小説・文芸 - 文春e-book作品一覧

  • もう明日が待っている
    NEW
    4.0
    放送作家・鈴木おさむが引退と同時に贈る、覚悟の一冊! これは「小説SMAP」である。 メンバーの脱退、トップアイドルのまさかの結婚、 誰にも言えなかった苦悩、戦い。 国民的スターとして沢山の夢を与えてきた彼らの全てが、 たった一夜の「放送」で壊れていった。そして日本中が悲しんだ解散。 彼らと20年間走ってきた放送作家にしか書けなかった奇跡の物語。 新たなテレビ文学、ここに誕生。 その先に明日はきっと、ある……。 目次より 第1章 素敵な夢をかなえておくれ 第2章 あれからぼくたちは 第3章 世界で二番目にスキだと話そう 第4章 1・2・3・4 FIVE RESPECT 第5章 WELCOME ようこそ日本へ 第6章 とってもとっても僕のBEST FRIEND 第7章 くじけずにがんばりましょう 第8章 20160118 第9章 もう明日が待っている
  • 望月の烏
    4.5
    1巻1,700円 (税込)
    若き金烏の新たな后選びに波乱の予感――。 累計200万部突破&2024年4月よりアニメ放送スタート! 大人気異世界ファンタジー「八咫烏シリーズ」待望の最新作。 絶対権力者・博陸侯の後ろ盾のもとで、 新たに異世界〈山内〉を統べる金烏代となった凪彦。 その后選びのため、南北東西の大貴族の家から選ばれた、 四人の姫君たちが、宮中での〈登殿の儀〉へと臨む。 しかし下級官吏として働く、絶世の美姫の存在が周囲を――。
  • 烏の緑羽
    値引きあり
    4.2
    1巻1,189円 (税込)
    累計180万部の八咫烏シリーズ、待望の最新刊! 生まれながらに「山内」を守ることを宿命づけられた皇子。彼らの知られざる葛藤と成長を描く、大人気ファンタジーシリーズ最新刊。
  • 八月の御所グラウンド
    3.9
    京都が生んだ、やさしい奇跡。 ホルモー・シリーズ以来16年ぶり 京都×青春感動作 女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。 謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。 京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは――。 今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない 人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。  大学時代を京都で過ごした万城目学さんが『鴨川ホルモー』でデビューしたのは2006年。その後も『鹿男あをによし』『プリンセス・トヨトミ』など、独自の世界観と鮮烈な感性で私たちを驚かせ続けてきましたが、意外にも京都を舞台にしたのは『ホルモー六景』(2007年)が最後でした。  その万城目さんが16年ぶりに京都に帰って来ます。収められた2篇はそれぞれ、女子高校生と男子大学生を主人公としたド直球の青春小説。まさに「ホルモー」シリーズの万城目学、再来!とも言えますが、「ホルモー」が途轍もない勢いを感じさせる作品だとしたら、本書は瑞々しい感性はそのままに、しかしどこか成熟の匂いがします。  京都で起こる奇跡のようなフシギな出来事が、私たちの心の中にじんわりと優しく、同時になんとも切ない感情を呼び起こすのです。青春とは、人生とは、こうしたものかもしれない、そういう名状しがたい感動が心に拡がります。もしかすると、これまでのどの万城目作品にもなかった読後感かもしれません。  鮮烈なデビューから17年。いまふたたび、万城目学に「再」入門してみてはいかがでしょうか。
  • ビリー・サマーズ 上
    続巻入荷
    -
    作家デビュー50周年に放つ、至高のクライム・ノヴェル 狙いは決して外さない凄腕の殺し屋、ビリー・サマーズ。依頼人たちには、銃撃しか能がないちょっと抜けた男を装っているが、真の顔はエミール・ゾラを愛読する思慮深い人間であり、標的が悪人である殺ししか請け負わない。 そんなビリーが、引退を決意して「最後の仕事」を受けた。収監されているターゲットを狙撃するには、やつが裁判所へ移送される一瞬を待つしかない。狙撃地点となる街に潜伏するための偽装身分は、なんと小説家。街に溶け込むべくご近所づきあいをし、事務所に通って執筆用パソコンに向かううち、ビリーは本当に小説を書き始めてしまう。 だが、この仕事は何かがおかしい……。ビリーは安全策として、依頼人にも知られぬようさらに別の身分を用意し、奇妙な三重生活をはじめた。そしてついに、運命の実行日が訪れる――。
  • トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男
    4.3
    トヨタ最大の秘密を知る男の「告白」 企業人の“業”を描く児玉博さんの今作は、トヨタの中国事務所総代表だった服部悦雄氏が主人公です。服部氏は、「低迷していたトヨタの中国市場を大転換させた立役者」であり、「トヨタを世界一にした社長、奥田碩を誰よりも知る男」であり、何より「豊田家の御曹司、豊田章男を社長にした男」として、自動車業界では知る人ぞ知る人物。トヨタをモデルにしたベストセラー小説『トヨトミの野望』の作中にも、服部氏は「中国の怪人」として仮名で登場します。 服部氏は戦争中に生まれ、27歳まで家族とともに中国にとどまりました。文化大革命では、原生林での強制労働など、日本人ならではの苦難を体験します。 帰国後、トヨタに入社。アジア地域の担当を命じられ、トヨタ中興の祖である豊田英二と上司の奥田碩の目に留まり、服部氏はみるみる頭角を現します。 実はトヨタは、中国への進出が遅れたために中国政府から自動車生産の許可が下りず、90年代に世界の他メーカーに大きく引き離され、ドン底の状態に陥っていました。奥田碩会長は、創業家御曹司の豊田章男を中国本部本部長に据え、中国市場の建て直しを命じるのですが、そこには章男が失敗すれば、豊田家をトヨタの経営から外すことができる、という奥田の深謀遠慮がありました。そこで、豊田章男が頭を下げたのが服部氏でした。奥田の最側近でもあった服部氏は、トヨタ中国事務所総代表としていかなる決断を下したのか……。 服部氏の初のロングインタビューを元に、トヨタの中国進出と、豊田家世襲の内幕を赤裸々に描いた圧巻のノンフィクションです。
  • 合本 陰陽師(一)~(十二)【文春e-Books】
    4.0
    野村萬斎・主演で映画化され、テレビドラマや漫画にもなった大人気シリーズ、既刊の12巻すべてを収録した合本。 時は平安時代、京の都に安倍晴明という名高い陰陽師がいた。まだ闇が闇として残り、夜になれば人も、鬼も、物の怪も、同じ都の暗がりに、息をひそめて住んでいた時代――。安倍晴明は従四位下、大内裏の陰陽寮に属する陰陽師。死霊や生霊、鬼など、普通の人間には見えない、妖しのものどもを相手に、この世ならぬ不可思議な難事件をあざやかに解決する。親友の源博雅は、霊感はまるでないが、刀では敵なしの強さ。力を合わせて物の怪に挑む大ヒットシリーズ!
  • 可燃物
    4.0
    米澤穂信、初の警察ミステリ! 二度のミステリーランキング3冠(『満願』『王とサーカス』)と、『黒牢城』では史上初のミステリーランキング4冠を達成した米澤穂信さんが、ついに警察を舞台にした本格ミステリに乗り出しました。 余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。 群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。 群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の回りの雪は踏み荒らされていず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って“刺殺”したのか?(「崖の下」) 榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」) 太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」) 連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
  • 極楽征夷大将軍
    4.3
    史上最も無能な征夷大将軍 やる気なし 使命感なし 執着なし なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか? 動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。 足利直義は、怠惰な兄・尊氏を常に励まし、幕府の粛清から足利家を守ろうとする。やがて天皇から北条家討伐の勅命が下り、一族を挙げて反旗を翻した。 一方、足利家の重臣・高師直は倒幕後、朝廷の世が来たことに愕然とする。 後醍醐天皇には、武士に政権を委ねるつもりなどなかったのだ。 怒り狂う直義と共に、尊氏を抜きにして新生幕府の樹立を画策し始める。 混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、 何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか? 幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。
  • 光のとこにいてね
    4.1
    1巻1,900円 (税込)
    『スモールワールズ』を超える、感動の最高傑作 たった1人の、運命に出会った 古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。 彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。 どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。 運命に導かれ、運命に引き裂かれる ひとつの愛に惑う二人の、四半世紀の物語
  • うまいダッツ
    3.8
    とある高校の喫茶部。それぞれ好みのおやつを持ち寄る四人は、 不思議な噂を耳にする。 「うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい」 それはただの都市伝説か、それとも――!? ゆる部活のメンバーがたどりついた「答え」とは。 「おやつ部」のメンバーが、世界の謎にゆるく挑む。 スナックをつまむ指先が光るのは、油のせいだけじゃない、かも。 おいしく楽しく、ときどき切ない5つの物語。 うまい棒一本で、世界の秘密がわかるらしい―― 学内で囁かれる噂の真相とは?(「うまいダッツ」) おばあちゃんが失くしたブローチを探すことになったおやつ部の面々。 探し物の過程で見えてきたものとは。(「チロル・ア・リトル」) お菓子当てクイズに参加することになった四人。 果たして、その勝敗はいかに。(「バカみたいにウケない」) SNS上の友達と気まずくなってしまったメンバー。 会いたくない彼女と会いたい彼女、それぞれの理由とは。(「それは王朝の」) 学年が上がり、初めてできた後輩。 しかし彼らは全員、妙にまじめで――。(「百年の愛」)
  • 化学の授業をはじめます。
    4.4
    世界500万部、「2022年最も売れたデビュー小説」 60年代米国、未婚のシングルマザーの化学者・エリザベスは男社会で大奮闘するが――世界が共感した痛快エンパワー&エンタメ小説! Apple TV+『レッスン in ケミストリー』原作
