掌に眠る舞台

掌に眠る舞台

1,815円 (税込)

9pt

「だって人は誰でも、失敗をする生きものですものね。だから役者さんには身代わりが必要なの。私みたいな」

金属加工工場の片隅、工具箱の上でペンチやスパナたちが演じるバレエ「ラ・シルフィード」。
交通事故の保険金で帝国劇場の「レ・ミゼラブル」全公演に通い始めた私が出会った、劇場に暮らす「失敗係」の彼女。
お金持ちの老人が自分のためだけに屋敷の奥に建てた小さな劇場で、装飾用の役者として生活することになった私。

演じること、観ること、観られること。ステージの彼方と此方で生まれる特別な関係性を描き出す、極上の短編集。

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掌に眠る舞台 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    舞台にまつわる(?)短篇集。
    それぞれに心の底で驚いたり、えーっと思ったり。
    そして最後は、ちょっと鳥肌が・・・

    0
    2024年10月30日

    Posted by ブクログ

    8編の物語が詰まった作品です。⁡
    もう、⁡とにかく、美しい。
    舞台を見終わった後のような感覚です。⁡
    景色、人物、心、思い…⁡
    ⁡そして、舞台という非日常が生み出すどこか面妖な世界…⁡
    ⁡とにかく全てが儚く綺麗な物語でした。⁡
    ⁡⁡
    ⁡中でも私が心掴まれたお話しは⁡⁡⁡…

    『ユニコーンを握らせる』

    0
    2024年02月05日

    Posted by ブクログ

    舞台×小川洋子×ヒグチユウコ。よりによって私の大好きな芸術3種の恐るべき盛り合わせに、私のために作ってくださったのですか?!と問いたくなる短編小説。どの短編にも舞台が必ず登場するのだが、趣がそれぞれ異なるだけでなく、小川洋子さんが書くとこうなるのか!という驚きに満ちた珠玉の8編…(まだ余韻が)。虚構

    0
    2023年01月09日

    Posted by ブクログ

    流石の安定感です。
    どの話も良かったです。
    オペラ座の怪人を、あんなに簡潔に分かりやすく説明するだけで星5つです。

    0
    2022年10月30日

    Posted by ブクログ

    あなたは、”装飾用の役者として生活”してくださいと言われたらどうするでしょうか?

    この世には数多の職業があります。厚生労働省による2022年時点の職業分類数は18,725種類にもなるようです。私たちは限られた人の一生の時間の中にそれら全てを体験することはできませんし、そもそもその全てを知ることもで

    0
    2024年10月16日

    Posted by ブクログ

    ちょっと独特な世界観のある小川さんの本.

    イメージとしては,ちょっと昔の,もしくはちょっと田舎の場所のお話.
    そのお話を,ある人の視点で眺めているような感触.

    人とは誰もがほんの少し歪んでいると思う.
    どんなに真っ当に見える普通に見える人でも,ある側面からある視点からある想いから見ると他人とは違

    0
    2024年08月27日

    Posted by ブクログ

    それぞれに小川洋子さんらしい味わい深い8篇だった。一作一作、余韻を楽しみながら読み進めていくのが正しい読み方のような気がしたが、一気に読んでしまった。暑い夏の連休の最終日、8つの世界に飛んで行け、幸せな休日を過ごせた。
    小川洋子さんの頭の中はどうなっているのだろう。よくこんな小説がいくつも書けるもの

    0
    2023年08月13日

    Posted by ブクログ

    「ユニコーンを握らせる」が1番好きだった。どのお話も薄暗くて湿っぽくて不穏な感じがあるのに、なんだか希望を感じずにはいられないのがとても不思議で好き。

    0
    2023年05月30日

    Posted by ブクログ

    私は、入学試験のためにローラ伯母さんの家に四泊した。伯母さんと言っても親族の中で誰とも血がつながっていなかった。祖父の先妻の連れ子という関係だった。親戚の中では、伯母さんは、「昔、女優だった人」と呼ばれていた。ローラは伯母さんの当たり役だったらしいお芝居の役名である。伯母さんの住んでる町に着いた。そ

    0
    2023年02月13日

    Posted by ブクログ

    舞台にまつわる短編集。いつもながらの静けさの中に漂う不思議な空気感が「あぁ、小川洋子さんを読んでいる…」と感じさせられる。

    ラ・シルフィードに魅せられる少女を世話する縫い係、昔女優だった叔母、失敗係と交通事故の女性、不思議なコンパニオン、馬車の本屋に罪悪感を持ち続ける男性、ヤモリ。どの主人公も過去

    0
    2023年01月15日

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