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『Schoolgirl』も良かったが、『悪い音楽』に登場する音楽教師ソナタのズレが印象的だった。
保護者を呼んで生徒指導する場面で、その内容をネタにしたラップを考え、教師や保護者から問い詰められたり、合唱コンクールな学級指導で音痴な男子をカバーするために声量をあげることを指導し伴奏者の生徒から反感をかったりと、音楽的才能は優れているのに、あまりにも周囲と噛み合わない感じが、実に面白かった。
今後の作品にも目が離せない。
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表題作『Schoolgirl』の親子は、簡単に病名が付く令和では客観的に診察されたら何かしらの病名が付くのかもしれない。親子関係としてはありふれた現代的な親子で、情報社会に影響を受けまくった活動家もどきの子供っていうのは沢山いる気がする。大抵は予防接種みたいなもので、厨二病の亜種のようなものなのかもしれない。
『悪い音楽』の主人公は音楽家になっていれば芸術家らしいと称される人物だろう。全てが音楽を中心の彼女が、音楽のために同居人を手放してしまわないことを祈る。登場する女子生徒は、私はめちゃくちゃ苦手なタイプ。なんで女が二股すると男同士が殴り合うんだろうな。二股した張本人を殴るならまだ理解できるんだけどな。
『Schoolgirl』の親子はこの後も親子として相手のことがちょっとわからなかったり、言いたくないことがありながらも親子であり続けるような気がするが、『悪い音楽』のソナタはふとしたキッカケで全てを手放してしまえる。しかもそれに対して後悔はしなさそうで心配になってしまう。
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表題のと、悪い音楽、との二本立てだったが、悪い音楽の方が好み。
小説というより、現実に近くて面白かった。
ただ、いつも読みたい話ではないかも。並行して読んでいた別の小説も良かったのに、それの現実離れ感が増してしまって白けるくらい、インパクトはあった。
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⚫︎受け取ったメッセージ
言葉で表現することの可能性
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
祝・第170回芥川賞受賞
新芥川賞作家の原点。第73回芸術選奨新人賞受賞作。
どうして娘っていうのは、こんなにいつでも、
お母さんのことを考えてばかりいるんだろう。
社会派YouTuberとしての活動に夢中な14歳の娘は、
私のことを「小説に思考を侵されたかわいそうな女」だと思っている。
そんな娘の最新投稿は、なぜか太宰治の「女生徒」について――?
第126回文學界新人賞受賞作「悪い音楽」を同時収録。
⚫︎感想
2作ともこれぞ純文学という感じで、芥川賞に選ばれてもよかったじゃないか?と思えた。大変面白く読めた。
「School girl」
小説の可能性を見出せる小説。母になる前の母を知りたいと思い娘が見つけた太宰治の「女生徒」
太宰治の「女生徒」を踏まえた、対照的な娘と母の話。「女生徒」を読んでから本作を読み、よかったと思う。社会派YouTuberの聡明で正義感あふれる娘をもち、娘に小馬鹿にされる発言を受けながらも一生懸命子育てはしようとしている母である主人公。当たり障りのない言葉を探しながら。でもしれっと不倫していたりもする。
「東京都同情塔」でも指摘されていた2点。
誰も傷つかない言葉の追及、生まれながらにして恵まれていれば当然良い人になり、悪い人になりようがないという指摘。
周りのでき事も人も早回しで進み、娘は世界の真実を把握するのに「5分で分かる世界の真実」の動画を再生し、あっという間に子供に追い越され遠ざかる。これは現代の親の立場では共感する部分だ。
太宰が書いた時代の女生徒と、九段さんが書いたSchoolgirlとでは、同年齢の女の子たちでも、およそ100年違えば相当に異なった状況にある。思考のスピードの違いを「女生徒」の読点の多さという表記に重ねて考察しているところもおもしろい。
また、娘は、母親を小説に思考を侵されたかわいそうな人という一方で、母の蔵書のラインナップを探索することで、自分が生まれるまえの母という人を探る、そして見つけた「女生徒」。母を思う(いいも悪いも)気持ちは時代を超えても変わらない。
※特に印象的だった部分