  • 令和元年の人生ゲーム
    4.3
    「まだ人生に、本気になってるんですか?」 この新人、平成の落ちこぼれか、令和の革命家か――。 「クビにならない最低限の仕事をして、毎日定時で上がって、そうですね、皇居ランでもしたいと思ってます」 慶應の意識高いビジコンサークルで、 働き方改革中のキラキラメガベンチャーで、 「正義」に満ちたZ世代シェアハウスで、 クラフトビールが売りのコミュニティ型銭湯で…… ”意識の高い”若者たちのなかにいて、ひとり「何もしない」沼田くん。 彼はなぜ、22歳にして窓際族を決め込んでいるのか? 2021年にTwitterに小説の投稿を始めて以降、瞬く間に「タワマン文学」旋風を巻き起こした麻布競馬場。 デビュー作『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』のスマッシュヒットを受けて、 麻布競馬場が第2作のテーマに選んだものは「Z世代の働き方」。 新社会人になるころには自分の可能性を知りすぎてしまった令和日本の「賢すぎる」若者たち。 そんな「Z世代のリアル」を、麻布競馬場は驚異の解像度で詳らかに。 20代からは「共感しすぎて悶絶した」の声があがる一方で、 部下への接し方に持ち悩みの尽きない方々からは「最強のZ世代の取扱説明書だ!」とも。 「あまりにリアル! あまりに面白い!」と、熱狂者続出中の問題作。
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折
    4.6
    ”全身脚本家”驚愕の真実! 『羅生門』、『七人の侍』、『私は貝になりたい』、『白い巨塔』、『日本のいちばん長い日』、『日本沈没』、『砂の器』、『八甲田山』、『八つ墓村』、『幻の湖』など、歴史的傑作、怪作のシナリオを生み出した、日本を代表する脚本家・橋本忍の決定版評伝。 著者が生前に行った十数時間にわたるインタビューと、関係者への取材、創作ノートをはじめ遺族から譲り受けた膨大な資料をもとに、その破天荒な映画人の「真実」に迫る。 目次 序 鬼の詩 一 山の章 二 藪の章 『羅生門』 三 明の章 『生きる』『七人の侍』 四 離の章 『蜘蛛巣城』『夜の鼓』『女殺し油地獄』『風林火山』 五 裁の章 『真昼の暗黒』『私は貝になりたい』 六 冴の章 『切腹』『仇討』『侍』『日本のいちばん長い日』『上意討ち』『首』 七 血の章 『張込み』『ゼロの焦点』『人斬り』『黒い画集 あるサラリーマンの証言』『砂の器』 《特別インタビュー》山田洋次の語る、師・橋本忍との日々 八 計の章 『人間革命』 九 雪の章 『八甲田山』 十 犬の章 『八つ墓村』『幻の湖』 十一 鬼の章 『愛の陽炎』『旅路 村でいちばんの首吊りの木』『鉄砲とキリスト』『天武の夢』 橋本忍 脚本映画一覧
  • 捜査線上の夕映え
    3.9
    「臨床犯罪学者 火村英生シリーズ」誕生から30年! 最新長編は、圧倒的にエモーショナルな本格ミステリ。 一見ありふれた殺人事件のはずだった。火村の登場で、この物語は「ファンタジー」となる。 大阪の場末のマンションの一室で、男が鈍器で殴り殺された。金銭の貸し借りや異性関係のトラブルで、容疑者が浮上するも……。 「俺が名探偵の役目を果たせるかどうか、今回は怪しい」 火村を追い詰めた、不気味なジョーカーの存在とは――。 コロナ禍を生きる火村と推理作家アリスが、ある場所で直面した夕景は、佳き日の終わりか、明日への希望か――。
  • ハンチバック
    3.8
    1巻1,400円 (税込)
    私の身体は、生き抜いた時間の証として破壊されていく 「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」 圧倒的迫力&ユーモアで選考会に衝撃を与えた、第128回文學界新人賞受賞作。 打たれ、刻まれ、いつまでも自分の中から消えない言葉たちでした。この小説が本になって存在する世界に行きたい、と強く望みました。 ――村田沙耶香 小説に込められた強大な熱量にねじ伏せられたかのようで、 読後しばらく生きた心地がしなかった。 ――金原ひとみ 文字に刻まれた肉体を通して、 書くという行為への怨嗟と快楽、 その特権性と欺瞞が鮮明に浮かび上がる。 ――青山七恵 井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。 両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。
  • マリコ、アニバーサリー
    NEW
    3.7
    会議に執筆、今年もマリコは大忙し 去年から勤め人となったマリコは年始から大忙し。 元気を出すためしっかりお餅を食べて、朝ドラの「舞い上がれ!」はかかさない。 理事長になって初めての卒業式。 エッセイよりだいぶ早い「挨拶文の締切」に面喰いつつも、 しっかり書き上げるマリコであった。夏になるころには「週刊文春」の エッセイの担当者であったイイクボ青年が何と社長に就任。 コロナが明けてからは台湾を楽しみ、ルーマニアへの弾丸出張もなんのその。 「週刊朝日」が休刊し、山の上ホテルが休館になったり寂しいニュースもあったけど、 いつでも前向きなマリコに今日も世間の目は釘付けである。 「週刊文春」の人気ご長寿連載エッセイ、ついに35巻!
  • BLANK PAGE 空っぽを満たす旅
    4.3
    母・樹木希林と 父・内田裕也を たてつづけに喪った。 虚しさ、混乱、放心状態、ブラックホール……。 「人生の核心的登場人物を失い空っぽになった私は 人と出会いたい、と切望した」 谷川俊太郎 小泉今日子 中野信子 養老孟司 鏡リュウジ 坂本龍一 桐島かれん 石内 都 ヤマザキマリ 是枝裕和 窪島誠一郎 伊藤比呂美 横尾忠則 マツコ・デラックス シャルロット・ゲンズブール 独りで歩き出す背中をそっと押す、15人との〈一対一の対話〉
  • 月ぞ流るる
    4.5
    紫式部が生きた時代の豪華絢爛宮中絵巻 日本初の女性による女性のための歴史物語『栄花物語』の作者である朝児(赤染衛門)からみた宮廷はどんな姿をしていたのか? 宮中きっての和歌の名手と言われる朝児(あさこ)は夫を亡くしたばかり。五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、ひょんなことから三条天皇の中宮妍子の女房として再び宮仕えをすることになる。 宮中では政権を掌握した藤原道長と、あくまで親政を目指す三条天皇との間には緊張が入っていた。道長の娘の妍子が、将来天皇となるべき男児を出産することが、二人の関係に調和をもたらす道だった。しかし、女児が生まれたことで、道長は三条天皇の排除を推し進めていくことになる。 朝児は、目の前で繰り広げられるきらびやかながらも残酷な政争に心を痛める。なぜ人は栄華を目指すのか。いま自身が目にしていることを歴史として書き記すことが自らの役目ではないのか。そこで描かれるのは歴史の勝者ばかりではない。悲しみと苦しみのなかで敗れ去った者の姿を描かねばならない。その思いの中で朝児は筆を取る。
  • デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界
    3.3
    村上さんが愛してやまないジャズ・レコードについて語る極上のエッセイ 「僕の大好きなジャズ・レコード188枚のことを書きました」 チャーリー・パーカー、カウント・ベイシー、ビリー・ホリデイ、スタン・ゲッツ……ジャズの黄金時代に数多くのジャケット・デザインを手がけた伝説的アーティスト、デヴィッド・ストーン・マーティン。彼がデザインしたレコードを敬愛し蒐集してきた村上さんが、所有する盤すべてをオールカラーで紹介。 手にとって見ているだけで素敵な音楽が聞こえてくる、極上のジャズ・エッセイ。
  • NHK大河ドラマ「いだてん」完全シナリオ集 第1部
    5.0
    1~2巻1,936~2,000円 (税込)
    2019年のNHK大河ドラマ「いだてん」第1部(第1回~24回)のシナリオ集。 「日本マラソンの父」金栗四三編の興奮が蘇る! 「いだてん」は宮藤官九郎氏が、4年近い月日をかけて完成させた大傑作だ。 第1部は、日本人で初めてオリンピックに出場した選手で「日本マラソンの父」と言われる金栗四三の半生を描いている。 同時代に生きた落語家の古今亭志ん生の生き様を織り交ぜながら、日本の明治から昭和のスポーツ史を見事に面白く“物語”に仕立てた。 これができるのは、エンターテインメント界のリーダー、宮藤官九郎しかいないだろう。 スポーツへのリスペクトと、落語に対する愛がぎっしりと詰まった作品だ。 この「完全シナリオ集」は、いわゆる決定稿と言われる役者やスタッフに配られる台本をまとめたものである。 台本は撮影現場で適宜変更されるため、実際放送されたものとの違いを楽しむのも、通にはおすすめ。 通でなくても、シナリオを読むことで、金栗四三の熱量や、若き志ん生の破天荒ぶりに泣いたり笑ったりができる。 そして、じっくりと宮藤氏の天才性を知ることになるだろう。 巻頭にはカラーでドラマの名シーンが、巻末には、豪華なオリジナル企画が3本収録。 中村勘九郎×綾瀬はるか対談/松尾スズキインタビュー/森山未來インタビュー 役者が、宮藤脚本をどう解釈し、どう演じたかが分かり、これも面白い。 何度も読みたくなる作品だ。 *本電子書籍は生田斗真さんの写真を掲載しておりません
  • 私は元気です 病める時も健やかなる時も腐る時もイキる時も泣いた時も病める時も。
    4.7
    「余命宣告」を受けた大人気声優が語るあの日のこと 『涼宮ハルヒの憂鬱』の朝比奈みくる役で大人気だった後藤は、人気絶頂の中、突然無期限の活動休止を発表。彼女に何が起きたのか。
  • 安倍晋三実録
    3.8
    安倍氏に最も食い込んだ記者による「安倍評伝」の決定版! 20年にわたり安倍氏を取材してきた元NHK記者が「回顧録」にも書かれていない肉声を記録した膨大な取材メモからその実像を描く。 はじめに 第1章 第三次政権への夢 第2章 雌伏の五年間と歴代最長政権 第3章 慰安婦問題と靖国参拝 第4章 トランプと地球儀俯瞰外交 第5章 拉致問題解決への信念 第6章 習近平との対決 第7章 生前退位と未来の皇室像 第8章 スキャンダルと財務省 第9章 岸家と安倍家の葛藤 おわりに
  • 幽霊健診日
    -
    「幽霊」シリーズ記念すべき第30作目! 男やもめの敏腕刑事・宇野は、女子大生の彼女・夕子との ディナーデート中に貧血で倒れてしまう。 運ばれた病院には、「当直の医師に恨まれている。 殺される前に病院を変えてほしい!」と医者に詰め寄るカップルがいた。 翌日、案の定起こった殺人事件。 だが、殺されたのは全く関係のないはずの女性医師で……!? 悲しいピアノの旋律が呼び起こす、事件の真相とは。 人に追われる中学3年生の少女と寄宿制学校の謎を解く「壁を越えて」や、 絵の中に描かれた”死んだはずの女”を探す「展覧会の絵」など、 ユーモアあふれるミステリ7編を集めた一冊。 赤川次郎ミステリーの最先端を、ぜひ味わってください!
  • 香君 上 西から来た少女
    4.3
    遥か昔、神郷からもたらされたという奇跡の稲、オアレ稲。ウマール人はこの稲をもちいて帝国を作り上げた。この奇跡の稲をもたらし、香りで万象を知るという活神〈香君〉の庇護のもと、帝国は発展を続けてきたが、あるとき、オアレ稲に虫害が発生してしまう。 時を同じくして、ひとりの少女が帝都にやってきた。人並外れた嗅覚をもつ少女アイシャは、やがて、オアレ稲に秘められた謎と向き合っていくことになる。 『精霊の守り人』『獣の奏者』『鹿の王』の著者による新たなる代表作の誕生です!
