ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
7pt
第166回芥川賞候補作!令和版「女生徒」 どうして娘っていうのは、こんなにいつでも、 お母さんのことを考えてばかりいるんだろう。 社会派YouTuberとしての活動に夢中な14歳の娘は、 私のことを「小説に思考を侵されたかわいそうな女」だと思っている。 そんな娘の最新投稿は、なぜか太宰治の「女生徒」について――? 第126回文學界新人賞受賞作「悪い音楽」を同時収録。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
うまい、と思わず唸る二作。東京都同情塔から九段作品に入り、彼女の魅力に取り憑かれています。芥川賞候補だったschool girlの現代的な作品世界に驚かされ、文學界新人賞受賞作品の悪い音楽には声を出してわらってしまった。
Posted by ブクログ
最っ高。①『Schoolgirl』、②『悪い音楽』の二作品。 ①太宰治の『女生徒』を読んでからすぐ読んだら、かなり対比が分かりやすく、読みやすかった。 とはいえ、30ページくらいでおなかいっぱいなほど現代で母親になることの難しさ(?)に心が限界を感じ始めた笑 今回は主人公は大人の「元女生徒」で、1...続きを読む4歳の娘がいる。 「何気ない雑談を額面通りに受けとってくれる素直な人って、最近はもうどこを探してもいない。」 これを30ページで既に痛いほど丁寧に言語化してくれてる。 ②これは本当に素敵すぎる音楽教師のはなし。子どもの頃、「社会経験を通してない、子どもの社会に居続ける教師」という存在がほんっとうに嫌いだったが、教師に「なる」と考えてみたら中々愉快で不純物の少ない社会に身をおけるのは悪くないのかもしれないと思う。 あと最後の下り最高に音楽が壮大を体現してて良かった。
これは面白かった! 2編とも好き Schoolgirlの意識高い娘と箱入りお嬢様風母のやりとりと関係性がいい 悪い音楽の先生、才能を持つ人って意外とこういう感じなのかもしれない 総じて若い女性の自意識に批判的なんだけど、そこには著者自身の若い時を写してるのかもしれない
school girl 2022年の芥川賞候補、小説を愛する母親と、社会問題に目を向ける娘のそれぞれを描く。太宰治の女学生を踏まえた作品。何だかんだいって、娘には母親がとても気になる、という点に落ち着く。 併録の悪い音楽はこの作家のデビュー作らしい。 毒が効いていて面白い。
面白かった。 楽しませてくれる小説に出会った喜びを感じます。 144ページ「悪い音楽」 「事前に私の人となりを詳しく知ってしまったら、音楽以外の要素があなたの作品に影響を及ぼしてしまうのでは?」 この言葉にドキッとした。 芸術作品を本当にそれだけ鑑賞しているのかと日頃感じているので、刺さりました。 ...続きを読む 86ページ「Schol girl」 「頭の中からできるだけ自分を失くす」
『School』 “みんなを愛したい” からの “美しく生きたいと思います” が良かったです。 あと、少女のうちに死にたかった、、、ってところも。 上記だけでなく、冒頭から太宰治『女生徒』のオマージュを彷彿とさせるはじまり。 太宰治『女生徒』が十代の少女の日記をベースにした小説であり、語...続きを読むり手というか本来の日記の書き手の少女は当然ひとり。 それに対して『Schoolgirl』は母と娘が、母のモノローグと娘が一方的に社会派YouTuberとして配信する動画で語っている。 娘になめられている母親も読み進むにつれて母親然としている。 偉そうなことを言っている娘もお母さんお母さんと繰り返す。 今まで一番ひどい、と塞ぎ込んでいる娘に対して、たかだか14年分だけのニュースを頭の中で振り返るだけで済ませる母親。東日本大震災でさえも対象にならない。それが娘の、少女の年齢を極端に浮かび上がらせてきたと感じた。 太宰治『女生徒』を書いた1937年は戦時中だったと。そんな話をしたとき、小説に囚われた母親のことどう思ったんだろうかってまだ少し考えてます。 母も娘も名前が出てこない。これは母と娘のふたりが語っている(娘は動画を通して)けど、結局これは一人なんだろうな。ってよく分からない感想に行き着きました。 ――――――― 『悪い音楽』