「私とあなたではたぶん、前提の共有ができてないだけだと思う。あなたにとっては本当の反対は嘘で、夢の対義語が現実なんでしょ?フィクションの反対はノンフィクションで、良いの反対は悪い?…でも私の脳の言語野ではそんなきれいに言葉の意味ってわけられていないのよ。…」
「戦争に勝利すれば何かいいことがある」のような大きな「大説」は今はほとんど相手にされていないにしても、少なくとも太宰治が残したような「小説」は私もあなたも共有している。
「悪い音楽」
感情がうすい音楽教師、三井ソナタ。音楽の抜群の才能がある。生徒が怪我する場面、父(世界を飛び回る音楽家)が音楽教師などだめだと意見する場面、「横田かのん(情熱的だが、音楽の才能は皆無)」が訴えかけてくる場面…など深刻な場面で、ほぼ感情が動かないどころか笑えてきたり、別のことをかんがえたりしている。真剣な場面で無意識に微笑んでいたらしく、指摘される。
彼女自身、感情について考察する場面がある。芸術家たちがが感情のバリエーションを創り出し、それらを吸収しているだけではないのか?と。「表情なんてものは、ただの顔を組織している筋肉の動きじゃないか」。と、考えたその夜、表情筋トレーニング講座に申込をしている。生徒たちの合唱よりも、合唱祭にかける自らの音楽とその完成度からも、全く教師には向いていない。最後は横田に担任先生としての立場を奪われる。
三井ソナタと横田かのんは対照的な人物像で、おもしろい。二人ともバランスが著しく悪い。一方は音楽の天賦の才能を持つが感情が薄く、もう一方は大変情熱家で自らが中1にもかかわらず、生徒を率いる力があるが音楽の才能はない。
感情がうすくて客観的すぎるものの見方のせいで、笑える箇所が何ヶ所かあり、最初から最後まで一気に読めた。
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「School girl」「悪い音楽」の2作。「悪い音楽」が気に入った。
音楽サイコパス、本人はいたって真面目で一本筋が通っているけども、音史上主義すぎてあれこれ面白いことになっている。
ソナタさん目線の作品がもっともっと読みたい…
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わーお。この作者の文章好きだなー。
作者の感性がドバドバドバーっと私の中に入ってくる感覚。(こんな素晴らしい文章を読んだ後の自分の語彙力に泣けますが。)
School girlを読んで、あーもうちょっとこの世界観読んでたかったーと思っていたら、悪い音楽が超えてきた。おもしろかったー。三井先生やばいけど、きっと天才。でも生徒だったら凡人の私は大嫌いだっただろうなー。うちの音楽の先生やばいよね。って言ってただろうな。
次作が出たら読みたい作家さん。
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とても興味深く面白かった。
作者の感性の素晴らしさが伝わって来た。
これを読みながら、「女生徒」を2度読み直してしまった。
太宰の凄さと九段さんの素晴らしさが、身に滲みて来た。
「女生徒」が、「お母さん」なら「School girl」は、「Mother」であろう。とにかく、ここに登場する「お母さん」は、凄い。
太宰が、日中、日米戦争の中で、「女生徒」を書いている。九段さんは、「台湾有事」からの日中戦争のことは意識してかいているのかな。
九段さんの良さは、ドキュメンタリーより「文学」の素晴らしさを高らかに肯定しているところだ。嬉しかった。
14歳。何と不可思議で、魅力的で、興味深い歳なのだろう。
中学生を教えることのできる立場にある自分の幸福を明日からも大切にして行きたいと思った。
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schoolgirlを読む
私はあの子供を重なっているところがある、断絶だと思った、母さんからの断絶もある14歳ではなかったが18.19のところ
悪い音楽を読む
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母親の心情にも娘の行動もどちらも合っていてどちらも違うような、そんな考えの沼に嵌っていくお話でした。最後の終わり方も、所々に入っている娘の動画も面白かったです。
「悪い音楽」は、出てくる曲を聴きながら読みました。主人公のサイケチックな性格と音楽への情熱が社会とズレを生じさせている感じが面白かったです。性格も音楽が創り出したものという捉え方がしっくりくるかも
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太宰の『女生徒』を令和の女の子がYouTubeで表現したら、そしてその母親をその眼差しで批評したら。
