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Posted by ブクログ
橘の木に導かれていく一家の不穏な空気に、引き込まれて一気読み。
狂ったように子供を欲する女たちの熱量をそのまま受け取り、恵実の手によって子供を授ける橘の木。
その禍々しいエネルギーは、一家を翻弄し、一家の精気を吸い取っていく。
子供も授かりたい、授からねば自分の存在が無くなってしまう!という底知れぬ女性たちの熱量を小説にうまく取りこんで、人間の禍々しさと物言わぬ植物の不気味さが絡み合って、なんとも気持ち悪ーい世界を作り上げている。
なんで、子どもを産む事って,オカルトチックになってしまうんでしょう。
そういうノリはなんだかなぁと思ってるけど、小説にすると面白いですね。
Posted by ブクログ
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願いも恨みも幸福も。
ぐるぐる巻きで駆け抜ける、
女と家と木の一生。
こんなけ面白い騒動が、
圧倒的な耳のよさ、堂々たる文章で語られて、
こんなんもう、たまらんわ
川上未映子氏
第38回三島賞受賞作
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以前、同賞を受賞した「オールグリーンズ」が良くて。
本作も気になっていたのですが、
くたくたに疲れた金曜に立ち寄った書店で見つけ、
思わず手に取りました。
表紙からしてとても不穏。
今の私は仕事で精神がザワザワしてるため、
読めるか不安でしたが。
全く問題なく読めました。
そして圧倒されました。
家を購入したとある一家。
庭には橘の木が。
この木を守ることを約束として安価に譲り受けた土地。
そこで過ごす家族の話。
奇妙な感覚、薄寒い感覚、
気持ち悪いけれど、
なぜか他人事でない感覚が。
橘の木の存在が膨らみ、
家族の形が歪んでいく。
歪んだ先に群がる人々。
妊娠を、出産を、子どもを求めている人々。
わかりたくないけれど、
わかる気がする切実な願いと欲求。
ずっと悪い夢を見てる気分でした。
読後に著者のプロフィールを見たら、同い年で。
他の作品も読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
子孫繁栄の力を持つと謳い、スピリチュアルな稼業を営むことになる家族の物語。スピ要素を除いても、人間関係の不和にせよ、思春期の迷いにせよ、女の抑圧にせよ、いろんな要素が入っている。すべて不幸な形でだが。
ジェットコースター的に不幸が続くので、飽きることなく読める。ところで作者は大阪育ちの85年生まれだそうで、自分とは同い年で育った場所も同じである。
ただ、この世代は実はそこまで不幸な世代ではない(とされている)。生まれたときに親世代はバブル期の好景気であり、そのあとのバブル崩壊からの就職氷河期は小学生から高校生、ストレートに大学卒業した年はリーマンショック直前で就職活動は売り手市場とされていた。実はそうでないのだ、という話もあるが、世間からのイメージとしては間違っていないと思う。
本小説に出てくる兄妹はそれより10年ほど早い世代である。この設定は、より不幸の密度を上げるためなのではないか、と思ってしまうほど150頁のあいだずっと不幸である。
ただ、その不幸の質がとにかくベタである。(怪しい占い師に利用されるとか、父親が愛人を作って出ていくとか、就職氷河期で路頭に迷うとか、チンピラみたいな男に騙されるとか)
また150頁で50年の人生を描くには明らかに文量が足りていないのではないかと思う。
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小説・文芸