グレタさん風社会派中学生YouTuber × 文學が好きな専業主婦の母を描いた「School girl」、音楽で食べていく道を断念した元音大生の音楽教師×合唱コンクールで優勝したい熱心な生徒を描いた「悪い音楽」の2編から成る作品。 社会に揉まれていく内に諦めと限界と妥協を知った大人と、そんな大人の...続きを読む冷めた態度に純粋な気持ちで真っ向から反抗する子供の対立構造。軽快な文章とその表現力、時に皮肉が込められた台詞などそのどれもが面白く飽きない。 九段理江先生の感性はめちゃくちゃ新しい発見になる。 School girl|変な反抗期を迎えると子供はこうなるのか。太宰治の「女生徒」など小説を愛読する母に対して、フィクションを読むのは時間の無駄だと一刀両断する娘。娘が母の本棚を遡っていったシーンが印象的。確かに人の本棚ってある意味その人の持つ思想や何か核のような部分が反映されているのかも。ここでも「東京都同情塔」の主題の1つである、生まれながら恵まれているから善人、恵まれていない人は悪人になりうるという一節があった。 悪い音楽|問題を起こした生徒の保護者と面談する場面で、脳内でリリックを再生して韻を踏んでいたのは、まさか合唱コンクールの後夜祭で披露する演目のテーマだったからというのは想定外で笑った。 同居人のサエは、感情が不安定な時があり、自分が話したいことをつらつらと話してスッキリして満足するタイプで、聴く側の感情を置き去りにする。不謹慎や道徳的線引きが違うので、こっちはセーフでも向こうはアウト…みたいなことがある。クライマックスは、地震が起きて担当クラスの合唱が中断したのに、再開せず自分の演目をやり切ったのは、さすがに実際にいるとドン引きしたけどソナタの気持ちも分かる。読後感はなぜかすっきりとした不思議な作品でした。
『Schoolgirl』も良かったが、『悪い音楽』に登場する音楽教師ソナタのズレが印象的だった。 保護者を呼んで生徒指導する場面で、その内容をネタにしたラップを考え、教師や保護者から問い詰められたり、合唱コンクールな学級指導で音痴な男子をカバーするために声量をあげることを指導し伴奏者の生徒から反...続きを読む感をかったりと、音楽的才能は優れているのに、あまりにも周囲と噛み合わない感じが、実に面白かった。 今後の作品にも目が離せない。
表題のと、悪い音楽、との二本立てだったが、悪い音楽の方が好み。 小説というより、現実に近くて面白かった。 ただ、いつも読みたい話ではないかも。並行して読んでいた別の小説も良かったのに、それの現実離れ感が増してしまって白けるくらい、インパクトはあった。
ネットと繋がって自己発信することが当たり前、生まれながらに多様な価値観に触れて生きてきた「娘」と、時代の流れには乗らず「少女時代」から触れてきた文化を大切にしている「母」が対照的に描かれていて、序盤、娘の強さに圧倒されて母の気持ちや境遇を考えるといたたまれない気持ちになるのだが、終盤立場がガラリと変...続きを読むわる。結局、体験せずに見聞きしただけの情報から「自分」を方向付けるよりも、自分の世界にとっぷり浸かって、考え、感じたことの方がリアルで、重みがあって生きた価値観なのかなと思った。 九段先生は、現代社会に新たに発生した価値観を否定したいわけじゃないのだろうけれど、メスを入れるのが上手いと思う。とてもおもしろかった。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
Schoolgirl
新刊情報をお知らせします。
九段理江
フォロー機能について
「文春e-book」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
しをかくうま
東京都同情塔
「九段理江」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲Schoolgirl ページトップヘ