作品一覧
-
3.7第45回野間文芸新人賞受賞作 「東京都同情塔」が芥川賞を受賞して更なる注目を集める著者が、 ほとばしる想像力で描く、馬と人類の壮大な歴史をめぐる物語。 太古の時代。「乗れ!」という声に導かれて人が初めて馬に乗った日から、 驚異の物語は始まる。この出逢いによって人は限りなく遠くまで 移動できるようになった――人間を“今のような人間”にしたのは馬なのだ。 そこから人馬一体の歴史は現代まで脈々と続き、 しかしいつしか人は己だけが賢い動物であるとの妄想に囚われてしまった。 現代で競馬実況を生業とする、馬を愛する「わたし」は、人類と馬との関係を 取り戻すため、そして愛する牝馬<しをかくうま>号に近づくため、 両者に起こったあらゆる歴史を学ぼうと 「これまで存在したすべての牡馬」たる男を訪ねるのだった――。
-
4.0
ユーザーレビュー
-
Posted by ブクログ
audible。滑舌の良い言葉選びが心地いい。とくにマキナとタクトの会話のリズムが良い。それでいてぼんやりしているとすぐに置いていかれる展開の早さ。さながら難解なポストロックを聴いているような感覚に陥った。最後のまとまり方も悪く言えば曖昧というか概念的で"それ"っぽかった。
物語のなかでAIに対する立場を測りかねたのは読み手の未熟さゆえか、それともあえての皮肉か。執筆に活用しながらも「君は文盲であることを知っている?」「フォルムもテクスチャーがないクソ文章」とは。
タイトルの響きと表紙が気に入って購読に至ったが、非常に満足している。近々2回目も読んでみようかしらん。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとても面白い小説を読んでいる時に、体の底から冷えたような感覚になるのは何故なのだろうか。何か神秘的なものに触れたような、そんな気がしているのだろうか。一晩で一気に読んでしまった。自分は本を読むのが早い方だ。話が気になってしまい、どんどん読み進めてしまいたくなる。しかし面白い作品は一文ずつしっかりと味わいたい。その相反する二つの気持ちの間でいまだにベストなスピードを見つけられずにいる。
面白かった。今も読後の感傷に浸っている。それは外気浴の時に感じる身体的感覚にも近い。
そもそも本書を手に取ったのは、九段理江さんのインタビュー記事とYouTubeの動画を観たからだ。芥川賞作家の女性で、小説を