  • 起業家の勇気 USEN宇野康秀とベンチャーの興亡
    4.3
    堀江貴文、藤田晋ら“ヒルズ族の兄貴分”と呼ばれた男。 ネットベンチャーが続々花開いた時代に、USENの宇野康秀社長は、フジテレビからホリエモンのライブドア株を購入したり、プロ野球の新規参入問題などで、メディアの脚光を浴びました。2001年には、平井堅、米倉涼子らとともにベストドレッサー賞も受賞しています。 しかし華やかに見えるその半生は、挫折と試練の連続でした。 父親の元忠は大阪ミナミで有線放送の会社を興し、裸一貫、全国を制覇した立志伝中の人物です。ところが無断で電柱に有線のケーブルを引いたり、ライバル会社のケーブルを切ったりという悪どいやり方は、息子である康秀に巨大な負債となってのしかかります。 やっとのことで有線放送の会社をブロードバンド事業へと導いた宇野の手腕。しかしこれからという時に、リーマンショックによって経営は暗転し、融資を受けた銀行団との壮絶なバトルが始まるのでした。 起業家の資質とは何か、起業精神の本質はどこにあるのか。 壮大な事業に挑んだ宇野元忠、康秀父子の生き方を軸に、若き日の孫正義、三木谷浩史、藤田晋、村上世彰ら、錚々たるベンチャー創業者たちの興亡の歴史を鮮やかに描きます。
  • 恋とそれとあと全部
    3.9
    1巻1,500円 (税込)
    【電子書籍特典付き】カバーイラストを手掛けたゴルさんによる特別描きおろしイラストと住野よるさんの「電子特典用メッセージ」を収録! 片想い男子とちょっと気にしすぎな女子。二人は友達だけど、違う生き物。 一緒に過ごす、夏の特別な四日間。 めえめえ(瀬戸洋平)は下宿仲間でクラスメイトの女子サブレ(鳩代司)に片想いをしている。 告白もしていないし、夏休みでしばらく会えないと思っていた。そのサブレが目の前にいる。 サブレは夏休み中に遠方にあるじいちゃんの家に行くのだが、それはある"不謹慎な"目的のためだった。 「じゃあ一緒に行く?」 「うん」 思いがけず誘われためえめえは、部活の休みを利用してサブレと共にじいちゃんの家を目指す。 夜行バスに乗って、二人の"不謹慎な"そして特別な旅が始まる――。 恋という気持ちが存在する、この世界に生まれてしまった全てのあなたへ。
  • ジェンダー・クライム
    3.8
    『悼む人』『永遠の仔』の著者が贈る、ノンストップ・クライムサスペンス。 誰もが容疑者。誰もが当事者。 性にまつわる犯罪……ジェンダー・クライムは連鎖する。 土手下に転がされていた男性の遺体。 暴行の痕が残る体には、メッセージが残されていた。 「目には目を」 なんと男の息子は、3年前に起きた集団レイプ事件の加害者だった――。 次々現れる容疑者、そして新たな殺人。 罪を償うべきは、あなたかもしれない。 天童荒太の原点回帰にして、記念碑的作品!
  • 空と風と時と 小田和正の世界
    4.2
    あの頃の時代へ連れてゆく、76年の音楽人生の記録 1970年のデビュー以来、伝説の10日間日本武道館公演などで知られるバンド「オフコース」として約20年間活躍し、その後、ソロとなり、数多くのヒット曲や心に沁みる楽曲を作り、歌ってきた小田和正さん。 2023年8月、史上最年長アリーナツアーの記録を更新。76歳となった今でも、ライブに駆けつけるファンは年間30万人を超え、広いアリーナを縦横無尽に駆け抜けながら3時間近くのライブを精力的に展開しています。 そんな小田さんの人生について、詳しく語られたことはありませんでした。 本書では、著者が約20年をかけ、小田さんの幼少期からの音楽人生を、本人を中心に取材。学校の帰り道、同級生だった鈴木康博さんとビートルズの歌をハモる楽しさを知り、音楽の道へ。13人しか観客が来なかったコンサートなど、二人のオフコースの下積み。五人のオフコースとなり、スーパーバンドに成長していく中での鈴木さんの脱退、そして四人のオフコースになるも解散……。当時のレコード業界やレコーディング風景、「さよなら」「眠れぬ夜」「YES-YES-YES」「ラブ・ストーリーは突然に」など数々の名曲の誕生秘話も明かされます。 著者は元オフコースのメンバーである鈴木康博さん、清水仁さん、大間ジローさん、松尾一彦さんにも取材。盟友・吉田拓郎さんから見る「人間・小田和正の魅力」や、初期のファンクラブ会員だった作家の川上弘美さんが見た2人のオフコース時代も読みどころの一つです。 ストイックなまでに、自分の理想とする音楽を追求してきたアーティストの一大叙事詩ともいえる記録です。
  • 真夜中の密室
    3.9
    わが名は〈解錠師〉。 いかなる鍵も錠前も僕の敵ではない。 名探偵ライム、3年ぶりの新作。 ボーン・コレクター、コフィン・ダンサー、ウォッチメイカー、スキン・コレクター、そして……。 名探偵ライムに頭脳戦を挑むのは、密室に煙のように忍び込む怪人〈解錠師/ロックスミス〉。 怪人VS名探偵の興奮に満ちた現代謎解きミステリの新傑作。 〈ロックスミス〉と名乗る男が夜のニューヨークに跳梁していた。厳重に鍵のかかった部屋に侵入し、住人に危害を加えることもなく、破った新聞紙に書いたメッセージを残して去った。犯人はいかにして短時間で錠を破ったのか。犯行は無差別なのか、それとも被害者を結ぶ線があるのか。この奇怪な犯人の真の目的は何か。ニューヨーク市警からの依頼で、四肢麻痺の科学捜査の天才リンカーン・ライムが捜査に乗り出した。だがライムは警察内部の政争にまきこまれ、別件の裁判での失態を機に契約を解除されてしまった。このまま捜査を続行すれば逮捕される危険すら……。 密室を破る怪人〈ロックスミス〉VS現代の名探偵リンカーン・ライム。警察も敵に回り、犯罪組織に命を狙われながらも、名探偵はあくまで知力で戦いに挑む。そしていくつもの事件と謎と犯罪がより合わさったとき、多重ドンデン返しが華麗に発動する! ――ウォッチメイカーを思い出してるでしょ。 ――この二人は似た者同士だ。どちらも利口で、戦術に優れている。いわば闇の芸術家と呼べる点も似ている。それにどちらも機械式の装置に妄執を抱いている……。 “怪人VS名探偵”の興奮に満ちた現代謎解きミステリの新傑作。
  • 50歳になりまして
    4.0
    後ろ向きに考え抜いたその先には、 人生後半戦を明るく照らす 私の「ガンダーラ」があるはずだ! コロナ禍の変化、更年期のとまどい、そして老後の話…… 話題沸騰の「留学の話」を含む、書き下ろしエッセイ集。 40代になって仕事がゆる~りと減り始め、一大決心してレギュラー番組に休みをもらい、大好きな部屋を引き払って留学する予定だった2020年4月。しかし、緊急事態宣言が発出されて、留学を断念、家なき子の仕事なき子になってしまって……。 「東京に行けばすべてが叶う」と妄信して上京した18歳の時と同じような気持ちで決めた、50歳目前の新しい挑戦=留学。今年の夏にカナダ留学にリトライしよう、という新しい目標を決めて、留学するまでのことを23本のエッセイに。 40代最後の年の決意、コロナ禍に妹の家で過ごした居候生活、「イーーーーーーー!!!」となるくらい大好きな手芸のこと、更年期を迎えようとしている心と体の変化、なぜカナダだったのか、来年30周年のコンビのこと……。同世代にとって、そしてちょっと生き辛さを感じているさまざまな世代の人たちがクスっと笑えて、「あなたもですか」と共感しつつ元気をもらえるエッセイ集です。
  • ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒
    4.5
    60人超の証言者が語る、沢田研二ノンフィクションの決定版 1970年代。音楽、ファッションが革新を遂げ、ポップスが花開く。その中心には必ず、彼がいた。 バンドメンバー、マネージャー、プロデューサー、共に「沢田研二」を創り上げた69人の証言で織りなす、圧巻のノンフィクション。 「週刊文春」人気連載、単行本化。
  • 襷がけの二人
    4.1
    1巻1,900円 (税込)
    オール讀物新人賞で注目を浴びた新鋭、初の長編小説 裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。 「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。 「千代。お前、山田の茂一郎君のとこへ行くんでいいね」 親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。 実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様という立場に。 夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、 元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。 やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、 不思議な縁で、ふたたび巡りあうことに…… 幸田文、有吉佐和子の流れを汲む、女の生き方を描いた感動作!
  • 三国志名臣列伝 蜀篇
    4.0
    関羽、張飛、諸葛亮、趙雲……。 「めずらしいほど無垢な人」と部下に慕われた劉備に、 どこまでもついていった男たちの純情と覚悟!  いまも愛される英雄たちの挽歌。
  • いけない II
    4.1
    大きな話題を読んだ”体験型ミステリー”第2弾。 第一章「明神の滝に祈ってはいけない」 桃花はひとり明神の滝に向かっていた。一年前に忽然と姿を消した 姉・緋里花のSNS裏アカウントを、昨晩見つけたためだ。 失踪する直前の投稿を見た桃花には、 あの日、大切にしていた「てりべあ先生」を連れて 姉が明神の滝に願い事をしに行ったとしか思えない。 手がかりを求めて向かった観瀑台で桃花が出会ったのは、 滝の伝説を知る人物だった。 第二章「首なし男を助けてはいけない」 夏祭りの日、少年は二人の仲間を連れて大好きな伯父さんを訪ねる。 今夜、親たちに内緒で行う肝試し、その言い出しっぺであるタニユウに 「どっきり」を仕掛けるため、伯父さんに協力してもらうのだ。 伯父さんは三十年近くも自室にひきこもって、奇妙な「首吊り人形」を作っている。 その人形を借りて、タニユウの作り話に出てきたバケモノを出現させようというのだ。 第三章「その映像を調べてはいけない」 「昨夜……息子を殺しまして」。 年老いた容疑者の自白によれば、 息子の暴力に耐えかねて相手を刺し殺し、 遺体を橋の上から川に流したという。 だが、その遺体がどこにも見つからない。 必死で捜索をつづける隈島刑事は、やがてある「決定的な映像」へとたどり着く。 彼は先輩刑事とともに映像を分析しはじめ―― しかし、それが刑事たちの運命を大きく変えていく。 そして、書き下ろしの終章「????????はいけない」 ――すべての謎がつながっていく。前作を凌ぐ、驚愕のラストが待つ! 各話の最終ページにしかけられたトリックも、いよいよ鮮やかです。
  • 三国志名臣列伝 魏篇
    3.7
    「劉備抹殺」を曹操に献言した男 「劉備を殺すべきです」と献言された曹操は「わが懐にはいった窮鳥をどうして殺せようか」と言った。三国時代最強の魏、七人の名臣!
