狭間の者たちへ

狭間の者たちへ

1,980円 (税込)

9pt

保険営業所に勤める藤原は、通勤電車で見かける少女に日々「元気」をもらっていた。ある日、同じ少女を盗撮する男との奇妙な交流が始まり――。痴漢加害者の心理を容赦なく晒す表題作と、介護現場の暴力を克明に刻む新潮新人賞受賞作を収録。愚かさから目を背けたいのに一文字ごとに飲み込まれる、弩級の小説体験!

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狭間の者たちへ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    痴漢文学。とても面白く読めた。通勤電車内の女子高生のニオイをかいで、『元気をもらう』中年男性が主人公。その電車内で痴漢仲間?との出会いもあり。気の毒な状況の主人公で同情してしまう感じもしたが、最後は・・・。痴漢はあかん。

    0
    2024年01月05日

    Posted by ブクログ

    中年男性が陥りそうな普遍的な苦悩。
    女性である私にも何かを突きつけられているように感じてとても辛かった。
    男性的な衝動と暴力性は誰の中にも眠っているのかもしれない。元気をもらっているだけ、仕方がなかった。そうやって自己欺瞞の末、行動に移すか移さないかには天と地の差があるけれども。

    女性著者が描いた

    0
    2023年08月05日

    Posted by ブクログ

    家庭や職場でのストレスのはけ口を
    満員電車の女子高生とか
    介護が必要な老人とか弱者に求め
    ゆっくりと静かに常軌を逸脱していく
    男の狂気にぞっとした。
    どんなに頑張っても報われず
    誰にも分かってもらえない
    孤独な現実から逃れるように
    妄想の世界へ入り込み
    どんどん異常をきたし、人が離れても
    自分で自分

    0
    2025年10月23日

    Posted by ブクログ

    人間の加害欲と被害者意識をここまで書くのがすごい
    安泰な社会生活を送れるのは自分の自制はもちろんで、加えて周りからの承認や暖かい思いやりなど心あるコミュニケーションなんだと考えさせられる
    でもそれを作り上げるのも自分であるわけで卵が先か鶏が先か
    尾を喰う蛇については、職場の雰囲気がリアルなのはさすが

    0
    2025年09月23日

    Posted by ブクログ

    読み終えた。身体の中によどんだ空気がたまっている気がして、大きく息を吐いた。
    「狭間の者たちへ」「尾を喰う蛇」のどちらの主人公も、今にも壊れてしまいそうなところをギリギリでなんとか持ちこたえていた。
    二人が叫び出すのはもう間近だと思う。

    0
    2025年08月06日

    Posted by ブクログ

    初読みの作家さん。初の単行本で、3作目となる「狭間の者たちへ」及び新潮新人賞を受賞した1作目の「尾を喰う蛇」の2篇を収録している。
    表題作は通勤電車で女子校生の“匂い”を嗅ぐ男が主人公。来店型保険会社で店長を務め、妻も子もある四十男がなぜ……という問いに明確な答えはない。家庭でも社会でも一定の責任を

    0
    2024年02月28日

    Posted by ブクログ

    仕事と家庭のストレスから痴漢行為に走る男性を描いた表題作と、病院で介護職に就いていてストレスから次第にある患者を虐待するようになる男性を描いた『尾を喰う蛇』の2作品を収録している。
    いやー辛い話だった。どちらの作品も、Twitterとかで女性蔑視思想を垂れ流してそうな有害な男性性を持つ男が主人公で、

    0
    2023年09月24日

    Posted by ブクログ

    キモくて金のないオッさん問題。
    もう一歩進めると、「能力」もないオッさん問題。
    生まれ落ちたら、そこにしか辿りつかない人を、人はどんな罪で磔るのか。
    「被害者」はどんな道理と筋で、それを告発、断罪できるのか。

    「キモい」。それはイヤな気分だろう。
    しかしそこに刃を向けることを許したら、後はグラデー

    0
    2023年09月14日

    Posted by ブクログ

    どちらの作品も自己正当化と他人のせいにする主人公で、ぎりぎりのところからアウトへ踏み込んでしまって終わるのではなく、その境目が曖昧で最初から最後までずっと危うい感覚でハラハラしました。

    0
    2024年03月05日

    Posted by ブクログ

    2作収録。『狭間の者たちへ』→チカン・アカン!!痴漢が主役の小説なんて共感できるわけないやん。主人公の中年男は通勤電車で女子高生の匂いを嗅いで勃起する。「触っていない」から自分は痴漢ではないという自覚。彼女から元気を貰っているだけ。キモすぎる。ただこの男の人生のどん詰まり感が凄まじい。仕事は無能、家

    0
    2024年02月15日

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