そんな「もしも」を母親の方の目線からの小説。「小さい説、そんなの読むよりドキュメンタリーをみた方がいい!」と叫んでしまうようなグレタトゥンベリのような女の子。
太宰の頃の少女も令和の少女もどちらもナイフの様に鋭いけれど壊れ易い傷付きやすい。
かく言う私も確かにそんな年代もあったし、『女生徒』に感情移入して親を社会を詰った事もあったということ思い出した。自分だけがピュアだと信じていた。もう、14歳には戻れないな。
『悪い音楽』こちらも傷付きやすい中学生の女の子の話。それを音楽教師の目線から。
教師の方、生徒の方、どちらが今の自分の気持ちに沿うか、もちろん教師の方。だけどこちらの小説も身に染みついた隠されて気づかないでいたあの頃の気持ちを思い起こさせてくれた。地震オチ、ソナタさんのラップ演奏と内容もメリハリがきいていてイッキ読み。
芥川賞受賞は逃してしまったけれどこれからもっともっと書いていただきたい作家さんです。
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第166回芥川賞候補作である表題作を含めた中編2編収録。
表題作は太宰治の「女生徒」の本歌取り的作品だそうだ。太宰は好きではないけど、「女生徒」は読んでみようと思った。
それより、もう一編収録された九段さんのデビュー作で第126回文學界新人賞受賞作の「悪い音楽」!。
女性のとんでもない中学音楽教師の話なんですが、軽く狂っていてヤバい。めちゃくちゃ笑えた。
5点満点で「女生徒」が4点、「悪い音楽」が6点のトータルで5点、といった感じです。
読みやすいので、深い意味を考えず感じるままに読むべき小説。
九段理江さん、ファンになりました。
次回作を強く期待。
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芥川賞は逃したものの、平野氏らが一押ししたと聞いて借りました。
いやあ、すごい。とんでもない新人が出てきたと思いましたよ。現代に生きていながら同時通訳的に現代を描いているっていうか。初めはお母さんと同年代ぐらいの人かと思いましたが、1990年生まれ?なんということでしょう。
太宰の「女生徒」も読みましたが、この作品を読むと、もっと読み返さねばと再読。「あなた」って誰?これってすでに議論されてきたことなのかしら?こんなに若い人から教わることばかりです。
収録作の「悪い音楽」はとんがりすぎてイタいですね。これは粗削りな感じでしたが、これからどんな作品を描いてくれるか、楽しみです。
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「School girl」では、14歳の娘をもつお母さんの想いと映像で語っているyoutuberの娘の想いを交差しながら読むことが不思議な感覚でした。
さらにそこに太宰治「女生徒」の話しが出てきて、時間軸的にも面白く描かれていました。
まだ「女生徒」読んだことないので、読んでからまたこの本を読み返してみたいです。何かまだトリッキーな仕込みがありそうです。
そしてもう一つの「悪い音楽」ですが、癖があり、新しい視点であり、そしてつい笑ってしまう場面あり、音楽で例えるとロック?いやカートコバーンやビリーコーガンを思わせるオルタネイティブ的な気持ちを感じました。
わたしも心当たりがあるのですが、笑ってはいけない状況で笑う場面が所々にあり、失笑恐怖症なのか映画の「ジョーカー」を思い出し、不謹慎さの状況の中自分だったらどう感じたか、ここがポイントだったのかなと感じます。
この本を読む人によっては批判はあると思いますが、わたしは好みでした。
二世のイメージ、教員のイメージ、世の中ステレオタイプだらけの中でも、気にせず生きていく本物の素直さが目に沁みます。
どちらのお話しもストーリー重視で攻めず、人間の癖で攻める九段理江さんの本は、また読むのが楽しみです。
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すべての元・14歳女子たちへ。
さきほど『東京都同情塔』で芥川賞を受賞された九段理江さんの前著。こちらも同賞(第166回)の候補作になっている。
令和を生きる少女の実存的不安と、母娘の葛藤を描く。
その鮮やかさに、こちらは眩暈のような錯覚を覚える。
タワマンで暮らすスノッブな家庭の母娘。
「聡明な」14歳の娘が、YouTube配信で資本主義を斬り、人々の啓蒙を試みる。環境活動家グレタのような。そこには憂鬱な既視感がある。
少女の、曇りのないまぶしさと愚かさ、不安定さに、頭を抱えたくなる。
太宰治の『女生徒』になぞらえた母娘の対話シーンは、ぜひ読んでいただきたい。
「じゃあ、お母さんは何者?」
あなたは彼女をどう受け止めるだろうか?