  • 邪教の子
    3.7
    1巻1,700円 (税込)
    この家はまともな場所ではない。ここは邪教の巣だ。だから私たちは彼女を救い出す。『ぼぎわんが、来る』の気鋭がニュータウンを舞台に描く、戦慄のサスペンススリラー。
  • 人類最年長
    4.0
    1巻1,629円 (税込)
    江戸が東京になって、日露戦争、関東大震災、東京大空襲、そして平成の終わりまで、たったひとりで生き抜いた男がいた。 男は1861年3月13日、横浜で生まれた。 とても成長の遅い子どもで、3歳になるまでまともに歩けず、ゆっくりと時間をかけて成長してからは、人並みに結婚もした。 何度も死に損なったけれど、それなりに人生を楽しんで、あらゆるものを見てきた。 五千円札の女と懇意になったり、朝鮮人狩りから少女を救ったり、ヤミ市の少年たちに自活の道を施したり、不死化細胞の研究に協力させられたり、数奇な運命とともに生きた。 この男、159年にも及ぶ人生最後の望みとは? 30歳の女性看護師に何を託すのか。 さあ、夢見るようなタイムスリップが始まる! 文壇の鬼才が世に問う、圧倒的なイマジネーションと構築力による衝撃の書。
  • 墜落
    3.8
    1巻1,900円 (税込)
    貧困、基地、軍用地主……「沖縄の闇」に踏み込み、知られざる本当の沖縄の姿をフィクションによって抉り出す問題作! 入念な沖縄取材で明らかになった暗部が、白日の下にさらされる。 2022年6月金城華が夫の一を刺殺。DVに耐えかねた妻が夫を殺した単純な事件として解決するはずだったが、担当検事となった冨永真一は不審を感じ、みずから捜査に乗り出す。 ほぼ時を同じくして糸満市で自衛隊の戦闘機の墜落事故が発生。民間人が死亡したことで、軍事基地が集中する沖縄では、 抗議デモが巻き起こる。それに加え、航空自衛隊きってのエースパイロットによる事故は、単なる操縦ミスとは考えられない。戦闘機に何らかの不備があったのではないかと疑念が湧くが…… 一見何の関係もない、二つの事件。だが、双方の担当となった冨永が捜査を進めていくと、そこには思いもかけない接点が浮かび上がる。 かつてない臨場感で沖縄の闇に迫る、冨永シリーズ第三弾にして最高傑作が誕生!
  • ここじゃない世界に行きたかった
    4.1
    あたりまえに生きるための言葉を取り戻す。 出会うべき誰かと強く惹かれあうために――。 アメリカ在住のエッセイストが贈る、瑞々しいデビュー作! 「バズライター」が自分を取り戻すために綴り続けた文章は、ゆっくりと静謐で美しかった。ここじゃない場所へ移動できないときにも、世界を閉ざさないためのしなやかな本がある。 ――ブレイディみかこ 日本の内側にも外側にもぽんぽんと弾んで飛びだしてゆく、ゴムまりを思わせるエッセイ集。まっすぐに思索し、いまという時代を映す勇敢なゴムまりである。 ――江國香織 SNS時代の求愛方法/エシカル消費とBLMの繋がり/ホラ吹グリーンウォッシュ/ポストラグジュアリーの潮流/大統領選、青と赤のあわいにある色たち/ミニマルな働き方/とびきり美しい傘/「良いことでは飯が食えない」への終止符を……etc. note等で大反響を呼んだエッセイを大幅に改稿し、書き下ろし6篇を加えた一冊。 世界の諸問題への視点と生活への美意識が胸を打つ、〈多様性の時代を象徴する〉新世代エッセイ集!
  • しをかくうま
    3.3
    1巻1,599円 (税込)
    第45回野間文芸新人賞受賞作 「東京都同情塔」が芥川賞を受賞して更なる注目を集める著者が、 ほとばしる想像力で描く、馬と人類の壮大な歴史をめぐる物語。 太古の時代。「乗れ!」という声に導かれて人が初めて馬に乗った日から、 驚異の物語は始まる。この出逢いによって人は限りなく遠くまで 移動できるようになった――人間を“今のような人間”にしたのは馬なのだ。 そこから人馬一体の歴史は現代まで脈々と続き、 しかしいつしか人は己だけが賢い動物であるとの妄想に囚われてしまった。 現代で競馬実況を生業とする、馬を愛する「わたし」は、人類と馬との関係を 取り戻すため、そして愛する牝馬<しをかくうま>号に近づくため、 両者に起こったあらゆる歴史を学ぼうと 「これまで存在したすべての牡馬」たる男を訪ねるのだった――。
  • 小さな声の向こうに
    NEW
    -
    現代社会でかき消されがちな小さな声に耳を澄ませる―― なにかを美しいと感じると呼吸が深くなる―― 深い感動を呼んだデビュー作『ここじゃない世界に行きたかった』から3年。 総フォロワー数15万人超のSNSで、ライフスタイルから社会に対する問題提起まで、独自の視点が人気を博す著者が贈る新世代エッセイ集! 不妊治療の日々、ポカリスエットの少女たち……大反響noteからよりすぐった珠玉のエッセイ―― ・秋の夕暮れ、桔梗の花 ・古く美しい暮らしは、なぜ消えた? ・弱った心にてきめんに効く、欲しかった言葉 ・スープストックで休ませて ・“意識高い系”おんなともだち ・“Farsickness”それは遠い場所への憧れ ・誰もが静寂の奏者となるこの場所で……etc. 現代社会でかき消されがちな小さな声に耳を澄ませると、新しい景色が見えてくる。 日常が静かに輝き出す“読むセラピー”本がここに。
  • 負けへんで! 東証一部上場企業社長vs地検特捜部
    4.1
    検察は正義ではなかった 無実の罪によって逮捕され、創業した会社を失い、248日間にわたり勾留された男が、完全無罪を勝ち取るまでの全記録。 ●プレサンス元社長冤罪事件とは? 2019年12月、大阪の不動産ディベロッパー、プレサンスコーポレーションの山岸忍社長は、業務上横領容疑で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、以後248日間にわたり勾留された。しかし特捜部の捜査はずさん極まりないもので、一審で無罪。大阪地検が控訴を断念するほどの「完勝」だった。検察の見立てはまったくの誤りで、ここまでひどい捜査は珍しく、第2の村木事件と称される冤罪事件となった。 ●上場企業の社長が逮捕されたとき、何が起きる? プレサンスコーポレーションは東証一部上場、売上2000億円企業だった。その創業社長が逮捕された影響はすさまじかった。株価は急落し金融機関は資金をストップ。瞬く間に会社は危機に陥った。打てる手は自分の辞任のみ――山岸氏は拘置所の中から辞任届を提出。さらにライバル企業のトップと拘置所の面会室で会い、上場企業の売却を進めたのだった。 ●録音・録画が明かした密室の取調べ 本書は事件の発端から、山岸氏と、元検事・元判事・刑事弁護の専門家・企業法務の専門家などの最強弁護団が完全無罪を勝ち取るまでを、描出するものだ。特に、大阪地検の証拠捏造事件の結果導入された可視化策により、録音・録画された検事の取調べの様子を、膨大な努力によって解析したことは大きかった。法廷で、初めて密室での検事の取り調べの模様が明らかになったのは画期的だった。そこでは罵倒、恫喝、脅迫まがいの取り調べが堂々と行われていたのだった。
  • アイスネルワイゼン
    3.5
    32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わず方向へと転がっていく――。静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作(第170回芥川賞候補作)。 選考委員の絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作「アキちゃん」を併録。「すべての結果としてこの作品は、新人離れした堂々たる手腕を示すことになった」(川上未映子氏の選評より)
  • コメンテーター
    4.2
    1巻1,700円 (税込)
    あのトンデモ精神科医・伊良部が17年ぶりに復活! 直木賞受賞、累計290万部の「伊良部シリーズ」、17年ぶりの新刊です。 低視聴率にあえぐワイドショーのスタッフの圭介は、母校のつてで美人精神科医をコメンテーターとしてスカウトしようとする。が、行き違いから伊良部とマユミが出演することに。案の定、ふたりは放送事故寸前のコメントを連発するが、それは暴言か、はたまた金言か!?
  • ぼくは青くて透明で
    4.0
    1巻1,700円 (税込)
    高校一年の夏、ぼくは彼に恋をした。 「ぼく」(羽田海)は、血の繋がらない継母の美佐子さんと二人暮らしをしている。 ぼくが高校一年の夏に、美佐子さんの仕事の都合で引っ越しをすることになった。 前の町で美佐子さんが勤めていた印刷会社が倒産したのだ。 幼いころは父さんと母さんがいたけれど ぼくが六歳のときに母さんは家を出ていき、 その後、美佐子さんと結婚した父さんもどこかに行ってしまった。 勉強も好きじゃないし、運動も得意じゃない。 いつか美佐子さんとも離れなくちゃいけない。 そんなとき、「ぼく」は、転校先の高校で忍と出会った……。出会ってしまった。
  • 米澤屋書店
    3.9
    『満願』『王とサーカス』で「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」の国内部門1位でミステリーランキング3冠を2年連続で達成。 いま最も次回作が待ち望まれるミステリ作家・米澤穂信。 次々と魅力的な謎を生み出す作家の頭の中はどうなっているのか? 米澤さんの頭の中を満たしてきたのはどんな本たちなのか。 作家生活20年の節目に、米澤さんの心を捉え、人気ミステリ作家を形作ってきた本を一気見せ。 米澤さんが20年にわたって、様々な媒体に書きためてきた書評やお勧め本を一冊にまとめました。 「思うさまに大好きなミステリをお勧めしたい」という米澤さんの強い思いから、特別書き下ろし「私の心を捉えて離さないミステリ」(120枚!)&オリジナルコメンタリー(180枚!)収録。 米澤穂信ファン、ミステリファン、これからミステリ作家を目指す未来の書き手必携の一冊。
  • ロスト・イン・ザ・ターフ
    4.0
    1巻1,700円 (税込)
    著者の新境地! 競馬愛にあふれるラブ・コメディー 競馬はロマンだ! 競馬を愛してやまない著者が贈る夢の物語。 亡き兄が遺した競馬バーを営む倉本葵。ある日、大井競馬場で芦毛の9歳の牡馬・ウララペツを見かけるなり一目惚れする。ウララペツは名馬として名高いメジロマックイーンの最後の産駒だった。 だがほどなく、戦績の振るわないウララペツは引退することに。このままでは、ウララペツは食肉にされる……。葵はウララペツを買い取って馬主となり、種牡馬にしようと決意する。ところが次から次へと難題が――。 葵、メジロマックイーンの血筋を残したいと熱望する常連客やウララペツの元馬主など、馬をこよなく愛する男女が奮闘しつつ、恋のさや当てにも興ずるラブコメディー。
  • 神の呪われた子 池袋ウエストゲートパーク19
    4.4
    1巻1,800円 (税込)
    インチキ教祖から宗教2世の少女を救い出せ! ウイスキーバブル、過激な推し活、連続強盗団……停滞する日本で起こっているトラブルに、マコトが立ち向かう。シリーズ第19弾。 女子高生のルカは、父親が亡くなり、新興宗教「天国の木」に走った母親に養育放棄されている宗教2世だ。 マコトや自身も宗教2世だった子ども食堂の主催者・アズはルカに親身に接するが、彼女が教祖の目に留まり、花嫁候補に選ばれてしまう。 さらに、教団には教祖直属で荒事を請け負う部署があり、マコトたちに悪質な嫌がらせを仕掛けてくる。 マコトとタカシは、Gボーイズを動員し、ルカを救い教団をたたく計画を練るが……。 表題作のほか、投機目的で高騰するビンテージ・ウイスキーを狙うバイヤー、過激な推し活をする〈私生(サセン)〉、 闇バイトの連続強盗団が登場。難破船さながらの日本で起きている事件を鮮やかに切り取る全4編。 目次 大塚ウヰスキーバブル 〈私生〉流出 フェイスタトゥーの男 神の呪われた子
  • 中野のお父さんと五つの謎
    4.2
    あの文豪の、こんな謎も、お父さんが解決! 高校国語教師の父と体育会系文芸編集者の娘の“名探偵コンビ”が、 本や小説に潜む「謎」に挑む人気シリーズ第4弾。 「日常の謎」の名手であり〈本の達人〉による5編。 【収録作品】 ●漱石と月 英国留学中の漱石が〈I love you〉を〈月が綺麗ですね〉と翻訳したのは 根拠のない都市伝説のようなもの。だがそのエピソードは独り歩きして、 多くの作品に影響を与えている。 いったいどうして、〈I love you〉と〈漱石〉が〈月〉に繋がるのか……。 ●清張と手おくれ 『点と線』といえば大ベストセラーにしてロングセラー、 松本清張の代表作のひとつだが、 本格ミステリファンからは「失敗作」だと評判が悪い。 『点と線』にまつわる知られざるエピソードとは? ●「白波看板」と語り 鬼平シリーズ前に初めて長谷川平蔵が登場したのは短編「白波看板」。 この作品はかつて、三遊亭圓生が人情噺として口演していたという。 そこに見られる言葉の“改変”。 これは作家によるものか、あるいは噺家の独断か……。 ●煙草入れと万葉集 若き日の圓生の間違いを指摘した久保田万太郎。 その間違いとは、“十二煙草入れ”についてだった。 どうやらその昔、“十二煙草入れ”というものがあったようだ。 しかしいったい、十二煙草入れとはどういうものなのか?  ●芥川と最初の本 敬愛する漱石の本に使われていた書家を、自身の初めての本『羅生門』にも 起用したいと考えていた芥川龍之介。 その思いが強く表れた装丁はどういうものだったのか。
  • 日本の戦後を知るための12人 池上彰の<夜間授業>
    4.2
    現代日本を形作ったキーパーソン12人を語りつくす! 田中角栄、渡邉恒雄、ホリエモンに池田大作、上皇陛下まで……、毀誉褒貶ありつつも戦後日本を決定づけた人々を池上解説。 2018年から文藝春秋西館で行われた「〈夜間授業〉池上彰“戦後”に挑んだ10人の日本人」をもとに構成・編集。講義で実際に出たQ&Aも収録し、改めて基本から現代史の重要人物たちを知ることができます。 「戦後日本」に対峙し、変革をもたらした型破りな人々の“功罪”で学ぶ現代史講義。 第1回 田中角栄 今、見直される理由 第2回 江副浩正 情報社会の開拓者 第3回 小泉純一郎 断言する“変人”政治家 第4回 中内功 価格破壊の風雲児 第5回 渡邉恒雄 読売帝国の支配者 第6回 堤清二 詩人経営者の血脈 第7回 村上世彰と堀江貴文 金儲け至上主義と国策捜査 第8回 石原慎太郎 暴言と思いつきの長期都政 第9回 池田大作と創価学会 政教分離と自公連立 第10回 上皇陛下と上皇后・美智子さま 象徴天皇としての試行錯誤 (目次より)
  • 雨だれの標本 紅雲町珈琲屋こよみ
    3.3
    新しい展開を予感させる、シリーズ第11弾! お草が営む珈琲豆と和食器の店・小蔵屋が、 高名な映画監督の新作の撮影候補地になった。 店員の久実や常連客たちは色めき立つが、 お草は店の通常営業ができなくなると、乗り気になれない。 だが監督と面会すると、その件とは別に、お草は別のお願いをされる。 彼に大きな影響を与えた古い映像作品を作った、ある無名の男を 捜してほしいというのだ。わずかな情報とおぼろな記憶を頼りに、 お草は男の姿を追うが――。彼はいったい誰なのか?
