブクログ

    2024.11.13

    『悪い音楽』
    タイトルが秀逸。
    内容暗いわー、めっちゃ良いわー。
    最悪な気分になれるけど人間のリアルな感情が詰まっていて九段理江さん天才!って感じ。

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    2024年12月01日
  • 東京都同情塔

    Posted by ブクログ

    とっても良かった。ワクワクして読み終わるのが勿体無くて少し時間を置いて読みました(笑)芥川賞作品の中でも好き。おすすめです。純文学の中でも読みやすいと思います。

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    2024年11月17日
  • 東京都同情塔

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    日本人の奥ゆかしさや、日本語の美しさとは、自惚れがゆえの幻想なのではないか。
    言語を操る上で、外国人から見た日本人は、日本人から見た言語生成AIと大差がないのだと言われているようで、恐ろしく感じました。
    そんなことはないと否定したいけれど、顔を真っ赤にしながら発した言葉には、おそらくカタカナ語がふんだんに混じっていると思います。

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    2024年11月07日
  • 東京都同情塔

    Posted by ブクログ

    犯罪者は"同情"すべき存在。
    牢屋で人権を奪った生活をさせるのではなく、穏やかに快適な時間(刑期)を過ごせるようにと、大都会のど真ん中に、"シンパシータワートーキョー"という超高層刑務所タワーを建てる。
    主人公は建築家の牧名沙羅。シンパシータワートーキョーの設計を担う。

    彼女の、言葉や思想への固有の態度から、その天才ぶりに惹かれてしまった。いかにも芥川賞を攻略した作品、という風が終始吹いていて格好良かった。

    このわかりきれない心地よさは、映画「君たちはどう生きるか」を見終わった時のそれと似ていて、とても好感を持てる。そして映画同様に、この作品も評価も

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    2024年10月13日

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