同収録の『悪い音楽』はストレートにヤバい(!)。こちらの方が面白いと感じる方は多いと思う。日本語ラップ好きは特に。笑
短編2作だが、決して軽くはなく、こちらに結構なエネルギーを要求してくる。素通りさせてくれない文章の圧力があった。
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よくよく考えると、ストーリーも人物造形もそう斬新でもない話なんだけど、太宰治の『女生徒』を使ったところがこの小説の「なんかエモい」感を出している。
九段理江さんの作品はこれまで『School girl』『悪い音楽』『しをかくうま』を読んだ。たぶん九段理江さんはこれからどんどん評価が高まって、文学史に残る作家さんになられると思う。
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すごく面白かった。表題作の「school girl」と「悪い音楽」の二作品が入っている。特に「悪い音楽」が好きだった。主人公のソナタは、人の心が分からない音楽教師。人の心は分からないが、教師としては職務を淡々とこなしている。世の中では、心!心!心!と、とかく心の大切さが言われるが、本当に心はそんなに大切なのか?と思わされる。
理知的で鋭い文章でありながら、ユーモアに溢れていて、ソナタがとある事件で教頭や保護者たちとの話し合いの最中にラップのリリックを考える場面は思わず吹いた。
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理屈に合う話をしている。が、直情剥き出しの主人公に何故か共感しない。苛立ちや違和感を抱きつつも読む手が止まらない。釈然としない魅力があり、後を引かない読後感。
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「School girl」
14歳の聡明な少女と、専業主婦の母の設定、太宰治「女生徒」を下敷きにしたところなど、いい感じの小説で、それぞれの気持ちも「わかるわー」となる。
女3代の因果、次の代はどうなるのかと思うが、もう産まない、ここで止まる可能性も高いよな。少子化って母と娘の物語も家族の物語も縮小していくのかな。
宇佐美りん「かか」を思い出した。賢い娘とダメな母親。小説の中だけではないかも。若い女性の作家世代から見ると母親の世代はこんな感じに見えてるのか。
「悪い音楽」
面白くて、私はこちらの方が好き。
主人公を、心のないひどい人間、音楽教師と描かれていると当然なように書かれている感想のようなものを多く読んだ。筆者もそのような思いで主人公を造形されたのか。
私など、この主人公にものすごく共感を覚えたのだが。すごくリアルだと思ったし。
現役の中学音楽教師に聞いてみたいものだ。「共感されませんか?」と。「するわけないでしょう」と激怒されるだろうか。
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高橋源一郎の飛ぶ教室で紹介されていた本。
ラジオで紹介されていた内容から、もろ芥川賞っぽいちょっと不思議な小説なんだろうと思ていたけれど、2作とも秀作でした!