  • 宙わたる教室
    4.6
    1巻1,700円 (税込)
    定時制高校の教室に「火星」を作り出す――胸が熱くなる青春科学小説 東京・新宿にある都立高校の定時制。 そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。 負のスパイラルから抜け出せない二十一歳の岳人。 子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。 起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。 中学を出てすぐ東京で集団就職した七十代の長嶺。 「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、 理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、 学会で発表することを目標に、 「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。 『月まで三キロ』『八月の銀の雪』著者がおくる、 今年一番熱い青春科学小説!
  • 闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由
    3.6
    叩かれてもうまくいかなくても、しなやかに強く輝き続ける方法 私はずっと、私のためだけに存在する 私の椅子が欲しかった―― 一条ゆかり(漫画家) めげず腐らず、花を咲かせた 13人の女たちに聞いた「私」の見つけかた。 ――――――――――――― よく知られている13人の女性たちが歩んだ道について聞いた、初のインタビューエッセイ。 つまずきにもめげず腐らず、自分らしい花を咲かせた女性たちに、初めから特別な人はいませんでした。 *毎日働いて、明日にバトンをつなぐだけで精一杯 *「自分なんて」とつい諦めてしまう *人生が上手くいく人は自分とは違う人 *自分を信じることができない人… そんな女性にもぜひ読んでほしい1冊です。 ■お話を聞かせていただいた13人 齋藤薫/柴田理恵/君島十和子/大草直子/吉田羊/野木亜紀子/浜内千波/辻希美/田中みな実/山瀬まみ/神崎恵/北斗晶/一条ゆかり 「週刊文春WOMAN」連載を加筆・編集したインタビューエッセイ!
  • むき出し
    4.0
    1巻1,599円 (税込)
    小さい頃から、殴って、殴られるのが普通だった。誰も本当のことを教えてくれなかった。なぜ自分だけが、こんな目にあうんだろう――上京して芸人となった石山の前に現れる、過去の全て。 ここにいるのは、出会いと決断があったから。 著者渾身の、初小説。  優しい眼差しが  純粋な言葉が  誠実な覚悟が  重要な小説を生んだ。  (又吉直樹)
  • そして誰もゆとらなくなった
    4.4
    『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第三弾にして完結編。 怒涛の500枚書き下ろし! 頭空っぽで楽しめる本の決定版! 修羅!腹痛との戦い 戦慄!催眠術体験 迷惑!十年ぶりのダンスレッスン 他力本願!引っ越しあれこれ 生活習慣病!スイーツ狂の日々 帰れ!北米&南米への旅etc…… 一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。 楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る一冊です。
  • 神様は返事を書かない スポーツノンフィクション傑作選
    5.0
    「Sports Graphic Number」を主な舞台に、 野球、サッカー、プロレス、競馬など、 さまざまなスポーツを描き続けた阿部珠樹さん。 2015年に逝去するまでに発表した900篇以上の記事から傑作を厳選。 最後の4割打者の独白。全米を席巻したトルネードの記憶。 日本一足の速い少女が選んだ人生。強すぎて憎まれた横綱。 競馬史に残る大穴を開けた14番人気の伏兵。 観客席からあらゆるスポーツを見つめ続けた スポーツライターが遺した珠玉の42篇。 【主な収録作品】 第一章 伝説 テッド・ウィリアムス 神様は返事を書かない 金田正一/張本勲/王貞治 超人たちの瞬間 イチロー 210安打の戦慄 ブルース・リー 李小龍よ永遠に―― 第二章 肉声 長嶋茂雄、日本野球を語る 松井秀喜 進化して行く自分 野村克也 絶対に負けたくない敵だった 長州力 ピュア・ソルジャー 第三章 北の湖 憎まれた横綱 小林繁と江川卓“悲劇のヒーロー“流転の31年間 高津臣吾 野球の果てまで連れてって 三沢光晴のルーツを辿る 第四章 頂上の記憶 阿萬亜里沙 アリサは帰ってきた 神サマになりそこねた男 木田勇の短か過ぎた栄光 ダイユウサク 単勝配当 13790円 大西直宏 18年目のダービー 第五章 ゲームの分け前 未完の完全試合 山井大介“決断”の理由 アジアカップ準々決勝ヨルダン戦 奇跡には理由がある メジロマックイーンvsトウカイテイオー 2強激突の果て 第六章 野茂英雄 野茂英雄 引退、そして野球人生を語ろう 野茂英雄 17奪三振の野性と緻密
  • ハダカの東京都庁
    3.6
    1巻1,400円 (税込)
    ・小池都知事の会見で指名されるのは、お気に入りの記者ばかり ・小池都知事が執務室で最も熱心なのは、ワイドショーのチェック ・「再就職」という名の天下りの実態 ・謝罪会見のお辞儀の静止時間と角度は決められていた! ・都庁職員はネット見合いで大人気! ・家庭持ちの男女、管理職同士の不倫が横行 ・東京都庁の所有不動産は、実は一等地ばかりだった…… ・(株)はとバス、(株)東京メトロ……優良企業ばかりの「都庁ホールディングス」 ・粛清人事、密告奨励、隠浪費……「女帝」の大罪 東京都庁に30年以上勤め、知事のスピーチライター、人事課長を務めた元幹部が、 実際に見て聞いた、その驚くべき内幕。 鈴木、青島、石原、猪瀬、舛添、小池……歴代都知事の人物評付き!
  • 三匹のおっさん ふたたび
    4.3
    1巻1,361円 (税込)
    “ご近所限定”正義の味方、見参! 剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械をいじらせたら右に出る者なしのノリ。「還暦くらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか!」と、ご近所の悪を斬るあの3人が帰ってきた! 書店万引き、不法投棄、お祭りの資金繰りなど、日本中に転がっている身近で厄介な問題に、今回も三匹が立ち上がる。ノリのお見合い話や息子世代の活躍、キヨの孫とノリの娘の初々しいラブ要素も……。有川浩の大人気シリーズ、還暦ヒーロー活劇第2弾! 北大路欣也主演でTVドラマ化。
  • 星のしるし
    3.3
    1巻1,017円 (税込)
    世界はしるしに満ちていて、もろく、美しい――。『春の庭』で第151回(2014年上期)芥川賞を受賞した柴崎友香の傑作! 30歳を目前にした会社員・果絵と、その恋人、友人、同僚、居候らが大阪の街を舞台に織りなすゆったりとしたドラマ。祖父の死、占い、ヒーリング、UFO、宇宙人……。日常の中にごくあたりまえにあるいくつもの見えない「しるし」が、最後に果絵にひとつの啓示をもたらす。繊細で緻密な描写力によって、世界全体を小説に包みこむ方法を模索してきた、純文学の世界で最も注目される作家の集大成的作品です。
  • 解散ノート
    4.7
    BiSH解散まで、リアルタイムで綴った生の記録 絶大な人気を誇りながら、2023年6月29日をもって解散したガールズグループBiSH。彼女たちが「解散宣告」された2019年11月22日から、東京ドームを超満員にしたラストライブまでの3年半の日々を、メンバーの一人モモコグミカンパニーがリアルタイムで、つぶさに書き留めていた。 小説を2作、エッセイを2作、作詞は17曲担当し、現在も幅広い活動を続ける彼女が、大きな苦悩と喜びに満ちた3年半を赤裸々に綴った、等身大の生の記録。
  • Schoolgirl
    4.2
    1巻1,500円 (税込)
    第166回芥川賞候補作!令和版「女生徒」 どうして娘っていうのは、こんなにいつでも、 お母さんのことを考えてばかりいるんだろう。 社会派YouTuberとしての活動に夢中な14歳の娘は、 私のことを「小説に思考を侵されたかわいそうな女」だと思っている。 そんな娘の最新投稿は、なぜか太宰治の「女生徒」について――? 第126回文學界新人賞受賞作「悪い音楽」を同時収録。
  • 燃えよ剣
    4.5
    司馬遼太郎による国民的ベストセラー、映像化に合わせて待望の新装版刊行。 俺は今日から武士になる――。 佐幕派と倒幕派が対立する幕末の激動期。 武州多摩のバラガキだった土方歳三は、近藤勇、沖田総司らとともに、 幕府徴募の浪士組にまじって、京へ向かう。 京都守護職御預の名のもと、「新選組」を結成。 副長・土方は厳しい局中法度を定め、類のない苛烈な軍事集団を創り上げ、 池田屋事件などで、世にその名を轟かせていく――。 しかし、薩長同盟成立で、時流は一気に倒幕へ。 土方は最後まで激しく抵抗、夢と信念を貫き、江戸、会津、箱館へ向かう。 稀代の男の生涯を巧みな物語展開で描いた、傑作長編。 〈名著が一冊で読める、大変お得な決定版!〉 司馬さんによる「あとがき」、原田眞人監督による特別寄稿「そびえ立つ歴史的遺産『燃えよ剣』を映画化して」を収録。 ※本書は、一九九八年九月に刊行されたノベルス判の新装版です。
  • アメリカひじき・火垂るの墓
    3.5
    アメリカ人夫婦が遊びにくる――にわかに甦る敗戦前後の記憶とあやしげな日米親善、そして屈折したアメリカに対する心理をユニークな文体で描く「アメリカひじき」。昭和二十年九月、三宮駅構内で死んだ浮浪児が持っていたドロップ罐のなかに収められた白い骨。それにまつわる兄妹の哀しい記憶を綴った「火垂るの墓」。昭和四十二年下期直木賞受賞作の二作品に加え、「焼土層」「ラ・クンパルシータ」「プアボーイ」など、“焼け跡・闇市派”の異名をとる著者の代表作を収めた。
  • Number 甲子園ベストセレクションI 9人の怪物を巡る物語
    3.8
    PL学園のKKコンビ・桑田真澄と清原和博、怪物・江川卓、平成の怪物・松坂大輔、ゴジラ・松井秀喜、孤高の天才・ダルビッシュ有、規格外の存在・大谷翔平、“ハンカチ王子”斎藤佑樹、若きスター・清宮幸太郎――甲子園を沸かした9人の球児。1年生コンビでの活躍と運命のドラフト、伝説の名勝負・横浜vs.PLの真実、真剣勝負ゆえに生まれた5敬遠など、怪物や天才たちが甲子園で何を考えていたのか、彼らに挑んでいった監督、選手の思いなど、甲子園を巡る26の物語。「Number」誌上で話題となった記事を収録した「甲子園ベストセレクション」!
