サイレントシンガー

サイレントシンガー

1,900円 (税込)

9pt

著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。

内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。たったひとりの家族であるおばあさんが働いているあいだ、幼いリリカは野辺の老介護人に預けられて育った。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。

やがてリリカは歌うことを覚える。野辺の重要な行事である“羊の毛刈り”で初めて披露された彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか?

名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。

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サイレントシンガー のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    またしても独特の世界観を体験させてくれた。おばあさんと主人公リリカは野辺に住む。無口で手話と異なる独特の指言葉を使って会話する野辺の人たちの売店で仕事をするようになる。その売店も独特。客と顔を見て接客することはない。そこに通い続ける料金所の男性と親しくなる。リリカはボイトレを受け、その講師から仮歌の

    0
    2026年01月01日

    Posted by ブクログ

    「内気な人たちの会」を称する男の人ばかりの共同生活の場、「アカシアの野辺」で育った女の子リリカの話。リリカは歌を歌う。名もない、後世にも残らない、誰もリリカぎ歌ったとは気づかない空気に溶けていく歌を歌う。おばあさんと、介護人と、羊の毛刈り係と、歌の先生と、羊と人形たちと、料金係さんとリリカの、静謐を

    0
    2025年12月25日

    Posted by ブクログ

    この本を読んでしずかでいること、それを自分に許せた。感情を何かで表現したり、人に分かりやすく話をしたり。そうでなくても、自分の中でしずかに感じること。あらたな道がひらけた気持ち。

    0
    2025年12月03日

    Posted by ブクログ

    リリカは野辺にいるサイレントシンガー。題名の意味はわかっていく。とても静謐な守られている場所。
    美しい歌が目立つことはない、そのことがこの物語をシンプルかつ美しいものにしているように思えた。

    0
    2025年11月18日

    Posted by ブクログ

    アカシアの野辺に住む人たち、そしてリリカのこと。きっといつか忘れてしまう、でもそれでいいのだろう。

    少しの隙間に潜むおどろおどろしさや、日々の暮らしの傲慢さ、加えてとても綺麗な結晶のようなものを見せてくれる。

    0
    2025年10月14日

    Posted by ブクログ

    内気な人々が集まり生活する集落で、赤ん坊の頃から育った女性が主人公。

    一般社会の騒々しさに疲れ、言語を操ることなく、特別な指言葉で必要最低限のコミュニケーションをとる人たちの生活は、極端に慎ましく静かだ。
    自分の色を出さない、どこにでも自然に溶け込んでしまう歌声をもつ主人公は、そのコミュニティが心

    0
    2025年10月12日

    Posted by ブクログ

    無限の沈黙が美しい 
    『内気な人の会』の会員が住むアカシアの野辺。正確で丁寧で心のこもった指言葉を使う。
    リリカは無言でいるもののために歌う。
    長い時間を丁寧に綴った静かな物語はとても繊細で美しかった。

    0
    2025年12月05日

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんらしい、静かな文章。
    読んでいて心が落ち着きます。
    本の中の世界がとても優しくて愛おしく、
    読み終えたとき、自然と涙が流れました。

    0
    2026年01月04日

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんの描く静かな世界。
    リリカは、“内気な人の会“と称する人達に囲まれて育った。彼らは言葉を話さず、指言葉で最低限の会話をする。
    言葉を尽くしても思いが伝わらずにもどかしいことがある。彼らが無言でも分かり合えて、思いが伝わる様子に心温まった。
    時折描かれる少しグロテスクな描写や、悲しい出来事

    0
    2026年01月02日

    Posted by ブクログ

    なんだろう不思議な物語
    大人の童話のような感じ
    沈黙の人達が住む土地で育ったリリカ
    母親が死に 祖母に引き取られ
    沈黙の人達の保健室で老介護人に
    世話され指で挨拶することを覚える

    自然と一体となり歌うことを覚え
    祖母も自然との関わり方を教えた
    自然と自分が一体化する
    そこで歌う自然とともに

    最後

    0
    2025年12月31日

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