長くなった夜を、

長くなった夜を、

1,650円 (税込)

8pt

コールセンターで派遣社員として働く関本環。両親はともに高校教師で、環は幼いころから厳格な父親の教えに従い生きてきて、38歳になった現在も夜9時の門限を守っている。そんな環とは対照的に、両親に反発し自由奔放な妹の由梨は、離婚した夫との間に公彦という男児がおり、実家に戻ってパートとバイトを掛け持ちしながら暮らしている。環はそんな妹に代わり、公彦の世話をしているうち、居なくてはならないかけがえのない存在になっていた。そんな時、由梨は両親と決別し、実家を出てマンションで暮らし始める。公彦の様子が気になり、両親が寝静まった後、毎夜のように妹のマンションを見に行く環だったが、由梨が公彦を置いて男と出かけ行くのを目撃してしまう。心配の果てに、環は以前父が放った「ある言葉」に突き動かされ、突発的な行動に出てしまい――。家族というコミュニティーが抱える闇を露わにした問題作。


【著者略歴】
中西智佐乃(なかにし・ちさの)
1985年、大阪府生まれ、大阪府在住。同志社大学文学部卒業。2019年、「尾を喰う蛇」で第51回新潮新人賞を受賞。著書に『狭間の者たちへ』がある。

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長くなった夜を、 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    はじめましての作家さん
    救いがない!でもこういうのが読みたかった
    普通に暮らしていたはずなのに、子連れで出戻ってきた妹と暮らすようになり少しずつ歯車が狂っていく
    甥っ子の存在は癒しかと思いきや、あらたな生贄
    同僚やスナックママの気遣いがリアルな距離感でいい

    0
    2025年09月21日

    Posted by ブクログ

    ページ数少ないのに、ずっしりと重い。
    そりゃ、こんな育て方されても逆らえず、ずーっと従い続けていたら、どこかで歪みは出てくるよね。妹みたいに反発出来たら楽だったのに。親身になってくれる同僚がいて、そこだけが救い。

    0
    2025年06月03日

    Posted by ブクログ

    とてつもなく暗い。精神状態の悪い時には読まない方が良い。しかしながら一気読みしてしまう筆致には感心してしまう

    0
    2025年05月16日

    Posted by ブクログ

    親の教えという毒によってじわじわと精神を破壊されていく人間の様を見られる作品。
    二人称視点ならではの読み心地で、気づけばのめり込むように読んでました。

    0
    2025年05月09日

    Posted by ブクログ

    二人称小説は珍しいなと思った。
    とにかく内容が陰鬱すぎて、最後まで心の距離を取りながら読んでいた。
    長い夜が明けたら、きっと楽に生きていけるはずよ。そういう日は突然やってくる時がある

    0
    2025年08月07日

    Posted by ブクログ

    38歳、派遣社員、女。同居している両親はともに高校の教師だった人で、彼らに完全にコントロールされた人生を歩んでき、彼らの言うとおりに保育士になったものの、体調を崩して退職。現在も両親と同居、家事を担い、門限を守る生活をしている。母親の、保育士に戻らないのかという圧と、父親の、結婚して子供を産めという

    0
    2025年08月06日

    Posted by ブクログ

    親の言いつけを頑なに守り続けて、30代半ばになってもなお門限を守り続ける女性。
    甥っ子への歪な愛情。両親への渇望。
    「求められたい」という叫びが聞こえてくるような一冊でした。

    ところどころ、場面がどこなのかわからず困惑もしたけれど、「あなた」の頭の中だとするとなるほどなという感覚。

    0
    2025年07月24日

    Posted by ブクログ

    うーわー
    なんて暗い救いのない話なんだろう。
    読んでいて気分が悪くなった。
    でも、こーゆー人っているんだろうな

    0
    2025年06月01日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本当になんとなく見つけて手にとって、帯を見て、読んだら苦しい気持ちになるだろうなあと思って、それでも読んで、案の定そうなった。
    38歳実家暮らし・非正規雇用の環が、ネグレクト気味のシングルマザーの妹・由梨の息子・公彦の保育園の送り迎えをしたり面倒を見たりしているという話。38歳の娘に門限を強いる両親

    0
    2025年09月02日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    中西さんの作品が読みたくて2作目です。
    これは…結構感情にきました。苦笑
    ----------------------------------
    親からの「教育」という形の「暴力」。
    閉ざされた「日常」。

    三十八歳、独身、派遣社員。
    私には何もない。
    どうすべきか教えて欲しい。
    ----------

    0
    2025年07月21日

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