  • 鬼平犯科帳「血頭の丹兵衛」【文春e-Books】
    無料あり
    4.2
    2017年1月から放送されるアニメ「鬼平」第一話の原作となった短編。 「血頭の丹兵衛」と名乗る怪盗が江戸市中を荒らしまわっていた。 盗みに入った家の人間を皆殺しにする残虐な手口に、江戸っ子は恐れおののき、 たまりかねた当局は長谷川平蔵を火付盗賊改方へ戻した。 かつて鬼平に捕らえられ、牢に押し込められている「小房の粂八」は、 役宅に戻った平蔵の顔を見ると、意外なことを口にした。 「いまお膝もとを荒らしているやつは、にせものの血頭の丹兵衛でございますよ」 そして粂八は、ある決心をする。 <「鬼平」と言われながら、実はまったく鬼ではない、悪人のことを徹底的に やっつけるんだけれど、悪い奴らの中にも何かを見つけていくという鬼平の すべてを表現しているような気がする> (アニメ「鬼平」丸山正雄プロデューサー) 鬼平の世界の全体像が伝わってくる一編。

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  • 愛が嫌い
    3.5
    1巻1,527円 (税込)
    おおきくなる、つよく逞しく、この夜を越えてゆけ。 自分の、ひとつひとつの輪郭がぼやけて、危機感をもてないまま 今日も一日をやり過ごす。就職して恋愛結婚して、その先に何があるだろう。 地震に金融崩壊。カタストロフに満ちた社会で、丁寧な明日をうまく保てない。 ある日、夜の川のたもとで出会った少年。女友達の幼い子ども。 そして舞い込んできたルームメイト。時を重ねて、夜の時間がほどけてゆく。 黄昏日本の、みずみずしさをたたえた青春物語。 「しずけさ」「愛が嫌い」「生きるからだ」の3作を収録した 新芥川賞作家の飛翔作。
  • 愛が挟み撃ち
    3.8
    1巻1,223円 (税込)
    劇団・五反田団主宰の劇作家・前田司郎の芥川賞候補作! 愛とは何か? 愛は存在するのだろうか。愛が信じられない男をめぐる三角関係 36歳の京子と、もうすぐ40歳の俊介。 結婚して6年目の夫婦の悩みは、子どもができないことだ。 愛なんてこの世にないかもしれない。 でも、京子に子どもが生まれたならば。 検査の結果、不妊の原因は俊介にあり、しかも治療の余地さえないという。 二人の間に子供が出来ることは永遠にない。 諦めきれない俊介が提案したのは、驚くべき解決策だった。 男二人と女一人。 過去が思いがけない形で未来へと接続される、危うい心理劇。
  • 愛されてんだと自覚しな
    3.7
    『いなくなれ、群青』の著者が描く、最高にポップなファンタジー 恋人と再会するため千年の輪廻を繰り返す杏。今はルームメイトと共に満ち足りた日常を満喫中……のはずが、封印した神が顕現し――!?
  • アイドル受験戦記 SKE48をやめた私が数学0点から偏差値69の国立大学に入るまで
    無料あり
    4.3
    東進ハイスクール講師・安河内哲也氏推薦! 「人間なんていつだって変われる。ゼロからでもやればできる!」 ――その日私は髪を切り、スマホをガラケーに替えた。 アイドルグループSKE48の五期生に合格したのは中学三年生の秋だった。 小学生時代から習ったダンスの実力が功を奏し、同期で最初に選抜メンバーいり。 紅白出場も果たして充実した毎日だった。 しかし……忙しくて学校にはほとんどいけない。 悩んだ末に大学進学を決意し、高2の冬にSKEを卒業した。 だが、進級さえ危ぶまれた成績は壊滅的。 髪をバッサリ切り、スマホをガラケーに変え、一日十数時間の怒涛の受験勉強が始まった! だが、高3の6月、模試の数学は0点だった……。 そして迎えたセンター試験。 受験は、青春だ! カバー・扉などに撮り下ろしフォトを収録。 アイドル時代の自撮り写真など貴重なプライベートショットや、テスト成績表も掲載!
  • 葵のしずく
    3.0
    徳川慶勝、一橋茂栄、松平容保、松平定敬―― 徳川の傍流に生まれて幕末、維新の波に翻弄された 悲運の高須松平家・四兄弟。 彼らの近くにいて、激動の時代に 「生きる選択」をした女性たちを描いた物語。 新田次郎文学賞、本屋が選ぶ時代小説大賞をW受賞した『葵の残葉』に連なる作品です。
  • 赤い砂を蹴る
    3.9
    1巻1,400円 (税込)
    社会派作品で評価の高い劇作家・石原燃による小説デビュー作にして、第163回 芥川賞候補作! 「――お母さん、聞こえる? 私は、生きていくよ。」 幼くして命を落とした弟。 心ない世間の声に抗い、それでも母は自由に生きた。 画家の母・恭子を亡くした千夏は、母の友人・芽衣子とふたり、ブラジルへ旅に出る。 芽衣子もまた、アルコール依存の夫・雅尚を亡くした直後のことだった。 ブラジルの大地に舞い上がる赤い砂に、母と娘のたましいの邂逅を描く。 渾身のデビュー小説!
  • 赤塚不二夫生誕80年企画 バカ田大学講義録なのだ!
    3.7
    『天才バカボン』『おそ松くん』などのギャグ漫画で知られる赤塚不二夫。その生誕80年を記念して、バカボンのパパの母校である「バカ田大学」の講義を、なんと東京大学で開講! 美術家、ミュージシャン、学者、作家、演出家、本物の東大教授などなど、豪華12組の講師による「赤塚不二夫スピリット」がビンビン伝わる熱い講義を一冊に。 読んでリッパなバカになるのだ! シェー! 講義内容 泉麻人「シェーとは何か?」/みうらじゅん「人生論」/久住昌之「旅はよそ見と道草でいいのだ」/会田誠「僕のバカアート」/鴻上尚史「コミュニケイションの達人になれるといいのだ」/坂田明「役立たずの在り方とミジンコについて」/茂木健一郎「創造性のバカちから~天才の方程式」/三上寛×宇川直宏「飢えた子供の前でコニャニャチハは有効か?」 養老孟司「バカと天才の壁」/喰始「バカの力!」/浅葉克己「デザインを血肉化する」/河口洋一郎×原島博「漫画とデジタルコンテンツ」/赤塚りえ子「おわりに~『リッパなバカ』になるために」
  • 阿川佐和子のこの棋士に会いたい(文春ムック)
    3.9
    「週刊文春」大好評連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」の30年近い歴史のなかから、 棋士が登場する11の対談を収録。 羽生善治、渡辺明、谷川浩司、森内俊之、佐藤康光、佐藤天彦、先崎学、杉本昌隆、瀬川晶司、そして米長邦雄……。 将棋の天才たちの本音に迫る抱腹絶倒、珠玉のトーク。 〈空前の将棋ブームである。 発端となったのは、なんといっても藤井聡太氏の出現であろう。 この天才棋士が生まれる背景と、その歴史を築き、 彼を育んできた偉大なる先輩たちの思いと功績を これほど綴った本は、この一冊をおいて他にはないと思われる。たぶんね。〉 (阿川佐和子「はじめに」より) 【目次】 杉本昌隆 「彼が小学二年生のときからタイトルを取ることは 確信していたので全然驚かない」 先崎学 「将棋の世界を継続させることの大事さを 後輩に伝えたくて飲みに連れて行くんです」 佐藤康光 「まだ藤井聡太さんの本当の強さは引き出されていない気がします。 今後、タイトル戦に出ると……」 佐藤天彦 「将棋は、何十手先まで読む力より、 少し先の局面がいい形になるか見極められる力が重要」 羽生善治 「投了って非常に難しいんですよ。 他の人だったらまだ続けるというケースもあるし」 森内俊之 「羽生さんに名人を獲られたら楽になって、 半年後に竜王と王将を獲ったんです」 米長邦雄 「女房が言ったんです。『あなたは勝てません。 若い愛人もいない男が勝てると思いますか』」 瀬川晶司 「取材が増え続けたので、マスコミも みんな僕の応援団と思うようにしました」 谷川浩司 「羽生さんが別の世界の人に 見えたこともあります」 渡辺明 「小さい頃からの目標を達成して、 喜びで頭が真っ白になってしまった」 渡辺明&伊奈めぐみ 「マンガのエピソードって実話なの」(渡辺) 「若干、盛ってるけど、普段からメモはしてるよ」(伊奈)
  • あきらめない男 重度障害を負った医師・原田雷太郎
    -
    新潟県上越市にある介護老人健康施設「サンクス米山」で施設長を務める医師がいる。原田雷太郎。今年還暦を迎える内科医だ。彼は約100人いる入居者の健康管理を一手に引き受けている。一人ひとりの様々な状況を把握し、健康な日常、幸せな最期を迎えられるように、原田は毎日、真摯に患者と向き合う。  これだけ聞くと、やさしい真面目な普通のお医者さん像が浮かぶ。たしかに原田は真面目でやさしいお医者さんだ。ある一点を除いては……。  原田は13年前、46歳のとき、持病である糖尿病の合併症で突然意識を失い、自宅の階段から転落する。その結果、脊椎を損傷し、首から下が動かなくなる。わずかに動くのは右手の人差し指と親指だけという重度障害者となったのだ。今でも原田の首から下は動くことはない。  普通なら、、一生、寝たきりで暮らすはずだった。しかし、原田は、重度の障害を負っても、社会人として生きること、そして、医師として生きることをあきらめなかった。幸いないことに、頭脳の機能は失われなかった。昔と違って、テクノロジーはかなり進歩している。ハイテクの車いす、ノートパソコンなどを駆使すれば、内科医として生きていくことは可能なはずだ。  原田は苦しいリハビリを乗り越え、医師として現場に復帰する。もちろん、介助は必要だ。ベッドから車いすに移るだけでも3人の力が要る。そうした援助には深い感謝の気持ちを持っている。しかし、患者さんにとってもっともよき医師となっている。これは奇跡の物語ではない。また、障害者と社会といった大きなテーマを扱ったものでもない。「あきらめない男」の努力のドキュメントなのだ。
  • アキレウスの背中
    3.5
    1巻1,900円 (税込)
    公営ギャンブル対象のマラソンレースで、世界記録を狙うトップランナーに脅迫状が! 国際テロリスト集団が、襲撃を仕掛けてきた。 標的は日本人最速ランナーと、ランニングギアの開発をめぐる機密情報。 警察庁は極秘に、特別編成の組織横断チームMITを立ち上げた。 MITを率いる女性刑事は、ランナーを守れるか。 直木賞候補作『アンダードッグス』の著者による圧巻のノンストップ・サスペンス。
