キモくて金のないオッさん問題。
もう一歩進めると、「能力」もないオッさん問題。
生まれ落ちたら、そこにしか辿りつかない人を、人はどんな罪で磔るのか。
「被害者」はどんな道理と筋で、それを告発、断罪できるのか。
「キモい」。それはイヤな気分だろう。
しかしそこに刃を向けることを許したら、後はグラデー
...続きを読むション。どこまで許すかを本当に線引きできるものは存在しない。
男性の生きづらさ、女性の卑怯さ、というような、今の時代、politicalに日の光を当ててはいけないことになっていることがらに向き合う佳作。
この問題を女性筆者が作品にしたことに、相互理解や協力の萌芽を感じた。
しかし。
男女、と大きく捉えると、政治的な、politicalな話として、追い詰められているものに寄り添う必要を感じたりもするが、追い詰められているそれぞれ個々を見ると、嫌悪感が先に立って、いずれに対しても距離を取りたいとしか思えないというものかもしれない。
究極は、全ての人々がほんの僅かの人の間、もしかしたら個人個人の単位でしか、相互扶助の前提となる同一性を感じられない。
それが世界が実態なのかもしれない。
と思った。