源一郎さんが推していたのも眉唾物かなと・・・いやいや私もこれからの作品に期待しています。
「悪い音楽」中学生と先生の掛け合いが絶妙。
中学時代の音楽教師って、ある意味個性的でした、今から思うと・・・
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2作収録。『school girl』→母と娘の関係は複雑だ。非常に賢く、意識高い系の中学生の娘。しかし彼女はクソ生意気で専業主婦の母親をバカにしている。ただ母娘共通しているのは太宰治の『女生徒』に感銘を受けたところ。とりあえず『女生徒』を事前に読んでいて本当に良かった。さもなくば3ページで挫折していただろう。ちょっと難解な話だった。『悪い音楽』→こちらの方が断然面白い。奇妙な音楽教師の話。主人公は教師としては完全に落第点であろう。しかし天才肌?な感性は斬新でもあり、変わった人間の生態として興味深かった。
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表題作は芥川賞候補とのこと。
あ、おもしろい。
ざっくりとしたイメージとして、直木賞=エンターテイメント、芥川賞=文学的、という印象を持ってしまっていて、どうしてもまず読むならとっつきやすい直木賞からみたいなところがあるのだけれど、芥川賞系な本作は意外なほど読みやすかった。
とはいえ、Aの立場の汚点を挙げ、その後Bの立場の汚点を挙げ、明確な結論は読者任せ的なところは”ぽい”と言えば”ぽい”。
それでも、SNSがどうとか、YouTubeがどうとかの文脈の中、現代的な葛藤をシュールに皮肉的に描いていく物語はとてもおもしろい。
個人的には表題作も良いけれど、『悪い音楽』の世間と適用しようと空回りする、絶妙な具合で極悪とは思えないサイコ音楽教師がたまらなく好き。
今後の期待を込めて敢えての星4つ(実測4.5)。
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表題作「school girl」は、芥川賞選評委員の男性委員からは支持を得たが、女性委員からは評価は低かったらしい。
もう少し母も娘も、深掘りしてほしいなと思ったので、評価が低かったのは納得した。
え、もう終わるの?と思ったのは私だけではないと思う。主役が母なのか娘なのか、その関係性なのか、それも曖昧な感じがした。
が、「悪い音楽」である。
これは、面白かった。
九段理江、不気味な作家だなあ。たぶん、何作か書いていくうちに、ものすごい小説が出てくるような気がする。引き出しがたくさんありそう。
どちらの作品も、複雑な感性を持つ女性が出てくる。一つの価値観でなく、揺れに揺れる価値観を持つ人たち、
でも、嫌いなものは確かにある人たち。
この人の描く女性がどんなことをやらかしてくれるのか、楽しみです。
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感情が露わになっているようないないような。なんともいえない文章が、グッと入ってくるようなこないような。好きなような、嫌いなような。
歪な親子関係や理解し難い教師が、最後には一件落着とはならないことが、いいような悪いような。
とにかくもやもやする作品でした。
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表題はどちらも、小説のあり方、芸術のあり方に触れたものといった印象。
そこに現代社会との関係の構築があり、もっと深く考えて読めたらおもしろそうだなとは思ったけど、さらっと読み終えてしまった。
時々挟まれるユーモアある独白が笑える。
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「Schoolgirl」
環境・貧困など世界の問題に興味を持ち、発信している娘と
小説が好きな母親。
娘くらいの年齢の頃に、環境などに問題意識を持ち、
それを気にしない大人に苛立ちをおぼえるのは、
私も思春期に経験があるので、分かる気がした。
(大人になるにつれて、その問題もかなり恣意的なものであることに気がつくのだが…)
でもどんなに大人ぶろうとも母親が好きで、密接不可分だという母娘の難しさ。
ただ私が「女生徒」未読なためか、
今ひとつ感じ取れないものがあったので、ちゃんと女生徒を読もうと思った。
・大きな説(世の中)は変わっても、小説は読み続けられることもある
「悪い音楽」
感情がやや欠如した音楽教師。
それを敏感に感じ取った生徒との争い。
こちらのほうが好み。
表情や感情の話が良かった。
・感情 これまでに芸術家や小説家が概念を見つけたり、名付けたりしてきたもの
メディアなどで広がり、それを学習して使っているだけ
Posted by ブクログ
私が常々感じているのが、母と娘の親娘関係が
母と息子の親子関係と全く異なった関係性になる
ことで、同性にしか感じ合えない何かテレパシーみたいなものがあるのかと感じてしまうのです。
本作の「School girl」は、中学生の娘とその娘を
過保護に愛している母のストーリーなのですが、
娘は、とても意識が高くて、環境問題や世界平和についていつも考えていて、youtubeを上げて
問題提起を続けている。その娘と真逆で、あまり
そういった問題に目を向けてなくて、妄想好きで、小説をこよなく愛している母。現実を見ない母にイラついてる娘と本当の親娘関係を探している母との言葉の言い合いがとてもユニークでした。