  • アジア発酵紀行
    5.0
    発酵はアナーキーだ!「茶馬古道」からインド最果ての地へ至る壮大な旅 アジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ! ――高野秀行(ノンフィクション作家)                        自由になれ――各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。 ――平松洋子(作家・エッセイスト) ・驚異の“高地サバイバル”発酵食〈チベットのバター茶〉  ・謎の漢方麹×プリミティブ蒸留でつくる〈リス族の白酒〉 ・ヴィンテージほど価値が高い、微生物発酵のプーアル茶 ・納豆コケカレーにどぶろくを合わせるネパールの発酵×スパイス文化 ・インド最果ての地で、アジア最古の糀文化を守り続けてきた一族……etc. 前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。
  • アスベストス
    3.5
    1巻1,800円 (税込)
    何で自分が? 長い時間をかけて迫りくる「静かな時限爆弾」・石綿(アスベスト)によって奪われた平穏な人生。 仙台、ロンドン、東京、尼崎――自身も患者である作家が現場を歩いて綴った連作小説。 かつて建築資材などに広く使われていたアスベスト(石綿)。 その細かい繊維を肺に吸い込むことで、長い潜伏期間を経て肺がんや中皮腫を発症することから、「静かな時限爆弾」とも呼ばれる。 著者は若い頃、電気工事工として働く中、現場でアスベストを吸い込み、今なお後遺症を抱えている。 その経験をノンフィクションとして、『石の肺―僕のアスベスト履歴書』に書いたが、本書はその小説版と言える。 仙台、ロンドン、東京、尼崎とアスベストの被害に苦しむ人びとの運命を綴った連作小説集。 行政の対応が後手に廻り、結果として弱い個人が犠牲となっていく構図は、コロナ禍にも通じるものがある。
  • 新しい星
    4.2
    1巻1,500円 (税込)
    直木賞候補作、高校生直木賞受賞作『くちなし』から4年―― 私たちは一人じゃない。これからもずっと、ずっと 愛するものの喪失と再生を描く、感動の物語 幸せな恋愛、結婚だった。これからも幸せな出産、子育てが続く……はずだった。 順風満帆に「普通」の幸福を謳歌していた森崎青子に訪れた思いがけない転機―― 娘の死から、彼女の人生は暗転した。離婚、職場での理不尽、「普通」からはみ出した者への周囲の無理解。 「再生」を期し、もがけばもがくほど、亡くした者への愛は溢れ、「普通」は遠ざかり……。(表題作「新しい星」) 美しく、静謐に佇む物語 気鋭の作家が放つ、新たな代表作!
  • あなたの空洞
    3.2
    地震のあと、日本を捨ててさっさと帰った外国人を“flyjin”と言うらしい。でも自分は、そこから意思を持って逃げるでもなく、意思を持ってとどまるでもない。新しい(らしい)日本の上にぷかぷかと浮いている、ふらいじんだ――。 人々の悩みは変わらない。いつ結婚する、誰と結婚する、子供ができたらどうする、できなかったらどうする、母の遺骨をどうする……。けれどもあれ以来、確実に意識の底に沈んだものがある。そんな悩める人々の日常に誠実に寄り添った4つの物語。
  • アニメ「鬼平」原作 鬼平犯科帳セレクション【文春e-Books】
    4.3
    2017年1月よりテレビ東京系や時代劇専門チャンネルで放送されるアニメ「鬼平」。 その原作となった全12話を集めました。 主人公・長谷川平蔵の奔放な青春時代や、妻・久栄の秘められた過去、 同心・木村忠吾の意外な一面、おまさ、粂八といった密偵たちの来歴など、 主要登場人物のキャラクターが分かる話を集めた鬼平入門に最適の一冊。 【収録作品リスト】 「血頭の丹兵衛」 『鬼平犯科帳(一)』収録 「本所・桜屋敷」 『鬼平犯科帳(一)』収録 「暗剣白梅香」 『鬼平犯科帳(一)』収録 「血 闘」 『鬼平犯科帳(四)』収録 「谷中・いろは茶屋」 『鬼平犯科帳(二)』収録 「盗法秘伝」 『鬼平犯科帳(三)』収録 「瓶割り小僧」 『鬼平犯科帳(二十一)』収録 「大川の隠居」 『鬼平犯科帳(六)』収録 「泥鰌の和助始末」 『鬼平犯科帳(七)』収録 (アニメ第9話「わかれ道」は「泥鰌の和助始末」の前編) 「むかしの男」 『鬼平犯科帳(三)』収録 「あきれた奴」 『鬼平犯科帳(八)』収録 「狐 火」 『鬼平犯科帳(六)』収録
  • アニーはどこにいった
    3.3
    スティーヴン・キングが賛辞を贈る新鋭、 恐怖と驚愕を増量して前作『白墨人形』をしのぐ傑作。 ホラーか? ミステリか?  いや、これは恐怖と驚愕を両立したホラー・ミステリの傑作なのだ。 妹アニーに起きた忌まわしい出来事が再び起こる。そう告げる不吉なメールで ぼくは故郷に呼び戻された。ぼくの前任の教師は、「息子じゃない」という血文字を残して 息子を惨殺したという。その血文字にこめられた真意を、ぼくは知っている。 8歳のアニーが姿を消したのは、ぼくが友人たちとともに探検に行った鉱山跡の洞窟でのことだった。 あの夜、あそこで恐ろしいことが起きた。そしてそのあとアニーにもっと恐ろしいことが起きたのだ……。 過去の忌まわしい記憶と、現在の忌まわしい事件。友人の不可解な自殺。惨劇の家で起こる怪異。 封印した恐ろしい記憶。それらがすべて明らかとなり、ひとつになるとき、 恐怖に満ちた真相が姿をあらわす! 恐怖と驚愕を見事に融合させた新鋭の傑作。
  • あの子はもういない
    3.8
    噴出する激情、容赦ない暴力、異形のディテール。 これぞ韓流“激辛”サスペンスの真骨頂だ。――千街晶之(ミステリ評論家) 韓国発の弩級エンタメ「K(Korean)スリラー」が日本上陸! ――少女の生活のすべては、無数のカメラに監視されていた。 離れて暮らす高校生の妹が、突然姿を消した。それも、同級生の少年が不審な死を遂げたのと同時に。それを殺人事件と見た警察は、妹を重要参考人として追いはじめた。妹の身に一体何が起きたのか。その足跡を追うべく、私は妹の家を訪れた。 母の死を機に離れ離れになって以来、そこは妹が父と二人で生活している家……のはずだった。だが、クローゼットに仕舞われているのは、高校生が着るには小さすぎる服ばかり。しかも、父が暮らしていた形跡がどこにもない。この家はなにかがおかしい……。そんな違和感の中で、私は見つけてしまった。居間や勉強部屋、さらにはバスルームにまで、家中に取り付けられている無数の監視カメラを――。 誰にも予測できない物語は、ノンストップで衝撃のラストへと一気に駆け抜ける。息もつかせぬ韓国スリラーがここに誕生した。
  • あの日、ジュバは戦場だった 自衛隊南スーダンPKO隊員の手記
    -
    「見て、聞いて、記録する。それが私の任務だった。」 廃棄された「日報」よりリアルな、自衛隊の行動全記録 2016年7月8日。南スーダンの首都、ジュバで激しい衝突が起きた。 国連の平和維持活動(PKO)が行われているさなかだった。 自衛隊PKO活動の今後のために教訓となるデータを収集する、 という任務を担っていた著者は、個人ノートに克明な記録をとり始める。 その後、市ヶ谷では戦闘があったという事実を隠ぺいする「日報問題」が起こり、 2017年、陸上自衛隊は南スーダンから撤退。防衛相は辞任した。 あの時、ジュバで、何があったのか? 自衛隊は、なぜ、何のために、そこにいたのか? 祖国を遠く離れ、危険と隣り合わせながら人知れず奮闘努力した 全派遣隊員の心情を代弁する覚悟の手記。
  • 安倍・菅政権vs.検察庁 暗闘のクロニクル
    3.9
    1巻1,599円 (税込)
    人事介入の全貌が明らかに! 11月25日、衝撃のノンフィクション 緊急出版!! 【内容紹介】  2016年夏。官邸は検察庁が提示した「人事案」を拒否。かつてない異例の“人事介入”により、検察内には衝撃が走った。以来、4年間にわたり「官邸vs.検察庁」の人事抗争が勃発! 2020年黒川検事長の定年延長問題に至るまで知られざる暗闘が繰り広げられる。  安倍晋三、菅義偉、杉田和博……政権中枢による人事介入の全貌を、数々のスクープを放った検察取材の第一人者が極秘情報を駆使して描き出す衝撃のノンフィクション。 【本書で明かされる新事実】  ■「あいつは勘違いしている」菅首相が漏らした検事総長への怒り ■ 官邸と検察が結んだ“密約”と“裏切り”の真相 ■「きっと失敗するだろうな」賭け麻雀で辞職した黒川元検事長の本音 ■ 突然の追放劇! 検察のプリンスと法務大臣の確執 ■ 初めて明かされる「定年延長」閣議決定までの舞台裏 ■「甘利事件」「森友事件」を検察が不起訴にした本当の理由 ■ 周囲の説得を拒否! 検事総長の椅子にしがみついた男    ……など 【目次】 序章 毒が回った政権 第1章 黒川と林、そして稲田 第2章 16年夏――事務次官人事への介入 第3章 17年夏の陣――黒川続投 第4章 17年冬の陣――3度目の正直を拒んだ上川法相 第5章 官邸の守護神の実像 第6章 苦肉の策 第7章 河井捜査とコロナ禍騒動 第8章 法務・検察の迷走 第9章 「決着」と「総括」 あとがき
  • 雨の日のイルカたちは
    3.4
    突然死した最愛の夫。悲しみに追い討ちをかけるかのように発覚した、愛人の存在──。「この作品集には、『9・11後の世界』という大まかなテーマで書き継いできた四つの作品を収めている。信じられる確かなものがなくなってしまった。その喪失感、寄る辺なさ、空虚さ、不安定さなどを、それぞれの作品の主人公たちもまた抱え込んでいる。彼らの物語を書き継ぐことで、私は自分がこの世界で生きていることの、小さな足がかりを作りたいと思った。(著者)」
  • アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
    3.8
    10億ドルかけてGMがつくった電気自動車はなぜ消えた? 年収360万円の若者に2億円も貸し付けて焦げ付いたサブプライムローン! 避妊方法を教えない「絶対禁欲教育」って何……、泥沼化したイラク戦争から帰国した兵士はどうなった? 生活費に困った未亡人がキッチンで風邪薬から覚せい剤を合成? 大統領選は相手候補の中傷合戦……。ありえない! と笑いながらも、惨憺たる医療保険や破綻した年金問題は、明日の日本の話じゃないかとヒンヤリする1冊。
  • ありがとうだよ スミちゃん 欽ちゃんの愛妻物語
    -
    欽ちゃんの亡き妻への“ラブレター” 最後にぼくはこう言いたい――。亡くなって今夏で三年になる妻・澄子さんへの思いをはじめ、欽ちゃんの名言満載のエッセイ集。
  • ありがとう、わたし 乃木坂46を卒業して、心理カウンセラーになるまで
    4.5
    乃木坂46に1期生として加入した中元日芽香さんは、「ひめたん」の愛称で多くのファンに愛された人気絶頂の中、アイドルとしての活動を停止します。 実はこの5年ほど前、アンダーメンバーの頃から、彼女には異変が起きていました。摂食障害(過食症)を経験したのです。選抜入りどころか、なかなかアンダーの最後列から前に行けないストレスが、彼女を食べ物に向かわせたのです。 ようやく選抜メンバーに上がり、今度は1列目を目指す、という時期に彼女は、仕事を楽しめていないボロボロの自分に気づいたのです。家から出られない、涙が止まらない、リハーサルに行けない、笑えない、喋れない、伏し目がち……。ついには休業を余儀なくされました。医師の診断は「適応障害」でした。 それからの彼女の大きな支えとなったのは、カウンセラーの言葉でした。 「(カウンセリングで)あなたは秀でたものが何もないと言ったけれど、五年間も頑張り続けてきたことがすごいことだと思うよ。誰もができることじゃないんじゃないかな」 「今まで自分が泣けなかったから、代わりに身体が泣いてくれていたんだね。辛かったでしょう。頑張ったね」…… 日芽香さんは心身が回復していくにつれ、カウンセリングに魅力を感じはじめます。そしてカウンセラー養成スクールに入り、カウンセラーとして、自分の辛かった経験を生かす道を歩みはじめました。 アイドルとして何を感じ、いかにして適応障害を乗り越え、人の悩みを受け止める立場になったのか――。日芽香さんのこれまでの思いを余すところなく綴る、初の書下ろし作品です。 乃木坂46樋口日奈さん推薦!
  • ある愛の寓話
    4.1
    1巻1,800円 (税込)
    村山由佳 デビュー30年記念作品 原点回帰にして到達点。猫、犬、馬、人形など、異質な存在との交歓によって導かれるカタルシス、圧倒的な熱量をはらんだ作品集です。 収録作品 晴れた空の下 同じ夢 世界を取り戻す グレイ・レディ 乗る女 訪れ
  • アローン・トゥゲザー  [分冊版]
    -
    一人息子を妊娠して以来、夫とはセックスレス。このままでは三十代の十年間を一度もセックスしないですごすことになる、と思った皆子は、同じような境遇の男性と関係を持つことを決意する。 ※この電子書籍には、単行本「MILK」所収の短篇「アローン・トゥゲザー」が収録されています。
  • アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち
    4.5
    ファイターズが総工費600億円を投じて完成したES CON FIELD HOKKAIDO。 資金調達、建設地探し……無数のタスクに立ち向かい、 大志を形にした男たちの物語。 ――あなたの心にフロンティアはありますか? 『嫌われた監督』『虚空の人』著者による感涙ノンフィクション! 【著者略歴】 ノンフィクション作家。1977年千葉県生まれ。名古屋外国語大学卒業後、 日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を16年経験。 2016年に退社し、Number編集部を経て現在フリー。 『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』でミズノスポーツライター賞、 大宅壮一ノンフィクション賞、講談社 本田靖春ノンフィクション賞、 新潮ドキュメント賞を受賞。最新刊に『虚空の人』(ともに文藝春秋刊)。
  • 家で死ぬということ ひとり暮らしの親を看取るまで
    4.5
    命の終わり、その場所はどこがいいですか? 住み慣れた自宅で幸せな最期を迎えるために。 親子の絆を探す3年間の遠距離看取り体験記。 (目次) 第1章 看取りのはじまり 第2章 介護保険が打ち切られた 第3章 コロナ禍の葛藤 第4章 父と娘の終末期 第5章 臨終まで 第6章 看取り後の気づき 〈父は入院も施設入所も拒み、住み慣れた家でひとり暮らしをつづけた。 私は終末期の父に付き添い、介護し、 死にゆく傍らでその一部始終を見ていた。(中略) あくまでも個人的な体験ながら、父と私に降りかかったさまざまな出来事を ありのままに綴りたい。父と同じように住み慣れた家で最期を迎えたい人、 家族を在宅で看取りたいと思う人たちに「家で死ぬ」というリアルを伝え、 真に納得した最期が訪れるよう、本書が一助となることを願っている〉 (「はじめに」より)
  • ペットショップ無惨 池袋ウエストゲートパーク18
    4.0
    1巻1,700円 (税込)
    動物の命を犠牲にする大人たちに、マコトの怒りが爆発する ヤングケアラー、外国人労働者、マッチングアプリ…いま池袋で起こっているトラブルにマコトが立ち上がる。大人気シリーズ第18弾。
  • いじめの聖域 キリスト教学校の闇に挑んだ両親の全記録
    4.8
    2017年4月、長崎海星高校2年の男子生徒が首つり自殺した。いじめを示唆する遺書が残され、後に加害者の実名が記されたノートも発見された。  親族のみでひっそりと葬儀を終えた両親に対し、学校の教頭は自殺を「突然死」や「転校」に偽装することを提案する。学校がいじめを隠蔽しようとしているのではないかと疑問を持った両親は、息子がいじめを苦に自殺したことを全校生徒や保護者に伝え、再発防止に努めてほしいと要望する。  学校は自殺の原因を調査する第三者委員会を設置するが、第三者委がいじめと自殺の因果関係を認める結論を出すと、その報告書の受け入れを拒否する。両親が2019年2月に記者会見してその事実を公表すると、全国的な大きなニュースとなった。 だが、その後も、報告書を受け入れて再発防止策を履行するように県の指導を受けながらも、学校が態度を改めることはなかった。  そして、両親の会見から3カ月後、長崎海星高校では新たな自殺者が出た――。
  • イスタンブールで青に溺れる 発達障害者の世界周航記
    4.0
    ASD(自閉スペクトラム症)と ADHD(注意欠如・多動症)とを 併発した文学研究者が 世界を旅するとどうなるのか? コミュ障、フロー体験、脳内BGM、キマイラ現象、依存症、発達性協調運動症…… ゆく先々の土地で、“ゆらめく身体”と世界文学が溶け合い、 前人未到のワンダーランドが立ち上がる異色の「当事者紀行」本。 ・ウィーンの夜道を“反復”徘徊し、月面世界と接続する ・グラナダの“フロー体験”とヴァージニア・ウルフの『波』 ・美しきソニアと村上春樹をめぐるマインドワンダリング ・カサブランカ――“砂塵の水中世界”とムーミン谷…etc. 圧倒的に美しく、知的興奮に満ちたハイパートラベル当事者研究! 「脳の多様性」(ニューロダイバーシティ) の時代における、発達障害の新しい可能性がここに。
  • 異端者
    3.5
    1巻1,527円 (税込)
    波の音が聴こえる海沿いの家で、老境に達しようとする男が、自らの人生に思いをめぐらせている。 そこには毒がある。蜜もある。禁断と倒錯のエロティシズムの果てに、甘くて危険な秘密が横たわっている……。 純文学作家として高い評価を受けながら、バイオレンスロマンの流行作家へ華麗なる転身を遂げ、官能文学の第一人者として長く君臨している作家・勝目梓。 近年は『小説家』や『老醜の記』などの私小説でも高い評価を受けている。 「さながら古酒の樽の栓を抜いたような、風味豊かな独白体」 逢坂剛が「朝日新聞」書評で作品を絶賛したが、石田衣良、小池真理子、山田詠美、重松清、北方謙三など、その作家性にリスペクトを寄せている作家も多い。 八十歳を超えて、さらに円熟味と凄みを増し、デビュー40年記念作品として書き上げた短篇集の「あしあと」に続いて、本格的な書き下ろし作品を発表する。 近親相姦、同性愛、SMなど、禁忌の性愛も描きながら、小説ならではのカタルシスに誘われる。 本物の作家による衝撃の長編小説である。
  • 1985 猛虎がひとつになった年 (Sports Graphic Number PLUS(スポーツ・グラフィック ナンバー プラス))
    4.2
    1985年に日本一となった阪神タイガース、このシーズンの対巨人戦、甲子園でのバックスクリーン3連発はいまや伝説となっている。あれから30年、本書では吉田元監督をはじめコーチ、主力選手はもちろんのこと、グラウンドキーパーやウグイス嬢に至るまで数多くの関係者に取材し、球団史上初の日本一がどのように成し遂げられたかを明らかにしている。
  • イチロー・インタビューズ 激闘の軌跡 2000-2019
    4.3
    その言葉も一流。イチローの肉声に酔いしれる 引退後の独白まで過去二十年「ナンバー」に掲載されたインタビューを全収録。二〇一〇年刊行「イチロー・インタヴューズ」の増補版。
  • イチロー実録 2001-2019
    3.0
    イチローはメジャーでなぜ成功したのか。 2001年、海を渡ったイチローの18年に及ぶ戦いを、最も近くにいた番記者が 取材ノートをもとに紐解いていくノンフィクション。 自分で決めたことを継続する。常識を疑う。成功体験をぶっ壊してまで、自らの感性を大切にする。信念を貫く。 それら彼のプレーヤーとしての在り方は、最後まで同じだった。 「道具やトレーニングが進歩しているのに、人間が変わらないのはおかしい」と話し、本気で「51歳まで現役メジャー」を 目指そうとした。他人に笑われようが、ケチを付けられようが、そこに可能性がある限り、最善を尽くすのが彼の生き方だった。 (プロローグより)

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